Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
人によってはゴールデンウイークが始まっている方もいらっしゃいますね。
ついに連休が始まる!!
皆様良いゴールデンウイークをお過ごしください。


FGO
ついに奏章Ⅳが配信される…!!
あと少しだ!!
どのような物語になるかわくわくが止まりません!!

恋姫
魔王カリンRPGがついにリリースされましたね。
此方も気になります!!
様々な恋姫キャラが出て来るという事で楽しみです。


宝卵探し祭-ウサギの鬼-

1116

 

 

『宝卵探し祭』を楽しんでいる一時に異変が起きた。

空からバニースーツを着たウサギのような鬼が3体降ってきたのだ。いきなり何を言っているのかとツッコミを入れられるかもしれないが事実なのだからしょうがない。

突然の出来事に一瞬だけ固まるが、すぐに警戒態勢。降ってきた謎の鬼を観察するのであった。

 

「鬼が空から降ってきた?」

「え、鬼なの?」

「バニースーツ着てるぞ」

 

現れた3体の鬼の姿はツッコミところが満載だった。

刀傷のあるウサ耳を生やし、兎寄りの鼻立ちをしたバニーガールの鬼。

口紅を塗っており、白の長髪で豊満な巨乳。両頬と両肩には爪のような角が生えており、肘にも角が生えている。発達しすぎる兎脚の爪には何故か青いマニキュアを塗っている。

 

衣装は胸元から上は手首にカフスだけで逞しい上半身を見せつけている。タイツは鬼の筋には小さすぎる為か破れてボロボロだ。

左手のお盆に乗っているのは徳利とお猪口。男女の意味合いを込めてか赤刺繡と青刺繡のセットである。

 

「「「何だこの鬼!?」」」

 

このような鬼は見たことがない。

様々な時代や国にレイシフトする藤丸立香達でさえ初めて見る鬼であった。

 

「「「我ラ 媚妖鬼 三姉妹!!」」」

 

3体の鬼が声を合わせて喋り始めた。

 

「長女 ノ 媚妖鬼!!」

「次女 ノ 媚妖鬼ヨ」

「サ、三女 ノ 媚妖鬼デス」

 

何故か魅惑のポーズを決める媚妖鬼たち。

 

「私ノ魅力ハ コノ 巨乳!!」

 

長女の媚妖鬼がダプンっと胸を強調する。

 

「私ノ魅力ハ 美シキ脚!!」

 

ムチっと脚を魅せ付ける次女の媚妖鬼。

 

「ワ、私ノ魅力ハ……カ、可愛イ オ目々デス」

 

キュルンっと瞳を光らせる三女の媚妖鬼。

 

「「「………」」」

 

何故か自分のアピールポイントを説明し出したので藤丸立香たちはポカンとしてしまった。

 

「何で自分の魅力を説明し出したの?」

「さあ?」

 

魅惑のポーズを続ける媚妖鬼三姉妹。

理由が全く分からない故に警戒が解けない。相手の動きや考えが分からないのは怖いものだ。

尤も本当に媚妖鬼の行動が分からなさすぎで思考が真っ白になりそうなのだが。

 

「姉サン 私達ノ求愛ガ 届イテナイデス」

(((え、もしかして求愛行動だったの?)))

「馬鹿ナ コレデ 雄ハ イチコロ ナノニ!?」

(((雄って事は…)))

 

どうやら求愛行動は藤丸立香、北郷一刀、太公望に向けられていたようだ。

 

(((嘘ぉ…)))

 

太公望であっても少しと予想外であったようだ。

 

「ソンナ…我ラ 三姉妹ハ ソコラノ雄兎達ニハ 女神ガ如クノ 存在ナノニ」

 

媚妖鬼三姉妹は雄の兎にはモテモテらしい。

 

「き、貴様らは何者だ」

 

正体は兎の鬼だが全く相手の事が分からない。愛紗が青龍偃月刀を構える。

 

「我ラハ 媚妖鬼三姉妹ダ」

「それは分かった。しかし目的は何だ?」

 

突然現れては自分のアピールポイントを説明する媚妖鬼三姉妹の理由が分からない。

 

「簡単ヨ」

「我ラ 特別ナ鬼子ヲ 孕ム為ニ ココマデ来タ!!」

「鬼子を…孕む?」

 

鬼子とはその言葉通り鬼の子。

藤丸立香たちは知らぬ事だが、ある外史世界では鬼子とは鬼と人間のハーフ。

特別な鬼であり、変異体とも言うべき存在。その力は上級鬼を上回り、成長すればするほど強くなる鬼だ。

 

