Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
本日はイースターですね!!


FGOではついに奏章Ⅳの開催日が発表されましたね
4月30日のゴールデンウイーク!!
どのような物語は気になりますし、楽しみです!!


恋姫では、『魔王カリンちゃんRPG ~恋姫建国奔走記~』が4月22日にサービス開始されますね。こちらも楽しみです!!


宝卵探し祭-宝卵探し-

1111

 

 

宝卵探し祭午後の部開催。

午後の部の参加者は大人たち。子供向けよりも難易度が上がり、知恵と体力をより使う事になる。

参加者は桃香たちだけでなく、一般参加の者たちも多々いる。隠された宝卵の数には限りがあるので早く見つけた者勝ちという事だ。

 

事前に説明された通り宝卵の中には賞金券や商品券、お菓子件等といったあもの。

見つけて何が出るかはお楽しみというものだ。娯楽が少ない時代にとって、宝卵探しは良い楽しみになる。大人には参加費があるが、楽しんで賞金や商品が得られるのなら必要経費である。

最も参加する条件としてウサギをモチーフとした恰好になるのだが。

 

「まさかバニースーツで宝探しをするとは思いませんでした」

 

秦良玉がポツリと呟く。

宝卵探しは組み分けがされおり、この場に居るのは秦良玉、紫苑、桔梗、祭の4人。

組み分け方法は簡単なくじ引きである。

 

「中々な格好だが悪くないではないか」

 

軽く笑う桔梗。

バニースーツは色気ある服装だ。露出もあり、着慣れない人にとっては恥ずかしいと思うかもしれない。

 

「この服は男の視線を釘付けにするには良いのやもしれぬな。なんせ立香や北郷がいつもより凝視しておったぞ。はっはっは」

 

好みはあるだろうがバニーガールが嫌いな男は少ない。少なくとも藤丸立香と北郷一刀はバニーガールが好きである。

 

「そうね立香さんったら目移りするように私たちを見てたわね」

「うむうむ。わしや蓮華様たちをこれでもかと見ていたわい」

 

女性は男性の視線には気づきやすいと言うが本当のようだ。

 

「お館様も鼻の下を伸ばしていたな。これは今晩が楽しみだ」

「ちょっと桔梗ったら。もうお酒飲んでるの?」

「はっはっは。実は少し飲んでおる」

 

酒をいつの間にか飲んでいた桔梗。屋台も多く出ているのでいつの間にか購入して飲んでいてもおかしくはない。

 

「宝卵探し中に酔っぱらって倒れないでよ。介抱するの私になるんだから」

「この程度は酔っぱらった事には入らん。お、早速見つけたぞ」

 

桔梗がひょいっと宝卵を見つけ出す。

 

「どうだ。酔っぱらって1つも見つからなかったとはならんぞ」

 

宝卵を割って中を確認すると商品券(酒)であった。

 

「よし。早速交換できんか?」

「交換は後になりますね」

 

早くも宝卵探しを楽しむ秦良玉たちであった。

 

「それにしても、この組み分けだけ意図を感じるわね」

「偶然だと言っておったが…確かにな」

 

紫苑たちの組み分けに関して言えば確かに意図を感じる。

クジに細工がしてあったんじゃないかと思うくらいだ。しかしもう確かめようがない。

 

「まったく策殿も…誰が熟女組じゃい。のう紫苑、桔梗、秦良玉」

「本当ね。もう」

「あの禁句を言わなかっただけマシだな。紫苑を止めるのには苦労する」

「どういう意味よ桔梗」

 

禁句を紫苑に言うと町が半壊するらしい。そして年齢に関して聞かれるのもNGらしい。

 

「あの…私もそちらの部類?」

 

何故か秦良玉も一括りにさせられている。

 

「母性は紫苑並みだとわしは思うぞ」

「そうですかね。まあ、組み分けとして私と紫苑殿なら分からなくはないですけど」

 

秦良玉と紫苑のちょっとした共通点。

 

「紫苑と同じ…まさか璃々と同じくらいの子がおるのか!?」

「まさか立香の!?」

「違います違います!!」

 

顔を真っ赤にして否定する秦良玉。その後にさらに顔真っ赤にして小声で「マスターとの子かぁ…」と呟いたのを紫苑は聞き逃さなかった。

 

「こほん。私も紫苑殿と同じで夫に先立たれているのですよ」

「え、お主は嫁入りしとったのか」

「そして未亡人と」

 

未亡人という括りなら秦良玉と紫苑は同じ共通点である。

 

「意外だな。そんな雰囲気も感じなかった」

「隠していたわけじゃありませんし、話す機会もありませんでしたからね」

 

仲間の意外な過去というのは話してくれないと分からないものだ。

 

「それで秦良玉も紫苑と同じく若いツバメに熱を上げていると」

「「ちょっ」」

 

桔梗の言葉にすぐさまツッコミを入れる2人。

 

「マスターと私はそんなんじゃ」

「ちょっと桔梗」

「隠すな隠すな。バレバレだぞ」

「「う…………」」

 

バレていてるのに誤魔化すのは滑稽でしかない。

 

「秦良玉はたまに藤丸に対して凄い事を言っておるぞ。聞いているこっちが顔を赤くする。あの時なんか…」

「あの時ってどの時ですか!?」

 

秦良玉は忠誠心が振り切ってとんでもない事をたまに言う。

「死が2人を分かつまで共にいます」なんてほぼプロポーズだ。

藤丸立香もそのセリフに対して誠実に受け止めているのだから誑しなんて言われるのだ。

 

