Fate/Grand Order 幻想創造大陸 『外史』 三国次元演義   作:ヨツバ

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こんにちは!!
明日で大晦日ですね。大晦日はもうゆったりしたいです!!
さて、第3章ももうすぐ終わりです。予定ではあと2話で終了予定です。
はい…今年で3章をギリギリ完結できそうにないです。

何はともあれ本編をどうぞ!!


反董卓連合-捜索-

313

 

 

洛陽全体に広がっていた怪異は消え去った。怨霊になってまで張譲は力を手に入れて洛陽を手に入れようとしたが藤丸立香たちの活躍により阻止されたのであった。

 

「立香さんたちには二度も助けられました。ありがとうございます」

「月さんたちを助けに来たからね。無事で良かったよ」

 

本当に無事で良かったと心から思う。もしかしたら命を落としていたかもしれないからだ。

張譲は前よりも太平要術の書の力を使いこなしていた。そう考えると于吉はより使いこなす可能性がある。

今回は于吉は姿を現さなかった。現さなかったの逆に何かあるのではないかと不安な気持ちが出てきてしまう。

不安な気持ちが出てきてしまうのは小心者だからだろうかと思ってしまうが今は頭から追い出す。今は月を助けられたという事で良いのだ。

 

「本当に助けてくれてありがとうございます立香さん」

「俺だけのおかげじゃないよ。リャンさんや哪吒のおかげでもあるよ」

「そうですね。ありがとうございます」

「いえいえ」

 

お礼を言われた秦良玉たちは笑顔で受け取る。

 

「それにしても助けに来たって言ってたけど…あんたたち単独なの? 反董卓連合に参加しているけどさ」

「いや、俺らだけじゃないよ。流石に単独で反董卓連合に参加できないからね」

「私たちは幽州と徐州の軍に所属して反董卓連合に参加したのです」

 

元々、反董卓連合の参加条件は袁紹が各諸侯に送りつけた手紙。もしくは袁紹の部下からの直接参加するように連絡が来るかである。

この外史世界では何の権威を持たない藤丸立香たちは正攻法では反董卓連合には参加できない。だからこそどこかの陣営に入っているのは運が良かったというものだ。

 

「正確には徐州の劉備さんという人の所でお世話になっているんだ」

「劉備…!!」

 

劉備という名前を聞いた月と詠が何かに気付く。

 

「その劉備はあんたたちが月を助ける事は知っているの?」

「うん。そもそも劉備さんは月さんたちを助けようとしているんだ」

「徐州と幽州軍の目的は董卓殿の救出です」

「へ!?」

 

まさかの事実に驚いてしまう。まさか藤丸立香たちだけでなく、他の諸侯も助けようとするとは思えなかったからだ。

その事実に失礼だが嬉しさよりも幽州と徐州の無謀さに呆れが出てきてしまう。

 

「その中でも劉備さんは月さんの事を一番心配してたんだ。噂の暴君というのも信じられないっていつも言ってたよ」

「そうなのですね。…やっぱり」

「月、そろそろ」

 

詠は何か焦っていた。その理由は簡単である。

彼女たちは張譲という脅威から逃れたが、まだ完全に脅威が去ってはいないのだ。元々の脅威である反董卓連合に関してはまだ終わっていない。

 

「あんた達には色々と話したいことがあるけど…今はそれどころじゃないわ。報告だと張譲が怪異を起こす前には袁紹が洛陽に侵入したと聞いているからね。もう禁城に入ってきているかもしれないわ」

 

藤丸立香たちが助けに来たというがこのまま行動して袁紹たちに見つかれば間違いなくお終いだ。

立場的には袁紹が反董卓連合では間違いなくトップである。彼女に見つかればここで助けた意味が無くなる。

 

「ここまで助けに来てもらって悪いけどぼくたちは別の逃げ道があるの」

「え、大丈夫?」

「大丈夫よ。その抜け道は誰にも見つからないから。袁紹たちなんかには見つからないわ」

「本当に大丈夫?」

「ええい、しつこいわね。早くここから出ないと逆に袁紹たちに捕まるわよ!!」

 

彼女たちが大丈夫だと言うのならば大丈夫なのだろうと思う。彼女たちの言う通り、このまま行動して袁紹たちに見つかる可能性は高い。

そもそも見つからないようにする人物たちには袁紹達だけではない。幽州や徐州軍以外の者たちには見つかるわけにはいかないのだ。

 

「もっと話したいことはありますが、今はここで別れましょう。ですが…今から言う場所に来てください。その場所に私たちがいますから」

「いいのね月。教えても」

「うん。立香さんたちなら信用できるから。それに劉備さんも」

 