「鬼子ヲ孕ム ソレガ 我ラノ目的!!」

「強靭ナル 鬼子ヲ産ム。ソシテ 鬼子ト共ニ 三国ヲ滅ボシ 兎ノ国ヲ建ルノヨ!!」

 

意外にも大きな野望を持っていた。

 

「……そ、そうか」

 

三国の敵であり、目的も分かったが反応に困るものであった。

 

「一応聞くけど…于吉の差し金?」

 

蓮華が媚妖鬼に黒幕を聞くが答えない。

情報を売り渡さないようだが現段階で三国の敵となれば于吉が所属する五胡くらいだ。

ついに五胡が動き出したと警戒が強くなるのだが出てきた尖兵がとんでもない鬼だったのは予想外。

 

「こんな鬼もいるのですね」

「武田信虎が率いていた鬼たちと全然違うぞ」

「カルデアにいる酒吞童子や茨木童子がこの鬼を見たら面白そうって言いそうだね」

 

女性陣は気が抜けそうだが油断してはならない。相手が珍妙な鬼であっても鬼は鬼なのだから。

 

「「「………」」」

 

男性陣としては冷や汗が止まらない。

媚妖鬼が言っている事が本心ならば男性陣は性的に襲われるという事だ。

 

「立香…俺、冷や汗が止まらないんだが」

「奇遇だね。オレも」

「僕も英霊になってもこのような事は初めてですね」

 

鬼子を孕むというのならば男女の営みが必要だ。

媚妖鬼は雌。ならば雄が必要であり、この場にいる雄は藤丸立香、北郷一刀、太公望。

確実に媚妖鬼三姉妹の狙いは藤丸立香たちだ。

 

「特別ナ鬼子ヲ孕ムニハ 特別ナ胤ガ必要ダ」

「特別ナ胤……ソレハ 天ノ御身イ」

「天ノ血 兎ノ血 交ワリ 天兎ノ鬼ガ誕生スル!!」

「故ニ…天ノ御身イ。貴方等ノ 一番搾リノ胤ヲ頂ク!!」

「「いやああああああああああ!?」」

 

北郷一刀と藤丸立香が悲鳴を上げた。

 

 

1117

 

 

媚妖鬼三姉妹が動き出す。

目的は特別な鬼子を生み出す為に天の御遣いの胤を頂く。そして特別な鬼子と共に三国を滅ぼして兎の国を建てる事が最終目標だ。

 

「次女ヨ。私ハ立香ト呼バレタ 雄ヲ頂ク!!」

「私ハ 一刀トイウ 男ヨ。トッテモ好ミ」

「ワ、私ハ…」

「三女ハ アノ糸目ノ男ニ シナサイ。アノ男モ 只者ジャナイワ。彼モ良イ男ヨ」

「ワ、分カッタ 姉サン。私ガンバル」

 

媚妖鬼三姉妹は男性陣をロックオン。

 

「私ノ魅力ハ巨乳。手練手管ハ三姉妹イチ」

「み、魅力だと思います?」

「我ガ求愛を受ケ入レタナ。デハ、交尾ダ!!」

「今の返事に何処で受け入れたと!?」

 

会話が成り立っているようで成り立っていない。

藤丸立香は今までにない身の危険を感じる。

 

「次女ノ私ノ魅力ハ コノ鍛エ抜カレタ脚。コノ脚線美ハ自慢ヨ!!」

「お、おう」

「雄ハ タイツ トヤラガ 破レテイルノガ 好キト聞イタワ」

 

媚妖鬼(次女)は北郷一刀に自慢の脚線美を魅せ付ける。タイツが破れている方が好き云々は個人による。

 

「ドウヨ!!」

「あ、ああ…魅力的な脚だと思うぞ?」

「ナラ 交尾ネ!!」

「何でだ!?」

 

北郷一刀も、このようなモテ方をするとは思わなかった。

 

「清イ オ付キ合イヲ シマショウデス。私ノ目ハ 綺麗デスカ?」

「まあ、つぶらな瞳だと思いますよ」

「アリガトウゴザイマス。デハ、交尾デスネ」

「清いお付き合いとは…」

 

太公望も今までの人生でこのような展開は初めてであった。

もしかしたら別世界・別宇宙の太公望であれば妖魔にモテモテだったりするかもしれない。

 

「我ラ 三姉妹ノ求愛ヲ 受ケ入レタ」

「ヤハリ、我ラハ 雄ウサギ カラ モテモテ」

「コレカラ 交尾デスネ」

 

媚妖鬼の長女と次女は鬼子を孕む為に藤丸立香たちへ跳ぶ。

 

「「いやあああああああ!?」」

「させません」

「ご主人様に手を出させるか」

 

秦良玉と愛紗が媚妖鬼の長女と次女を撃ち返す。

 

