Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
更新が遅れました。
FGO
「落涙の翼」
面白かったです!!
そしてそしてまた始まった「冠位戴冠戦(狂戦士)」。
ヘラクレス・イーコールがカッコイイ!!
そして自分だけのグランドバーサーカー!!
色々と忙しいのに次はボックスイベント…忙しすぎる!!
1151
孫呉の屋敷 庭園にて。
「っつー事があったな」
「あの時は流石の大殿も危機一髪じゃったな」
炎蓮と雷火は過去話を話し終えてお茶を啜る。
「まさか母様の過去でそんな危機があったなんて」
「大殿も未熟な時期があったという事じゃ蓮華様」
「あン時は未熟云々だろ」
単純に戦力不足だったにすぎない。そして地位も足りなかった。
「足らない戦力は頭使って補ったわけだよ」
策を講じるのは不利な場合を如何に少なくするか。冥琳はうんうんと頷く。
「それで最終的に海賊はどうなったのよ?」
雪蓮がちょっとした疑問を投げかける。話を聞くに海賊を撤退に追いやったが壊滅までは至ってない。
「今回の件で最終的に太守や刺史殿が重い腰をようやっと上げたのじゃ」
炎蓮が防衛戦をした海賊団の危険にようやく気付いて当時の太守と州刺史は海賊討伐隊を結成。徐々に海賊たちを討伐していった。。
この件で海賊の勢力も衰退していき、最終的に海賊たちは消えていった。
「わしが応援要請をしたのもあったが、郭雄殿の働きもあったおかげじゃな」
「え、郭雄という奴は逃げたんでしょ」
「結果的には逃げたが郭雄殿もきちんと援軍となる兵士をかき集めていたのじゃ」
「ああ。アイツもちゃんとしてる時はちゃんとしてンだよ」
郭雄の話を聞くに蓮華や雪蓮からの評価は低いが炎蓮にとってはそうでもないらしい。
炎蓮の防衛戦が、雷火と郭雄の働きが太守と州刺史を動かさせたのだ。
「なるほどねー」
「それで母様は海賊を追いやった成果で昇進したの?」
「んー…まあな」
小蓮の質問にちょっとだけ歯切れが悪く返答した。
「海賊を追いやっただけで大殿が昇進したわけではないが、やはり海賊を追い払ったのが一番の理由じゃっただろう」
今までの賊退治。大きな海賊団との防衛戦。他にも反乱等を鎮圧させた功もあって、その後の炎蓮は昇進して廣陵郡塩城の県丞になったのだ。
「あの歳で県丞まで至るのは異例の昇進速さじゃったな」
「だがよ。海賊との戦いはオレだけの活躍じゃなかったぜ」
先ほど、炎蓮が小蓮の質問に歯切れ悪く答えた理由だ。海賊との戦いは何も炎蓮だけの活躍ではなく、当時に協力してくれた旅人たちもあってこそである。
もしも旅人たちがいなかったら海賊との戦いに敗北して呉の港町を蹂躙させられていたかもしれない。
「オレは褒賞を上に掛け合ってアイツらに渡すつもりだったンだが…アイツら気が付けばいなくなってやがったからな」
「そういえばそうじゃったの。まるでその場から煙のように消えたみたいに居なくなっておりおった感じじゃったな」
気が付けば消えていた旅人たち。
「その旅人たちが気になるわね」
華琳も炎蓮たちが語る旅人が気になった。
海賊たちを倒す武力もそうだが、話に出てきた小舟をあり得ない速度で推進させる技術である。
「ああ、アレか。オレも分からねえ技術だよ。当時聞いとけば良かったと時たま後悔してるぜ」
船を速く推進させる技術は軍船にも組み込める。華琳だけでなく、炎蓮も当然気付いている。
もしも技術を聞き出して、孫呉の水上部隊に組み込めば現在よりも孫呉は水上戦を手中に収めていたかもしれない。
「そんな技術を持ち、誇れる武や知があるなら大陸でも名が轟くと思うけど…」
「アイツらは旅人だ。この大陸の外にでも行ったのかもしれねえよ」
様々な場所を、大陸の外すら旅する旅人。確かにそのような人物たちであれば大陸でなく、大陸の外で名を轟かせているかもしれない。
「大きな魚を逃がしたわね炎蓮殿」
「まあな」
華琳もそのような人物たちがいたらすぐさまスカウトしていたはずだ。
「そして母様の初めての口づけ相手だもんねー」
「茶化すンじゃねえ雪蓮」
