正真正銘無個性少女! ヒーロー目指してやったるわぁ!!   作:めありい

28 / 29
今日は良い感じだぜ


今日は寝坊すると言う悪夢を見たんだ!今度こそは起きてやる!目覚ましは複数設定!でもいざ起きるとなると殺意が湧いて仕方ないよね!そんな時のための秘密道具さ!朝まで騒ぎ続ける松○修造をプレゼントしよう!

お前ら人間じゃねぇ!!

 

某台詞が頭の中を駆け巡り、全速力で人垣を突破したところまでは覚えている。うん。

 

どうしてこうなった

 

 

***

 

 

 

8時だよー全員しゅうごー!!

どーもこんちはつーちゃんです!

ようやく復活めでたしめでたし!

 

いやー今朝のはほんとトラウマ。冗談じゃないぜー

なんでそんなにコミュ障を虐めたがるんだろね?寄ってたかって悪魔か奴らめ

マスゴミはマスゴミ(常考)

 

取り敢えずあの後はがむしゃらに人波を突破して教室に辿り着けたっぽい。「っぽい」って言うのはちょっと記憶が曖昧だからねー

まあ逃げ切れたことだしよしとしよう、うん!

それにしても…むー眠い…

つーちゃんが何度も何度も寝坊しちゃうのがチクワのせいなのは言うまでもないことではあるのだが、実はそれだけが理由でもなかったりするのだ。

真犯人を庇ってあげちゃうつーちゃんカッコいい!素敵!抱いて!

 

フン、そうだ。理由があるのだ。実はな…

 

叔父さんが寝かせてくれねんだよぉ…

 

おん?今なんか卑猥な妄想した奴おる?おるか?おるよな?あとで表出ろよ?捌き倒したる!

寝かせてくれないって言うのはまあ文字通りの意味なんだけど、深夜の訓練を…

おいそこ!また変な妄想しただろ!今度こそ誤魔化せないぞ!?今聞こえたからな!「夜の運動会」がどうたらこうたらって!

 

違う、違うんだよ、普通の訓練なんだよ。普通じゃないけどさあ

とにかく!夜も夜でお忙しいつーちゃんは最近になって超寝不足なのだ!

そろそろ神も僕に休めと言っている!あ、チクワじゃない神な?あれは実質神じゃないから、ただの黒歴史鋳造機だから(白目)

 

というわけで僕は寝る!幸い前髪が長いので上体を起こしたまま寝てれば早々バレやしないだろー(ドヤ顔)

 

 

と、

ここまでが回想な?

ここから再び記憶が飛ぶんだにょ

 

まず、夢の世界に落ちていったのは教室の机で頬杖ついてた時。ここは間違いない。内なるつーちゃんも甲高い声で「ソウダヨ!」って言ってるから絶対そう。今日の午前、時間割は移動教室無しだったから思う存分居眠r…いや、正当な手続きを踏んだ合法的な休息をとっていたのだ。びっくりなことに一ミリも聞いてない授業のノートをマイつーちゃんゴッドハンドは寝ながらにして取り続けていた。

 

何この体怖い

 

 

ところがところが!

午前終わるじゃないですか、お昼になるじゃないですか。気持ちよーく夢の中漂っていたら突然とんでもなくでかい音の目覚ましが自己主張してくるわけですよ!そんでいつまで経っても目覚ましの頭が見つからないんですよ!目覚ましは頭のボタンを押さないことには喚き続ける頑固者だからこっちも必死で探すんです!でも見つかんないんです!そりゃもー腹が立って腹が立って、

でもね!必ず努力は報われるんです!そうするべくできているんですよ!

遂に目覚ましの頭を見つけて今世紀最高に殺意を込めてチョップを振り下ろしたんです。

 

そこで目が覚めたのさ。

おかげで目はぱっちりだ。

ただ問題点を挙げるとすればだな。

 

 

目の前に人が倒れているんだよ。

 

 

そして冒頭に戻る。

 

どうしてこうなった(純粋)

 

いや、待て。僕がこの人を寝ぼけてチョップしちゃったのはきっと確かだ。認めざるを得ないと思う。けどね、これは不可抗力だと思うの。つーちゃん何にも悪くないもん。うるさい目覚まし時計と紛らわしい夢がいけないんだと思うんだー

 

ダメだ、うん。

これでは法廷では勝訴なんてできない。むぅ、取り敢えずこの人起こすか。まさか死んでないよね?

ちょっと不安になってさっきチョップしちゃったであろう箇所を今一度軽くチョップしてみる。

 

「う゛…」

 

お!良かった生きてる!

ちょっと嬉しくなって今度はちょっと強めに叩いてみる。

 

「ゔぁ!?」

 

おお起きた起きた

大丈夫かーげんきかーいきてるなー?

 

「チッこんなとこでバレるとか…教師陣は対応に追われてても生徒がいちゃ意味ねぇだろうが…」

 

おん?なんかよくわかんないこと言ってるにょ

取り敢えずファーストコンタクト大事!差し出された手を掴み、友好的に握手を交わす。

えーとこんな時は…『【初対面向け】上手なコミュニケーション収録』第三章…確か…

 

「『あなたのことを教えて下さい』」

「あ?」

 

確か、『言葉に詰まりやすくて上手く喋れない人は聞き手側に回るべし』だったかな?