「ナニ!?」

「ナニスンノヨ!!」

 

簡単に藤丸立香と北郷一刀を襲わさせるだけにはいかない。

主人を守る強き武人達は武器を構えて鬼と立ち向かう。

 

「邪魔スルナ 淫乱ウサギ共!!」

「「淫乱ウサギ!?」」

「私ノ雄ウサギニ 手ヲダスナ。コノ 泥棒ウサギ共!!」

「「泥棒ウサギ!?」」

 

2体の鬼の罵声はなんとも言えない。

バニースーツを着ているせいか秦良玉たちは媚妖鬼たちに本当に雌のウサギと思われているかもしれない。

 

「ヨク見ルト 雌ウサギガ多イワヨ」

「貴様ラモ 我ラガ 狙ウ 雄ウサギヲ 狙ッテイルカ!?」

「ソレハ マズイデス。一番搾リ胤ガ 奪ワレマス 姉サマ」

 

媚妖鬼三姉妹はアイコンタクトでどうするべきかを考え、答えを導き出した。

 

「他ノ雌ウサギニ 奪ワレル前ニ 搾リ取ル!!」

「「ハイ 姉サン」」

 

媚妖鬼三姉妹は脚に力を入れる。藤丸立香達にもう一度狙いを定め、先ほどよりも速く跳ぶ。

 

「速い!?」

「何て脚力じゃ」

「貰ッタ!!」

「駄目!!」

 

玄奘三蔵の掌底が媚妖鬼(長女)に打ち込まれる。

 

「グホォッ!?」

「無理やり襲うなんて御仏的に駄目よ。ダメダメ!!」

「ヌヌヌ…コノ 淫乱泥棒ウサギガァ」

「淫乱じゃないわよ!!」

 

媚妖鬼(長女)は邪魔された一方で媚妖鬼(次女)もまた邪魔されていた。

 

「邪魔スンジャナイワヨ!!」

「お館に手を出させるか」

「ご主人様は守る!!」

 

焔耶と愛紗の守りにより媚妖鬼(次女)は北郷一刀に手を出せない。

 

「我ラノ邪魔ヲスルナァァァ!!」

 

妖気を開放して全力モードに移行する。

媚妖鬼三姉妹は何が何でも藤丸立香たちを襲うつもりだ。

 

「これはマズイですね。マスターと北郷殿は避難を」

「秦良玉殿の言う通りです。ご主人様も藤丸殿と避難してください」

「分かった。ここから離れよう一刀」

「ああ。街の外に行くぞ」

 

媚妖鬼三姉妹の狙いは藤丸立香たちだ。もしも一般の男性たちが狙われたら阿鼻叫喚になる。

被害を最小限に食い止める為に暴れられても良いように街の外に媚妖鬼たちを誘導しなければならない。

藤丸立香たちは早く街の外へ。秦良玉たちはマスターたちを守りながら媚妖鬼三姉妹を外に誘導しなければならない。

 

「「「逃ガスカ!!」」」

 

媚妖鬼三姉妹との追いかけっこが始まる。

 

「このままじゃ民に被害が出るわね」

 

華琳は瞬時に対応する為に部下を動かし始める。

 

「栄華と風は兵と共に民たちを避難させなさい。」

「「はっ」」

「桂花と燈は兵を出して媚妖鬼の討伐準備を…街への配置と外への配置を直ちに」

「「分かりました」」

「シャンは私に付いてきなさい。気になる事があるわ」

「うん。分かった華琳様」

 

せっかくの『宝卵探し祭』を邪魔させるわけにはいかない。

祭りに事故や異変が発生する場合はある。しかし祭りとは楽しんで終わらせる方が良いに決まっている。

 

「祭りをかき乱す者はこの曹孟徳が許さないわ」

 

 

1118

 

 

媚妖鬼三姉妹が長女の狙いは藤丸立香。次女の狙いは北郷一刀。三女の狙いは太公望。

鬼子を孕む為に全力で藤丸立香たちを追いかける。

 

「我ガ求愛ヲ受ケ入レタノニ 何故 逃ゲル!!」

「ごめん。受け入れてないんだけど」

「私ノ求愛ヲ 求メタノニ 何故逃ゲルノヨ!!」

「すまん。求めてないぞ」

「姉サマ2人ノ…私ノ求愛ヲ受ケ入レタノニ 何故逃ゲルンデス!!」

「いやぁ…御三方とも話を聞かないじゃないですか」

 

好意を向けられるのは悪い事ではない。しかし一方的過ぎて相手の事を考えない好意は場合によっては迷惑な事もある。

恋は盲目と言うが媚妖鬼三姉妹の場合は大分違う。彼女たちの場合は襲っているのだから逃げるのも当然だ。

 