「そうじゃぞ。あの時は蘇生しておったんじゃ」
人工呼吸は命を助ける神聖な行為。口づけ(キス)云々の話を持ち出して揶揄うのはあまりよろしくない。
(でも意識はすると思うんだけど。だって命の恩人でもあるんだし)
「話しが逸れたがアイツらとの出会いはそこで終わりじゃなかったけどな」
「そうじゃな。その後も再会したしのう」
謎の旅人たちと出会いは炎蓮や雷火だけではなく祭や粋怜たちもだ。
海賊たちとの戦いでは祭や粋怜は登場しておらず、まだ話は続くという事だ。
「じゃあシャオ続きが知りたい知りたーい!!」
「続きとなると…オレが塩城県の県丞をクビになった辺りからだな」
「昇進して県丞になったのを今さっき聞いてたけど、続きが県丞のクビからなの母様!?」
「大殿じゃからの」
炎蓮も波乱な人生を歩んでいるという事だ。
「なら私も話にちょっと出てきますね」
「儂はこれからついに活躍する頃になるな」
風鈴と祭が話に加わる。
「風鈴さんはその時に炎蓮さんに出会ったんだ」
「ええ。と言ってもそこまで深く関わってないけどね」
「昔から風鈴はオレの目から見ても根性のある奴だったぜ」
「流石風鈴先生!!」
「桃香ちゃんほめ過ぎよ」
少し恥ずかしがる風鈴。自分でも言ったように彼女はそこまで炎蓮とは関わっていない。
顔見知り程度レベルの関りくらいだ。
「どちらかと言えば儂の方が炎蓮様と関わるぞ」
「そりゃそうでしょうよ」
「ここからは雷火の代わりに儂が炎蓮様と語ろうではないか」
「話を盛るんじゃないわよ祭。アンタは話をよく盛るんだから」
「五月蠅いぞ粋怜」
お茶を啜りながら、また炎蓮の過去話を再開していく。
1152
廣陵郡塩城県にて。
「都より参上いたしました。私は盧植と申します」
彼女の挨拶に塩城県令が下手に出るように挨拶し返す。
「これはこれは盧植殿。かようなむさ苦しい田舎まで、ようこそ起こしくださいました」
風鈴は役人だ。この頃から朝廷に仕え、頭角を現している。
彼女が廣陵郡塩城県に赴いているのは統治の報告に虚偽が無いかどうかの為だ。
「…して、盧植殿。此度はいかなるご用件で?」
「はい。塩城県の統治について、いくつか尋ねたき事がございます」
「統治に関する報告は刺史殿を通じてきっちり都へ届けておりますが」
「その報せに嘘偽りはありませんか?」
正直なところ風鈴は塩城県令が虚偽の報告をしていると思っている。持っているという確信としている。しかし証拠が無い。
「……っ。はは…これは藪から棒に、何をおっしゃられてるのですか?」
「報せに嘘偽りはないかと尋ねています」
ジロリと強い目で見返す。
「え…いやいや、何も偽りなど。報告書には塩城県の現状を包み隠さず正確に記しておりますぞ?」
「そうですか」
当たり前だが「はい、自分は虚偽の報告をしています」と答えるはずが無い。
「はー…そうですかじゃねーだろ」
「え?」
ここで第三者の声がかけられる。
「んん? なんだ孫堅、貴様は控えていろ!!」
「はっ…」
孫堅という名前を塩城県令の口から聞かされる。その名前はちょっと有名で風鈴の耳には残っている。
「孫堅…ああ、あなたが呉県の海賊退治で功を挙げた孫堅ですか」
「オレのことなんざどうでもいいだろ」
役人にしては言葉遣いが荒い。ぶっきらぼうと言うか何というかというやつだ。
流石の塩城県令も上役の都の使者相手に言葉遣いが荒い部下が近くにいるのはマズイと思っているようだ。もしくは彼女が余計な事を言って欲しくないのかもしれない。
「お、おい言葉に気を付けよ。都のご使者に対して口を慎まんか!!」
「都のご使者ねえ……おい盧植とやら、テメーの目は節穴か?」
意外な言葉を向けられて風鈴は心の中で「おや?」と思う。
「この城へ来る途中、民がどんな暮らしを送ってるか、テメーの目には何も見えなかったのかよ?」
その言葉に何も思わないことは無い。この塩城に来るまで己の目で見たものは事実。故に最初から塩城県令が嘘を堂々と言っている事は分かっていた。
「農作地の広さに比べて、収穫量が多すぎだと、テメーはそんなことも気付かねえのか?」