藤丸立香たちは月からある秘密を教えてもらう。

 

「…分かった。そこに向かえばいいんだね」

「はい。それに楼杏さん…皇甫嵩さんも知っています」

「楼杏も上手く助かっていれば潜りこんでいるからね。そこで教えるかどうか判断するって言ってたし…まあ、こいつらがいる陣営なら大丈夫な気がしなくもないけど」

「大丈夫だよ詠ちゃん」

「もう、そんなのは絶対ってまだ言えないんだから。じゃ、早くここから逃げるわよ」

 

詠が月の手を握って走ろうとするが待ったをかけたのが月自身であった。

 

「立香さん。すいません」

「なに月さん?」

「もしも霞さんや恋さんに出会ったら私たちは無事だと伝えてください」

「分かった」

 

その言葉を最後に詠と月は禁城から、洛陽から脱出するのであった。

 

 

314

 

 

北郷一刀たちは抜け道を通り抜けて禁城に無事侵入成功していた。

 

「戦闘、かなり静かになってきているわねん。もう怪異終結と共に反董卓連合の戦も終結に向かっているんでしょうね」

「かもなぁ」

「でも、何て言うか…本当に広いな」

 

ファンタジーや歴史物だと応急からの秘密の脱出ルートは定番だが、まさか自分がその脱出ルートを使って城に侵入するなんて思わない。

こういう隠し通路が他にも何本も隠されているとか、古代の王宮は本当に凄いと思ってしまう。

 

「それよりも早く董卓ちゃんを見つけるんでしょ?」

「そうだな。早く董卓を見つけないと」

 

間違いなく袁紹たちは敵軍の掃討より禁城への侵入を優先している。

なんとしても彼女たちよりも早くみつけないといけないのだ。

 

「おっと、誰か来るぞ」

「何だって!? じゃあ隠れないと」

「いや、ちょっと待ってえん」

 

誰か来る。その人物とは袁紹では無かった。

 

「ああ、ご主人様!!」

「桃香!! 無事だったんだな!!」

「う、うん。荊軻さんと風鈴先生が戦ってくれたから。それにしても何だったのかな!?もう骸のお化けがこういっぱい出てきて…!?」

 

どうやら桃香は少し混乱気味のようだ。最も彼女の気持ちは分からなくはない。しかし、何度も自分にも言い聞かせているが今の最優先は董卓を見つける事なのだから。

 

「そ、そうだよね!!」

「ああ。じゃあ早く…って!?」

「…あなたたち。何をしていますの!!」

 

タイミングが悪いのか本当に袁紹に袁術に見つかってしまった。

まさかもうこんなところまで来ているとは思わなかった。もしかしたら侵入を優先するどころか、碌に戦いの状況も見ずにここまで来たのかもしれない。

怪異に対しても逃げ回りながら何とか禁城に侵入したのかもしれない。

 

「わ、わたしたちも、董卓さんを探しに…」

 

桃香は焦りながらも自分たちがここにいる正当化を口にするが聞いてはくれなかった。

 

「そのような事は聞いておらぬ!!」

「まったく、わたくしたちの手柄を横取りしようなどと…浅ましいにも程がありますわね。田舎者はやはり躾がなっていませんわ」

「ふえ!?」

「何よりここは幽州のイモ娘が足を踏み入れて良い場所ではないのじゃぞ。恥を知れ!!」

「す、すいません」

 

なるほどと思ってしまう。此方が公孫賛の言っていた、桃香たちを幽州の田舎者扱いする袁紹と袁術の素なのだ。

ここまで辿り着いた以上、彼女たちを持ち上げる理由はもうない。それどころかただのライバルでしかないのだ。

 

「麗羽姉様。この騒ぎに乗じて、他の連中ももう入り込んでおるやもしれんぞ」

「そうですわね。こうしてはいられませんわ。劉備さん、禁城内での捜索は、わたくしたちで行います。あなた方は城外の戦闘の収拾と残党狩りを命じます」

「え…」

「何をしていらっしゃいますの、早くお戻りなさい。これは、連合盟主の命令ですわよ!!」

「で、でも…」

 

北郷一刀は桃香の手を握る。

 

「……わかりました」

 

桃香は絞り出すように袁紹の指示の肯定を口にした。どうやら北郷一刀が伝えたい事は手を握った事で分かったようだ。

 

「急ぐぞ麗羽姉さま。随分と時間を無駄にしてしもうたわ!!」

「まったくですわ。献帝陛下、董卓の魔の手から、すぐにお救いしてさしあげますからね!!」

 