「そこまではっきり言ってるなんて…秦良玉さん凄いわね」

「これは儂や策殿たちも負けてられんのう」

 

とんでもないライバルがいたものだと紫苑と祭は認識するのであった。

 

「そして紫苑もだが気が付いたら藤丸に熱を上げてるしな」

「熱を上げてるって…そんなんじゃないわよ」

「わしの目は誤魔化せんぞ。長い付き合いだからな」

 

キラーンと目を輝かせる桔梗。それに対して紫苑はヤレヤレと言った顔だ。

 

「実は最初に会った時から思うところはあったの」

「思うところ?」

「前に何処かで会ったような。そんな気がしてね」

 

以前に会った事がある。故に最初に出会った頃から好感があったのだ。

 

「最初にあったのは賊討伐の時なのに以前に会った事があるだと?」

「そんな気がしてね」

 

紫苑自身も不思議だと思っているくらいだ。

 

「ふむ…それなら儂もあるぞ」

 

祭も紫苑の言葉に同じくと、口を開く。

 

「立香が建業に来て、孫呉の一員になるとなって何故か懐かしいと思ったくらいじゃからな」

 

藤丸立香が天の御遣いとして建業に初めて降り立ち、炎蓮が孫呉に加えるとなった時は警戒はした。

『天の御遣い』なんて言葉は仰々しいが知らぬ者なら炎蓮を守るために警戒するのは当然だ。しかし何故か警戒した後から懐かしいという感情や好感もあったのだ。

これがまた不思議でしょうがなかった。初めて会った人物なのに最初から懐かしいや好感があるのはおかしいものだ。

 

「立香は結果的に良い男じゃったわけだが…不思議だったの」

 

実は祭だけでなく炎蓮、粋令、雷火も同じであった。当時はトップ陣が先に藤丸立香に心を開いたのだ。

 

(今でも不思議じゃのう)

 

どうでもいい補足として一番最後に心を開いたのが蓮華で、今では依存するくらい求めているのが蓮華だったりする。

 

「それを聞くと不思議な男だな藤丸は」

 

桔梗が不思議がるのもしょうがない内容だ。

 

「お、また宝卵見つけた」

 

パカリと開けると中身は商品券(麻竹)であった。

 

「星が喜びそうだな」

「それにても幸運ウサギは見つからないわね」

 

幸運ウサギ。華琳や桂花を含めた計6人の事だ。

彼女たちを見つけて捕まえる事で上物の宝卵が手に入る。

 

「幸運ウサギは華琳殿の臣下の誰かだとは思うのですが…」

 

秦良玉は身軽に跳んで高い位置から周囲を見渡す。ついでに屋根の上にあった宝卵を見つける。

 

「あ、いました。このまま北に真っすぐです」

 

秦良玉の指示の下、北に真っすぐ進むと6人の内1人の幸運ウサギを見つける。

 

「燈殿でしたか」

「あら、秦良玉さんに紫苑さん達ね」

 

幸運ウサギが1人の燈。

彼女の恰好は青色を基調としたバニースーツ。ストッキング、ウサ耳ヘアーには小さく華の絵柄を描かれている。

更にハート側の耳飾りを付けており、大きく胸元を広げている。腹部から下腹部には可愛く白い紐でレースアップで結ばれている。

彼女もまた大人な魅力と色香があるバニーガールであった。

 

「立香君はいないのね。ちょっと残念」

「むむ」

 

燈の言葉にビビっと反応する秦良玉や祭たち。

「まさか彼女もか?」と思うのはつい先ほどまでの会話のせいだろう。

 

「うーむ…最初に見つけた幸運ウサギが燈殿か。やはり仕組まれておらんか?」

「何の事?」

「こっちの話だ」

 

桔梗はいよいよ華琳が狙ってやっているのではないかと思い始めた。

もしも雪蓮がこの場に居れば「やっぱり熟女組じゃない」とかか言いそうだ。

 

「さて、お主を捕まえれば上物の宝卵を手に入るんじゃったな」

「そうよ。でもちょっとした勝負をしましょう」

「勝負じゃと?」

「ええ。的当て勝負よ」

 

的を見事当てられたら上物の宝卵を手に入れられる。失敗したら普通の宝卵というわけだ。

 

「ほほう。儂らに的当てとは思い切ったのう」

「私は槍兵なのでここは紫苑殿たちに任せます」

 

祭、紫苑、桔梗にとって的当ては十八番芸だ。

 

「そうよねえ」

 

燈も分かっているのかヤレヤレといった素振りをしている。

 

「でも的を当てるのは矢ではなく、この卵型の球で当ててね」

 

掌に卵型の球。

弓矢の達人である紫苑たちだが得物が異なれば本来の実力は出せないという事。

 

「当てられるかしら?」

「儂らをなめ過ぎじゃな」

「ここは私と祭さんに任せて」

 

的を当てるは祭と紫苑。

2人は卵型の球を手に取って、的に狙いを定める。弓矢の達人である紫苑と祭であるが、何も弓矢だけでないと的に当てられないわけではない。

武人であり、武将である彼女たちは戦場で弓矢が無くなっても戦える方法を編み出している。

方法を編み出したと言っても投擲攻撃だ。矢でなくとも敵に攻撃を当てる方法はいくつもある。

 

「戦場で矢が無くなったから戦えないとは言えんからな」

「弓兵は遠距離。でも放つ物は矢だけじゃないのよ」

 

狙いを定めた2人は卵型の球を勢いよく放つ。

 