「……つまり水増しした収穫量を誤魔化すために塩城県の民には重税が課されていると?」
ジロリと風鈴は塩城県令を見る。
「滅相も無い!?」
ワザとらしく両手をフリフリと振って否定する塩城県令。
「へッ、そうに決まってンだろうが。都の人間はどいつもこいつも阿呆なのか?」
「………」
「ま、阿呆だからこんなクソ野郎を県令に任命するんだろうけどよ」
流石にここまで言われると風鈴自身も不快に思う。言われなくも分かっていると言い返したいが今は言えない。
虚偽報告の証拠を見つけないといけないのだ。上手く会話の流れで塩城県令の口からボロを出させればよいと思っている。
「なぁっ…孫堅、貴様だれの事を言っておるのか。部下の分際で県令の私に向かって…!!」
「県令殿。今日まで我慢を重ねてきましたが、いい加減、私も堪忍袋の緒が切れましたよ。いかに民が窮しようと統治を改めず、私の諌言にもまったく耳を貸さず…」
急に口調が丁寧になる炎蓮。しかしそれはこれから爆発するための前兆のようなものであった。
「この…根も葉もないでたらめばかり抜かしおって。誰か、孫堅を外につまみ出せ!!」
「言われなくても出ていきますよ。だが、その前に…」
「なに?」
「うるぁあああああ!!」
炎蓮は拳を堅く握りしめて上司である塩城県令の顔面に思いっきり叩きこんだ。
「ごが!?」
「っ!?」
まさかの行動に風鈴は目を見開いて驚いた。驚いて身体が一瞬だけ固まった程である。
「けッ、クズをぶん殴っても少しもスッキリしねえな」
「孫堅!!」
「ああン?」
「いかなる事情があろうとも上役への暴力など決して認められません。そのほう、県丞を罷免される覚悟はあるのですね?」
都の使者だから関係無いとは言えない。炎蓮は起こした行動は無視できない。
「こんな役目はこっちから願い下げだぜ。今ここで辞めてやらぁ!!」
「……本気なのですか?」
「後のことは勝手にしな。あばよ」
「孫堅!!」
風鈴の言う事を聞かずに炎蓮は勝手に出ていってしまった。
(なんと無法な…あれでも県丞ですか。しかし、塩城県の圧政は事実のようですね。孫堅は何度も諌言したと申していましたが…)
その後は炎蓮の塩城県令ぶん殴り事件のせいで謁見は強制終了。風鈴本来の仕事も強制終了した。
謁見の再開は明日となる。仕方ないと風鈴は手配した宿に戻るしかなかった。
(もう、腹立たしいですね。孫堅に言われるまでもなく、報告書が嘘であることは塩城県に入って私もすぐに気付きました)
炎蓮に言われるまでも無く彼女も最初から気付いていた。
(それにしても県令を殴るだなんて…今日はあれでうやむやになりましたが、明日からは厳しく県令の調査をしなければ)
「盧植殿」
「…孫堅?」
宿に戻っている途中で件の炎蓮に再開する。
「先ほどは御無礼した」
「え?」
城で見た時と比べて荒い気質は鎮まっていた。
「アンタを巻き込んじまって悪かったと言ってンだよ」
城では風鈴に対して不快になるような言葉を向けてしまった事も含め諸々謝罪。
まさか謝罪されると思わなくてキョトンとしてしまう風鈴であった。
「どういうことかしら?」
「オレもぼちぼち県丞を辞める頃合いだって思っていたところでよ。都の使者が来たついでに何もかもぶちまけて、ついでにあの馬鹿をぶちのめしてやったのさ」
「あの振る舞いはわざとだったというのですか?」
あの荒くぶっきらぼうな雰囲気は演技だった。全てはこの瞬間を作る為に。
「しかし…なんであれ、あなたの振るった暴力は看過できません」
「なら好きに処分してくれ。もっとも、オレはもう県丞を辞めたけどな」
炎蓮は本気で塩県丞を辞める。辞める理由はやはり塩城県令。
彼は民の暮らしを省みず、県に圧政を敷き、私腹を肥やすのみに専念するような男だ。そんな彼と炎蓮のそりが合うわけがない。
彼の政策に炎蓮はずっと我慢してきた。良くなるようにと諌言するが無視される始末。ついに我慢できずに今回の事件に至ったのである。
「本気で職を辞する気ですか?」
「どの道クビだろ。県令を殴ったんだ」
「それはあなた次第ですね」
