Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは。
FGOでは新イベントが始まりましたね。
どのような展開になるのか楽しみです。
しかし…また「選択」かぁ。どっちを選べばいいのだ!?

恋姫†戦国「島津編」ではいつの間にかオープニングが公開されました。
素晴らしいOPだ!!
此方も物語がどのような展開になるか気になります。
発売は夏かあ。


三国夏物語 -常夏地獄彩玉領域-

2050

 

 

「ますらお勝負」にて藤丸立香と北郷一刀は海の藻屑となった。

海の藻屑となった二人はその後仲良く海岸に漂着した。

 

「酷い目にあった…」

「同じく…」

 

漂着した二人はもはや色々と失った。特に尊厳を。

 

「……立香は誰にやられた?」

「蓮華と楊貴妃のダブルコンビに」

「ウゲッ…それは無理ゲーだろ」

 

蓮華と楊貴妃の誘惑は耐えられない。

 

「そう言う一刀は?」

「………秋蘭」

「あー…なるほど」

「まさかのアプローチに負けたんだ」

 

秋蘭はどうやって北郷一刀を誘惑したのか気になるものだ。

 

「お、こんな所にいたのか」

「その声は…藤太」

「おう。お前らを回収しに来たぞ」

 

俵藤太は海の藻屑になった二人を救助(回収)しに来たのだ。

海の家で片付けをしていたところ謎の爆発音が聞こえたため、飛び出してきたのだ。

 

「ほれ。全員が心配していたぞ」

「その全員が俺らを海の藻屑にしたんだけどな」

 

二人は俵藤太の両肩に担ぎあげられ、のっしのっしっと皆の下に帰えるのであった。

 

「あ、マスター」

「ご主人様大丈夫?」

「「なんとか」」

 

そもそも海の藻屑にしたのが楊貴妃や桃香たちである。尤もお遊びなのだから恨みなんて無いのだが。

 

「ほれ」

 

そのまま砂浜に降ろされて尻もちをつく二人。

 

「あれ…何か多くない?」

 

よく見ると人数が増えていた。

翠たちや凪たちも集まっていたのだ。理由は簡単であり、謎の爆発音があったからである。

誰であっても謎の爆発音が近くで響いて来れば気になって向かう人もいる。今回はほぼ全員が集まっただけだ。

 

「ほほー。こりゃ、ウチの絡繰りが起動したんやな」

「はい~。素晴らしい絡繰りでした」

「凄い爆発音だったの」

「真桜はこういう絡繰りばかり…」

 

真桜と穏たちが絡繰りについて結果を報告し、感想を言い合っていた。

トンデモナイ絡繰りを発明してくれたものだ。今後も凄い絡繰りやくだらない絡繰りを作り続けるのかもしれない。

それは近いうちにきっと。

 

「ねえ蓮華。そっちは誰が藤丸をやったの?」

「え、えーと…」

「ユゥユゥと蓮華さんでーす」

 

ニコニコと楊貴妃が華琳に報告する。

 

「へえ…楊貴妃は分かるとして蓮華が藤丸をね。どうやって?」

「お、教えないわ!!」

 

顔が真っ赤の蓮華。相手が藤丸立香といえ、とても恥ずかしかったようだ。

何か変な扉をこじ開けかけたが、完全開放はされなかったようである。

 

「華琳さんたちの方は誰が北郷さんを?」

「ふふ、秋蘭よ」

「秋蘭さん確かに綺麗な方ですよね。でも予想と外れました。てっきり愛紗さんや華琳さん達かと」

 

チラっと秋蘭の姿を見るが、彼女は普段通りの佇まいであった。

普段クールな美女がいきなり誘惑してくるの人によってクるものがある。北郷一刀は見事にクリティカルヒットさせられたのだ。

 

「ふふ。秋蘭の誘惑する姿を見れたのは良かったわ。最初はますらお勝負なんて…って、思ったけど秋蘭の良さを新たに発見できたわ」

 

秋蘭だけでなく、愛紗や桃香たちの誘惑姿に華琳は良い目の保養になったのだ。

 

