Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
今回はなんとか早めに更新できました。
FGOでは奏章Ⅲ中編が解放されましたね。
まだ私は前編をクリアしたばかり、これより中編に進みます!!
なんでも新たな新規サーヴァントが登場するとの事。そのサーヴァントがまさかまさかの人物らしい。気になります!!
さて、こっちの本編をどうぞ。
無双の塔編も同じく中編に入ってます。
1049
無双の塔 入口周辺。
無双の塔の前で無双状態の項羽。彼に群がる鬼や怪異を斬り殺す。
一切の容赦なく、機械のように処理していく姿は敵に恐怖を与える。本能のままに襲い掛かる鬼にも恐怖を与えていた。
恐怖する鬼であっても項羽は温情をかける事なく処理する。彼の強さに味方は「敵じゃなくて良かった」と思うはずだ。
「ガアアアアアアアアアアア!!」
そんな強すぎる項羽に立ち向かうは上級鬼が一体。
巨体で膂力が大きすぎる鬼。背中の孔より噴射し、駆け出した。その勢いはダンプカーを突っ込んでくるが如く。
下級・中級鬼では止められず、三国の兵士達も轢かれたら全身骨折で死ぬ。誰にも止める事が出来ない巨体の上級鬼だ。
「ガアアアアアアアアアアア!!」
雄叫びを上げながらトップスピードで項羽へと突撃する。巨体の力と最高速度を合わせた突進であれば覇王と名高い項羽を殺せる。
そう確信していた上級鬼であったが、その望みはいとも簡単に打ち砕かされる。
「ガ?」
項羽は上級の全力突進を正面から受け止めていた。
「ガア!?」
「問題なし」
項羽の耐久と筋力であれば上級鬼の突進を止めれる。
「終わりだ」
「グガ!?」
己が持つ業物を振るって上級鬼を切断した。
「大事なし。問題なく処理を進める」
項羽にとって先ほどの上級鬼も周囲にいる鬼や怪異と同じだ。彼にとって脅威にならず、淡々と処理するだけの存在なのだ。
彼が気になるのは空を支配する大百足である。
「高速演算開始……現状問題無し」
現段階で演算された未来に項羽が懸念する事は無い。
「ふーー。戦術躯体起動」
項羽は剣を振るってまた鬼や怪異を斬り伏せていく。
「やっぱ凄いな項羽は」
「アレくらい強くなりたいもんだな」
霞と翠はチラリと項羽の活躍を見て慄くと同時に羨む。彼ほどの強さに憧れるのは武人として当然だ。
「ならさっさとコイツを倒さんとな」
「ああ。こいつくらい簡単に倒さねえと項羽の強さになれないって事だよな」
2人の視線の先には笠と鎧を纏い、刀を構える上級鬼がいる。
「ゴオ!!」
刀を振りかぶり、2人に襲い掛かる。
上級鬼は下級鬼や中級鬼と違う。力や妖気も違う。技術も違うのだ。
この上級鬼は刀の振り方を知っている。元が武士の人間だったという事もある。
「ゴオオウ!!」
連続で斬撃を霞と翠に食らわせる。
「おっと。この鬼やるな」
「この鬼は他と違うようだぜ。だが…負けるかよ!!」
2人は斬撃を弾き返す。
「グガ!?」
「てめえは他の鬼と違うようだがアタシは負けねえよ!!」
「ウチもや。アンタを倒せないようじゃ駄目やからな」
反撃開始。
「ググ…斬ル斬ル斬ル。袈裟切リ!!」
妖気を刀に込めて、2人同時に切断するために袈裟切りをする。しかしそれよりも早く2人は上級鬼に武器を振るった。
「オラアアアア!!」
「秘技・旋回斬!!」
「グアアアアア!?」
霞と翠の同時攻撃により上級鬼を屠った。
「うおっ、何今の技。カッコイイやん!!」
「何だよ。これくらい普通じゃねえのか。関羽や張飛だって技持ってるぞ」
「ホンマか。ならウチもカッコイイ技を会得しよ!!」