「やっぱり紫苑さん達には簡単すぎた勝負ね」

 

見事に的に命中し、燈の課した勝負をクリアするのであった。

パチパチと拍手した後、燈は胸元から上物の宝卵を取り出す。

 

「何処から出しておるんじゃ」

「皆さんも出来るでしょう?」

 

紫苑たちは見事に上物の宝卵を手に入れるのであった。

 

 

1112

 

 

くじ引きにより組み分けされたチームは藤丸立香、司馬懿(ライネス)、蓮華、月、傾、真直。

彼らも隠された宝卵を順調に見つけては籠の中に詰め込んでいた。

 

「また発見」

「こっちもありました」

「順調ね。宝卵探し…やってみると案外楽しいものね」

 

宝探しゲームというのは楽しみながら頭と体を動かすものだ。

子供でも大人でも楽しめるゲームで子供は純粋に宝を探す事を楽しみ、大人は童心に還って楽しめる。

 

「恰好はまだ納得がいきませんが、宝探しは良い息抜きになりますね」

 

普段は胃を酷使しながら働く真直。彼女にもストレス発散は必要だ。

麗羽の事は嫌いではないのだが胃に掛かる負担はあるのだ。

 

(麗羽様にはもう少し落ち着きを持って欲しいですよ。まあ、そんな麗羽様も良いのですがね)

 

ついて行くのは大変だが麗羽は真直が決めた主だ。胃を痛めながらも最後までついて行く。

 

「本当に良い息抜きになるわね。恰好は納得いかないけど」

 

蓮華は呉王として責任感は重く圧し掛かっている。そんな時に「宝卵探し祭」は確かに良い息抜きだ。

呉王としてではなく、蓮華として楽しむのは久しぶりかもしれない。宝探しゲームは童心に還って楽しめる。

 

「おい。アレが幸運ウサギとやらじゃないか?」」

 

祭りを楽しんでは運良く幸運ウサギの1人を見つける事まで出来る。

 

「風殿が幸運ウサギの1人だったか」

「そうですよ司馬懿さん。風が幸運ウサギです~」

 

幸運ウサギが1人の風。

彼女の恰好はバニースーツではなく、桃色ウサギのふわふわコスチュームだ。

赤いリボンを首元に付けているのが可愛いトレードマーク。どちらかというとウサギのパジャマ風服装である。

 

「よく似合っているわ」

「はい。とても可愛らしい恰好です」

「本当に可愛い恰好ね」

「お三方は痴女ですか?」

「違うわよ!!」

「「違います!!」」

 

見る人によっては痴女と間違えられる恰好の蓮華、月、真直の3人。

 

「まあ、置いておいて」

「置かないで…って、あまり触れられたくないからいいのか」

 

幸運ウサギを見つけて捕まえれば上物の宝卵を手に入れられる。しかしその前にちょっとした勝負をしなくてはならない。

 

「勝負内容は簡単ですよ。口に咥えたレンゲに卵を置いて指定場所まで移動させるだけですね」

「なるほど。エッグ&スプーンレースみたいなものか」

 

口にレンゲ(スプーン)に咥えるという難易度高めだがクリアできない難しさではない。

 

「あ、ちなみに一定の距離に人を配置して順々に卵を相手のレンゲに移していきながら指定場所に卵を移動させてくださいね」

「難易度上がったなあ」

 

仲間に卵を渡す時が一番難易度が高い。なにせレンゲを口に咥えたまま、相手が加えたレンゲに卵を移すのだから。

 

「順番は皆さんで決めて良いですよ~」

「1番手はオレ」

 

藤丸立香が最初。

 

「「「「じゃあ…」」」」

 

2番手を決めようとした時、司馬懿(ライネス)、月、蓮華、傾が前に出た。

 

「「「「ん?」」」」

 

謎の重圧が展開された。

 

「私は彼の師匠だからね。こういう協力する遊戯ならピッタリだと思うんだけどね?」

「私と立香は呉王と天の御遣いという関係であり……い、いずれは天の血を呉に入れる仲よ。なら私の方がピッタリだと思うわ」

「私は立香と深い仲だ。そう、とてもな。なら私との方が連携が取れるだろう」

「わ、私はと立香さんは……その…立香さんと相性が良いと思うので…はう」

「何これ?」

 

真直が現在の状況を代弁した。

 

「見てて面白いですね~。もしかして修羅場になりますか?」

「ソレハソレデで面白ソウダナー」

「宝譿もそう思いますか」

 

このまま行く末を見守るのも面白いがこのままではゲームが始まらない。

 

「しょうがないですね。では勝負内容を変更します~」

 

勝負内容変更。

藤丸立香が各5人にレンゲで相手のレンゲに卵を移す。そして受け取った5人は所定の位置に移す。

 

「これで良いですか~?」

 

ある意味、争いは無くなったかもしれない。

 

「じゃあ初めて下さい」

 

風は藤丸立香が加えたレンゲに卵を置く。

 

「よし。これで…まずは師匠から」

 

藤丸立香は司馬懿(ライネス)の加えたレンゲに卵を移そうとする。

 

(……師匠やっぱ綺麗だな)

 

このゲームはどうやっても顔を突き合わせて近づける。故に互いに顔を近くで見合う事になるのだ。

こうして司馬懿(ライネス)の顔を近くで見るのも少ないものだ。そもそも誰であっても顔を近く近づけるのは少ない。

 

「ほれほれ。早く移してみせろ」

「ちょっ、師匠レンゲをプラプラさせないで。これ意外に難しいんだけど」

 

レンゲからレンゲに卵を移す。これを口に咥えたままだと難易度が跳ね上がる。

 

(うんうん。弟子がこんな近くで悪戦苦闘している顔を見るのは面白いな。しかし近いな)

(師匠の顔が近い。ドキドキする…けど本当に卵を移動させるのは難しいんだけど!?)

