使徒のヒーローアカデミア   作:nani

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あれ、何でこんなことになったんだろう?
確かに、別に誰を魔改造しているって明記してないけど。ちょっと他の作品に当てられたかも知れない。


使徒化計画

 皆の個性と反省点を聞きながら会話を続けていると、緑谷が保健室から帰ってきた。

 

「あれ!?デクくん、怪我治してもらえなかったの!?」

「あ、いやこれは僕の体力のアレで……あの麗日さん……それより、かっちゃんは? いないみたいだけど」 

 

 少し用事で教室から出ていた麗日が帰ってくると、自己紹介が一息ついた緑谷は教室を見渡しそう言う。

 

 さて、これからどうするのだろうか、緑谷は。

 

「ああ、みんな止めたんだけど、さっき黙って帰っちゃったよ」

「……そうなんだ。ありがとう」

 

 おお。予想通り爆豪を追いかけた!

 

 私の主観だが、緑谷は絶対に自分の意思を曲げない人物だ。人らしいというか、創作の主人公らしいというか、とてもATフィールドが硬そうだ。

 

 少し浸食し私に近づければ、S2機関を超える動力源になり得る。

 

 …………私という存在は、何故か心をも動力源にできる。それを知ったのは、コア一つへのS2機関からの供給を途絶えさせるという危ない実験だった。

 

 しかし、己を知り敵を知れば…………ということわざに従って虚数空間で実行したところ、確かに計算上エネルギーが枯渇しているのにも関わらず活動することができたのだ。

 

 S2機関がないことは確認済み。それ故休止状態になると思っていたのだが、何となく気力で活動できた。その動力源の解析結果は魂。

 

 最大出力は不明ながら、S2機関を凌駕する性能を叩き出せた。そう私はピンチに覚醒する能力が備わってた創作の主人公のような存在だったのだ。

 

 まぁそれを再現したあちらの人類の方が上手だったが。あの分だと、あれに全員やられていることだろう。人間でいう赤ん坊の頃に大人が殺しにかかってくるようなものだ。

 

 体は残ったことに喜べばいいのか、仲間は死んだだろうことに悲しめばいいのか…………しかし、はっきり言って、存在すること以外知らなかったから何とも思わないのだが。

 

 

 話を戻そう。

 

 緑谷を使徒化したのなら、誰かを助けることに関してその出力を天元突破させることは可能だろう。何というか、あそこまで自己を顧みないのは逆に凄い。

 

 まぁ緊急時の話だ。出力がこの私を超え得るため保険には丁度いいが、どこからか情報を抜き取られた場合緑谷が危険にさらされることになる。

 

 また前世を繰り返すのはごめんだ。一応、自壊などのセーフティと私が監視できるシステムの構築は常闇用に作ってあるが、もう少し観察しよう。常闇がまた黒影を暴走させたら、と断らなければ良かったものを…………

 

「かっちゃん!!」

 

「ああ? 何しに来やがった……?」

 

 緑谷が爆豪に追いつく。そして、同じく校門側の窓にやってきた女子たち。

 

「ねぇ、サキエルくん。私の時にやってた実況やって! 凄く気になる!」

 

『プライバシーの侵害ではないか?』

 

「侵害しない範囲で!!」

 

 …………女子とは同族でも情報収集を怠らないのか。気をつけなければ。

 

『……これだけは君には、言わなきゃいけないと思って――――――』

 

「「ごくり…………」」

 

 

 …………

 

 

 

『デク!!! てめぇが俺に勝つなんて二度とねえからな!! クソが!!!』

 

「男の因縁! 男の因縁!!」

 

 麗日が飛び跳ねる音を尻目に思考を巡らせる。

 

 ……これ、爆豪も候補か? しかし、私からの施しは要らないと言われそうだ。

 

 私は保険ができて嬉しい。個性を分け与える個性もないわけではないらしいし、情報系個性もATフィールドの遮断で機密保持もできる得策なのだが…………

 

 両方とも今晩、応接虚数空間で交渉してみよう。

 

 

 

 

 

 その晩。

 

 ベッドで寝ようとする緑谷と爆豪をベットごと虚数空間に落とした。

 

「うわっ」

「っ! ここはどこだ!?」

 

『ここは虚数空間。私が呼んだ』

 

「さ、サキエルくん?」

「は? 何の用だ、黒くてでかいやつ。用件によっちゃタダじゃすまねぇぞ……」

 

 緑谷のベッドはオールマイトにまみれている。

 

『まずは謝罪を。今日の校門前での出来事聞いてしまっていた』

 

「え」

「っ!」

 

『それがきっかけなのは否定しないが、私の個性は他者に分け与えることもできるのだ。主な効果は、意思のエネルギー化、ATフィールドの展開、自己再生能力。それにより、一定の条件下で爆発的な力を発揮する。

 お前たちなら、何かあった時使えるだろう』

 

「え」

「は? んなもんいらねぇよ」

 

 虚数空間の幾億ものコアでの予想通りだ。

 

『私が与えたいのだ。こちら側のメリットは緊急時の戦力が増えることと、予備のコアの安全性が高まること。そちら側のデメリットは寿命がなくなることと、私が死にかけると自動的にその体に飛んでいくことだ。

 今言ったのとは別に、敵に渡りそうになったら自動的に自壊し、お前たちの位置が常時私に分かることもある』

 

「えっと、方法はどんな感じなの?」

 

 爆豪がお前まだ力持て余してんじゃねぇか……と言いたげな目で緑谷を見る。

 

『少し細工した私の体のクローンと融合する。それだけだ。魂はない』

 

「…………また明日とかでもいい、かな?」

「自壊機能をなくせ。代わりに自爆機能をつけろ。それならいい」




かっちゃんの目が赤いのが悪い。
このちょっと絶望が深いかっちゃんなら、これぐらい受け入れてくれるはず。

オールマイトにやっていないのは、戦力より情報源として見ているため。
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