「コウナッタラ…我ガ魅惑ノ身体デ 分カラセルシカナイ!!」

「ソウネ。身体カラ始マル 交尾モアルワ」

「言っている事が意味分からないんだけど」

 

何はともあれ、媚妖鬼三姉妹は無理やり藤丸立香たちを襲う事が決定。そもそも最初から、その段取りだったに違いない。

 

「まさかこんな追いかけっこが始まるなんて思いもしなかったぞ」

「オケアノスでヘラクレスに追いかけられた時よりも、ある意味怖いんだけど」

「僕もこんなのは初めてな経験ですよ」

 

男3人とも貞操の危機を覚えて脚を早く動かすしかなかった。

 

「ヌウ…他ノ雌ウサギ共ガ邪魔ダ」

「私タチノ 交尾ヲ 邪魔スルナンテ ウサギノ脚ニ蹴ラレテ 死ンジャエ」

「姉サマ ココハ私ニ 任セテクダサイデス!!」

 

媚妖鬼(三女)が突貫し、玄奘三蔵たちを藤丸立香たちから分散させる。

 

「私ガ 邪魔ナ 雌ウサギ達ヲ 食イ止メマス。姉サマ方ノ交尾ガ優先デス!!」

「オオ…三女ガ何ト出来タ妹カ」

「オ姉チャン 嬉シイワ」

 

媚妖鬼(三女)は妖気を開放し、玄奘三蔵たちを食い止めようとする。

 

「三蔵ちゃん頼んだ!!」

「任せてマスター。この不邪淫ウサギを懲らしめてやるんだから」

「此方は此方でウサギの鬼を外へ連れ出します」

「アタシも手伝うぜ」

「私も援護出来る事があれば援護します」

「では、僕に付いて来てください」

 

媚妖鬼(三女)は玄奘三蔵、斗詩、翠、真直、太公望が受け持った。

 

「ナンテ素敵ナ 雄ウサギ ナンデスカ」

「はい?」

「私ハ交尾ヲ一旦諦メ 雌ウサギ共ノ 足止メヲシヨウトシテイルノニ……残ッテ 私ノ雄姿ヲ 見テクレルナンテ」

「何故そのような考えに?」

 

やはり会話が成り立たず、話を聞いてくれない。

 

「残りはこのまま外に!!」

「「逃ガスカアアアアア!!」」

 

媚妖鬼の長女と次女が全力で追いかけて来る。

 

「やっぱ怖ええ!?」

「どうしよう…本当にオケアノスでのヘラクレス追いかけっこの時より怖い」

「外野にいる分なら面白いんだけどね」

 

司馬懿(ライネス)が水銀の馬(トリムマウ)の背に乗って駆けている。

彼女は面白そうにニヤニヤと困っている藤丸立香と北郷一刀を見て楽しんでいた。

 

「こんな状況に楽しんでないでよ師匠」

「いい性格してんな司馬懿って…いや、正確には司馬懿じゃないんだっけ?」

「てか、師匠。オレらもトリムマウに乗せて」

 

トリムマウが水銀を伸ばして2人を背に乗せる。

水銀の馬に乗った事に不思議な気持ちになる北郷一刀であるが、今はそれどころではない。

 

「捕まったら犯されるぞ立香…」

「い、嫌だ…」

「打開策を教えようか?」

「教えて下さい師匠」

 

ニヤニヤしながら司馬懿(ライネス)は打開策を口にした。

 

「切ってしまえばいい」

「「怖い事を言うな!!」」

「あっはははは」

 

愉快そうに笑う司馬懿(ライネス)であった。

 

「「ソンナ事ハ シテハイケナイ!!」」

 

媚妖鬼の長女と次女も反対してくれた。

 

「しかし一番有効な手立てだと思うが?」

「そうだけど男として了承出来ないよ!!」

 

媚妖鬼三姉妹の狙いは藤丸立香たち犯して鬼子を孕む事。ならば藤丸立香たちの胤を出さないように切除してしまえば媚妖鬼三姉妹の目的は断絶だ。

ある意味、有効な手立てだが藤丸立香と北郷一刀は男として首を縦に振れない。

 

「絶対に無理だ!!」

「他の手立てをお願いします!!」

 

男として物凄い覚悟を伴う打開策だが2人とも、その覚悟は無い。

 

「私はその打開策を推すわよ。ちょん切られなさい」

「桂花。って、推すな!!」

 

桂花が建物の屋根に姿を現す。彼女だけでなく、幾人もの兵士たちが弓を構えていた。

 

「正射必中。放て!!」

 

