Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
お久しぶりです。リアルが忙しくて更新が滞っていますが何とか更新出来ました。
リアル時期とリンクして更新していく目標でしたが止めました。
取り合えず書きたい行事イベントの話を書いて行こうと思います。

FGO
ぐだぐだイベント
ついに近藤勇たちが登場し、素晴らしい物語を見させてくださいました。
今回のぐだぐだも良かったです!!
まさかあのちびノブ隊長が近藤勇を励ます?のは…良いシーンでしたね。
高難易度で普通にちびノブ隊長が強かったです。


江東の虎物語-朝廷での陰謀-

1193

 

 

風鈴の執務室。

 

「孫堅殿、お待ちしておりました」

「盧植殿、まもとにご無沙汰しております。今日はお忙しいところ、私のために時間をつくっていただき恐縮でございます」

「え?」

 

風鈴は炎蓮たちが自分を訪ねてくるのは手紙で事前に知っていた。

彼女との関りは深いわけでは無いが印象がとても強く残っている。そして炎蓮が凡人ではない人材とも理解している。

何か革命的な事を起こすような人物だと少し期待している部分もあるのだ。故に風鈴は炎蓮を勧誘したいと思っている。

 

「いかがしましたか?」

「い、いえ…」

 

彼女がどのような人物か知っているので久しぶりに再会したが、雰囲気というか口調が全く違うので面を喰らう。

その口調と雰囲気に一緒にいた祭と雷火も風鈴と同じような反応だ。

 

「えっと……お連れの方々は黄蓋殿と張昭先生にございますね?」

「ハッ、孫堅の家臣 黄蓋であります!!」

「私が張昭にございます」

 

風鈴は横にいる祭と雷火に挨拶する。

 

「はい。はじめまして黄蓋殿。張昭先生にもお目にかかれて光栄です」

「いいえ、こちらこそ」

 

風鈴が雷火の事を「先生」と呼ぶ。

やはり雷火の名は朝廷でも知られていると再認識させられる。

 

「それで、孫堅殿」

「はい」

「何か……その、雰囲気が変わられましたのね?」

「左様にございますか?」

 

普通に今の炎蓮が前と違うと発言する。

前は悪く言ってしまえば粗暴であった。

 

「変わりましたよ。以前は私を呼び捨てにしていましたし、言葉遣いももっと違いました」

「ははっ…お恥ずかしい限りです。かつては何かとご無礼をいたしました」

「別にそういう意味では…」

「立場が人をつくるということでしょうか。私のような田舎者でも県令の大役を任せられれば立ち振る舞いも自然と変わるというものですよ」

「はい………」

 

昔はヤンチャだったけど大人になったと言うべきかもしれない。

風鈴としては炎蓮がしっかり者の大人に成長しているのだと思うべきかもしれないが、最初のインパクトが強いせいで今の彼女が気持ち悪く感じてしまう。

本人にそんな事を思うのはとても失礼すぎるのだが。

 

「ふっ……はっはっ。こういうオレとは話がしにくいってか?」

「ぷっ……正直に申しますと」

「じゃあ、ざっくばらんにいくか」

「そのほうが私は気が楽ですね」

 

少し動揺している姿を見て炎蓮は軽く笑っていつもに戻る。

口調や雰囲気を変えたのは確かに自分も少しは変わったという姿を見せるのもあったが、揶揄うという悪戯もあった。

悪戯が成功したのでいつもの雰囲気と口調に戻って風鈴を安心させる。

粗暴な雰囲気と口調が風鈴を安心させるのかどうか分からないが。

 

「ふむ…何やら先ほどの宦官に対する者とは態度がまるで違うの」

「孫堅はまともに振舞おうと心がければ出来るのじゃ。言われてもせんだけでな」

 

祭は炎蓮の意外な姿に驚いたが普段とは違う大人びた雰囲気に惚れ直してしまう。雷火もまた炎蓮の大人びた姿というか演技を再評価する。

 

「あははっ、おかしい。第一、その服装で礼儀正しく振舞われても」

「悪いな。下品な恰好でよ」

 

服装の方もやはりツッコミを入れられた。

 

「いえ。県令のお役目はどうですか?」

「まあぼちぼちとやっているよ。しかし、洛陽ってえのは人と会うだけでも高くついてしょうがねえな?」

「え…ああ」

 

今の言葉で全てを察した風鈴。賄賂が朝廷で浸透しているのは当たり前だが知っている。

まさか炎蓮たちにも賄賂等をせしめる宦官や衛兵がいたとは思わなかった。思おうとは思わなかったが正しいかもしれない。

 