 

顔を近づけて加えたレンゲで卵を移す。本当に難しい。

 

(しかしこんなに近いとムズムズするな。普段の私ならこうはならないというのに…やはり南蛮での一件のせいか?)

 

南蛮での一件をつい思い出して司馬懿(ライネス)も心をドキリとさせてしまう。

彼女自信もマスターである藤丸立香に対してなかなか大きい感情を持っているようだと自覚してしまう。

用心深い彼女がここまで心を開くのも流石は英霊誑しのマスターと言うべきかもしれない。

 

「く…もう少し」

「頑張れ頑張れ我が弟子」

「く…!!」

 

もはや顔がくっつくくらいだ。

絆を深めているとはいえ、ここまで異性で顔同士が口づけできるくらい近いと互いに心拍数が上がるものだ。

 

(師匠が綺麗すぎる!!)

(うん…悪くは無いが顔を崩すだけにはいかんな)

 

何とか司馬懿(ライネス)の加えているレンゲに卵を移す事に成功。

 

「弟子の悪戦苦闘する顔を近くに見れて面白かったよ」

 

ニヤニヤしながら司馬懿(ライネス)は移された卵を所定の位置に移動するのであった。

 

(こうもドキドキするとは…もしかして私は心を隠すのが下手になってる?)

 

藤丸立香はまたレンゲに卵を置いて次なる者に移そうとする。

2番手は蓮華。何度見ても彼女のバニースーツ姿はドキマギさせられる。そして卵を彼女のレンゲに移すために顔を近づける。

 

「いくよ蓮華」

「え、ええ。来て」

(蓮華も可愛い。そして顔近っ。当然なんだけどさ)

(うう…立香の顔が近い)

 

また2人してドキドキしている。恐らく藤丸立香はこれから何度も心拍数が上昇するはずだ。

それはそれで体調に対して大丈夫なのかと疑問に思うが仕方がない。

 

「やっぱ難しいぞコレ」

「そ、そうなのね」

 

蓮華は受け取る側なので渡す側の難しさが分からない。それよりも藤丸立香の顔が近い方が重要らしい。

 

(近い…立香の顔が。これ口づけできるくらいに)

(ドキドキするけど卵を移す難しさもあってそれどころじゃない気がするんだけど)

(これだけ顔が近いとあの夜の事を思い出して…)

(何か蓮華の顔が真っ赤になってる?)

 

蓮華の加えたレンゲにも何とか卵を移す事に成功する。

口に咥えたレンゲからレンゲに卵を移すのがこうも難しいとは思いもしなかった。そして女性とここまで顔を近づかせるとも思わなかったものだ。

 

「よし。次は」

「私だ。ほれ立香さっさと私に卵を寄越せ」

 

傾がレンゲを口に咥えて藤丸立香に顔を向ける。

 

「早くしろ」

「待ってコレ本当に難しいんだって」

 

藤丸立香も顔を突き合わして卵を傾の咥えるレンゲに卵を移そうとする。

 

(傾も綺麗だ。大人の魅力が凄いんだよな)

 

漢帝国を腐らせた原因の1人なんて言われており、悪人かと言われていたが実際は違う。

彼女は努力家であり、大本は善人だ。もしも彼女に悪い所があるのであれば欲望に忠実という所かもしれない。

 

(悪い人じゃないんだよなあ)

「まだか?」

「もうちょっと」

「ええい、もっと近づけ」

 

傾が両手を使って藤丸立香の顔を鷲掴みにして、より近づかせる。

 

「むぐ」

「ほれもっと」

 

本当に口づけ出来てもおかしくない距離だ。しかし逆に卵をレンゲに移しにくい。

 

(全く…私がこうも立香に対して夢中になり始めるとはよく分からないものだ)

 

最初は藤丸立香を利用しようとしていた。しかし今では絆された気がしなくもない。

気が付けば彼を欲しがるようになってしまった。

 

(妹の瑞姫も立香を本気で欲しがり始めている。このまま我ら姉妹で手に入れてやるぞ)

 

妖しい笑顔で傾は藤丸立香を向ける。

 

(それにもう私と立香は深い仲だしな。ククク)

「なに妖しい顔してんの」

「何でもないぞ立香?」

 

何とか傾の加えたレンゲに卵を移す事に成功。

 

「よし3人目成功。4人目は…」

「私です。よろしくお願いします」

 

月がレンゲを加えて藤丸立香に顔を近づける。

 

(月可愛い。綺麗よりの可愛いだな)

 

儚さの中にある可愛さ。

 

(というか顔がめっちゃ真っ赤だ。そして恰好がやっぱ下着…)

 

月の顔がとても真っ赤になっており、目がぐるぐるしているように見える。

 

(り、立香さんの顔が近い)

 

顔同士がたまに接触し、口づけできるくらいの近さ。月にとっては心拍数が上がってしまう。

 

(立香さん…)

 

彼女は彼に助けられ、彼を想うようになった。

彼女にとって彼が英雄なのだ。藤丸立香は自分が英雄だなんてと否定するかもしれないが、月にとっては英雄である。

 

(私は…)

 