媚妖鬼の長女と次女に放たれた矢の雨。

 

「コンナ矢ナゾ!!」

「私タチノ ヤル気デ 矢ヲ弾クワ!!」

 

矢の雨なんて何のその。放たれる矢を弾き落としていく。

 

「なんですって!?」

「邪魔スルナ 泥棒ウサギ!!」

 

この程度では媚妖鬼の長女と次女は止められない。

 

「やっぱ犠牲になりなさい北郷、藤丸。その隙にソイツらを仕留めるから!!」

「「嫌だよ」」

 

桂花の提案を却下する北郷一刀と藤丸立香。

 

「しかし、ちょん切る以外でなると…出すしかないな?」

「え?」

 

ニヤリと傾が笑う。

 

「だ、出すって…」

 

意味を理解したのか月が顔を真っ赤にしていた。

 

「まあまあ」

「ほうほう」

 

紫苑と祭も「なるほど」と言った顔をしている。

 

「そ、そんなのって、良いのかな?」

「ご、ご主人様のを…」

「立香のを…」

「何だか面白くなってきたな」

 

桃香たちも恥ずかしそうにしているが、その案を否定はしていなかった。

司馬懿(ライネス)に関しては現状が面白い方向になってきたので同じく否定しない。

 

「一番搾リノ胤ヲ 他ノ泥棒ウサギニ 獲ラセナイワ!!」

「私ガ 先ニ 見ツケタ 雄ナノニ!!」

 

急遽決まった打開策が「搾り取られる前に出してしまえ」となった。

 

「「え」」

 

藤丸立香と北郷一刀も顔を赤くする。媚妖鬼たちの目的が目的なだけに、襲われる前に全て出して空にしてしまえば媚妖鬼たちに計画は瓦解する。しかしこんな状況では出す物も出せない。

 

「じゃあ2人共さっさと出してくれ。あ、トリムマウからは降りてくれよ。混ざったら困る」

「何て事を言うんだ師匠!?」

「とんでもない事を言うな!?」

 

発端は傾だが面白いので司馬懿(ライネス)はニヤニヤしながらより面白おかしくしようとする。

ただ、面白くなるようにしている余裕が司馬懿(ライネス)はあるという事だ。彼女も色々と策は考えて準備をしている。

 

「よし。媚妖鬼とやらを足止めするから2人はどっかで処理してこい」

「処理って…」

 

トリムマウから降りた2人は処理するかどうかは置いておいて、取り合えず街の外に向かって走るしかなかった。

 

「トリムマウ。戦闘形態」

『はい。お嬢様』

「「邪魔スルナアアアアアアア!!」」

 

どんどんとトンデモナイ事になってきているのであった。

 

 

1119

 

 

がむしゃらに走る藤丸立香。目指すは街の外。

追いかけて来る媚妖鬼三姉妹に捕まれば無理やり犯される未来が待っている。

 

「あれ…一刀といつの間にか逸れた?」

 

周囲を見ると一緒に走っていた北郷一刀がいない。どうやらお互いにがむしゃらに走って途中で分かれ道に出も何かで逸れたかもしれない。

 

「一刀が心配だけど…取り合えず外に向かわないと」

 

がむしゃらに走っていた為、息が荒い。まずは深呼吸をして呼吸を整える。

 

「街の外は…」

「立香さんこっちよ」

「紫苑さん」

 

建物裏にて紫苑が手招きをしているので、すぐに駆け寄る。

 

「無事で良かったわ」

「他の皆は?」

「あのウサギの鬼を外へ誘導しているわ。でも立香さんやご主人様が見つかると…」

「オレも早く外に出ないとな」

 

街の中に隠れていたら媚妖鬼たちはいつまでたっても外には出ない。

藤丸立香や北郷一刀を見つけ出す為に街中で暴れ回り、被害を大きくするかもしれないのだ。

 

「あの…立香さん?」

「はい 何ですか?」」

 

紫苑が少し恥ずかしそうに頬を赤らめながら藤丸立香を見る。

何故かドキリとさせられてしまうのであった。

 

「傾さんの言っていた案ですけど、手伝いましょうか?」

「え?」

 

その「手伝う」という言葉の意味に心臓を矢で刺された衝撃だ。

 

(私は何で立香さんにこんな事を…)

 

己の言葉に自分でも驚く。しかし嫌な気持ちはない。

それはきっと過去の事に何かある。思い出せない過去に。

 

「い、いや…流石に紫苑さんに悪いよ」

「嫌じゃないわ」

 

そんな事を美女から言われてしまえば男として抗えない。

 

「何をしてるんですか紫苑殿!!」

 

ここで秦良玉が合流。

 

