Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義 作:ヨツバ
今年も頑張って執筆していきます。
FGO。第二部が終わり、綺麗に締めくくられましたが…待望の続編が!!
アフタータイムではオルガマリー所長が登場してくれて嬉しいです。そしてまさかのアズライールが登場するとは!?
今年のカルデはどのような旅路になるのか楽しみです。
恋姫†大戦
2026年の春にリリースだそうですね。
少しずつ情報が解禁されるのが楽しみですよ。
公式サイトでは恋姫†大戦のために今までの恋姫シリーズのガイド動画がアップされてました。説明してくれるはまさかの「あのお方」でした。
では、こっちの本編をどうぞ。
今回は大きな展開はなく、ほのぼの的な。
2019
孫呉の竹林にて。
「らんらら~~~ん、ら~~、ら~~~~」
「がう~」
「ぐるる~」
小蓮の呑気な歌声とハーモニーを奏でる獰猛な唸り声。
獰猛な唸り声の正体は白い虎とパンダ。
「善々~。迷子になっちゃ駄目だよー」
「ぐるるるるるるっ」
小蓮に呼ばれたパンダはのっしのっしと一緒に歩く。
名前は善々で彼女の友達。そして白い虎の名前は周々であり、この子も友達である。
「ふふ、良い子良い子」
なでなで、なでなで。優しく撫でると2匹は嬉しそうに目を細めた。
「なぁに、じーっと見て?」
「えーと」
「あ、分かった。シャオとこの子たちが仲良くしてるから、ひがんでるんでしょ」
そうではなく、小蓮が白い虎とパンダを名前で呼んで普通に背中に乗っている状況に対して説明を頂きたかったから見ていただけである。
「善々、立香がお友達になりたいんだって」
友達になりたいとは一言も言っていない。尤も友達になれるのなら友達になっておきたいものだ。
「…………」
「善々~~~。無視しないの」
藤丸立香を一瞥した善々が億劫そうに身を揺する。
のっし、のっしと近づいてきて「ほらよ?」みたいな感じで頭を突き出してくる。
ここは藤丸立香も優しく善々の頭を撫でた。
「がぶっ」
「わぁ!?」
「あ、こら周々ー」
いつの間にか近づいていた周々に片手を甘噛みされた。
周々は頭が良いのか噛むのではなく、甘噛みであった。痛くは無いが虎に片手をいきなり甘嚙みされれば普通に怖い。
「ぐるうぅ~~」
甘噛みしてきた理由は自分に注意を引き、撫でろと言わんばかりに頭を突き出す為だった。
藤丸立香は周々にも撫でる。普通であれば虎とパンダを撫でるのは怖いものだ。離れた所から見ればそうでもないが直接触れるとなると勇気がいる。
特に虎相手であれば普通に怖い。しかし藤丸立香は虎よりも怖い動物(エネミー)と戦ってきたし、なんなら狼王ロボと絆を深めているので感覚がバグっている。
この場にヘシアン・ロボがいれば周々も善々も腹を見せるかもしれない。
「小蓮ちゃんは動物と仲良くなれる力でもあるのでしょうか?」
「ああ。不思議とシャオは昔っからどんな動物とも仲良くなるんだよ」
「そうなのよねー。小さいころ目を離した隙に虎と仲良く遊んでいたのを見かけた時は流石に焦ったわよ」
「まるで動物と会話出来るみたいなのよね」
小蓮に『動物会話』のようなスキルを備わっているかのようだ。しかし小蓮本人は動物と実際に会話が出来るわけではない。
本人曰く何となく分かる程度との事。そして動物の方も小蓮の言葉を何となく分かっているようだ。
(やはり動物会話のようなスキル。牛若丸さんみたいにフィーリングですかね……それにしても)
もしもの話しだが小蓮が英霊になったら『動物会話』のスキルを持っていてもおかしくないかもしれない。
(パンダがいます!!)