自分に秘めた想いを伝えたい。しかし伝えようと思っても恥ずかしくて伝えられない日々が続いた。

そんな日々の中で自分以外の人たちが藤丸立香に近づいては深い仲になっていく。自己嫌悪に陥るが、嫉妬した。

だから月はもう少し自分に対して我儘になってもよいかと思ってしまっている。

 

(立香さん…私は)

 

今ここで口づけをしようと思えば出来る距離だ。大胆になれば自分は変われるかもしれない。

 

(……うう、出来ない)

 

本当に手を伸ばして口づけでもすれば変われたかもしれない。しかし月はそこまでの勇気が今ここには無かった。

 

「よし成功」

「はうう」

「どうしたの?」

「な、何でもないです」

 

4人目も成功。

最後は真直。彼女は恥ずかしそうながらもレンゲを加えて顔を近づける。

 

「真直さんそのままじっとしてて。卵を移す時は出来るだけレンゲをブレないようにする事がコツなんだ」

「は、はい」

(真直さんも綺麗な人だ。眼鏡も良い)

 

眼鏡萌えな藤丸立香。それは可愛い後輩によって目覚めさせられたのだが誰にも教えない。

 

(うう…男の人の顔がこんなに近い)

 

男性とここまで近く顔を突き合わせた事が無かった。初めての経験である。

 

(藤丸さんって意外にモテてますよね)

 

実は天の御遣い2人は人知れずにファンが増えている。

北郷一刀と藤丸立香のどちらがカッコイイかなんて不毛な言い合いがあったりなかったり。

実は蘭陵王や燕青たちにもファンがいるようだが、それはまた別のお話だ。

 

(うう…私ってば顔真っ赤じゃないかしら)

 

確かに真っ赤である。

 

(藤丸さんって良い人よね)

 

藤丸立香はよく人の相談や愚痴を聞いている。その中に真直も含まれている。

 

(……う、だめだめ。何考えてんの私!?)

「良し…成功」

 

5回連続で咥えられたレンゲに卵を移す藤丸立香。

 

「真直さん?」

「え、あ、うん。所定の位置に持って行いきます」

 

5人ともにレンゲに卵を移し、所定の位置に移動させる事に成功。

風の出したゲームを成功させる藤丸立香たち。これにて上物の宝卵を手に入れる。

 

「おめでとうですね。これが上物の宝卵です」

「持ッテケ泥棒メ」

「これこれ宝譿。そんな事を言っちゃだめですよ~」

(それにしても宝譿とは一体…)

 

実は気になってた宝譿という存在。シャルロット・コルデーの傍にいる謎の天使並みに気になるのであった。

 

 

1113

 

 

チーム分けによって北郷、愛紗、焔耶、太公望、恋、斗詩の6人は街中を散策し、宝卵を見つけていた。そして運よく見つかった幸運ウサギ。

その幸運ウサギが1人は桂花である。彼女は簡単に上物の宝卵を渡す気が無いという事でゲームを仕掛けてきた。

 

「で、何で俺が卵型の箱の中に?」

 

北郷一刀は桂花に無理やり卵型の木箱に詰められたのだ。

 

「これから勝負内容を説明するわ。ここに剣があるんだけど、こいつの入った箱に突き刺すだけよ」

「おい」

 

それだけの説明では北郷一刀の処刑が始まるだけだ。

 

「ふむ。この穴に剣を刺して彼を跳び出させたら負けですか?」

 

太公望が卵型の木箱の仕掛けに気付き、桂花に確認を取る。

 

「流石は太公望ね。でもちょっと違うわ。こいつを助けた方が勝ちよ」

「あ、そこは逆なんですね」

 

卵型の木箱に剣を刺して北郷一刀を開放する。

現代のゲームには似たようなものがあって、「黒ひげ危機一髪」と言う。

実は北郷一刀と太公望は卵型の木箱を見て何となく分かったのだ。

 

(まさかこの時代に黒ひげ危機一髪があるとは)

(カルデアでは本物を見た事がありますねえ。本人の黒ひげは本物のカトラスで刺されてもガッツで耐えてました)

(太公望さんソレ詳しく聞きたいんだけど…いや、本物?)

 

本物の刃で刺されたら、もうゲームじゃなくて本当に処刑な気がするのだが北郷一刀は聞かない事にした。

 

「私は5本刺すわ。そっちそれぞれ1本ずつ刺しなさい」

「私たちの誰かがご主人様を助けたら、こっちの勝ちか」

「逆に桂花さんがご主人様を助けたら私たちの負けって事ですね」

「理解が早くて助かるわ」

 

まさか「黒ひげ危機一髪」を外史世界でやるとは思わなかった北郷一刀。しかも黒ひげ役なんて人生でもなかなか無いものだ。

 

「まずは私から。先に言っておくけど私もどの穴が正解か知らないから。そこは公正よ」

 

桂花が剣を持って狙いを定める。

 

「くたばれ!!」

「くたばれ!?」

 

桂花は勢いよく剣を北郷一刀の入った卵型の木箱に刺した。

 

「チッ。外れか」

「おい桂花。これ本当に刺さったりしないよな!?」

「真桜作成のモノよ」

「ちょっと不安なんだけど!?」

 

遠くから「ソレどういう意味やねん!!」という台詞が聞こえた気がした。

 

「次は僕ですね」

 

太公望が剣を持って狙いを定める。

 

「太公望さん。ここは一発で成功させてくれ。ここはこう仙人の力で」

「いやいや、こういうゲームはズル無しで楽しむものですよ」

 

太公望は目をカッと見開いて剣を勢いよく刺した。

 