「ふん、先客など、どこにもおらんではないですか」

「はぁぁ…そういうことですか」

「盧植殿に言っても仕方のないことですが、ここへ来るために衛兵と宦官から露骨に賄賂を要求されましてな」

「嘆かわしい話です。左様な不当な要求は断ればよかったのです」

 

賄賂の件は風鈴も悩ます話だ。宦官たちが不当な要求を始めたのがいけなかった。

朝廷は魑魅魍魎が欲望全開で蔓延る場所になってしまいかけている。

 

「まっ、オレは気にしちゃいねえよ。で、盧植殿には洛陽の話をいろいろと聞かせてもらいてえんだ」

「はい。何でもお尋ねください」

 

炎蓮が風鈴に会いに来たのは色々と話を聞きに来たからである。

 

 

1194

 

 

朝廷内。

 

「孫堅はどうだった?」

「あれはうつけですな」

「ふむ…噂ほどでもない単なるうつけであったのう?」

 

宦官の帳田は上司に炎蓮の事を報告していた。噂が広まっていた「狂った虎」とはどういう人物なのか知りたかった。

それは朝廷もとい彼ら宦官の敵となるかどうかを判断する為である。

 

「いやはや、驚きました。まさかあのような出で立ちで城に参るとは」

「揚州刺史の劉耀殿は何やらあの孫堅を恐れているようじゃったが…」

 

朝廷には炎蓮が厄介な人物で宦官たちを脅かす恐れがあるかもしれないと噂が一部に流れ始めている。

故にある一部の宦官たちが炎蓮が本当に脅威かどうか調べ始めたのだ。そして脅威であるならば消す事も考えて。

 

「あれはただの田舎の荒くれ武者かと。見た目通り欲深で物分かりは良い様子。御しやすそうな相手ですな」

「そうなのか。しかし劉耀殿や朱貢殿は危険だと判断したのだぞ?」

「私が見る限りではそこまで脅威には感じませんでしたよ。孫堅も所詮は木っ端役人風情。我々朝廷の者に媚びを売る人間だと思います」

「……あの劉耀殿と朱貢殿が危険かもしれんと判断したのじゃ」

 

本来であれば帳田の上司も炎蓮を脅威無しと判断するはずだった。しかしこの過去では変化が起きている故に結果も変化してしまっている。

 

「……もしや私の前では演技していたと?」

「かもしれぬ。そうであれば食わせ者じゃな」

 

帳田を油断させるために媚びを売っていたのであれば、宦官を騙した食わせ者だ。そう考えるのであれば脅威になりうる存在だ。

 

「宦官を騙したのであれば、これからも騙し続けるだろう」

「我ら宦官の脅威となりえますか」

「劉耀殿と朱貢殿の見立ては正しいやもしれぬ」

「で、あれば?」

「毒草は芽が出たら摘むものであろう」

 

帳田の上司の言葉で炎蓮の対処が決まった。

 

「よし、用意した刺客を動かせ。いずれ我ら宦官の支配を脅かす者は殺すのじゃ」

「承知しました」

 

本来の外史世界の歴史では起こりえなかった事件が発生してしまう。

 

「そ、そんな…。盧植様と孫堅お姉さんに早く伝えなきゃ」

 

たまたま紫苑が宦官たちの悪だくみを聞いてしまっていた。

 

 

1195

 

 

高順の無茶ぶり実技試験。それは陥陣営1000(700)人組手。

普通ではあり得ない試験だが高順は太公望達を見て独断で試験内容を変更したのだ。

 

(期待通り…否、期待以上)

 

太公望達は見事に陥陣営の兵士たちを打ち倒した。

彼らが1000人(700人)組手を突破できると高順は予想していた。予想出来る程3人の実力を高順は見抜いていたのだ。

 

「いやあ…流石に1000人はキツかったですね」

「某としては良い運動になった。せっかくだから息子たちにも参加させてやりたかったが…息子たちを出すと混乱するからな」

「実技試験終了」

 

3人は組手後に息を整える。

 

(素晴らしい結果だ。我が陥陣営は精鋭揃いだというのに見事に勝ち抜き、余裕すらもある)

 

結果を見れば試験結果は合格である。

実力もヘタすれば己よりも上かもしれないと予想する。そして武人として戦ってみたいとも欲が出る。

 

(いかんな。私自身が腕試しをしたくなってしまった)

 

太公望達の実力は見えた。

1000人(700人)とも組手をすれば嫌でも実力は見極められるものだ。

 

