Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
更新が大分遅れてしまって申し訳ございません。
リアルが普通に忙しかったもので…(言い訳)

さて、また更新再開です!!
江東の虎物語編は6月中に完結できるように頑張ります!!


江東の虎物語-炎蓮と郭雄-

1138

 

 

前回までのあらすじ。

海賊から漁民たちを守った後に孫堅と郭雄に事情聴取される。

 

「まさかまたてめえらと会うとは」

 

藤丸立香たちの目の前にいるは炎蓮。

 

「最近ぶりです」

「はんなまー!!」

「は、はん…なま?」

「こいつらと知り合いなのか孫堅?」

「ちょっとな」

 

炎蓮からしてみれば雷火の屋敷を教えた程度の仲だ。

 

「知り合いなら話しやすいというものだろう。海賊について聞きたいのだが良いか?」

「はい」

「と、その前に自己紹介だな。私は郭雄。呉の県令だ」

「オレは藤丸立香です。で、こっちが」

「太歳星君だぞ!!」

「そんな名前だったのか」

「孫堅。知り合いじゃなかったのか?」

「そういや、こいつらの名前聞いてなかった」

 

何はともあれ、海賊が襲ってきた時の事について事情聴取。

藤丸立香は当時の状況を細かく説明。

 

「なるほどな。たった3人でよく漁民たちを守ったもんだ」

「3人…あと1人はどうした?」

 

あと1人というのはこの場に居ない太公望の事。

 

「もう1人は…」

「今戻ってきました」

「うお!?」

 

太公望がひょいっと炎蓮と郭雄の背後から現れる。

 

「お、脅かすな!!」

「脅かしたつもりはないんですが」

(こ、こいつ…オレの背後を取りやがった。只者じゃねえ)

 

にこやかな美青年である太公望。胡散臭くも見えたが己の背後を取った彼に警戒を入れる炎蓮。

 

「周囲を見てきましたが怪我で動けなくなっていた人たちはいませんでしたよ」

「良かった」

 

全員を助けたつもりであるが、もしかしたら怪我して取り残された者たちもいる可能性があった。

太公望は取り残された人がいないが港町を確認していたのだ。

 

「こいつは…前に居なかった奴だな」

「彼もオレの旅仲間なんだ」

「太公望って言います」

「おう。オレは孫堅って言う」

「私は郭雄。呉の県令だ。ここから逃げ出した役人に代わって礼を言う」

 

ここの港町にいた役人たちは海賊に恐れをなして逃亡した。郭雄はあとで罰を与えるつもりだが、それよりもたった3人で漁達を避難させた彼らに感心を抱く。

 

(ふむ、怪しくないと言い切れんが使える人材かもしれん)

(こいつら使えるな。もしも呉に海賊が攻めてきたら…こいつらの力を借りられれば少しは対応できるか?)

 

郭雄も炎蓮も似たような事を考えていた。

 

「お前ら元々、呉に居たのに何でここに?」

 

旅人だから何処に居ようとも変ではないが、藤丸立香たちの目的を知る事は炎蓮にとって交渉する材料となる。

 

「人探しです。でもここには居なかったみたいで…」

 

藤丸立香たちは過去の祭と粋怜の居場所を見つける事が現段階での目的だ。

情報では祭に似た人物がこの港町にいたと聞いたが、どうやらガセだったかもしれない。

 

「その人探しやら手伝ってやろうか?」

「え、本当に?」

「おい、孫堅何を勝手に」

 

郭雄が「何を言って…」と言ったところで炎蓮によって遮られる。

 

「その代わりと言っちゃなんだが海賊がもしも呉に攻めてきたら今回みたいに避難を手伝ってくれねえか?」」

 

要は海賊が呉に攻めてきた時に力を貸してくれという事だ。

 

「構いません」

 

守べき対象と行動できるのであれば越した事はない。

孫堅(炎蓮)と海賊について、史実や演義では海賊との攻防が孫堅(炎蓮)の武勇を轟かす始まりである。

恐らく敵が狙ってくるは孫堅(炎蓮)と海賊との戦いかもしれない。

 