「封神!!」

「俺は妖魔じゃないんだけど」

「いや、ついノリで。ハハハ」

「ノリで封神されても困るんだけど」

 

伝説の軍師はノリが良いと分かった瞬間であった。

 

「次こそは仕留める」

「おい桂花」

「刺突!!」

「おい」

 

ブスリと卵型の木箱に刺さるが北郷一刀は解放されない。

 

「また外れね」

「本当にコレ大丈夫だよな」

 

2番手は恋。剣を持って狙いを定める。

 

「…恋がご主人様を救う」

「恋。ゆっくりと刺してくれないか」

 

恋が勢いよく刺して、卵型の木箱を貫通して刺されるなんてオチは見たくない。

 

「…ん。分かった」

 

ゆっくりと卵型の木箱に刺すが何も起きない。

彼女の刺した穴も外れだったという事だ。

 

「…ご主人様助けられなかった」

「まあ、こればっかりは運だからな」

 

「黒ひげ危機一髪」は運がものを言うゲームだ。こればかりその時の運に任せるしかない。

 

「3回目ね。そろそろ刺さってもいいわよ北郷?」

「それはどっちの方を言っているんだ桂花」

「男・即・刺!!」

「おい、多くの男に喧嘩売ってるぞ」

 

北郷一刀は解放されない。これはこれで盛り上がるものだ。

誰が当たるか、緊張感とワクワク感が大きくなるもの。北郷一刀もいつ自分が跳び出すかドキドキである。

 

「次は私ですね」

 

斗詩が剣を持って北郷一刀が入った卵型の木箱に狙いを定める。

 

「えい」

 

プスリと優しく刺すが何も起きない。

 

「私も駄目でしたか」

「こっちは斗詩で3回目。桂花の含めて6本も刺してるがなかなか跳び出ないもんだな」

「私のいつもの武器なら一発でご主人様を開放出来るんですけど」

「斗詩のハンマーで叩かれたら俺も潰れるから」

 

残りは愛紗と焔耶。どちらかが北郷一刀を開放させないと勝てなくなる。

 

「4本目刺すわよ」

「おう。ゆっくり刺してくれ」

「この一刺しで決めるわ」

 

勢いよく突き刺す桂花。

 

「ゆっくり刺してって言ったよね!?」

「誰が聞くもんですか」

 

桂花が4本目を刺すが北郷一刀は解放されない。

 

「悪運が強いわねアンタ」

「まあ、正直ここまで跳び出ない俺もびっくりだ」

 

次なる者は焔耶。

 

「さっさと出てくれよお館」

「出たいのは山々なんだけどな」

 

こればっかりは運である。

 

「よし、刺すぞお館」

「おう」

「はあああああああ!!」

「気合を入れんでいい」

 

焔耶が気合を入れて刺すも北郷一刀は解放されない。

気合でも運の流れは掴めないようだ。

 

「駄目だったか」

 

こうなると最後のトリは愛紗に任せるしかない。

 

「その前に私が最後の1本を刺すわ」

「ところで誰も当てられなかったらどうなるんだ。引分けか?」

「誰も当てられなかったらやり直しよ」

 

桂花が殺気を込める。

 

「死ねぇ!!」

「おい」

 

シンプルに「死ね」は酷いものだ。

最後に殺気を込めたが北郷一刀は解放されなかった。

 

「チッ、無事なのね」

「無事でなかったら問題だぞ」

 

本気なのかギャグなのか難しいものだ。

 

「私に任せてくださいご主人様」

「頼むぞ愛紗」

 

最後は愛紗が剣を持って狙いを定める。

 

「どの穴にするべきか…よし、こっちにしよう」

 

愛紗が剣を北郷一刀が入った卵型の木箱に刺すとカチっと音が響いた。

 

「へっ!?」

 

勢いよく北郷一刀が跳び出して彼方へと消えた。

 

「ご主人様ああああああああ!?」

「流石は真桜が作ったものね。良い絡繰りだわ」

 

彼方に消えた北郷一刀帰還中。

 

「どえらい跳ばされたぞ」

「無事だったのね」

「だから無事じゃなかったら問題だって」

 

残念そうに桂花は上物の宝卵を渡す。

 

「残念がるな。ま、でも楽しかったよ」

 

宝卵探し祭。祭りは楽しむものだ。

 

 

1114

 

 

秦良玉や藤丸立香、北郷一刀たちが幸運ウサギを見つけて課されたゲームに興じていた頃、桃香たちも幸運ウサギを見つけていた。

幸運ウサギが1人は栄華。彼女の恰好はバニースーツではなく、紫と黒を基調とした兎コスチュームだ。

桃色の長いウサ耳ヘアーを付けて、胸元から下まで黒い紐でレースアップされている。とても可愛らしい服装だ。

 

「似合ってます栄華さん」

「お褒め頂き、ありがとうございます。桃香様方も似合っておりますわ」

 

バニースーツ姿の女性を眼福な栄華。

 

(バニースーツがもっと広まれば、たくさんの可愛い娘たちに着せられますわ)

 

自分好みの娘にバニースーツをもっと着させたい栄華であった。

 

「栄華さんを見つけたから上物の宝卵をくれますか?」

「いえ、ちょっとした勝負をしましょう」

「勝負?」

「ええ。ここに5つの卵があります。この5つの卵の中にはある物が入っているので、その中身が何か当てる勝負ですわ」

 