繋がった手は袁紹達が見えなくなってもずっと震えたままであった。

北郷一刀は袁紹たちが居なくなったのを確認した後、天井を見る。

天井には燕青と貂蝉が張り付いていた。実は袁紹が現れた瞬間に燕青や孫乾たちはすぐさま身を隠したのだ。

ゾロゾロと全員が見つかれば何を言われるか分かったものではない。本当ならば北郷一刀たちも一緒に隠れさせるべきであったが間に合わなかったのだ。

 

(後は頼んだ)

(任せてねえん)

 

北郷一刀と桃香は禁城から出ていくしかないが、孫乾や燕青たちはそのまま董卓を探し始めるのであった。

 

(どこだマスタァァァァー!!)

(気持ちは分かるけど董卓ちゃんも探しなさいよ)

(まずはマスターだ!!)

 

 

315

 

 

洛陽での戦は終わった。後は戦後処理に入っていく。

 

「うう…あんなに強い奴、炎蓮様と雪蓮以外で初めてだったよ」

「ホント…」

 

雪蓮と梨晏は恋の強さに心の底からグッタリとしてしまう。そんな状況に冥琳が駆け寄ってくる。

彼女がここに来たということは孫呉の軍も無事だということだ。

 

「雪蓮、梨晏、生きているか!!」

「なんとかねー」

「そっちはどうだった冥琳」

「粋怜殿や祭殿が上手くやってくれたよ。そちらの二人も手伝ってくれたようだな、礼を言う」

「いや、私と鈴々だけでは危なかった。こちらこそ礼を言わせてもらう」

「なら二人とも、この礼は改めて」

 

本当に呂布こと恋との戦いは激しすぎた。今生きているのが奇跡とも言わんばかりである。

 

「あれ。中には突入しないの?」

「袁紹から追加の命令が来てな。城内の制圧は、袁紹と袁術だけでやるそうだ」

「何それ。まあ、あいつらならやりそうな事だからいいけど。てか、さっき孔明たちが城へと向かったけど…ま、いっか」

 

雪蓮たちは自軍へと戻っていく。戦が終わってもまだやるべきことは多い。

 

「文醜たちは…もう隊を引いているか」

「……ねえ、愛紗。お姉ちゃんたち、袁紹に見つかってないかな」

「ふむ…無事を祈るしかあるまい」

 

愛紗と鈴々は自分たちの主の無事と成功を祈るしかない。しかし半分は叶って、半分は叶わない。

 

「愛紗、鈴々!!」

「ご主人様。それに…どうなさったのですか、桃香さま!!」

 

北郷一刀と桃香が洛陽の城門を抜けたのは、ちょうど雪蓮たちが門から去っていく所だった。

 

「……愛紗ちゃん、鈴々ちゃん。ごめん…董卓さん、見つけられなくて…」

 

桃香は暗い顔をしていた。

 

「何かあったのお兄ちゃん?」

「…袁紹達に見つかっちゃってさ。外の警備と残党狩りを言いつけられた。でもまだ燕青と孫乾たちがまだ城内にいる。彼らに頼るしかない」

「私たちも、たった今その通達を聞いた所です。…こちらの目論見は?」

「功を焦った田舎者めっていう怒り方だったから、それは気付かれてないと思う。見つかったのも俺たちだけだったし」

 

袁紹達は確かに北郷一刀を見つけては怒っていたが、余裕は無い感じであった。田舎者を相手にするよりも早く天子と董卓を見つけたかったという焦りがあったからである。

 

「愛紗。もしかして…呂布を止めない方が良かった?」

「……かもしれん。が、あの流れで止めんわけにもいかんだろうし」

「燕青や孫乾とが上手くやってくれれば良いんだけど」

「鈴々、周囲の警戒は私がするから、桃香さまたちを本陣にお連れしてくれ。…ご主人様」

「…分かったのだ」

「…うん」

 

北郷一刀の手をぎゅっと握って話さない桃香の背中をぽんぽんと軽く叩き、ひとまず自分たちの陣地へ戻る事になった。

この手の震えは、初め3人で戦った時のものじゃない。戦いの怖さやドキドキではなく、心がきしりと痛む震えであった。

 

 

316

 

 

諸葛孔明たちは袁紹が自分たち以外の者たちは外の警備及び残党狩りを通達された事を知らない。

知らないまま彼と俵藤太は禁城へとやっと到着した。長距離を走ったのと宝具を撃った反動で疲労していたが、鬼周回の事を思い出して奮起して頑張ったのだ。

 