「んん?」
「先ほどの行動が義憤に駆られたものならば、私に協力して県令の不正を暴くのです」
風鈴は炎蓮がどういう人物が少しだけ分かった。
彼女を味方に付ければ塩城県令の不正を暴ける。何なら風鈴の務める都に異動出来る様に打診したい程だ。
「はっはっ、よしやがれ。あんな小物の始末はアンタに任せるよ。オレにはもっとやるべきことがあるのさ。これ以上、塩城にいても時間の無駄だからな」
「なんと勝手な…そんな野放しが許されるものですか」
まさかの返答につい変な声が出そうになる。言い返そうとしたが炎蓮の続きの言葉に遮られた。
「県令の側近にオレの息のかかった連中がいる」
「え?」
「不正の証拠はそいつらに預けている。アンタに協力するよう話もしてあるからよ」
「…なんと」
仕事が早い。どうやら炎蓮は最初から風鈴に塩城県令を捕縛させるように準備をしていたのだ。
「都の人間にしちゃあ、アンタは頭が切れそうだ。んじゃ、後のことはよろしく頼んだぜ?」
そう言って炎蓮は片手を振って去っていく。
(孫堅……ただの荒くれ者ではないようで。正直なところ今の都に欲しい人材ですね)
その後、塩城県令は罷免され、不正の罪で投獄されるのであった。
(はぁー…これでオレも無職か。これからどうっすっかな……呉に戻るか?)
炎蓮の頭に雷火や藤丸立香たちの顔が過る。
「久しぶりに張昭に会うか。それと…アイツらにまた会いてぇな」
特に藤丸立香たちにはまた会わないといけない。何せ勝手に消えて勝手に海賊防衛戦の功績を全て炎蓮に押し付けたのだから。
1153
気が付いたら船の上から呉の街に戻っていた。
「あれ?」
周囲を見渡すと太歳星君、太公望、黄飛虎、哪吒もちゃんと一緒にいる。
ついさっきまで海賊防衛戦をしていた。そして海賊頭領を倒し、溺れた炎蓮を救出した。
そして何故か呉の街に全員揃っていつの間にか移動していた。
「何かワガハイさっき急に光ったぞ」
船の上から呉の街に移動する前、確かに太歳星君が光ったを見た。恐らくその瞬間に移動したと予想。
何せ、未来から過去の呉に転移した時も似たような現象が起きたのだから。
「もしかして更に過去の呉に来たとかないよね?」
「それはなさそうですよ。とういうか逆です」
太公望が太歳星君を観察するように解析する。
「え、どういう事?」
「さっき近くの人に話を聞いたところ海賊たちとの防衛戦からある程度経過したくらいみたいです」
「いつの間に情報を…流石は軍師太公望」
「ははは。それほどでもありますね」
太公望は太歳星君の解析を終了。
「ふむ。太歳星君に組まれている術式は……なるほど。さきほどもう一回体験できたので確証を得られました」
「どういう事?」
「ぶっちゃけると我々がある時間軸で異変を解決すると次の時間軸に飛ばされる仕組みです」
「それって異変を全て解決すれば元の時代に戻れるという事?」
「はい。太歳星君に組まれている術式分の異変があるという事ですね」
異変というのであれば海賊防衛戦の時のようなものだ。
海賊の頭領と副頭領は妖魔が埋め込まれていた。
結局の所、于吉の仕向けた刺客の暗躍を解決しろという事は変わらない。
「ところで太歳星君に組まれている術式はあといくつ?」
「えーっと…あと二回ですかね」
「あと二回…今回のを含めるとあと三回異変が起きるって事か」
三回も異変が発生する事にうんざりしそうだが今までの事をそうでもない気がしてくる。そしてゴールが見えたのなら大分楽になるものだ。
海賊での防衛戦は炎蓮を狙ってきた。ならば当初の予想通り、炎蓮本人や未来で仲間になる雷火や祭たちを狙ってくるはずだ。
そうなるとやるべき事は炎蓮や雷火たちを探して刺客の襲撃に備える事である。
「ここが呉の街なら炎蓮さんや雷火さんたちいるかな?」
炎蓮の所在は不明だが、雷火の屋敷があるのは最初の時間軸で知っている。まずは雷火の元に向かうのも良いかもしれない。
「では僕は以前の仮拠点を見に行きます。取り壊されてないといいなぁ」
「某と哪吒殿は更なる情報収集をしてこよう。時が経てば世の中の流れが変わるのは当然だからな」