「あ、秦良玉さん」

「マスターも何をしてるんですか!!」

「いや、その…」

 

秦良玉が現れなかったら、流れに任せてたかもしれない。

 

「全くもう…」

「秦良玉さん」

「何ですか紫苑殿?」

「一緒に立香さんのを手伝いません?」

「へ!?」

 

まさかの紫苑により勧誘(巻き込み)。その提案に秦良玉は素っ頓狂な声を上げた。

 

「立香さんの安全を考えるなら今ここでの方が良いと思うけど」

「そ、それは…」

 

何故か考え込む秦良玉。

 

「リャン?」

「はっ、いやいや。マスターにそんな事を出来るはずがありません!!」

「でも立香さんが求めたら? 嫌がってなかったら?」

「そ、それは……」

 

途端に顔が真っ赤になる秦良玉。

 

「立香さんは秦良玉さんが嫌かしら?」

「そんな事ないよ。リャンは素敵な女性だから逆にオレなんかがいいのかな…」

「そんな、マスターも素敵な男性です。あ、いやその…」

 

秦良玉の鉄の理性はどうしたとツッコミを入れられるかもしれない。

 

「見ツケタゾ。私以外ノ雌ウサギニ 搾リ取ラレテナイダロウナ!!」

「見つかった!?」

「モウ逃ガサン。私ノ本気ヲ 魅セテヤル!!」

 

媚妖鬼(長女)が妖気を練り込み、解放する。

 

「私ノ真ナル姿 解放!!」

 

媚妖鬼(長女)の額から見事な一本角が生える。

 

「アルミラージ!!」

「アルミラージって確かに角の生えたウサギだよな?」

「コノ見事ナ 一本角。魅惑的ダロウ?」

「えと、ああ、はい?」

「ヨシ。雄ウサギハ 私ノ真ナル姿ニ 首ッタケ」

 

そんな事はないのだが『アルミラージ』という姿を現したという部分には注目している。

アルミラージは角の生えたウサギに似た伝説の生物だ。イスカンダルことアレキサンドロス大王の逸話にも登場する。

 

(イスカンダルから聞いた話だと…)

 

『アルミラージ』について考えるがすぐに打ち切られる。

 

「雄ウサギ。モウ逃ガサン!!」

「マスター逃げてください」

「ここは私たちに任せて立香さんは街の外へ」

「ごめん。頼んだ!!」

 

藤丸立香は駆ける。

 

「白杵槍!!」

「剛龍の矢!!」

「マタ邪魔ナ!!」

 

秦良玉と紫苑は媚妖鬼(長女)を足止めする。

 

「外に行くにはどっちだ」

「立香くん。こっちこっち」

「燈さん!!」

 

手招きする燈に向かって駆けていく。

 

「無事で良かったわ立香くん」

「何とか貞操は守り切ってます。一刀も無事でいると良いんだけど」

「北郷さんたちも無事だと思う。途中でウサギのような鬼と焔耶さんと愛紗さんが屋根を跳びながら斬り合っていたのを見たわ」

 

愛紗たちが媚妖鬼(次女)と戦っているのならば、まだ北郷一刀は襲われていないという事だ。

襲われずに北郷一刀たちは何とか外に目指して向かっている。

 

「燈さん。外までの最短距離の案内を頼めるかな」

「勿論よ。でもその前に」

 

何故か蠱惑に笑う燈。

 

「手伝いましょうか?」

「燈さんも!?」

「まあ、聞いた話だと出して空にした方がウサギのような鬼も諦める気がするし。言っておくけど立香くんだからよ?」

 

誰にでもこのような事を言うはずがない。

燈は自らの手をバニースーツのレースアップ部分に添える。

 

「この白い部分を緩めてくれる?」

「その誘い文句は効くって!!」

「うふふ」

 

燈の妖艶さに飲み込まれそうになるが我慢だ。なにせ媚妖鬼(長女)が一本角を向けて突撃してきているのだから。

 

「泥棒ウサギメガアアアア!!」

「燈さん危ない!!」

 

燈を抱き抱えて回避する。

 

「もう見つかっちゃうなんて。立香くん街の外に行く最短距離は北よ。走って」

 

燈はパチンと指を鳴らすと術式が媚妖鬼(長女)の足元に浮き上がる。

 

「神算鬼謀の策略をお見舞するわ」

「グヌッ…妖術カ。シカシ、コノ程度デ 私ノ求愛ハ 止メラレンゾ」

 

藤丸立香は北へと走る。

媚妖鬼(長女)の脚力は強力だ。兎の脚力と鬼の筋力が合わさって狂暴な力となっている。

故に媚妖鬼(長女)は秦良玉や紫苑の攻防を抜けきって来たのかもしれない。

 

