使徒のヒーローアカデミア   作:nani

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東京に行ってました。
ビルがめっちゃ高かったです。大きいって凄い。


個性把握テスト

 サキエルが着替えている姿はとてもシュールだった。

 

 その体に合わせて作れた特注の制服をゆったりと脱ぎ、綺麗に畳むと机の上に置く。そして、専用のロッカーに用意された体操服を着る。

 

「お前、下着着てないのかよ!」

 

『着なくても問題ない』

 

「え」

 

 それを見ていた上鳴がそう叫ぶが、実際服を着たこともこれが2回目である。サキエルは必要のない下着まで着る必要性を感じなかったのだ。

 

 飯田と作った「愛称サキエル。教室からでも声は聞こえるため、気軽に話しかけよう!」と書かれた看板は早速役目を果たしたらしい。

 

 

 

「今から個性把握テストを行う」

 

「個性把握テストォ!?」

 

 グラウンドで、先生の言葉に驚く生徒たち。その中から一人の女子が先生に問いかける。

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよー」

「!?」

「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り」

 

 そして、置かれた間は一部の生徒たちに不安を感じさせる。

 

「ソフトボール投げ、たち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈。

中学の頃からやってるだろ? "個性"禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録をとって、平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ」

 

 相澤先生はサキエルを見て、常闇を見て、爆豪に話しかける。

 

「爆豪。中学の時ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「67メートル」

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっきりな」

 

 ボールを受け取った爆豪は軽く腕を伸ばした後、大きく腕を振りかぶる。

 

「んじゃ、まぁ……死ねェ!!!」

 

 それと同時に放たれたボールは、爆風に乗り遠くへ飛んでいく。

 それを見下ろすサキエルは単一生命体ゆえ死をより恐れているため、好感度も少し下がった。

 

「まず、自分の『最大限』を知る。それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 相澤先生は"個性"禁止の体力テストではおよそ見ることの無い705.2メートルと表示されたスマホを見せる。サキエルの身長の倍を少し下回る記録だ。

 

「おぉ!」

 

 しかし、相澤先生は生徒たちの反応を待っていたように口元を歪ませた。

 

「面白そう……か。ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのか? ───よし。トータル成績最下位のものは見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

 

「はあああああ!?」

 

 これは狙ってたな。

 私には関係ないだろうが、ソフトボール投げはどうなるのだろうか? 中学までは円からはみ出るということで0mだったのだが。

 

「最下位除籍って……! 入学初日ですよ!? いや初日じゃなくても……理不尽すぎる!!」

 

「自然災害、大事故、身勝手なヴィラン達…………。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽に塗れてる。そういう理不尽を、覆していくのがヒーロー……」

 

 そう。故に私はここに来た。

 

「放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける"Plus Ultra"さ、全力で乗り越えてこい」

 

 ……ただ、虚数空間からの支援は制限しているが、常闇と戦うよりも大きな苦難はあるのだろうか?

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。まずは50メートル走。2人1組ずつ走れ。あぁ、水野は最後な」

 

 

 

 

 第1種目の50メートル走。2人ずつ走っていき、最後の1人になった。

 

「最後は水野。ちゃんとゴールラインを通過しろよ」

 

 何やら期待されているみたいなので、スタートと同時にゴールラインの上に瞬間移動する。

 

「0秒01!」

 

「は? 今、消えなかったか?」

「瞬間移動じゃないかしら?」

「50m()なのに、走ってねぇ…………! いいのかあれ!?」

 

「個性ありのテストだ。そんなこと言ってたら、何もできなくなる」

 

 

 第2種目、握力

 指先で持って、握り潰した。

 

 ATフィールドと史上最高と自負している(現在進行形で強化中)体に耐えられるものなんてなかった。

 

 

 第3種目、立ち幅跳び

 浮遊して、ふよふよと前に進み続けていたら、「∞」になった。

 

 

 第4種目、反復横跳び

 そもそも、幅的に測れなかった。しかし、相澤先生はサキエルサイズのものを用意していたので、瞬間移動で測定不能を出した。

 

 

 第5種目、ハンドボール投げ

 ATフィールドで砲身と真空を作り周囲には影響が出ないように配慮した上で、圧縮した光のパイルで打ち出した。計算通り第一宇宙速度を超えて「∞」になった。

 

「やべぇよ……やべぇよ……」

「何だこの決戦兵器」

「見ろよ……余波で雲も吹き飛んだぜ…………」

「ここまで衝撃波が来ていないってことは真空かバリアも作れるのか? でも、ボールを瞬間移動で飛ばしていないってことは距離か対象の制限があるということになる。つまり、応用で浮遊と瞬間移動ができる個性なのか?  けどあの光の棒は移動系じゃ説明がつかない。できることが多すぎる…………」

 

「水野、取ってこい」

 

『了解した』

 

 第6種目、上体起こし

 グラウンドを使ってやり、30回と普通の記録になった。ズッドンズッドンとかなり揺れたらしい。

 

 第7種目、長座体前屈

 ATフィールドで押し出し、5kmで測定不能にされた。

 

 第8種目、持久走

 当たり前のように一秒以内にゴールした。

 

 常闇も黒影を上手く使って全ての種目で高得点を獲得していた。

 途中、緑谷がソフトボール投げで追い詰められていたのが、自らがあの体であの立場になったと想像するとその行動は賛否両論だ。

 

 彼の個性、あれは完全に扱いきれていなかった。

 恐らくヒーローとしての素質はあるのだろう。しかし、反動が大きすぎる。あれを繰り返せば、人の体では容易に再起不能になる。

 

 相澤先生の表情から推測するに除籍は免れそうだが、一年個性を磨いてからでも遅くはない。

 

 無論、除籍されない方がいち早く成長できるだろうから、時間効率はその方がいい。しかし、再起不能の可能性もその方が高い。

 

 ……だが、もしその行き先を間近で見られるのなら、それは得難い経験になるはずだ。




第2宇宙速度で地球の重力を振り切り、第3宇宙速度で太陽のを振り切る。

ATフィールドって心の壁らしいので、自分以外に作用させるのは難しいと思う。自分はボールだ、ぐらい思い込めればボールの重力無効化もできる設定。なので、ソフトボール投げは爪先立ちでやりました。
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