「んじゃ、呉に戻るか。呉に戻ったらここの漁民たちを雇入れを手続きしねえといけねえからな」

 

 

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呉に戻って仮拠点へ。

呉の外れの港町で起きた事を留守番していた黄飛虎と哪吒に報告。

情報共有は大切であり、今後はどう動くかどうかに重要だ。

 

「なるほど。其方ではそんな事が起きていたのか」

「黄飛虎たちの方は?」

「無問題」

 

哪吒が親指を立てて、雷火や炎蓮に刺客による襲撃は無しと報告する。

そもそも炎蓮は港町で出会っているので襲撃が無かったのは分かっていた。

 

「しかし海賊がここに襲ってくるか」

「うん。多分…その海賊襲撃が炎蓮さんの武勇の始まりだと思う」

 

史実や三国志演義での孫堅がある県(地方)において海賊が略奪を行なっている状況に遭遇し、一計を案じて活躍した事件。見晴らしの良い位置に立ち、あたかも大軍の指揮を執って海賊を包囲殲滅するかのような身振りをしたのである。

それを見た海賊たちは大軍が攻めてくるものと勘違いし、我先にと逃げ出してしまった。この件で孫堅は有名となり役所に召されて仮の尉となったというものだ。

 

「多分だけど炎蓮さんの今の状況はまさにソレなんじゃないかな?」

「多分というかマスターの予想通りだと思いますよ」

 

太公望も藤丸立香の予想を肯定する。三国志の歴史を知る者であれば誰もが孫堅と海賊と言えば、孫堅による海賊撤退だ。

 

「そして敵の狙いがまず炎蓮殿であれば、海賊に力を貸してくるでしょうね」

 

過去改変を行う敵陣営。狙いが孫呉だと言うのであれば、炎蓮(孫堅)の活躍を間違いなく邪魔してくる。

この外史世界の孫呉の始まりは炎蓮、雷火、祭、粋怜が軸である。孫呉の歴史改変をするなら4人を狙うが当然だ。

 

「そうなるとその海賊の動向を調べねばらなんな」

 

黄飛虎がチラリと哪吒を見る。その目配せに頷く哪吒。

 

「海賊 監視 情報収集 了解」

 

彼女は身軽に窓からシュバッと飛び出して、海賊がいる呉の近海へと向かった。

 

「流石は哪吒。動きが早いですね」

「そういえば祭殿が外れの港町にいるかもしれないという事であったが」

「居ませんでした」

 

呉の外れの港町に祭がいるかもしれないという情報はガセであった。もしくは本当に居たが既に港町から去っていたかもしれない。

 

「分かった。そうなると祭殿と粋怜殿の捜索は一旦中止だな」

「黄くんの言う通り。まずは海賊をどうにかしないといけません」

 

今の状況から海賊の脅威を解決する方が先だ。

于吉による刺客がいるならば海賊に手を貸し、炎蓮を殺しにくるかもしれない。

 

「そして歴史通りにするのであれば炎蓮殿が海賊を追っ払わないといけません。まあ、未来を見るに炎蓮殿は無事に解決しています」

 

孫呉の始まりを邪魔させてはいけない。

 

「しかし未来からくる敵が歴史を変えようと海賊に入れ知恵なり手を貸すはずです」

「その場合だったらオレらが炎蓮さんを助けないといけないわけだね」

「はい。そして活躍を必ず炎蓮殿のものにしなければなりません」

 

次の行動が決まった。

炎蓮の海賊襲撃防衛を成功させる補助だ。

 

「哪吒には海賊陣営の偵察に行ってもらったからオレらは…」

「僕は呉の港町周辺を見てきます。炎蓮殿が無事でも港町にある船が壊されたり、何か仕掛けられたりしたら問題ですからね」

 

炎蓮を今の段階で殺されなくとも海賊襲撃防衛を失敗させる事は他に方法はある。

例えば太公望の言った通り、港町の船を壊さりでもしたら史実や三国志演義での孫堅の一計が不可能になる。

 

「なのでマスターと太歳星君の2人で炎蓮殿とご飯を食べに行ってください。間に合ったら僕も行きますので」

「了解」

「分かったぞ」

 