その勢いで霞は凄い技を覚えるのはもう少し先の話。
「さて次は…」
翠が蒲公英たちと合流しようとした時、大きな爆発が近くで発生した。
「何だ何だ!?」
「何や何や!?」
己の近くで爆発が起きればただ事ではない。
急いで爆心地に向かって仲間の安否を確認しに行く。
「うげ~」
「お姉様~」
「うう…」
「何これ汚い…」
血みどろになった白蓮、蒲公英、鶸、蒼の4人が現れた。
「お前ら大丈夫か!?」
「だ、大丈夫。全部返り血だから」
「それにしては凄いベッチョリじゃねえか」
「雨のように被ったからな…」
4人曰くいきなり爆発が近くで起きたかと思えば血の雨を被ったとの事。
「何かヤバそうな気がするな…その返り血」
被ってはいけない血のような気がすると思う翠であった。
「水浴びたい」
「うん。何かこのままだと呪いを受けそう…」
呪いに掛かりそうという蒼の言葉に同意しそうになった時に声が響いてくる。
「あら、よく分かったわね。そのままだと呪いにかかるわよ。さっさと洗い流すか拭きなさい」
「その声は虞美じ…え!?」
虞美人は女怪と狂暴そうな怪異の首を掴んで現れた。何故か裸で。
「何で裸!?」
「ちょっと身体を爆発させたからね」
身体は「ちょっと爆発」なんて出来ない。
(身体を爆発って何だよ!?)
「あの。その両手に持ってるのは…」
「ああ、何か濡れた蛇女と牛だが鬼だかっぽい蜘蛛」
ポイっとそこら辺に捨てる。
「この蛇女がこの蜘蛛呼んでウザかったから爆発したのよね」
(だから爆発するってどういう事!?)
(てか、何か体付き変わってへんか?)
取り合えず肩幅が二倍にはなっていない。
「さてと、次の仕事をしないとね」
虞美人は大百足を睨む。
1050
狂骨は倒れた鬼や人間の死体を吸収し、巨大化していく。その姿はもはやガシャドクロだ。
「大きいな」
「大きいのだ」
狂骨は巨大骨剣を大きく振り降ろす。
「いかん、避けろ!!」
振り下ろされた巨大骨剣は戦場を抉り斬る。敵味方関係無く斬り殺し、死んだ者は狂骨の糧となる。
「これはマズイな」
敵も味方も数は多い。死ねば死ぬほど狂骨が吸収して大きく強くなっていく。早く倒さねば手が付けられなくなるのは予測できるものだ。
「早く倒さねば手を付けられんくなるぞ」
「どうやって倒すのだ」
倒したくとも狂骨は大きくなっており、星と鈴々では火力が足りない。
そもそも巨体の生物と戦う経験が圧倒的に足りないのだ。
「どうすれば…!!」
何とか回避しつつ解決策を考えるも思いつかない。避け続ける事が出来たとしても倒す術が無い。
「星、鈴々離れろ!!」
大きく通った声が響き、2人はすぐに後退する。
「喰らえ。豪天砲撃!!」
豪天砲が発射され、狂骨の頭蓋骨四分の一が吹き飛ばされる。
「まだまだ!!」
連続で豪天砲を撃ち、狂骨の顔 胴体 腕 足を吹き飛ばしていく。
「倒れろ!!」
怒涛の連続砲撃に狂骨は崩れ倒れる。
桔梗の豪天砲の威力は三国トップクラスだ。そもそも武器としても最先端を行く。
もしも大量生産が可能であれば戦の概念が変わる。何せ彼女の武器は未来の武器でもあるのだから。
「助かったのだ桔梗!!」
「まだだ桔梗。奴は損傷を直すぞ」
狂骨を見ると戦場に倒れる鬼や人間の死体を吸収して身体を再生していく。
「大丈夫だ。助っ人を呼んでおる」
「ユウユウです!!」
琵琶を持った楊貴妃が桔梗の後ろからヒョッコリと顔を出す。
「ユウユウお姉ちゃんなのだ!!」
「鈴々ちゃん你好~」
何だか緊張感が無いようだが楊貴妃は真剣だ。
「大丈夫なのか?」
「任せてください。あんなのすぐにメラメラっと燃やしちゃうんで」