「あ、立香!!」

「蓮華。それに雪蓮に梨晏」

 

途中で合流するは蓮華たち3人。

 

「無事で良かった」

「大丈夫 立香? あのウサギ鬼に搾り取られたじゃない?」

「搾り取られてないから」

 

貞操は無事である。

 

「じゃあ私たちが抜いてあげよっか?」

「姉様!?」

「ちょ雪蓮!?」

 

雪蓮の提案に慌てふためく蓮華と梨晏。

 

「だってあのウサギ鬼に奪われるくらいなら私達で処理してあげた方が良いでしょ?」

「時と場合を考えてください姉様!!」

「あはは。冗談よ冗談」

 

本当に冗談なのか微妙なところだ。

 

「じゃあ事件が解決したらね?」

「姉様!!」

「なによ蓮華ったらー。私と蓮華は立香とは深い仲なんだからいいじゃない」

「そういう事を軽々しく言わないでください!!」

(え、蓮華様も雪蓮も立香といつの間に…私だけで遅れたりしてる?)

 

藤丸立香は蓮華たちを合流し、北へと走る。

 

「ウサギの鬼は?」

「リャンや燈さんたちが足止めしているんだけど…」

「逃ゲルナ 雄ウサギ。私ノ求愛ヲ 受ケ入レロ!!」

「なるほど。あの脚力で突破して来ていると」

 

雪蓮と梨晏は武器を構えて媚妖鬼(長女)へと走り出す。

 

「蓮華は立香と共に外へ向かいなさい」

「ここは私達に任せてよ!!」

 

2人は同時に技を放つ。

 

「小覇王一閃!!」

「三叉・暗夜戟槍!!」

「ウサギノ 底力ヲ 舐メルナ!!」

 

2人の技と媚妖鬼(長女)の気合がぶつかり合う。

 

「北の出入口まであと少しよ立香」

「こっちです立香さん」

「月に傾!!」

 

次に合流するは月と傾。

 

「大丈夫か立香。もしや搾り取られていないだろうな」

「ないよ」

「よし。私が搾り取ってやろう」

 

傾が藤丸立香を掴んで物陰へと引きずり込む。

 

「傾さん!?」

「ちょっと何してんのよ!?」

「何って、あのウサギ鬼の計画を瓦解させる行為だが?」

 

媚妖鬼たちの目的は何度も確認しても藤丸立香や北郷一刀の胤。ならば奴らに襲われる前に胤を出しきってしまえばいい。

 

「立香が1人で出来んというのなら手伝ってやるまでだ。なぁに、立香の何処が弱いか知り尽くしている」

「それはオレも初耳なんだけど」

「立香の…」

「はう…弱点」

 

何故か蓮華と月が藤丸立香の弱点に興味深々のようだ。

2人の反応に傾はニヤリと笑う。

 

「本当は教えてたくないが実践で教えてやろうか?」

「「……」」

 

考え込む蓮華と月。

 

「あの、そんな事してる場合じゃないから」

「そうじゃぞ!!」

 

新たに合流するは祭。

 

「祭!?」

「蓮華様。今の状況を冷静に考えて下され」

「うう…ごめんなさい」

「まあ、立香の弱点とやらは気になるが…」

 

祭も藤丸立香の弱点は知りたいようだ。

 

(紫苑や傾たちが何だか大胆すぎない? 師匠も止めて欲しかったんだけど…でもオレ自身もハッキリと止めようとしなかったのも悪いんだけどさ)

 

このような状況であっても傾たちの大胆さに驚く。

そもそも彼女たちはそんなに大胆でいきなりすぎる行為をするのかと疑問に思う。そして自分もまた受け入れようとしていた。

何処か変だと思いながらも気にせずに流れに任せようとしていた。何が変だと疑問に思って考え込むが、そんな暇は無かった。

 

「今度コソ 逃ガサナイ。ソロソロ 私ト交尾シロ!!」

「来たあ!?」

 

媚妖鬼(長女)が一本角を魅せつけながら現れる。

 

「アルミラージ。アルミラージ。私ノ魅力ハ アルミラージ。アルミラージノ私ハ ココニイル!!」

「ええい、五月蠅いウサギ鬼め」

「立香の貞操は私が守る!!」

「立香の胤は貴様のモノではない。孫呉のモノじゃ」

「それもどうかと思うよ祭さん」

 

今でも藤丸立香の孫呉での役割は、彼の胤を孫呉の者に注ぐ事である。

 

「本気ダ!!」

 

媚妖鬼(長女)の身体から紫寄りの黒ハート型の妖気を展開。指を唇に押し当てる。

 

「チュバ!!」

 