実は藤丸立香たち炎蓮より食事の誘いを受けていた。食事をしながら海賊に対しての話をする予定か、藤丸立香たちの素性をより聞き出すだけかもしれない。

 

「なに、それを早く言いなさい。夕飯の準備をしてしまったではないか」

「「「ごめんなさいお父さん」」」

 

3人がノリ良く返答するのであった。

 

「ならマスターに太歳星君。帰りは遅くならないように」

「「はーい」」

 

しっかりお父さんの黄飛虎であった。

 

「はっ…哪吒にお弁当を持たせて行かせるべきであったか?」

 

 

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炎蓮より指定された料理屋に到着する藤丸立香と太歳星君。

その店名は『功夫豆腐』であった。

 

「…………何だか知ってる気がするなあ」

「オイラもだぞ」

「多分、同名なだけの店舗だよね?」

 

何故か藤丸立香の頭の中に紅閻魔や哪吒が調理して荊軻や蘭陵王、アストルフォやセタンタがウエイトレスをしているシーンが流れた。そして徐福が激辛麻婆豆腐を食べて火を噴いたシーンも。

 

(そして星5を叩きだした気もする)

 

何はともあれ、店の中に入ると奥の席に炎蓮と郭雄が既に座っていた。

 

「こっちだぜ」

 

炎蓮に手招きされて椅子に座ると円卓には美味しそうな中華料理が並べられていた。

 

「さっさと食おうぜ」

 

美味しそうな中華料理はぱっと見、焼売、エビチリ、脆皮鶏、蟹のから揚げ、酢豚、炒飯、鯛の姿揚げ餡掛け等々。

 

「おい。太公望はどうした?」

「用事があるって。来れたら来るってさ」

「そうか」

 

用事で遅れてくるかもしれないというのであれば待ってる必要はない。待っていたら美味しい料理が冷めるだけなのだから。

料理を全て食べてしまってもまた注文すれば良いだけだ。

 

「孫堅は良い店を知っていたのだな」

「まあな」

「この店を私も使っていいか?」

「オレに許可取らんでもいいスよ」

 

美味しい料理に美味しいお酒は人の警戒心を緩やかにする。

特にお酒は心をおおらかにして、心に閉まった事もつい話してしまうものだ。

 

(こいつらは善人ぽいが只者じゃない。どんな人物か聞き出しといて損じゃあねえからな)

 

藤丸立香たちは悪人ではないと予想している。そして海賊たちから漁民たちを守った実力がある。

彼らの協力を手に入れられたのは幸運だが謎な旅人としか分かっていない。

悪人ではないと予想していても簡単には信じられないのが当然だ。故に美味しい料理や美味しいお酒で本人の口から正体を聞き出すのだ。

 

「オレお酒まだ飲めない」

「オイラはお酒いらないぞ」

 

初っ端からお酒作戦は潰れた。

 

「では私が飲もう」

 

郭雄がグビグビとお酒を飲むのであった。

 

「うう…私は県令で終わりはしないぞぅ。刺史となって、太守になるのだ。その為に私は…私は何が何でも出世してやるぞう」

(アンタが酔って本心を吐露してどうすんだよ)

 

美味しいお酒はつい飲むペースを速めてしまうものだ。既に郭雄は酔って愚痴を言い始めていた。

 

「出世しないと力は手に入れられんのだ。その為にどんな手も使う必要があるのだ……都のやり方で張昭先生に気に入ってもらおうとしたのに」

「もう酔ったんスか郭雄殿」

 

都では出世するには多額の金が必要だ。そして上に気に入れられる為に多めの賄賂を贈る必要がある。

今のご時世では賄賂を贈って上に登り詰めるのが普通になってしまった。能力や活躍成果も必要であるが、それよりも金や権力者に気に入れられる方が重要なのだ。

 

(ま、確かに腐敗し始めている漢じゃ出世するのは確かに金なんだよな)

 

朝廷がそういう形になっているので、もう止められない。直す事も出来ない。修正する段階は過ぎて、一度壊してから一からやり直さねばならないのだ。

 