(細目の男はやはり武将というよりも軍師、指揮官向きだな。2人への指示が的確だった。そして、その2人はまさに一騎当千の将。私以上だな)

 

まさか期待以上の人材が仕官しに訪れたのは幸先が良い。

宦官が朝廷を支配し始めた今こそ彼らのような実力者が欲しかったのだ。

特に太公望と黄飛虎は魑魅魍魎の宦官と真正面から食って掛かっても勝てそうだと思ってしまう。

 

(……彼らから悪意は感じない。まだ身辺調査は終わっていないが合格を出したいくらいだ)

 

太公望たちから悪意は感じられず、皇帝や朝廷の要人たちに危害を加えようとするような者たちに見えない。

場所が場所だけに高順は慎重になっているのだ。何度も言うが何せここは天下の朝廷なのだから。

 

「試験は合格ですかね?」

「結果を持ち帰って精査する。尤も合格だろうがな」

 

高順の中で彼らはもう合格だ。そして自陣に組み込むつもりである。

徐栄たちには彼らを渡すつもりはない。

 

「では、僕らは何処かで待機していればいいですかね?」

「そうだな…空き部屋があるから待機しててくれ。君、彼らを案内してやってくれ」

「はっ」

 

高順の部下が太公望たちを案内して訓練場から離れていくのであった。

 

(ふむ、彼ら3人の実力は期待以上だった。ならば残り2人の方も期待してもいいかもしれん)

 

高順が文官として期待している藤丸立香と太歳星君。そんな2人は今まさに試験中であった。

 

(……難しい)

(わかんないぞー)

 

高順が信頼される文官は藤丸立香と太歳星君に急遽試験をさせていた。

 

(高順殿いきなりすぎますよ。本来なら彼らを文官採用する為の試験なんて急にさせられないというのに)

 

普段であればいきなり文官採用試験をさせるような事は出来ない。

高順が責任を取るという事で信頼されている文官が2人を見ているのだ。

 

(難しい…けど、武則天から勉強を教えてもらった事があるから全てが分からないという事は無い。なんか解けるところは解ける)

 

藤丸立香は武則天から勉強を見てもらった事がある。

何でも共同統治者として知識があるべきだという体でだ。目指せ科挙の合格。

故に文官に出された試験が回答出来たりするという結果になっている。

 

(…飽きた)

 

逆に太歳星君は試験がチンプンカンプンなので飽きた状況だ。祟り神に文官採用試験をさせてどうするんだという状況なのだから仕方がない。

 

(ふむ…)

 

文官は2人の試験状況を観察する。

 

(子供の方はやっぱ子供じゃないですか高順殿…)

 

高順が太歳星君を只者ではないかもしれないからと言っていたが観察すれば観察する程ただの勉強に飽きた子供である。

 

(この子は普通に不合格…というか本来なら試験も推薦も受けられませんよ)

 

子供に役人仕事は出来ない。子供の仕事は遊んで健康に育つ事だ。

 

(そして青年の方は中々ですね。知識はあるようです)

 

回答している試験を確認すると文官として必要な知識を有している藤丸立香。

身なりからして何処かの良い所の貴族や豪族かもしれないと予想。太歳星君も上等な服を着ているので平民というわけではなさそうだ。

 

(少年の方は置いておきましょう。青年の方は教養がありますね。しかし…)

 

彼が回答しているものは興味深いものだった。例えるなら教科書やマニュアル通りの答えよりも革命的な答えと言うべきか。

それもそのはずで、藤丸立香は未来の人間であり、別世界の人間だ。過去であり、外史世界の文化や考え方と全く異なる部分もあるのだから。

故に試験を見ている文官は藤丸立香に対して興味深いと思うのであった。

 

(高順殿が推した理由が少しわかりますね。保守的な者達と彼は合わないかもしれませんが)

「終わりました」

「ならワガハイもー」

 

藤丸立香が試験を終わらせたと同時に太歳星君も試験終了した。

 

「はい。お疲れ様です」

 

試験結果は高順に報告する。そして藤丸立香が合格かどうか連絡するだけだ。

 

「空き部屋で待機していてください。今日中に結果を報告しますので」

「はい。分かりました」

 

藤丸立香と太歳星君は待機部屋に案内されて静かに待つのであった。

 

「いや、静かに待つつもりない」

「ここからが本番だぞ」

 

2人の目的は文官の合格ではなく、朝廷に異変がないか確認する事だ。

今までの流れであれば、朝廷で敵が何か仕掛けてくる可能性が高い。これより2人は朝廷内を潜入調査をするつもりである。

 