小蓮の動物会話のような不思議な力も気になるが秦良玉にとって今はどうでもいい。彼女にとって今はパンダが大事である。
「パ、パンダがいます」
「善々のこと?」
「善々って言うのですね!!」
秦良玉のテンションが上がる。この様子に雪蓮は全てを察した。
「あ、もしかしてパンダ好きなの?」
「はい!!」
良い返事であり、目がキラキラの秦良玉。
「さ、触ってもよろしいのでしょうか?」
「シャオに聞いてみれば?」
すぐさま小蓮に駆け寄って確認を取る。
「小蓮ちゃん。私も善々を触ってもいいでしょうか!!」
「んー、いいよー。善々こっち来てー」
テンションの高い秦良玉に少し圧されつつも小蓮は許可を出す。正直に言って秦良玉の今のテンションは初めてな光景だ。
「善々~」
「ぐる?」
善々が「なんだよ?」みたいな感じで近づくと大きな感情を秘めた人間が待ち構えていた。
その人間というか英霊だが、目をキラキラさせて動物愛というかパンダ愛を限界まで膨れさせていた。これには善々も「え?」という顔をしてしまっていた。
「パンダです!!」
秦良玉は善々を撫でるわけでもなく抱え上げた。まるで赤ちゃんを高い高いするかのように。
「ぶも!?」
「ああ、可愛い!!」
善々は子供パンダではなく大人パンダだ。成体パンダの体重は約100キロから120キロ前後。
秦良玉は軽々と持ち上げて、抱き締める。これには善々本人も驚いた。
「ぐるる(このオレを軽々持ち上げるなんて、あの大女以来じゃないか)!?」
善々の言う大女とは炎蓮の事である。
炎蓮は大猪を担げる程の力持ち。故にパンダである善々だって持ち上げられるのだ。
「ぐる(こ、これは…逆らってはいけない)!?」
モフモフとパンダを堪能する秦良玉。相手の力量を見極めて敵わないと察した善々はされるがままだった。
動物の世界は弱肉強食。弱い動物は強い動物に逆らえない。
「秦良玉殿は余程パンダが好きなのね。あんなにはしゃぐの初めて見たかも」
「善々がされるがままになってるわ。あの子はシャオにお願いされるか認めた者しか触れられないのに」
「秦良玉も強え奴だからな善々も逆らえねぇのさ」
善々が愛玩動物の猫のようである。尤もパンダを漢字で書くと熊猫となるので秦良玉からしたら猫のようなものかもしれない。
「マスターマスター。パンダですよパンダ!!」
「うん。パンダだ。何処からどう見てもパンダ」
「はい。シュミレーターで再現出来なかった後悔が一瞬で吹き飛びました!!」
今の彼女はとても幸せそうだ。
「マスターも善々をもっと見てください。パンダはとても可愛いのです!!」
パンダ愛好家としてマスターにはもっとパンダを知って欲しいと思う。好きな人には自分の好きなものを知って欲しいと思うものだから。
「そうだ良。周々は?」
「あ、そっちは大丈夫です」
白い虎にはあまり興味がない秦良玉。これには周々も少しだけガッカリしたような顔をした気がした。
「お、何だかんだで到着したぞ」
孫呉が保有する竹林・笹林。どれも立派で青々しく、とても景観が素晴らしい。
日本には竹笹園があり、何処も有名で素晴らしいが孫呉が保有する竹林・笹林も負けていない。
「こんな場所でゆったりするのも悪くないかもね」
竹林に囲まれると何だか穏やかな気持ちになる。このような場所でピクニックとかも良いかもしれない。
「そう言うと思ってお茶やお弁当持ってきたんだ~」
雪蓮はいつの間にかお昼の準備をしていた。
「笹を取ってくるだけなんてつまらないじゃない。せっかくだからお昼にしましょうよ」
竹林・笹林で食べるお昼ご飯はとても美味しい。
「これだけ立派な竹があると…流し素麺をしてみたいかも」
「「「流しそうめん?」」」
流しそうめん。
竹の樋に水と一緒にそうめんを流し、流れてくる麺を箸ですくい取ってつゆにつけて食べる日本の夏の風物詩だ。
一度はやってみたいと思い日本人が多いのではないかと思う。夏の風物詩と言うくらいなのだから風流があるのだ。
「へえ、面白そうじゃない」
「素麺も作るっていうのだから丁度いいかもねー」
面白そうと同意してくるは雪蓮と小蓮。
「竹も笹も腐る程生えてんだ。いくらか斬って持って行くか」
笹と竹の回収は無事に済みそうだ。しかし今は竹林・笹林の景観を楽しみながらお昼を取るのであった。
2020
七夕料理班。
「今帰ったぞ!!」
「神聖皇帝の凱旋じゃぞ」
元気よく調理場の扉を開くは俵藤太とその他諸々。
彼らは最高の七夕料理を作る為に最高の食材を収穫しに行っていたのだ。その場所が仙境や秘境というのだから驚きしかない。