(でも…私の誘惑を耐えきったのはちょっと何か…モヤっとするわね)

「春蘭さんの誘惑姿も良かったですか?」

「ふふふ。勿論よ」

 

下らないかと思っていた「ますらお勝負」。何だかんだで楽しめたのであった。

そんな感想は華琳だけでなく、他の面々も思うのであった。

 

「うう~…ご主人様をゆ、誘惑なんて」

「むう…秋蘭さんに負けたのがちょっと悔しい~」

「でも凄かったのだ」

「流石は…私の妹だ!!」

「ふっ。褒めても何も出んぞ。ところで姉者よ鼻血が出ているぞ」

「いかん。華琳様の誘惑姿の影響が」

「まあ、私も危なかったがな」

 

華琳の誘惑攻撃。もしも桂花や稟がいたら、その場は鼻血の海になっていたかもしれない。

 

「蓮華様の誘惑攻撃凄かったですね。包も見習わなければなりません」

「す、すごかったです蓮華様…」

「はい。流石は我らが王ですね……あ、そう言えば包さん」

「何ですか明命さん?」

「今晩、本当に立香さんは包さんの部屋に行くんですかね?」

「そ、そそそそそれは」

 

何を想像したのか顔が真っ赤になるのであった。

 

「爆発に巻き込まれたって聞くけど大丈夫かご主人?」

「というか何をやったんだ?」

 

海の家にいた翠や傾たちは「ますらお勝負」の内容を知らない。

何が原因で爆発があったのか気になるものだ。

 

「実はな…」

 

武則天がため息を吐きながら「ますらお勝負」を説明するのであった。

 

「ななななな、何やってんだご主人!?」

「いや、俺はどっちかっていうと被害者だよ。たぶん」

「ふふ…それは私も参加してみたかったですね」

「蒼もー!!」

「美花、蒼。勘弁してくれ…」

 

美花たちも参戦したらもっとヤバかったかもしれない。

 

「ほう…誘惑とな。なぜ私を呼ばん。すぐに終わらせたものの。くっくっく」

「傾。今くっついてもますらお勝負してないから」

「面白そうな事をやっておったのう。しかし蓮華様が立香を反応させおったか。見てみたかったぞ」

「勘弁してよ祭…」

「それに儂も参加してみたかったな。はっはっは」

 

くだらないと言われている「ますらお勝負」だが何だかかんだで試してみたいと言う人は多かった。

尤も誘惑する相手によるというのが一番重要かもしれないが。

 

「今までのレクリエーションの中で一番大変だった気がする」

 

色んな意味で楽しめたような、疲れるだけなような。そして何かを削ってまで海の藻屑になったのは楽しくなかったような。

それでも美女たちに誘惑されたのは男として後悔はなかった。

 

「じゃあちょっと休憩したら後半戦も開始しますよ~。次はもっと凄いですよ~」

「ますらお勝負以上に凄いのが!?」

「はい。せっかくだからこの場にいる全員にも参加しちゃいましょう。また立香さんと北郷さんには~」

「またオレと一刀が海の藻屑案件にさせられそうなんだが!?」

「さっき真桜から怪しい絡繰りを受け取ったの俺見たぞ!?」

 

まだまだ海での楽しみは終わらない。しかし楽しみは中断される。

せっかくの夏季休暇に魔の手が忍び寄ってくる。

 

「三国ノ 王ヤ武将共ガ 揃イモ揃ッテ 夏季休暇カ?」

「良イ 御身分ネ」

「実際ニ 良イ 御身分ナノダロウ」

 

濃厚でフレッシュな妖気が周囲に蔓延する。フレッシュな妖気って何だと思うかもしれないが、そう感じたのだから仕方がない。

 

「何奴!?」

 

声と妖気が発せられた方向に全員の視界が集中する。

視線の先にいたのは三体の鬼であった。

 

「「「ん?」」」

 

しかしただの鬼ではなく、何と言うか夏に浮かれたような鬼であった。

 

「俺ノ名ハ 獄夏鬼!!」

「私ノ名前ハ 夏鬼」

「我ハ 赫怒鬼ダァァァァ!!」

 