「じゃあ早速部屋から出ようか」

「待って であであのマスター」

「どうしたの太歳星君?」

「見張られてるぞ」

「え」

 

見張られている。

まさかもう敵が藤丸立香たちを監視していた事なのかとすぐに警戒に入ったが太歳星君は首を振った。

 

「ううん。たぶんここの兵士だと思う」

 

藤丸立香たちを見張っているのは高順が手配した者たち。

実力は認めてくれているがいきなり朝廷に、漢帝国に仕官しに来た者達が怪しくないかどうか見張っているのだ。

高順の行動は皇帝を、国を思っての事であれば当然のものであった。実際に藤丸立香たちは仕官しに来たわけでは無く、狙ってくる敵と決着を付ける為に朝廷内を潜入捜査するのである意味怪しい者である。

捕まっても反論は出来ない。

 

「見張られてるかー」

 

今ここで待機部屋から堂々と抜け出せば見張っている者たちに捕まるか、高順に報告が上がり、御用になるだけだ。

如何にして自然に部屋から抜け出すかが問題である。

 

「どうするー?」

「ここは部屋を当然の如く出られる定番の方法で行こう!!」

 

ある程度、どんな部屋からでも出る方法。それは「トイレに行く」というものだ。

 

「すみませーん。用を足しに行きたいんですけど…場所を教えてください」

「ワガハイ漏れちゃうかもしれないぞ」

「向こう右行って奥」

「ありがとうございます」

「ありがとー」

 

当然のように待機部屋から出れた2人。トイレに向かった後は迷ってしまった体で朝廷内を潜入捜査である。

 

「それでもまだ見張られてるぞ」

「だよね」

 

待機部屋から出れたは良いが高順の部下たちの見張りからはまだ逃れられない。

朝廷が広すぎて迷ってしまった体作戦もずっとは続かない。ただ怪しまれて時間が来れば捕まるだけだ。

もしも知り合いでもいれば朝廷を怪しまれずに散策出来るのだがそんな虫のいい話はない。

そう思っていたがそんな虫のいい話があった。

 

「あれ…紫苑さん?」

 

紫苑が焦ったような、真剣な顔で走る姿が見えたのだ。

 

「黄忠さーん!!」

「コウコウだー!!」

「ん、って、あれ。藤丸のお兄さん!?」

 

紫苑も藤丸立香と太歳星君に気付いたようで足を止めた。しかし急いでいる様子だ。

 

「何で藤丸のお兄さんと太歳星君くんが朝廷に?」

「実は…」

「って、今はそれどころじゃないんだった。孫堅お姉さんが危ないの!!」

「何があったの?」

 

炎蓮が危険だと言われて藤丸立香も目つきが変わる。

既に敵は動き始めていたという事だ。

 

「このままだと孫堅お姉さんが…って、ええ!?」

「え、何々!?」

 

急に紫苑が叫んで、一緒に驚いてしまう。しかしすぐに彼女が驚いた理由を知る事になる。

 

「マスター。朝廷がなんだか変だぞ」

 

朝廷内の景色が変化している。否、正確には空間が変化しているのだ。

 

「これって…呉の地下牢のと似ているような」

 

朝廷内の異空間化。敵が、白波三鬼衆の韓暹がついに仕掛けてきた。




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新はこの後すぐ。

1193
炎蓮たちと風鈴
ここは原作と似たような流れです。
最初の出会いは良くなかったかもしれませんが、風鈴は炎蓮が只者ではないと気付いたので本人の中では高評価なんですよね。
もしも風鈴が炎蓮を勧誘して力を合わせれば腐敗した朝廷は変わっていたかな?

1194
魑魅魍魎の宦官たち。
原作では本来、炎蓮の演技に騙されていましたが此方の物語では騙されませんでした。
過去が少し変化しているのでバタフライエフェクトが発動したようなものですかね。

1195
高順が課した1000人(700人)抜きて
太公望たちなら普通にクリアしても不思議ではないと思ってます。
Fate/EXTELLA LINKのプレイ動画とか見ちゃうとね。

藤丸立香も逸般人なので少しは勉強でも出来てもおかしくないはず
武則天に教えてもらっていたという設定があれば何とか…
太歳星君は勉強に興味はないのでスルーです。だって祟り神ですし。

そう言えば個人的に調べると三国時代では仕官の条件は中央での推薦や個人の実力、また才能に応じた登用が中心だったみたいですね。
なのでこの物語で書いた仕官は実際に可能だったかどうか…まあ、そこはそこという事で。
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