桃香たちの前に5つの卵を差し出される。1人1個ずつ卵を持って振ってみたり、重さを確認して中身を予想する。

振った時の音や重さは1人だけしか確認できない。しかしどれくらいの重さやどのような音だったかは相談出来る。

 

「それでも難しくない?」

 

振った音や重さだけでは答えを出すのは難しすぎる。

 

「ええ。なので何が入っているかは教えます。どの卵に何が入っているのかを当ててくださいまし」

 

栄華が卵の中身のリストを桃香たちに渡す。

 

「えーっと何々…硬貨、胡桃、賽子、謎の物体、ハグキ」

「謎の物体とハグキって何よ?」

「ハグキって歯茎かな。歯茎が入っていたら怖いんだけど」

「2つほどよく分からないんだけど」

 

リストの中に不穏な物が2つ詰まっているようだ。

 

「真桜さんが詰めたものなので私もその2つはよく分かりませんわね。でもどの卵に何が入っているかは分かりますので」

 

よく見ると卵には壱から伍と記載させられていた。

 

「じゃあ私から」

 

桃香が参番の卵を手に取って耳元で振るう。「チャリンチャリン」という音が聞こえる。

 

「たぶん硬貨かな。チャリンって音が聞こえたよ」

「その音なら硬貨っぽいわね」

 

参番卵の中身は硬貨と予想。

 

「じゃあ次は私がやるー!!」

 

梨晏が伍番の卵を手に取って振るう。「モッチャモッチャ」という謎の音が響いた。

 

「なんか液体っぽい音が聞こえたんだけど」

「液体の物は5個の中に無いわよ梨晏。もう一回振ってみなさいよ」

「うん」

 

もう一度伍番の卵を振るうと「モッチャモッチャ」という音が聞こえた。

 

「モッチャモッチャって音が聞こえた。やっぱり液体っぽいんだけど」

「嘘は言ってないよな?」

「こんなので嘘言わないよー」

 

卵の中身を皆で当てるゲームで嘘を言うのは本末転倒だ。

 

「硬貨と胡桃と賽子ではないよね。そうなると…」

「じゃあ…」

 

梨晏がもう一度振るうと「ドクンドクン」と鳴動していた。

 

「なんかドクンドクンって聞こえ出したんだけど!?」

「え、鳴動してるのか。てか、こっちにも聞こえてきたんだぞ!?」

 

鳴動する伍番卵。

 

「たぶんハグキが謎の物体だと思うけど…暫定どっちかという事にしておきましょうか」

「まだドクンドクンしてるよコレ!?」

「え、もしかして何か孵化するの?」

 

伍番卵は謎の物体かハグキのどちらかとなった。

 

「次はアタシ!!」

 

玄奘三蔵が壱番の卵を手に取る。そしてふるふると振るうと「カランカラン」と聞こえた。

 

「うーん。音的にはカランカランって音ね」

「それだと賽か胡桃のどっちかね」

「んー…1つ入っていて音的に胡桃かな?」

「じゃあ胡桃って事にしよっか三蔵ちゃん」

 

壱番卵の中身は胡桃と予想。

 

「よし。次は私の番ね」

 

雪蓮は迷いなく弐番の卵を手に取って振るう。振った時に響いた音は「カランコロン」と響いた。

 

「中には2つ入っているわね。音に重さを考えるに…こっちが賽子ね」

「粋怜さんだったら一発で分かるかもね」

 

弐番卵の中身は賽子と予想。

 

「最後はアタシだな」

 

翠は残った肆番の卵を持って振るう。

 

「さて、どんな音が…」

 

耳に近づけると「ハッハーァ ハッハッハーァ!!」と聞こえた。

 

「何か笑い声が聞こえたんだけど!?」

「笑い声が聞こえるなんて無いでしょ。ちゃんとやってよー」

「やってるって!!」

 

翠はもう一度振るって確かめるが「ハッハーァ ハッハッハーァ!!」とまた聞こえた。

 

「やっぱり笑い声が聞こえるって!?」

「じゃあ、どんな笑い声?」

「ハッハーァ ハッハッハーァっていう笑い声」

 

聞いた事がある笑い声で玄奘三蔵は察した。

 

「翠さん。その卵の中身はハグキね」

「え、そうなのか?」

「確実にハグキ。ねえ、その卵に顔が浮かんでない?」

「顔なんて浮かんで…るんだけど!?」

 

肆番卵に怖い顔が浮き出ていた。

 

「なにこの卵!?」

「ハッハーァ ハッハッハーァ!!」

「本当に笑い声が聞こえてきた!?」

 

肆番卵の中身はハグキ。この事から伍番卵は謎の物体という事になる。

 

「そうなると…」

 

壱番卵の中身は胡桃。

弐番卵の中身は賽子。

参番卵の中身は硬貨。

肆番卵の中身はハグキ。

伍番卵の中身は謎の物体。

 

「これで合ってるかな栄華さん?」

「大正解です!!」

「やったーー!!」

 

見事に卵の中身を全て正解させた桃香たち。これで上物の宝卵を手に入れる。

 

「お見事です。これが報酬の上物の宝卵ですわ」

「ところで謎の物体とハグキって何なんですか?」

「私も分かりませんわ」

 

その答えは詰め込んだ真桜のみ知る。

 

「ちょっと鳴動している卵が孵化しそうなんだけど!?」

「ハグキの卵が奇声をあげながら大きくなってるぞ!?」

 

これから戦闘が始まる。エネミー名は『生まれてくるべきではなかった』と『ハグキの卵』。

 

 

1115

 

 