本当に夏に浮かれ、海を満喫する鬼にか見えない。

 

「セッカクダカラ 私タチノ 水着紹介モ スルワヨ」

「「「え、いらない…」」」

 

何故か鬼達の水着紹介もとい自己紹介が始まる。

 

「クックックック。海デ 鍛エタ コノ肉体。テメェラ 覚悟シヤガレ!!」

 

獄夏鬼。

蒼白い肌であり、従来の鬼の様な異形の筋肉ではなく、スポーツマンさながらの立派に引き締まった身体をしている。

全ては来たる日に向けて日々の鍛錬を欠かしていないからだ。海岸にある視線を独り占めするという野望を叶えるその日まで。

 

そんな彼の水着は腰布で留めた無地の海パンスタイル。首元には金のネックレスでお洒落を演出している。

更に星形サングラスを掛け、こめかみに四本角を生やしている。カッコよく腕や脚に角も生やしてイケイケ鬼と言っても過言ではないかもしれない。

 

「私ノ 肉体美デ ドンナ男モ イチコロヨ」

 

夏鬼。

蒼白い肌のナイスプロポーション。鍛え上げられた美しき細身の肉体。

そんな彼女の水着はフリルとラインの入った三角ビキニスタイル。

リボン付きの麦わら帽子にボリュームのある長髪の先だけ編んだスタイルであり、腕輪と足輪を付けてサンダルを履いている。

 

こめかみの先だけ青色が付いた二本角が生えており、膝と二の腕にもキュートっぽい角が生えている。

彼女が海辺に来るだけで全ての男の視線を独り占めである(色んな意味で)。そして彼女が細身とはいえ身軽な恰好に騙されてはいけない。彼女の守りは非常に堅く、丸裸にされているのは気が付けば相手かもしれないらしい。

 

「夏ハ 最高。シカシ 危険モ 隣合ワセ。 我ガ見張ッテ ヤラネバ!!」

 

赫怒鬼。

鍛え上げられた白い肌の見事な肉体。海で鍛錬したのか、細かい傷跡が色々と想像を膨らませる。

そんな彼の水着は海パンスタイル(ブーメランタイプ)。中心に星マークの付いており色々と主張している。

左右側で黄色と赤色が分かれた水着帽をかぶり、その上に水泳ゴーグルを装着。水着帽からは力強い二本角が飛び出している。

 

こめかみに小さくヒトデマークが付けており、口から舌がデロンとこぼれている。更に派手な右腰にメガホンを携え、左肩に救助用浮き輪をかけている。

その姿は海やプールでの監視員のようだ。実際に彼は監視員として海辺で仁王立ちをしているとの事。尤も彼が監視をしている海辺には誰も近寄らない。

 

「夏限定ノ 刺客ダゼ!!」

 

せっかくの夏を楽しんでいたというのに敵勢力には此方の事情など関係無い。

 

 

2051

 

 

現れたるは三体の鬼。ただしただの鬼ではなくサマーシーズン限定の鬼である。

更に上級鬼であり、ふざけているのかと言いたくなるかもしれないが実力は「武田八鬼将」と同等である。

 

「クックックックック」

「ウフフフフフフフフ」

 

不気味に笑うは獄夏鬼と夏鬼。

 

「……もう一度聞く。何者だ!!」

「言わなくても分かるだろう愛紗。五胡の手の者だな。そして于吉の手の者」

「何か夏仕様だけど」

 

ギロリと鬼達を睨む思春。そして武器を既に構えていた。

鈴々や秋蘭たちも武器を構えて己が王を守るように前に出ていた。

 

「正解ダ」

 

質問を返すは赫怒鬼。

 

「貴様ラヲ 討チ取リニ 来タ」

「刺客が堂々と真正面から来るとはいい度胸だ!!」

 

春蘭が闘気を発する。

 

「夏ダカラナ」

 

夏だから刺客も堂々と正面から来るとの事。

 

「夏だと刺客や暗殺者って正面から来るものなのご主人様?」

「いや、そんな事は無いと思うぞ」

 