「くそぅ…張昭先生に気に入られる為に賄賂は駄目だったか」

「張昭さんは賄賂とか嫌いだからね」

「どうすれば」

「真面目に役人の仕事をしていれば張昭さんなら評価してくれると思うよ」

「そうか…真面目に。しかし真面目にやってもずる賢い奴が上に登る世の中なのだ」

 

努力した者が出世できず、ずる賢い者が出世していく。それが今の漢である。

 

「それでも張昭さんは真面目に働く人を評価すると思うよ」

「そうか?」

「うん」

 

気が付けば藤丸立香が郭雄の愚痴に付き合う形になっていた。

 

(郭雄殿が心開いてどうすんだよ…)

 

本来だったら藤丸立香たちの心を開かせて聞くはずだったのに逆になっていた。

 

「この料理旨いのだ」

 

太歳星君はパクパクと中華料理を食べていた。

 

「あ、太歳星君。口周りが汚れてるよ」

「んんー」

 

太歳星君の口を拭ってあげる藤丸立香。

 

「藤丸もっと愚痴に付き合え!!」

「いくらでも」

(だから郭雄殿が心を開いてどうするんだよ)

 

尤も観察しても藤丸立香と太歳星君からはやはり悪意は感じない。

 

(ま、悪人じゃないって分かればいっか)

 

炎蓮は脆皮鶏をバリっと齧って酒を流し込む。

 

「おい立香」

「何ですか?」

「旅人と言ったが何処旅してきたんだ?」

「色んなとこ」

 

ほぼ世界中と言っても良いくらい旅している。

 

「美味しい料理を酒のツマミにするのも悪くないが旅人の話も酒のアテになる。聞かせてくんねえか?」

「おい。今、藤丸は私の愚痴に付き合ってるんだぞ」

「郭雄殿の愚痴ばっかりじゃつまんねえスよ」

 

酒の席ではついつい愚痴を零してしまうものだが愚痴だけでは詰まらない。面白い話を話して場を盛り上げるのも酒の席だ。

 

「色々あるよ。いや、ほんとに」

「じゃあいくつか聞かせてくれよ」

 

今までの旅路は多くの思い出だらけだ。悪い思い出もあれば良い思い出もある。

 

「どれを話そう。たくさんあり過ぎて悩むな」

「たくさんあるって…お前もしかしてこの大陸以外も旅してたりするのか?」

「うん」

「ほぉう」

 

炎蓮たちが生きる大陸以外でも旅をしている。その言葉に興味を惹かれる。

大陸外の話は炎蓮にとって見分を広める大事な内容だ。尤も藤丸立香の語る話が彼女の見分を広められるか微妙であるが。

 

「もしかして立香はこの大陸出身じゃなかったりするのか?」

「うん」

「やはりか。こりゃ面白い話が聞けそうだ」

 

初めて出会った時に見た彼らの服装は珍しかった。都の流行かと思っていたが大陸外の服装であったのならば納得だ。

国が違えば文化も違う。服装も文化によって特徴があるのだから。

 

「どんな話にしようかな?」

「出世する話はないか?」

「おいおい。郭雄殿はそればっかりじゃねえっスか」

「出世かぁ…………出世じゃないけどある国で天下統一の為に戦った事はあるかな」

 

その言葉に反応したのは郭雄よりも炎蓮であった。

 

「面白そうな話じゃねえか」

「ある国に…太守みたいな人が治める領土がいくつかあったんだ。それを交渉や戦いで勢力を拡大していったっけ」

 

『三千信長世界 デ・アルカ』での旅路である。

ぐだぐだメンバーと共に三千信長世界 デ・アルカ』の日本天下統一。軍備を蓄え、各領地を制圧する。

その為に兵糧やら、戦うための武器になる火薬や鉄を用意した。そして金(QP)も必要であった。

領地を拡大し、味噌やら塩などの名産品の生産を大きくしていきながら金銭面のやりくりし、新たな軍備を補強していく。

天下統一を目指すにはどうしても金や軍備が必要なのだ。

 