「情報収集 大事」
「じゃあオレは太歳星君と一緒に雷火さんの屋敷を見に行ってくる」
「チョウチョウの屋敷に行くのかー?」
藤丸立香たちは別々に行動し、次なる異変に備えるのであった。
「チョウチョウ元気かな?」
「雷火さんは元気だと思うよ」
「イェンイェンもー?」
「炎蓮さんが体調を崩す姿を想像出来ない」
そんな事を話していると騒々しい声が響いてくる。
「なんだなんだ?」
「喧嘩…じゃなくて、ゴロツキに誰か絡まれてる?」
様子を見に行くと、やはりゴロツキに誰かが絡まれている状況であった。
場所は露店市場。多くの露店が開かれており、そのうちの一店舗にゴロツキ3人が集まっていた。
「おうジジイ。払えねえとはどういう事だ!!」
「な、何でそんな金をアンタらに払う必要があるんだ」
「オッサン。いったい誰のおかげでここで商売が出来ていると思ってるんだ?」
「オレたち鉄弓党がこの市場を仕切ってるからじゃねえか」
「いや、場所代の取り立ては県令さまが禁止をされてたはずで」
「そりゃあ県令の部下の孫堅とかいう下っ端が勝手に決めたことだろうが!!」
どうやらゴロツキ共はみかじめ料を求めているようだ。
以前の呉の時代では居なかった存在だ。そもそもゴロツキや賊たちは炎蓮が街から全て追い出していたはずである。
「なあ、金さえ払えばもめ事が起きた時にオレたちが守ってやるからよぉ」
「アンタたちがもめ事なんだよっ!!」
絡まれている男性店主の言う通りであった。
「なんだとコラ」
「このジジイぶち殺すぞ」
「ひいい、やめてくれ!?」
どうしようもないゴロツキだ。
「ちょっと、アンタたち!!」
「ああん、なんだババア?」
「余所者のくせに最近イキがってるけど孫堅ちゃんが帰ってきたらアンタらえらい目に遭うよ!!」
流石に無視できなかったのか勇気ある女性店主がゴロツキたちに注意。男性店主を助ける様に前に出る。
「けっ、何が孫堅だよ。そんな名前を出しゃあビビると思ってんのか?
「おう、ここに呼んでこいよ。呉の狂った虎様をよぉ!!」
彼らの様子から見るに件の炎蓮は今、呉の街に居ないようだ。
もしも呉の街に居るのであれば今まさに問題を起こしているゴロツキがいるわけがないのだから。
「止めに行こう太歳星君」
「ちょっと呪っちゃう?」
「ちょっとだけね。じゃあ、行……あっ」
このままだとゴロツキ達は暴れる可能性が高い。怪我人が出る前に藤丸立香と太歳星君は止めようとした時、イキったゴロツキもとい侠客達に拳が放たれた。
「ごぁ!?」
「なな、なん!?」
「おっと悪いな。手が滑って当たっちまったぜ」
ある女性が侠客たちを、殴り飛ばしていく。
「なんだこのアマぁ?」
「おい、オレたちを誰だと……ガッ!?」」
「わりぃ、また手が滑っちまった」
「て、てめえ。いきなり何しやが…ごふ!?」」
「おう、今度は脚がが当たっちまった。人の前にぼーっと突っ立ってるからだよ。わりーなあ?」
その女性はとても見覚えがあった。何せ転移する前に出会っていた人物であり、何なら未来でとても深く関わり合う人物なのだから。
「次はうっかりテメーの背骨をへし折っちまうかもな。それとも首の骨の方がいいか?」
「な、なんだこいつは!?」
「やべえ、なんかやべえぞ!?」
「くそ、ズラかれ。お頭に報せるぞ」
「ハッハッ。雑魚どもが」
その女性の正体は炎蓮であった。意外に早い再会になった。
向こうからしたら久しぶりかもしれない。そして藤丸立香は雪蓮と再会した時の事を思い出して身構えた。
「何で身構えたの?」
「何となく」
読んでくださってありがとうございました。
次回の更新はこのあとです
忙しいって言い訳になってしまいますけど『江東の虎物語編』は6月中で完結は無理でした。7月では七夕の話とかも書きたかったけど…難しいものですね。
なんとか7月中には完結させたいですね。
夏になると水着の話を書きたいので!!
ところで今年のFGO水着イベントは誰が水着になるのか気になります。
1151~1153
英雄譚4や後日談の話。
流れとしてはほぼ同じ。