夏だから暗殺・討伐は真正面からという決まりはない。ただ三体の鬼達が浮かれているだけだからこそ正面から刺客として来ただけである。

 

「アノ御方ノ為 貴様ラヲ 討ツ!!」

 

赫怒鬼が妖気を練り上げて爆発させる。上級鬼というのは嘘ではなく、恰好はふざけているが実力は本物だ。

愛紗たちや楊貴妃達が戦闘態勢に移るが相手は得体の知れない敵である為に誰も先手は出せず、出方を伺ってしまった。

それが敵にとって都合が良かった。何せ初手で奥義の発動を邪魔されないからだ。

 

「常夏地獄彩玉領域!!」

「え」

 

世界が塗り替えられた。

周囲は南国の海と砂浜が広がった。一見、変化してないように見えるが変化しているのだ。

先ほどまで藤丸立香達がいた海や砂浜ではない。真上に広がる空や太陽も何かが違う。

周囲に見える全てが創られたモノ。

 

「え、嘘…これもしかして!?」

 

楊貴妃が驚愕している。武則天も少し焦っていた。

 

「何…場所が変わった?」

「さっきまで居た場所じゃないわね」

 

蓮華や華琳達も周囲がおかしい事に気付く。

考えたくも無いが全員が敵の懐に入ってしまったという事。

 

「鈴々、美花。桃香様とご主人様を守れ!!」

「蒼達も護衛に回るんだ!!」

「凪、真桜、沙和。お前たちが華琳様をお守りしろ!!」

「「「はっ!!」」」

「明命は蓮華様を。穏たちも下がれ!!」

 

異常な空間に誘い込まれたようなものだ。愛紗たちはすぐに王や軍師たちを後方へ下がらせる。

 

「こ、これは一体…」

「幻術か何かじゃないですかね」

「包さんの言う通りかもしれません」

 

穏たち軍師陣は周囲と敵を観察して状況を分析する。

 

「これは幻術なんてものではない」

 

穏たちが周囲の状況を分析している最中、武則天が答えを口にする。

 

「信じられんがコレは固有結界…と似たようなものじゃの」

 

固有結界。

術者の心象風景を形にし、現実に侵食させて形成する結界・領域。

展開すると結界内の世界法則を結界独自のモノに書き替えたり、捻じ曲げたり、塗り潰すことができる。

 

「魔術の秘奥。こっちで言うなら妖術の秘奥ですかね」

 

武則天と楊貴妃の口から出た「固有結界」の言葉を聞いて藤丸立香は今の状況が圧倒的にマズイと冷や汗を流す。

今、彼らは鬼の掌に上にいる。いつでも握り潰される可能性があるという事である。

 

「私たちの世界の固有結界と此方の世界の固有結界が同じかどうか分かりませんが…マズイ状況なのは確かかもしれません」」

 

赫怒鬼によって展開された固有結界。

世界が違うので武則天が「固有結界のようなもの」と口にしたのだ。外史世界特有の妖術秘奥と言われれば納得できるかもしれない。

 

「藤丸。固有結界とは何かしら。少し聞こえた内容だけで相当不味そうな状況だと思えるけど」

「華琳さんの想像以上にマズイ状況」

「例えると?」

「四面楚歌状態」

「凄く分かりやすいわ」

 

固有結界は術者の奥義。空間に作用する術であり、どのような盤面もひっくり返す。

たった一人の術者が大軍レベルの敵でさえ叩き潰す事も出来るのだ。

 

「何か手はあるの?」

「一刀。次元を斬る刀はある?」

「すまん。持ってない」

 

北郷一刀は苦い顔をしていた。

魔術や妖術の話は分からないが現代人として空間を操る能力を考えれば今の状況は危険な状態とすぐ分かる。

空間を操る存在はどのような創作物でも強敵として書かれるのだから。

 

「こんな時にあの刀があれば…」

 

北郷一刀が苦い顔をしたのは手元に次元を斬り裂く刀が無いからだ。

次元を斬る刀であれば敵が展開する固有結界を破れる可能性がある。手元に無い事が惜しまれる。

 