「なるほどな」

「ほれ見ろ。やはり金なのだ孫堅!!」

「うるせぇッスよ郭雄殿。耳元でいきなり喋んないでくださいよ」

「やはり金を使うのは間違ってないのだ…!!」

「使い方の問題だと思うッスけどな」

 

炎蓮の言う通り金の使い方によって印象や結果が違うのは当然だ。

 

(天下統一を果たすには金が必要か)

 

至極真っ当のは話である。

炎蓮の目標は大陸の天下統一。その為に天下を平らげる百万の兵が必要である。

百万の兵士を雇うにも金が必要だ。彼らを戦わせるだけの兵糧と武器を用意するのも金が必要だ。

 

(天下統一に向けているが…今は金を溜める必要があるか)

 

貿易で稼いでいる炎蓮であるが戦をするにも、貿易で稼いだ金だけでは足りない。

そもそも彼女には天下統一の為に一緒に戦ってくれる仲間も居ない状況だ。

 

(仲間集めも必要なんだよな)

 

藤丸立香の話を聞いていると彼1人で戦っているわけでは無い。当然多くの仲間と共に戦ってこそ天下統一へと近づけた。

 

「で、お前はその国で天下統一を果たしたのか?」

「うん」

 

一応カルデア家で多くの領地を制圧・拡大し、特異点を修正まで到達したのだから天下統一を果たしたような気もしなくもない。

 

「じゃあ何でこんなとこにいんだよ?」

 

話しぶりを聞くに、藤丸立香のポジションは良い所にいると予測出来た。

彼の語る国では上の立場に居てもおかしくないのに旅人をしているのが不思議である。天下統一の功労者で領地を貰って良い暮らしをしていてもおかしくない。

 

「オレは旅人だから。その国でも力を貸しただけだよ」

「は?」

 

信じられない返答であった。

命がけで天下統一を果たして各地をさすらう旅人にまた戻るなんて普通ではない。

 

「おいおい、その国で天下統一を果たしたんだろ。何で旅人に戻るんだよ。太守にでもなれて贅沢出来ただろうが」

「旅を辞められない理由があるんだ」

「んだよ?」

「故郷を取り戻すため」

 

藤丸立香の言う故郷とは汎人類史の事。炎蓮と郭雄に嘘偽りなく話しても混乱するか、信じてもらえないかだ。

2人に理解出来る様に言葉を選び、内容を少し変えているが本当の事である。

 

「故郷を取り戻す…」

「うん。その為に各地を旅してる。そして力を貸してもらえる仲間を見つけてるんだ」

 

炎蓮は藤丸立香が嘘を言っていない事は目を見て分かった。

 

(なるほど…理解できたぜ。各地を旅して仲間を見つけ、故郷を取り戻すって事か)

 

旅の目的は故郷を取り戻すための力を蓄える事。

彼の語るある国での天下統一の補佐した褒賞は同盟でを結ぶ事。故郷奪還で力を貸してもらう事に繋がる。

 

(そうでなければ無償で天下統一の手伝いなんかしねぇよ)

 

彼女の考える予想は異なっているが曲解すると間違ってなくはない。

英霊と契約し、力を貸してもらう。そして汎人類史を取り戻る為に共に戦う。結果は同じようなものだ。

 

「港町で人助けをしたのもそういう狙いだったのか?」

「いや、あの時は困ってたから助けたんだ」

「………お人好しすぎねえか?」

 

故郷を取り戻す為に仲間を探しているのは本当だ。しかし困っている人を助けるのはまた違った。

打算で助けているわけでなく、本当に困っていて見過ごせなかったから助けたのだ。

 

「あはは…よく言われる。でも見過ごせなかったんだ」

「ふぅん」

「ごめん。酒の席なのに場違いな話をしちゃったかな?」

(なるほど…こいつはとんだお人好しってか)

 

楽しく盛り上がる酒の席で故郷を取り戻す話は場違いだ。藤丸立香は苦笑いをしてしまう。

 

「いや、話を振ったのはオレだ。気にすんな。それに天下統一の話も興味深かったよ」

「それなら良かった」

(こいつも苦労してんだな)