ハート型の妖気弾を投げキッスで放った。

 

「コノ 求愛弾デ イチコロダ!!」

 

媚妖鬼の必殺技である『媚妖の口づけ』。直撃したら別の意味で一殺(イチコロ)である。

 

「そんな物を近づけるな!!」

 

傾が鞭で弾き落とす。

 

「ならばこっちはコレをくれてやる!!」

 

お返しにと祭は一撃の矢を放つ。

 

「ソンナモノデ 私ノ求愛ハ 止マランゾ!!」

「いや、そろそろ止まろうか。彼は私の弟子なんでね」

「ナンダト!?」

 

司馬懿(ライネス)の声が響いた瞬間にトリムマウが媚妖鬼(長女)に巻き付いて動きを封じた。

 

「もう止まりなさい」

 

紫苑や秦良玉たちも追いつき、弓矢や槍を媚妖鬼(長女)に向ける。

 

「動けば斬る」

 

雪蓮が剣を首元に当てる。

 

「いくつか策を用意していたけど隙を見て捕縛出来たよ」

 

指をパチンと音を立てるとトリムマウの一部が藤丸立香のズボンからニュルンと出てきた。

 

「うわっ、いつの間に?」

「トリムマウに乗って駆けていた時さ」

 

水銀馬に藤丸立香と北郷一刀が乗った時、気付かないようにトリムマウの一部をズボンに忍び込ませた。

2人が媚妖鬼たちに襲われると仮定した時用の護衛トラップのようなものである。

 

「もしもコイツらが我が弟子を性的に襲おうとした時、ズドンってわけさ」

 

男性器ではなく尖った水銀が突き刺さるという事だ。

 

「司馬懿ちゃんはえげつない事を考えるね」

「そうかい?」

 

この程度はカワイイものだと言わんばかりの顔をしていた。

そんな顔を当たり前にする司馬懿(ライネス)に冷や汗をかく梨晏であった。

 

「ん?」

 

街中に全体に何故の鳴き声が急に響いた。その謎の鳴き声は「ブーブー、ブッ、ブーブー!!」というものだった。

 

「何の鳴き声だ?」

「………」

 

急に黙った媚妖鬼(長女)。負けを認めて大人しくなったかと思われたが違った。

 

「ツイニ…計画ガ 最終段階ニ 入ッタ」

「なに?」

 

まさかと思って藤丸立香を見る。

 

「いや、襲われてないよ」

 

藤丸立香の貞操は無事である。

 

「まさか北郷と太公望殿の貞操が?」

 

北郷一刀の方は分からないが太公望が簡単に犯されるようには思えない。

 

「ククク…鬼子云々ハ オマケダ」

「オマケ?」

 

天の御遣いの血は特別。もしも2人の胤で孕んだ鬼子は特別というのは本当のつもりで言っていた。

本気で藤丸立香たちの胤を手に入れるために追いかけていたが、それはオマケに過ぎない。

媚妖鬼三姉妹の真なる目的は別にあるのだ。媚妖鬼(長女)は既に己の仕事を果たしている。

 

「次女ヨ。早ク 三女ノ元ヘ!!」

「本当の計画とは何だ」

 




読んでくださってありがとうございます。
次回も4月中…は難しいから5月になりそうかな?
『宝卵探し祭編』は4月中に完結させるはずだったのになあ。


1116
媚妖鬼。
戦国†恋姫オンラインに登場するバニーガールの鬼です。
性格云々はオリジナル設定です。

彼女たちの目的は鬼子を孕む事?
狙われた藤丸立香たちは貞操の危機です。


1117~1119
媚妖鬼三姉妹が藤丸立香たちを襲う。
全力で逃げます。モテるというのも考えものですね。


媚妖鬼三姉妹のちょっとしたオリジナル設定。
三体とも元はただの三羽のウサギ。鬼に成る魔薬の実験で生まれた鬼。
于吉もちょっと驚いた進化したウサギ鬼。

媚妖鬼(長女)
アルミラージの力を組み込まれた。
長女なのでしっかり者。

媚妖鬼(次女)
???の力を組み込まれている。
姉妹の中で、実は我儘だったりする。

媚妖鬼(三女)
???の細胞を組み込まれている。
甘えん坊だが姉を立てるくらいに姉思い。


藤丸立香たちの胤が媚妖鬼たち以外からも狙われる。
大胆になる紫苑や秦良玉たち。
普段ならこんな状況ではやらないけど、ちょっとした理由があったりします。
その設定に関してはいずれ…。


媚妖鬼(長女)から明かされる真実。
鬼子孕む云々はオマケで真なる計画は別にある。
媚妖鬼(長女)がアルミラージなのも理由があったりします。
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