(今日は海で遊ぶ段取りだったから次元を斬る刀は持ってきて無い…)

 

余暇に武器を持ってきていない。あったとしても普通の剣くらいだ。

今後はどんな状況でも己が得物は持っているべきだと教訓を得るのであった。

尤も休みの日は仕事や使命を忘れてゆっくりしたいという気持ちも分からなくはないのだが。

 

「他に方法は?」

「一番の分かりやすい突破方法は術者を倒す事」

 

術者を倒せば術は解除される。定番の解除方法だ。

 

「ならやる事は一つだ。行くぞ秋蘭!!」

「ああ。姉者」

「ついて来い明命!!」

「はい!!」

「鈴々。我々も行くぞ!!」

「分かったのだー!!」

 

異様な空間に閉じ込まれたが相手を倒せば良いだけ。ならばと今ある戦力をほぼ総動員させて鬼を倒す。

三国の腕利きの武将たちが武器を構えて瞬時に動き出す。

鬼三体に対して三国は九人。戦に勝つには多くの数を揃えるという通例は守る。

三倍の戦力で敵を叩き潰す。倒せば固有結界は解けるのだ。

 

「サテ…説明ヲ」

 

赫怒鬼が何かを口しようとした時に春蘭や愛紗たちが襲撃をかける。

 

「怒髪衝天!!」

「一矢一殺!!」

「冥誘斬!!」

「苦無撃!!」

「闘刃!!」

「突撃敢行!!」

 

九人の武将による技が放たれる。更に彼女たちだけではなく、第二陣も既に動いていた。

 

「行くで 螺旋天衝!!」

「沙和も行くの。二天堕爪!!」

「私も負けていられません。渦槍突!!」

「蒼も。満潮槍波!!」

 

真桜、沙和、鶸、蒼の四人も必殺技を放った。合計十三人の必殺技が三体の鬼を襲う。

 

「反則。貴様ラ 選手ノ風上ニモ オケンゾ!!」

「「「え」」」

 

赫怒鬼が怒りながら指を差し、大きな声で「罰則」と叫んだ。すると何処からともなく電撃が愛紗たちを貫いた。

 

「きゃああああああああ!?」

「うあああああああああ!?」

「ぎゃああああああああ!?」

「罰則。罰則。罰則!!」

 

電撃が蒼や沙和たちにもを襲う。

 

「愛紗ちゃん、蒼!ちゃん?」

「春蘭、沙和!?」

 

電撃に貫かれた愛紗たち。身体を焦がしながら膝を折りながら倒れる。

 

「ご、ご主人様…な、何とか無事ですが…」

「こ、この程度…」

「し、痺れて…う、動けへん」

 

電撃に撃ち抜かれた愛紗たちは動けない。計十三名が行動不能になってしまった。

 

「マッタク。説明ヲ スル暇モナク 襲イ掛カッテクルトハ。貴様ラハ 失格ダ失格!!」

「説明に…失格?」

 

赫怒鬼は怒り、呆れながら春蘭たちを見る。

 

「マズ 勝負方法ハ 彩玉ダ!!」

「「「「「彩玉?」」」」」

 

藤丸立香、北郷一刀、楊貴妃、武則天、俵藤太の五人は頭にハテナマーク。

『彩玉』という単語に聞き覚えが無い。聖杯から知識をインストールされている武則天・楊貴妃や俵藤太も分からない。

 

「彩玉ね。また海らしいものを出してきたわね」

「勝負方法が球技…」

「え、知ってるのか華琳、桃香?」

 

北郷一刀達は分からないが華琳達は知っているようだ。

口ぶりからすると海で行う球技。何となくどういうものか勘付くが赫怒鬼が説明をしていく。

 

「コノ彩玉ヲ 使ッテ勝負スル」

 

彩玉のルール。

砂浜にネットを張ったコートで二人一組のチーム同士で対戦する勝負である。

彩玉を打ち込んで相手のコートに落とすと得点が入る。彩玉に触れることが出来るのは三回。

先に得点を二十一点獲得したチームが勝利となる。

 