「やっと到着した…ぜぇぜぇ」

「では、探すか…大丈夫か孔明よ。担ごうか?」

「平気だ俵殿」

 

2人は禁城内の捜索を始めると早速、合流するは燕青であった。

 

「マスター……じゃねえ!!」

「燕青殿か」

 

どうやら燕青1人のようだ。話を聞くと禁城内には袁紹達が血眼になって天子を探しているとの事。

そんな中で燕青含めて荊軻に孫乾、風鈴が月を探している。燕青は月よりも藤丸立香を探しているようだが。

 

「まだ見つかっていないか」

「ああ…マスターどこいんだよ。この城に入ってからどっかにいるってのは感じ取れてんだけど…この城広いからな」

 

魔力パスで禁城内にいるのは分かっている。だが城内が広すぎて中々合流できないのだ。

藤丸立香もそうだが、月も探さないといけない。ぐずぐずしていると袁紹たちに見つかってややこしくなる。

 

「取り合えず手当たり次第探すぞ。マスターもこの禁城内にいるなら向こうも城内から出るために動いているからな。…もっとも捕まっていなければだが」

「なら急いで行くぞ。待ってろ我が主ー!!」

「静かにしろ」

 

静かにがむしゃらに探し回る。矛盾しているようだが、実際にそうやって探しているのだからしょうがない。

そんな中でマスターの藤丸立香を探しているとまさかの人物たちを見つけた。

俵藤太が捜索していると禁城の倉庫から引っ張り出してきたのだ。彼女たちはあまり関りが無く、そして死んだと思っていた人物たちである。

 

「なんか…大物が見つかったぞ」

「……確かこいつらは」

 

諸葛孔明は覚えていた。前に月のところで客将扱いをされていた時に一目だけ見た事があるのだ。

朝廷の腐敗の元凶と言われ、漢の大将軍とその妹で、皇帝の伴侶。

 

「離せ、離さんかこの下郎どもめ!!」

「妾を誰と…身の程をわきまえなさ…あ、ちょっと触らないで。引っ張らないでってば!!」

「あ、すまん」

「こいつらどっかで…」

 

禁城の隅にある倉庫から引きずり出されてきたのはまさかの何進と何太合であった。

確証はしていないが2人は月に殺されたと噂されていたが生きているということは噂は違ったということだ。

 

「余は大将軍の何進なるぞ。そのような汚い手で触るでない。瑞姫に触るんじゃないぞ!!」

「そなたらはどこの隊の者か。妾を相手にこのような無礼な振る舞い…姉様、こやつらを手打ちに!!」

「……こいつら生きてたんだ」

 

何故生きていたか分からない。

死んだように情報は流されたが実際に殺されずにいたようだ。

 

「おい。董卓を破り余を救出したことは褒めて使わそう。しかしこの手荒な扱いは何だ。この大将軍たる余になんたる無礼。貴様は褒美よりも処罰の方を所望するのか。ああ?」

「あ、なんか拳に力が入ったわ。なあ、こいつら殴っていいか?」

「な…っ!?」

 

相性的に合わないと判断した燕青。こういう人物たちについ拳に力が入る。

脅しで殺気を何進と何太合に放つ。2人は流石に燕青の濃い殺気に後ずさってしまう。

 

「そ、そうだわ。取引、取引をしましょう!!」

「取引?」

「ええ。あなた達も絶対に知りたい情報よ」

 

危機的な状況だがここで盤面をひっくり返す情報があるということだ。

 

「まさか董卓の居場所か?」

「もっと良い情報に決まっているでしょう。当代と先代、2人の天子様の居場所よ」

「…ふむ」

 

確かに天子姉妹の居場所の情報はどの諸侯も喉から手が出るほどだ。特に袁紹なんかはすぐにでも欲しいはずである。

最も、燕青たちのお目当ては藤丸立香と月なのだからあまりピンとは来ていない。しかし天子姉妹の居場所が分かればおのずと月の居場所に繋がる可能性がある。

 

「見張りの兵から聞いたのよ。それを教えたら私たちを逃がして頂戴。あなた達にとっても損な取引ではないでしょう?」

「そ、そうだ。そして我らが権力を取り戻した暁には貴様らに高い位を取り立ててやろう!!」

「……どうする?」

「まあ、考慮する」

「だってよ」

「ええ、天子様の居場所は…」

 

何太合から聞いた場所を俵藤太が探しに行く。そして結果は。

 