(む、一瞬だけ目が蒼くなったのような…)
楊貴妃は琵琶を奏でながら狂骨へと不用心に近づいて行く。
「おい、そんな近づくと危なっ」
狂骨の巨大な手が楊貴妃を叩き潰した。
「ユウユウお姉ちゃーーん!?」
「楊貴妃ぃぃぃ!?」
不用心に琵琶を奏でながら近づいたら簡単に潰された。叫ばない方がおかしいが、すぐに杞憂へと変わる。
狂骨の手が蒼い炎によって燃やされた。その蒼炎は狂骨の全身に周った。
「グオオオオオオオ!?」
「妖星の火輪…燃やしてあげるね」
狂骨の手が燃えて灰になった中から、琵琶を奏でながら楊貴妃が無傷で現れる。
「夷狄、鎮滅」
蒼炎は狂骨を完全に飲み込み、燃やし尽くした。
「終わりましたよ」
「凄いのだユウユウお姉ちゃん!!」
鈴々の称賛に天真爛漫な笑顔を返す楊貴妃。しかし星と桔梗は少しだけ彼女を恐れた。
彼女の内にある「ナニカ」を2人は感じ取ったのだ。しかし彼女が闇とは思えなかった為、己の考えを振り払う。
(気のせいだな…)
何はともあれ狂骨を滅した。次の戦いに向かわねばならない。
星は周囲の戦況を見るに敵の流れが変化しているのだ。警戒をより強くする。
(こっちは気のせいではない。敵の動きが変化するぞこれは…)
1051
蜀陣営の戦場にて。
二体の上級鬼が暴れ回っていた。その二体は強く大きく硬く速い。突撃されれば撥ねられ、轢き殺されてもおかしくはない。
項羽が倒した上級鬼よりも一回り小さくとも狂暴な鬼には変わりない。
「「グオオオオオ!!」」
雄叫びを上げながら背の孔から噴射し、蒸気熱を上げながら突撃。
「わわっ!?」
直撃すれば拭き殺されそうな突撃を回避する玄奘三蔵。一直線の軌道の為、回避しやすいが少しでも判断を間違えれば死だ。
「ええい、突撃ばかりしおって…華雄か!!」
「華雄さんより突撃してるわよ傾…」
突撃しては突撃を繰り返す上級鬼二体。反撃するには少しでも止めなければならない。
「敵は直線の動きよ。軌道は読めるし、止める方法はいくつもあるわ」
一瞬でも止められればいい。動きを力づくで止めろとは言わない。
二体の上級鬼の隙を見つければいい。
「ならば!!」
「こっちもよ!!」
傾は鞭を蛇のように振るって上級鬼の両足に巻き付ける。楼杏は剣を上級鬼の膝裏目掛けて投げ刺す。
「「グガ!?」」
両足に鞭が巻き付けば走る体勢が出来ない。膝裏は人体的にも柔らかい部分だ。鬼であっても同じである。
二体の上級鬼は体勢を崩して転倒してしまう。
「今よ!!」
楼杏の掛け声に玄奘三蔵と徴姉妹が動く。魔力解放し、宝具を展開する。
「御仏パワー全開ね。五行山・釈迦如来掌(ごぎょうさん・しゃかにょらいしょう)!!」
玄奘三蔵の宝具『五行山・釈迦如来掌(ごぎょうさん・しゃかにょらいしょう)』。別名『覚者掌底』である。
敬うべき仏にして天界に於ける師、釈迦如来の力のごく一部を借り受ける宝具。
巨大な釈迦の掌そのものが空から落ちて、仏法を貶めんとする敵対者を懲らしめる
。敵を無数の掌底で打ち据え、必勝の一撃として釈尊の加護を以て自らの手に御仏の御手の力を宿し、相手を彼方へと吹き飛ばす。
「グガアアアアアアアア!?」
上級鬼は玄奘三蔵の宝具を喰らった最後に仏を視た。そして己の罪を悔い改めるのであった。
「ホ、仏…サ…マ」
「熱ちちちち 手が熱っーーい!?」
手をふーふーする玄奘三蔵であった。
「こっちも行くよ姉さん!!」
「うん弐っちゃん!!」
徴姉妹の宝具発動。
「全力で行こう」
「悪辣にして無法なる者達よ、退け」
「願うはただ、皆が正しく生きられる安寧の地」