((((ビーチバレーだ))))

 

彩玉の説明を聞くとすぐさまに理解。

少しルールが違う部分があるがほぼ現代で言う所のビーチバレーボールだ。

 

「この外史世界にもビーチバレーがあったんだ」

「こっちだと彩玉って言うんだな」

 

外史世界とはいえ、三国志世界にビーチバレーが既に広まっている事に驚いた。

 

「コレガ通常ノ彩玉。シカシ 我ラトノ死闘ハ 少シ異ナル」

 

追加ルールというよりもアレンジルールが説明される。

それは彩玉(ビーチバレー)を死闘へと変えたものだ。

 

「得点ヲ 取ルノデハナク コノ彩玉デ 相手ヲ 再起不能ニスル」

 

ボールを地面に向けて打つのではなく、人に向けて打つ。

再起不能になるまでボールをぶつけ合うという勝負である。

 

「コンナ風ニナ」

 

赫怒鬼はボールに妖気を込めて海に向かって打つ。海に着弾した時、海面は爆発した。

 

「ソレト 彩玉ニ 触レル事ガ 出来ルノハ 通常ト同ジデ 三回マデダ」

 

再起不能方法は何もボールを相手にぶつけるだけではない。

通常のルール通り地面に落としてもいい。落とした時点で先ほど、愛紗達を貫いた電撃が襲ってくるのだ。

他にもルール違反・反則も行えば同じように電撃が襲ってくる。例えばボールを三回以上触れてしまった場合なのだ。

 

「電撃ノ 威力ハ 先ホドヨリ 弱イ。先ホドノ電撃ノ 威力ハ 選手トシテ 風上ニモ オケンカッタカラナ」

 

ルール上の反則は弱電撃。ルール上の反則を超えた度が過ぎるもの(暴力)は強電撃らしい。

 

「マッタク…暴力ハ イカンゾ!!」

「暴力込みの勝負じゃないかコレ」

「規則ニ 則ッタ 暴力ナラ イインダ」

「規則に則った暴力ってなんだよ」

 

勝負中の暴力は良しで、勝負外の暴力は無しとの事。

愛紗たちが問答無用で電撃を喰らったのは彩玉勝負をする前に攻撃を仕掛けたからだ。

 

「チナミニ 武器ノ 使用可能。 武器ヲ使ッテ 彩玉ヲ 触レルナリ 打ツナリハ 問題無イ」

 

武器ありビーチバレーという事でもある。

 

「デハ 死闘場ヲ 出現サセル!!」

 

藤丸立香たちの砂浜から何かが盛り上がってくる。

 

「うわ!?」

「きゃあッ!?」

 

砂浜から盛り上がってきたのはビーチバレーコート。しかし普通と違って形状が異なっていた。

 

五角形の五面コート場である。普通は二面であるが五面とは珍しく、勝負にチームが何組必要なのか分かる瞬間でもあった。

 

「死闘形式ハ 五組ダ!!」

 

鬼組が一組。三国側が四組選出しろという事。

 

「丁度 組ガ 出来テイルナ。選出シタト 見ナス」

 

偶然か分からないが五面コート場にメンバーが選出している。もしくは選出させられたのかもしれない。

 

「ハッハッハ。腕ガ鳴ゼ」

「私タチノ 力ヲ 見セテ アゲルワ」

 

一組目は獄夏鬼・夏鬼のペア。彩玉をさせたら右に出る者は居ないと言われているらしい夏を代表する鬼コンビ。

 

「まさか強制的に選出させられたのか」

「ちょっと問答無用じゃない」

 

二組目は藤丸立香・蓮華ペア。孫呉を代表する初々しい夫婦コンビらしい。夫婦ではないのだが呉の民たちはそう認識させられている。

 

「問題無いか華琳よ?」

「態勢を崩したけど問題無いわ」

 

三組目は武則天・華琳ペア。三国とカルデアが誇るツインテール皇帝コンビらしい。意外と相性が良いかもしれない。

 

「大丈夫ですか隊長」

「ああ。大丈夫だ。って、何で隊長?」

「あれ、何ででしょう。つい口に出たというか…」

 