 

「素直に情報渡すと思うかよ?沸いてんじゃねえの?」

 

うーん、あまり好感触じゃない…これはつまり警戒されてるってことだよね?こういう時は…

 

「『さっきのは謝ります。僕は貴方の仲間です。貴方に危害を加えるつもりはありません。』」

 

うむ、我ながら完璧な回答!最初の一発への謝罪と共に、警戒心を解くための『仲間ワード』

さて、反応は…?

 

「っは!それを信じろってか?益々バカだろ」

 

うーん信じてもらえない…こういう時は…えっとー

『共通の話題』!

 

「『最近オールマイトが教師になりましたね!』」

 

ふむ!流石YDKつーちゃん!今知らぬ人はいない超有名人のBIGニュースだ。間違いなく共通の話題だろう!

 

「お前、まさか…!」

 

お、やっぱり心当たりがあるようだ。この調子で初対面との会話ミッションを成功させる!失敗したとしても恥ずかしさに悶絶するだけだ!失うものは何もない!

 

「『やっぱりご存知でしたね。彼のことについて話しませんか?』」

 

お互いの知ってることから話題を広げていけば話にお花が咲くと本に書いてあった。見事に満開にさせるためにもこの機会は逃すまい。

 

「情報の交換が条件か…なるほどな」

 

ふむふむ、知ってることを教え合うことから会話は始まるって書いてあったからあながち間違いでもないな、これはいけるぞ!

 

「だが無理だ。時間がない。気が向いたら連絡してやってもいいだろう。お前はこちら側の人間だ」

 

そっかー

流石にお時間邪魔するわけにもいかないし、ここらで妥協するとしよう。どうやらお仲間認定してくれたようだしね!

 

「『分かりました。それでは、また、お会いしましょう』」

 

『別れる時は、次に会うことを前提とした挨拶をすることで相手との離縁を防ぐ』らしい。

 

 

***

 

 

 

《弔視点》

 

 

俺は今日、忌々しいヒーローの卵どもが通う学校に訪れていた。校門の前には思い描いた通りの光景が広がっている。

黒霧の言うにはマスコミが騒動を起こせば教師陣は対応に追われるだろうとのこと。今日の目的は宣戦布告とカリキュラムの入手だ。

喚く報道陣に紛れ、封鎖された物々しい門に手を触れる。その瞬間それは崩壊を開始した。

連中は何が起こったのかいまいち呑み込めない様子だったが、期待を裏切る事なく敷地内に足を踏み入れ始めた。校内のブザーが鳴り響くがお構いなしと言ったところだろう。

オールマイトの取材のため躍起になっている。実に滑稽なものだ。何がトップヒーローだ。気に食わない。

平和の象徴と謳われるそいつに嫌悪感が燻る。

 

「では職員室近くにとばします。今なら人はいないでしょう。」

 

***

 

「…ゔ……」

 

頭頂部に痛みを感じ、呻き声が洩れた。

記憶があやふやだ。俺は、確か、

 

「ゔぁ!?」

 

今度は強い調子で叩かれたのを感じた。後を引く痛みにはっきりと状況を思い出させられる。

咄嗟に顔を上げ、距離を取る。とは言ってもここは完全に俺の間合いだ。

だが俺に打撃をお見舞いした張本人といえば、俺を拘束するそぶりもなければ教師に知らせに行くそぶりもない。制服を着ていることから一生徒であることは確かだが、それにしては行動が不可解だ。

 

「チッこんなとこでバレるとか…」

 

初っ端からうまくいかない計画に愚痴を零す。バレてしまっては仕方がないと思い、始末をつけようと手を伸ばす。

 

パシッ

 

「…は?」

 

こいつ躊躇いもなく俺の手を取ったぞ?

相手の真意を測り兼ね、攻撃を中断した。不気味に思い、思わず自分から手を離す。

なんなんだこいつ…

 

「貴方の事を教えてください」

 

その言葉を聞き今度こそ身構える。直ぐに手を出さないのは情報を取るためか?だとしても先程の行動は明らかにおかしい。ピクリとも動かない表情も相まって何を考えているのかさっぱりだ。

 

「さっきのは謝ります。僕は貴方の仲間です。危害を加えるつもりはありません。」

 

ヒーローの学校の生徒に似つかわしくない言動に瞠目する。益々わからない。さっさと終わらせたい用事だったが、『仲間』と強調する様子に引っ掛かりを覚えた。

 

「最近オールマイトが教師になりましたね!」

 

突然声の調子を上げたこいつを見て確信する。こいつはこっちの目的を掴んでいる。

 

「やっぱりご存知でしたね。彼のことについて話しませんか?」

 

こいつは知った上で情報の提示を提案しているのだ。

はっ、面白い。最高峰のヒーローの学校にとんだじゃじゃ馬が紛れていたもんだ。髪に隠れてはいるがその瞳は濁りに濁って見える。よく見ればくっきりと刻まれた隈があり、とても日の下を歩む人種には見えなかった。

 

「気が向いたら連絡してやってもいいだろう。お前はこちら側の人間だ。」

 

いい、いいなあ。正義を掲げるヒーロー共も一枚岩じゃあない。

今に不満を抱える者はいくらでもいる。

 

「分かりました。それでは、また、お会いしましょう」

 

そう口にするなりそいつはそこを去っていった。

面白いものが見れた。信じていた生徒に裏切られる平和の象徴というのもまた良いかもしれない。

 

 

 

 




本当はこのストーリー後付けだったんですけど、思ったよりも脳内シガラキくんが暴れてくれたので投稿!是非お笑い芸人に転職させたい!
筆がブレイクダンスを踊っているかのようだ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。