「その為なら、私達はどこまでも進む」
「「奮起の六十五城(ともにあゆもう、われらのくにを)!!」」
宝具『奮起の六十五城(ともにあゆもう、われらのくにを)』。
太守の悪政に対し徴姉妹が立ち上がるや否や、民も呼応して立ち上がり、凄まじい勢いで彼女らは六十五もの城を支配下に置いたと伝えられる。
その破竹の勢いの進軍、勢力拡大が宝具への形となったものだ。今回はその勢いが込められた二人のコンビネーション剣技として発現した。
「グガアアアアアア!?」
召喚した象が鼻で上級鬼を打ち上げた瞬間に2人は跳んで水で形成した武器で舞うように撃つ。トドメに上空から地上へと上級鬼を墜とした。
「凄い熱だったから蒸気がすごっ」
「でも倒したね弐っちゃん」
上級鬼は将だ。将が討ち取られたら士気が落ちる。逆に討ち取ったら士気が上がる。
二体の上級鬼を倒した蜀軍は士気を盛り返す。
「敵将を討ち取りました朱里ちゃん。次の陣形を組んで前に出すよ」
「うん お願い雛里ちゃん。きっと敵はすぐに新たな陣形を再編成して来るはず…敵の動きを細かく教えて」
「分かったよ朱里ちゃん」
敵将は戦上手だ。蜀軍の動きをよく見て対応してきている。
故に朱里たちも一切油断せず、逐一 敵の動きを見逃さない。
「敵の指揮者は私たち…荀彧さんや周瑜さんと同じくらい頭が良いのかもしれない」
敵将の名は包屍鬼。朱里が認める智将。
「包屍鬼殿」
「ドウシタ 哭闇鬼」
「戦場ガ 変化 シ始メタ」
放った上級鬼と怪異たちが討ち取られていく。そしてついには魏軍を任せた隋身鬼と凶射鬼が討ち取られたのだ。
三国軍の勢いもまだまだ弱らない。背水の陣は成功しているようである。
「呉軍ヲ任セタ 天晴鬼ハ?」
「ソッチハ…」
「ナルホド。勝手ナ真似ヲ…」
ため息を吐く包屍鬼。しかし気を引き締める。
「全軍ノ指揮権ヲ私ニ移ス。仕切リ直シダ」
鬼の大群の動きが変化していく。
「三国マトメテ 相手ヲ シテミセル。大陸ノ武者ニ 日ノ本ノ戦ヲ 見セヨウ」
包屍鬼は各三国本陣を睨む。
「アノ方ヨリ 認メラレタ 計数ノ才。十全ニ使ウ時」
読んでくださってありがとうございました。
次回の更新も2週間以内を目指します。
1049
無双の塔入口付近での戦い。
前編で活躍した突撃部隊の視点です。
項羽の無敵感を出したいが為の内容になりました。
そして虞美人も強者感を出す為に既に戦闘が終えていたという感じとなりました。
最後の方でちょっとギャグ要素が入りました(謎丸のネタ)
それにしてもちょっと感覚で身体を爆破できません。ぐっちゃんパイセンだからこそできる技なんですよね。
あとぐっちゃんパイセンの活躍はまだまだあります。
さらっと倒された女怪は口寄せされた濡女です。そして蜘蛛の正体は…。
1050
ここでは桔梗と楊貴妃の活躍を書きました。
星と鈴々は前回で活躍しましたからね。
桔梗の持つ豪天砲は本当に強い武器ですよね。
大量生産されたらまた新たな恋姫外史が生まれますよ。
豪天砲はアニメ恋姫では真桜が開発した設定になってたような…。
原作だと触れられてないんですけど…実際はどうなんだろう。
この物語ではオリジナル設定を考えてます。
楊貴妃の内にある力。
この力を感じ取る星と桔梗でした。深く覗き込めば2人のsan値が…。
1051
今回の話は英霊達がたくさん宝具開放です。
何だかんだで今までの話だと宝具を開放してなかった気がしたので。
玄奘三蔵と徴姉妹をもっともっと活躍させたいです。
包屍鬼が本気を出します。
彼の正体は日本の武将です。しかも他の武田八鬼将よりも戦を知っています。
正体が分かっちゃいそうですね。