四組目は北郷一刀・凪ペア。何故か時折、凪だけじゃなくて沙和や真桜から「隊長」と言われる北郷一刀。四人共不思議に思っているのだが、しっくりくるらしい。

 

「翠姉様。どうやらアタシたちが選出させられたみたいだよ」

「やってやろうじゃねえか。愛紗や青達の仇を取ってやる」

 

五組目は翠・蒲公英ペア。馬の扱い長けるが、彩玉は如何なものか。翠曰く何とかなるらしい。

強制的に選出されたメンバー達。これで決定かと思われればそうではない。

勝手に選出されられれば不満の一つは言いたくなるものだ。

 

「おい。勝手に決めるな。ここは儂に出させろ!!」

「吾もだ。」

「私もです。華琳様と交代を!!」

 

祭や俵藤太達が抗議する。

強制的に選出させられたメンバーには己が王やマスターがいる。

危険な目に合わせない為に交代を講義するが赫怒鬼は拒否。

 

「ナラン。既ニ選出ハ 決マッタ」

「勝手に決めておいて!!」

「ソレ以上 喚クナラ 退場ダ。否 罰則ダ」

 

「退場」という言葉を聞いて武則天は考える。

やはりこの固有結界は赫怒鬼が全て掌握している。固有結界内の人物を自由に出入りさせる事が出来るという事である。

罰則という名の電撃も赫怒鬼が発動させている。まさにまな板の上の鯉状態だ。

 

(しかし本当に奴の掌の上ならば妾達は既に全滅していてもおかしくない)

 

藤丸立香たち全員を仕留めたいのであれば固有結界内に閉じ込めた瞬間で終わりだ。

問答無用で電撃を撃ってこず、彩玉というビーチバレーで死闘をさせるという回りくどい方法を取る。

少ない情報だけで解析するなら『常夏地獄彩玉領域』なるものは閉じ込めるのに特化している事になる。そして罰則等という条件を満たさないと攻撃はされない。

 

(しかし敵の優位な状況というのは変わらん。何かしら突破口を見つけねばならぬな。ここは一旦、奴らの盤面で戦うしかないか)

 

リスクは高いが敵の固有結界内に閉じ込められたのであれば迅速に突破口を見つけねばならない。

今は敵の言う通りに彩玉で死闘を行うしかない。

 

「デハ 彩玉勝負ヲ 開始スル 審判ハ 我ダ」

「審判が貴方ってズルくないですか~!!」

 

敵が審判とは平等性が無いと審議する穏。

 

「何ヲ言ウカ。我ガ味方ニ 贔屓スルト 思ッテルノカ!!」

「そりゃ敵なんですからそうですよ~!!」

「ゴモットモダ」

 

そもそも固有結界内に閉じ込め、有利な状態にしている。更に強制的に蓮華達を選手として出場させた。

 

「シカァシィッ!!」

 

目をカッとさせる赫怒鬼。

 

「我ハ 審判トシテ、常夏地獄彩玉領域ノ 術者トシテ 公平ナ 判断ヲスル。コレハ 審判ヲ 任サレル身トシテ 絶対ダァァァァ!!」

 

普通であれば自陣を贔屓したくなるのは当然だ。しかし審判というのは絶対な公平に準ずらなければならない。

赫怒鬼は絶対に公平に判断すると宣言した。

 

「公平ハ絶対。我デスラ 贔屓ヤ 不正スル モノナラ 罰則ガ アル!!」

 

『常夏地獄彩玉領域』は様々な条件の下で展開されている。

術者である赫怒鬼ですら条件を破ると罰則を喰らうらしい。それは固有結界の崩壊にも繋がる。

 

(この固有結界の攻略は正攻法に彩玉勝負で勝つか…敵にワザと不正させるとかか?)

 

敵の言葉を鵜吞みに出来ない。最大限に警戒しながら彩玉勝負に臨まなければならない。

 

「彩玉勝負ノ 開始ヲ 宣言スルゥゥゥゥゥ!!」




読んでくださってありがとうございました。
次回の更新はまたまた未定です。
調子が良ければまた来週には!!