「居なかったぞ」

「居なかっただと。そんな馬鹿な!?」

「本当にちゃんと探したんでしょうね。蔵の隠し扉の中よ?」

「その隠し扉から何から探したが居なかったぞ」

「なん…だと…」

 

もたらされた情報が嘘か如何か分からなかったが何太合の反応から嘘を言ったわけではなさそうだ。

本当に「嘘でしょ!?」という顔をしている。その情報は本当だったかもしれないが天子姉妹はその居場所から既に逃げていたかもしれない。

 

「で?」

「で。とは?」

 

頭にハテナマークを浮かべた何進。

 

「居なかったけどどうすんだ?」

「いや、待て、そうだ。あいつらが天子様を連れ出したのだ。おのれ董卓、涼州の田舎者め…この後に及んで余に恥をかかせおって…いずれ車裂きにしてくれる!!」

「その前にあんたが車裂きになるんじゃねえか?」

「…ひっ!!」

 

何太合は小さく悲鳴を出した。

彼女たちは漢を腐敗させた元凶の1つだ。他の諸侯たちに見つかたら最悪な場合、処刑かもしれない。その事実は何太合も分かっているようだ。

 

「だ、だが情報はくれてやったぞ。貴様らも約束は守れ。情報をやれば我らは解放してくれる約束だったろう!!」

「そ、そうだわ。見つかったら、という条件はなかったはず…」

「私は考慮するとしか言っていないぞ」

「なっ…!?」

「騙したの!?」

「そっちが勝手に勘違いして教えただけだ」

 

諸葛孔明は確かに「考慮する」としか言っていない。情報を教えたからと言って解放するなんて一言も言っていないのだ。

こういう時が言葉だけの口約束というのは信用できないというものである。どの時代でも口約束だけというのは危ないものだ。

 

「どうするこいつら?」

 

正直なところ彼女たちの処遇はどうでもいい。

三国志の歴史的には何進は死んだ事になっているが、この外史は元の三国志と異なっている。

張三姉妹や炎蓮の健在が物語っている。

 

「死んでる事になってるならここで殺しても構わないんじゃねえの?」

 

ここでまた無駄な脅しをかけると顔を真っ青にする何進と何太合。これ以上五月蠅くされても困るからだ。

こういう人物たちは黙らせた方が話が進むからである。

 

「ひっ!?」

「待て待て待て。余は大将軍…」

「俺、あんたらみてえの嫌いなんだわ」

 

ニコリと冷たい笑顔で拳を握る燕青。それを見た2人は顔をより青くする。

 

「待て燕青。ここでこれ以上時間を潰すわけにはいかん」

「じゃ、どーすんだよ?」

「ここで彼女たちを逃がしても構わないだろう。今の私たちには関係無い」

「拙者もそれで構わんぞ」

 

はっきり言ってここで何進たちをどうこうしても何も変わらない。ならばこれ以上時間を費やしても意味は無いのだ。

 

「な、なんだ。なら最初からそう結論付けろ!!」

 

何進と何太合は急いで逃げていくのであった。

もう会う事は無いと思ったが実際はそうでもない。実は近いうちにまた再会する事になるのだが、それはまた別の話である。

 

「あ、孔明先生!!」

 

何進たちと別れた後に偶然か運命か分からないが藤丸立香たちと合流できた。

 

「マスター!!」

「無事だったのだな」

「うん。まあ、色々とあったんだ。それよりもここを出よう」

「む、月を探すのではないのか?」

「いや、ここにはもう月さんは居ないんだ」

 

もはや禁城には月はいない。いない理由を知っているからこそ藤丸立香は禁城から出ようと言うのである。

 

「いないだと? それはどういう意味だマスター?」

「そのままの意味。詳しくは戻りながら説明する」

 

藤丸立香たちはその後、孫乾たちと合流して禁城を出るのであった。

結果的に言えば桃香たちは董卓を見つける事は出来なかった。何せ董卓は既に禁城にはいないのだから。

この事を知っているのは極わずかである。その内の1人が藤丸立香であるがその真実は桃香たちには言えなかった。言えなかったのは董卓もとい月が時が来るまで言わないで欲しいと頼まれたからである。




読んでくれてありがとうございました。
次回は未定です。早く更新出来たら更新します。
さて、この物語の3章もあと2話で終了予定です。本当に今年中に終わらせたかった…

313~315
月は見つからず。見つからないわけがある。
立香たちは知ってるけど時が来るまで口を塞ぐように言われているからもどかしいですね。

316
実は生きていた何姉妹。
彼女たちにも出番はこれからありますよー。4章で再登場の予定です。

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