宝卵探し祭を存分に楽しんでいる藤丸立香たち。

多少はトラブルが起きたらしいが問題ないとの事。現段階では皆が宝卵探し祭は成功だ。

 

「あ、みんなを発見」

 

藤丸立香は秦良玉組と北郷一刀組、桃香組を見つけて合流する。

 

「みんなはどう?」

「ちゃんと幸運ウサギを見つけて上物の宝卵を見つけましたよマスター」

「俺らもゲットだ」

「こっちも手に入れたけど…ちょっと問題が」

 

疲れ切った顔をしている桃香たち。

 

「何があったの?」

「…生まれてくるべきではなかった存在とハグキの卵と戦ってました」

「そっちで何があったんだよ」

 

桃香たちの説明で全てを察した藤丸立香たちカルデア陣。北郷一刀たちの方はチンプンカンプンのようだ。

 

「大変だったね三蔵ちゃん」

「大変だったわよー。本当に」

 

現状三蔵が真面目に言ったので本当に大変だったようだ。

 

「4組が幸運ウサギを見つけたって事はあと2人幸運ウサギを見つけてないね」

「頑張って見つけないとね」

 

残り2人の幸運ウサギを見つける為にまた街を散策する事になる。

せっかくなのでまたチーム分けをするのも良いかもしれないという事でくじを用意した時に、ある2人が藤丸立香たちの前に現れる。

 

「なかなか見つけてくれないからこっちから来たわよ」

「シャンも来たー」

「え、華琳にシャン」

 

現れたの華琳と香風。

香風の恰好はバニースーツではなく、桃色を基調とした兎をモチーフにした服装。ホットパンツ風なズボンを履いており、胸元はファーのようなもので覆われている。

長いふさふさのウサ耳ヘアーに、腿には人参を模した装飾を付けている。とても可愛らしい恰好だ。

 

「お、シャン似合ってるぞ」

「ありがと。嬉しい」

「しかしまさかそっちから出てくるとは思わなかったわよ華琳」

「なかなか見つけてくれないからこっちから来ただけよ」

 

暇だから逆に会いに来たという事である。

 

「そうなると上物の宝卵を賭けて勝負ってか?」

「そうよ。まずはシャンからね」

「シャンの考えた勝負はアレ」

 

香風のゆび指す先にはゆで卵が吊られたものであった。

 

「全員が手を使わずに食べれば勝ちだよ」

((パン食い競争みたいなもんだな))

 

藤丸立香と北郷一刀は同時に同じ事を思うのであった。

 

「微妙に高いわね」

「届かなそうで届く高さだよ」

 

ピョンっと跳んでみると確かに届きそうではある。しかしこれで食べるとなると微妙に難しいものだ。

 

「あーん。届かない」

「届きそうだけれど…なかなか難しいわね」

「手を使わないで食べるというのも難しいな」

 

ピョンピョン跳ねる愛紗や紫苑たち。そして見守る華琳はニコニコしていた。

 

「「はっ、そういう事か」」

 

華琳が楽しんでいる意味が分かった。

 

((とても揺れている!!))

 

男にとっても眼福な光景であった。

 

「ご主人様も早くやって」

「立香も早く」

(速くクリアして鑑賞するぞ立香)

(委細承知」

 

藤丸立香と北郷一刀は勢いよく跳んで吊られたゆで卵をパクリ。

 

「ご主人様はやっ!!」

「もしかして立香は得意な勝負だった?」

 

ただスケベ男2人なだけである。

 

「宝卵探し祭も良いものでしょ?」

「ああ、悪くはないな」

 

何はともあれ皆が楽しんでいるのであれば祭りと成立する。このまま皆が楽しんで無事に終われば大成功だ。

しかし残念ながら楽しいお祭りを邪魔する者が現れる。本当は起きて欲しくないが過去、現代、未来であっても異常事態というのは起きる可能性はある。

その異常事態が『宝卵探し祭』に発生してしまったのだ。

 

「ん?」

 

空から何かが3つ降ってきた。

 

「何だ!?」

 

空から降ってきたのは3体の鬼。

 

「ウサギの鬼?」

「何かバニースーツを着てないか?」

 

降ってきたウサギの鬼を見ると何故かバニースーツの恰好をしていた。

 

「鬼だよな?」




読んでくださってありがとうございます。
次回の更新も4月中。
宝卵探し祭編は4月中で完結させるつもりでしたが…出来るかな?


1111
秦良玉チームでの話。
(熟女組?)

此方で紫苑や祭たちが藤丸立香に以前、会った事があるという話。
コレ実は次回の物語のフラグです。
どういう事かはゆっくりとお待ちくださいね。


1112
レンゲを加えて卵を移す。
コレ、作者も試してみたんですけど…普通に難しかったです。
実際に出来るのかなコレ。作者は途中であきらめました。


1113
まさかエッグハントで黒ひげ危機一髪とは思わなかったでしょう。
ここの話はけっこう勢いで書きました。
子供の時に私も遊びました。意外に盛り上がるんですよね。


1114
卵の中身を当てるゲーム。
5つ中2つが不穏……どっちもFGOでのネタです。
卵といったらやはりレジライは外せませんでした。


1115
パン食い競争ならぬゆで卵食い競争。
パン食い競争って私やった事ないんですよね。今でもやっている学校とかってあるのかな。

最後に現れたウサギの鬼。
戦国†恋姫オンラインをプレイしている方なら分かっちゃいますね。


燈、風、栄華、香風
彼女たち4人のバニースーツやウサギのコスチュームは恋姫の乙女乱舞からのものです。
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