それ程までガチという事だ。ただ最高の食材を手に入れる為に仙境や秘境まで連れていかれた者たちは散々であったに違いない。もしくは貴重な体験ができたと言うべきか。
「…紫苑さん。私は五体満足ですよね?」
「ええ。月ちゃん。私達は無事よ…」
「素晴らしい体験でした。私の侍女道はまだまだですね。侍女としてご主人様を喜ばす為の道は険しく遠い事が知れました。ありがとうございます俵様」
「いやいや、美花殿の侍女道の本気には恐れ入った。きっとお主は最高の侍女になれるだろうよ」
「確かに。妾の新たな侍女にしたいくらいじゃ」
「ありがとうございます」
素麵作成班の俵藤太たちは無事に食材を手に入れた。
「のう華琳よ。食材を落としてないだろうな?」
「落とすわけないじゃない。この私手ずから手に入れた食材よ。そしてそれは私の目に叶った食材という事」
華琳が料理を作る時は一切の妥協がない。食材を選ぶのも妥協しない。故に彼女も仙境や秘境に向かうのも躊躇いが無い。
王ではなく、料理人として本気と書いてガチなのだ。
「流石は華琳様です」
「そうだな。我らが王である華琳様は全てに対して完璧を求める」
「ふふ、言い過ぎよ流琉、秋蘭」
流琉と秋蘭は普通に華琳と共に仙境・秘境で食材回収をこなした。
「何で麺を打つのに仙境まで行かにゃならんのじゃ…」
「ただ飯を作るだけなのにこんな…こんな危険をせねばならんのだ」
祭と傾も紫苑や月のように疲労によってげっそりしていた。
「はわわ…すっごい旅をしてきたみたいです」
「あわわ…満身創痍の人たちもいます」
「さ、祭様があれほどの傷を負ってるなんて!?」
「いや…食材を採って来ただけなんだよな?」
朱里たちは戦々恐々しているが1人だけ冷静の白蓮はツッコミを入れた。彼女たちは仙境には行っていないので月や傾たちの苦労は分からない。
「全く…仙境に行きたいと言うから、せっかく道を開いたと言うのに目的が料理の食材集めとはのう」
実は調理場にいた管輅。
俵藤太から仙境に行きたいと頼まれ、管輅は「お、宝貝を探しに行くのか」と思って素直に仙境への道を教えた。
心の中で「最近は三国行事ばかりで宝貝探しやってねえじゃん」と思っていたが、やっと動いてくれた事で管輅は「よしよし」と頷いていたのだ。
「じゃが…仙境に行った理由が宝貝探しじゃなくて料理の食材探しかい!!」
キレのあるツッコミを入れた管輅であった。
「うむ、最高の材料を手に入れられたぞ。管輅殿にも最高の飯を食わせやるからな!!」
「飯は貰うが宝貝探しをせい!!」
「ああ、宝貝なら見つけてきたぞ。ほれ」
「なん…じゃと?」
そう言って簡単に宝貝をいくつか管輅い見せた。何なら特別な防具を作成する為に特別な素材も複数手に入れている。
「最高の食材を採取するついでに宝貝を見つけてきたのだ。ただ仙境はまだまだ広いな。まだ探索しきれてない場所もある」
「最高の食材を見つける旅は過酷であったわね。ただ宝貝は案外簡単に見つかったわ」
「いや、宝貝探しをついで扱いすんでないわ!?」
物語にするならば宝貝探しが本編で食材探しがオマケ編というのが普通ではないだろうかと思う管輅。
「いや、今回は料理が主役だぞ?」
「今回ばかしは宝貝よりも料理ね」
「曹操まで何を言うとるんじゃ」
ため息を吐きつつ管輅は渡された宝貝と特別な素材を回収する。これから貂蝉と卑弥呼を呼んで宝貝の解析と特別な素材をどのように防具作成出来るか調べなければならないのだ。
「貂蝉殿なら七夕衣装作成の総監督をしていると聞いたが?」
「あんのムキムキまで何しとんのじゃ!?」
何はともあれ七夕料理の食材と宝貝を探しを無事に終えたのであった。
「宝貝を探しはまだ終わっとらんからな」
三国の絆を深めるのも大事だが宝貝捜索も大事。
「早よ探しに行け」
2021
五胡陣営にて。
「では、計画通りにお願いしますね」
「分カッタ」
于吉はある鬼にある計画を実行させようとしていた。
それは願望成就計画である。
「三国に送り出した間者から聞きましたね。何でも乞巧節もとい七夕をやるんですよ」
「タナバタ?」
「はい。だから貴方と彼女にお願いしたんですよね」
七夕が開催されるから2体の鬼に声をかけ、願望成就計画を練り上げた。
たった鬼が2体だけで願望成就計画なんて大それた事が可能か不思議なものだが于吉は軽い気持ちでいる。
何故なら実際に、その計画が完成された暁には願望が成就されないかもしれないと思っているからだ。即ち成功しない確率の方が高いという事。
もしも成功したら儲けものだとしか思っていないのだ。言わば、今回の計画は実験である。
「今回の計画はその七夕を元にしてるんですよ」
「フウン」