2050
「ますらお勝負」が終了し、お互いに感想を言い合う。
くだらない勝負だったけどある意味、楽しめたという。
恐ろしくもお色気ありの「ますらお勝負」でした。

海で楽しんでいるけど、やっぱ現れる敵勢力。
今回は海限定の鬼たちです。
獄夏鬼、夏鬼、赫怒鬼は戦国†恋姫 オンラインの登場ボスです。
まさかこんな夏にはしゃぐ鬼たちがいようとは…


2051
彩玉
恋姫世界ではビーチバレーボールらしい。

常夏地獄彩玉領域
この固有結界もどきはオリジナル技です。
危険なビーチバレーボールをさせる恐ろしい技です。

何で固有結界なんて習得してんだよ
規模は対陣~対界。なんか普通につおい。

赫怒鬼
審判として公平を守りますよ

北郷一刀が次元を斬る刀があれば普通に脱出できましたね。
メタですが、あったら物語が進めないので持ってこなかった設定になりました。
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転生とらぶる1(作者:青竹(移住))(原作:多重クロス)

テンプレ気味に神様転生した主人公。▼能力を貰っていざファンタジー世界へ!▼……と思ったのも束の間、転生先で記憶を取り戻してみるとそこはスパロボの世界!?▼しかもアクセル・アルマーに転生ってマジ?▼スパロボOGs編、コードギアスR1編、機動戦士ガンダムSEED編、ネギま!編、スパロボOG外伝編、コードギアスR2編、マクロスF編、ゲート編、Fate/stay n…


総合評価:14090/評価:6.83/完結:2849話/更新日時:2024年10月11日(金) 11:53 小説情報

闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜(作者:アルピ交通事務局)(原作:ポケットモンスター)

アニポケのサトシくんに憑依していた男の長い長い人生を賭けた博打な物語


総合評価:6133/評価:7.86/連載:239話/更新日時:2026年06月17日(水) 18:31 小説情報

IS学園の中心で「ロマン」を叫んだ男(作者:葉川柚介)(原作:インフィニット・ストラトス)

二人目の男性IS操縦者、神上真宏。転生者。▼一夏ともどもIS学園に放り込まれ、目指すことはただ一つ。▼いきなり代表候補生と戦うことになっても、無人機と戦うことになっても、軍用ISと戦うことになっても、願うことはただ一つ。▼女尊男卑に傾いたこの世界に、再び男のロマンを示すこと。▼※この作品はArcadia様にも掲載しています。▼ Arcadia掲載分に追いつく…


総合評価:9628/評価:8.56/完結:95話/更新日時:2019年01月30日(水) 23:25 小説情報

真剣で衛宮士郎を愛しなさい!(作者:Marthe)(原作:真剣で私に恋しなさい!)

舞台はマジ恋の川神。正義の味方として世界を回っていた士郎はある日遠坂にここ一番の研究に付き合えと言われ、嫌な予感がしながらも第二魔法の研究に立ち会ったら…▼初めまして まるて と申します。単純なFate、マジ恋ファンです。どうしても衛宮士郎のいるマジ恋が見たくて書いてるので特に文才どころか学もないです。それでもいい方はどうぞ見て行ってください。気に入らない方…


総合評価:10425/評価:7.98/連載:127話/更新日時:2025年12月31日(水) 00:21 小説情報

新訳:ペルソナ4~迷いの先に光あれ~(作者:四季の夢)(原作:ペルソナ4)

影時間の戦いが終わりを告げた。▼その終わりは一人の少年が全てを背負い、眠りにつくという結末だった。▼そして、その少年と同じ力を持ったもう一人の仮面使いがいた。彼は少年の結末に後悔しながら新たな"罪"を生み、更なる後悔と共に街と仲間の前から姿を消した。▼それから二年、戦いの舞台は影から霧へと変わる。▼嘗て、仲間達から姿を消した仮面使いは再び…


総合評価:2718/評価:7.04/連載:55話/更新日時:2026年07月04日(土) 12:22 小説情報


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