 

酒をグイっと飲み干す炎蓮。

 

「天下統一の話は面白かったが他にもあるか?」

「たっくさんあるよ」

「聞かせてくれ」

「いいよ」

 

旅(レイシフト)で様々な時代を行き来し、様々な国を行き来している。話のレパートリーは豊富だ。

 

「どの話にするかな…頭痛はするけど定番のチェイテピラミッド姫路城の話か」

「あんだって?」

「それとも太歳星君と出会った浮島の話か?」

「オイラの話かー?」

「ソイツの話を聞くのも面白そうだな」

 

炎蓮と郭雄との食事は藤丸立香の旅話をする事でまだまだ続くのであった。

余談だがチェイテピラミッド姫路城の話は炎蓮でもよくわからなかったとの事。

 

「城の上に何で遺跡が降ってきて、また城が遺跡の上に建つんだよ?」

「違法建築なので…」

「何処の国だ!?」

 

夜は更けていく。

 

またまた太公望の仮拠点にて。

 

「ただいま戻りました」

「帰ったか丞相殿。マスターたちの方へは行かなかったのか?」

「ええ。ちょっと黄くんに色々と話したいというか手伝ってもらいたい事もありましたので」

「ふむ、分かった。それと哪吒も戻っているぞ」

 

ヒョッコリと顔を出す哪吒。

 

「無事 帰還。今から夕飯」

 

もぐもぐと炒飯を咀嚼する哪吒。

 

「あ、僕もいただきます」

 

マスターと太歳星君はいないが哪吒の偵察報告が始まる。

 

「海賊偵察 結果報告」

「はい」

「未来からの敵 居なかった」

「そう簡単に姿を現しませんか」

 

海賊の中に未来からの刺客は無し。

発見出来れば先に刺客を仕留め、過去改変を防げたのだ。

 

「でも異変あり」

 

その言葉に細眼を開ける太公望。

 

「海賊船長から妖気感じた」

「え?」

「海賊船長 妖魔」

 

哪吒の言葉に考え込む太公望。

呉の外れの港町で襲撃してきた海賊の中で頭領(船長)を確認している。その時は妖気も感じず、普通の人間であった。

この事から導き出されるのは簡単だ。既に未来からの刺客が手を打ってきたという事である。

 

「んー…こっちが一歩遅かったですかね」

 

出遅れたようだが巻き返す手は考えられる。

藤丸立香と太歳星君が戻ってきてからも説明するが、太公望は既に考えた策を黄飛虎と哪吒に伝えていく。

 

「哪吒。海賊が現在いる位置はどの辺ですか?」

 

太公望は道術で呉近海の地図を描くと、哪吒が人差し指でチョンと海賊がいる位置を突く。

 

「ここ」

「…もういつ呉の港町を襲撃してきてもおかしくない位置ですね」

 

海賊の現在地から近いうちに襲撃があると予想。

孫堅の歴史であれば海賊の対処は成功する。しかし既に未来の刺客が策を仕込んでいるのであれば太公望たちも動かねばならない。

 

「時間がありません。マスターと太歳星君が戻ってきたらすぐに動きましょう」




読んでくださってありがとうございます。
次回の更新は6月中…江東の虎物語編を6月中に完結させる勢いで!!


1138
ここでやっと炎蓮と郭雄と正式に顔合わせ。
これから藤丸立香たちは炎蓮と行動していく事になるかも。

1139
黄飛虎がお父さんキャラに
まあ、FGOだと黄飛虎はお父さんキャラなんですけど

英雄譚4の炎蓮の海賊撃退の話は元ネタがあったんですね。
まあ、当然か。

1140
『功夫豆腐』
FGOのCMであった中華料理店のアレ
激辛麻婆豆腐も勿論あります。いずれ登場が…!!

この段階では炎蓮は藤丸立香たちを警戒中。特に太歳星君は。
こいつ何者だ?って感じ。
まあ、結局はお人好し認定されますが。

藤丸立香の過去の旅路って普通に聞いてみたいものです。
きっと聞き入りますね。

そして海賊SIDEでは不穏な動きが…。
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