「七夕…というか乞巧節は機織りや裁縫が上達するようにお祈りするものなんですよ」
「ソウダネ」
「でも七夕となったら願い事を短冊に書いて笹に飾ってお祈りするようになったんです。願い事なら何でもですよ?」
機織りや裁縫が上達するようにお祈りするのが、何故か気が付けば『何でも願い事をお祈りする』という状態になっていた。
いつから何でも願い事を祈るようになったかは分からない。ただ時代と共に機織りだけではなく芸事や書道の上達も願うようになったという事もあるから次第に願う種類も増えた事から『何でも願える』ようになったのかもしれない。
「乞巧節から七夕へ変化し、祈りは願望へと妄想するようになった。しかし国は、世界はソレを認めた」
「乞巧節ガ 願望 タダ願ウダケノ 行事ニ ナッテル」
「人間はそれだけ欲深い生き物だって事ですよ」
人間は欲深いからこそ文化や技術が発達したと言ってもいい。
「先ほど言ったように今回の計画は七夕を元にした儀式のようなものです」
七夕は何でも願い事を祈る祭りになってしまった。于吉はこの概念を元にした計画が願望成就計画である。
七夕は彦星と織姫の再会を祝う祭り。民たちは彦星と織姫が再会した暁には願いを叶えてくれると思ってしまっている。
于吉が先ほど言ったように国や世界に七夕が人々の願いを叶える伝説・祭だと浸透しているのだ。
「大人であれば七夕の起源を知る機会はあるでしょう。しかし子供たちは違う…子供たちは純粋に七夕は願いを祈り、叶えてくれる祭りだと信じるしょうね」
もしくは大人も子供も七夕という祭りを楽しめれば良いかもしれない。
「ソノ計画ガ 私ガ彼女ニ 再会スレバ イイダケ?」
「はい」
于吉はニコニコしながら1体の鬼に説明する。
七夕で願いを祈るというのは、彦星と織姫が再会して2人が人々の願いを叶えてくれるという事。
その概念を元に于吉は計画練り上げ、実行者たちを推薦し、時期と場所を待ち、選んだ。そして計画実行が今なのだ。
「貴方はこの願い事が書かれた短冊を吊るした笹を持ってください。そして彼女に再会するだけでいいんです。その他の小難しい儀式の準備は全て私がやっといたので」
その鬼は于吉から短冊を吊るした笹を手渡される。
「ただ彼女に会いなさない。それだけ良いのです」
「……ダカラ私ハ コンナ恰好 シテルノカ」
「七夕伝説を模倣した儀式ですからね。恰好も寄せるのも儀式として大切なんですよ」
「…………分カッタ。シカシ 私ニハ儀式 ナンテ関係無イ。私ノ望ミハ イツダッテ彼女ニ 再会スル事」
彼にとって彼女と再会する事が願いだ。于吉の計画に乗る事で彼の願いが成就するのだから、それ以外の望みはない。。
「だから貴方をこの計画に選んだんですよ怠劫鬼」
怠劫鬼。
まるで彦星のような鬼であり、いくつもの短冊を吊るした笹を持っていた。
「あ、ついでにこの短冊を笹に吊るしてください」
「コノ願イ事ノ 短冊 吊ルスノカ?」
「はい。七夕はロマンチックな祭りですからね。やはりロマンチックな願いを叶えてもらわないと」
怠劫鬼は于吉から受け取った短冊を呼んで微妙そうな顔をした。
「あ、そっちが本命ですからね」
「エッ、コッチガ本命ナノ!?」
笹に既に吊るされた短冊ではなく、今受け取った方短冊の方が于吉にとって大本命の願いだ。
読んでくださってありがとうございました。
次回の更新は2週間以内を目指します。
2019
そういえば小蓮には動物の友達がいたなーと思い出して登場させてみました。
虎とパンダ。
うん…小蓮には絶対に動物会話のスキルが備わっている!!
秦良玉のパンダ好き。パンダが登場するでの彼女を絡ませないと!!
FGO本編でもパンダと会える事を願ってます。
竹林園。
なんだか幻想的というか和の世界を体現したかのような場所ですよね。
とっても穏やかな気持ちになりそうです。
まあ、作者の私は一度も行った事ないでの分からないんですけど
流しそーめん。
作者は一度だけ体験しました。
子供の時だったけど楽しかった記憶があります。
2020
七夕料理班
頑張って仙境まで行って最高の食材をゲットしてきました。
本編でも書かれてましたが宝貝をついでに取って来た。
管輅の言う通り、宝貝探しを本編にしろよっていうのは正論だわ…。
なんというかまともに宝貝探しの話しを書いてない気がするし。
2021
三国がほのぼのと七夕の準備をしている裏で于吉が計画を仕込んでます。
願望成就計画。まんま願いを叶えるための計画。
私が子供のころ、七夕って何でも願い事をするものだと思ってました。
織物上達の祈るものなんて知らなかったなあ。
実は高校とかまで七夕の起源とか知らなかったです。