転生記SGGサイバーフォーミュラ 作:スライムパンティ
「ほえ~~ニューアスラーダか、人命救助とはヤルじゃねーか」
テレビのニュースの画面から流れる映像で、モーターホームの中で新条と一緒に見ていると、女王様も入って来て一緒に見ている
「可変システムか、ベルセリオンを意識して導入したのだろうな」
「そうね、あの弱小チームがニューマシンを用意するだけの予算が有った事には驚きだわね」
「それで他のチームにもニューマシンは出て来ているのか?」
「今の所はないみたいよ」
「そっか、一応だけど他社の動向には注意しておいたほうがいいっすね」
「分かってるわよ」
「予選前の会議は2チーム合同でやりたいんっすけど、新条さんどうです?」
「警戒しすぎじゃないのか?」
「甘く考えてるのは新条さんっすよ、新条さんがハヤトのレベルまで来るのに、どれ程の時間を要したか、どれ程の苦労をしたか考えた事ありますか?」
「・・・・そう言われると、確かにな驚異的なスピードで成長してるな奴は」
「その上タイミングよくニューマシンっすからね、天が味方してる様にしか見えない、俺達は天の意志すら無視して、勝たなきゃならんのですよ、弱小だの坊やだの言ってると、気が付いたら置いてきぼりを食らいます」
「そ・そうだな」
俺の気迫の説明に負けて、合同での作戦会議が行われる事に
「今回から後半戦に突入していく、手札を出し切った俺達がする事は、後だしで何をされても動じない様に、使える全てを使って勝ちに行く、今期はアオイがワンツーを決める為にも他チームにはない最大の手札を後半より切っていく、アオイは2チームながら今までは、ほぼ別チームと言う感覚でやって来た、前半戦なのでそう言う形にしていくのは間違ってはない、2チームを持ってる事のアドバンテージを最大活用していきたい、よろしく頼む」
「「「「おう!」」」」
「さて、第5戦ではニューアスラーダが最大の脅威と言えるだろう事で、これまでに調べられた範囲の性能を把握していく、それじゃ~続きをお願いします」
スタッフにアスラーダの性能についての報告が行われて行き、議論が出されていく、よくもまぁ~短期間にこれだけ調べられるもんなんだなぁ~と感心するほどに、良く纏められている
「予選では開始直後に2台共にCパターンでの走行で肩慣らしをして、他の感触を確かめる、抜かれる様なら俺からアタックする、アスラーダが2位に来るようなら、ファイヤースペリオンは3位からのスタートでお願いしたい」
「本番で挟み込んで行くって事だな?」
「ええ、期待通りの性能を見せるのなら、挟み込んで出来うる限りのデーターを集めておくべきでしょう。最初のアタックで食い込まない様であれば、本戦ではスゴウを無視してワンツー独占します。今回も予定通り事が進めば、1位が新条さん、2位が俺で行きますんで、よろしくお願いします」
「進まなかったらどうするつもりだ?」
「アスラーダのタイムを俺が抜けなかった場合ですね、その時は本戦で地獄を見せてあげます、俺の前を走る恐ろしさをスゴウは思い知るはずだクックク」
「俺も日本でそれをやられて、どれだけ嫌な思いをさせられた事か分かるつもりだ、お前がポールを取る事を、色んな意味を込めて期待してる」
予選が始まり、俺と新条さんがタイムアタックに入る
「よし!行くか」
「しっかりね、会場の度肝を抜いてらっしゃい」
「オーケーマム」
俺がコースに入ると大歓声がコクピットの中からも分かる程だ、そのままコースを回り、タイムアタックに入る
「いい感じだ、このままタイムアタックに入る、新条さんのタイムを教えてくれ」
「了解しました、新条さんのタイムは1,29,876です」
(Cパターンでこれなら上出来と言えるだろう、始まったばかりで分からないが、簡単に抜けるタイムじゃない、俺は別だけどな!)
そのままサーキットを駆け抜け、ビットへ戻ると
「相変わらず派手にやってくれたな、1,28,736だそうだ、本当にCパターンでアレなのか?」
「そんな事を言うならAパターンでもう1回走ってこようか?」
「はは、それなら構わないさ俺も余力を残してるからな」
「ニューアスラーダは出たのか?」
「いや、まだみたいだな」
「じゃ~お手並み拝見と行きますか」
「そうだな」
アスラーダが1回目の走行で、1回目の1,30,326のタイムで3位をマークするのを確認
「かなり腕を上げているっすね、ニューアスラーダもいい仕上がりになってる」
「それでも俺達にはかなわないだろうがな」
「そうは言うけど、けどたぶん抜いて来るっすよ、いや~明日が楽しみっすね」
「全くだ、そうでなくては面白くない」
「ちょっと席を外すよ、俺まで抜かれたら連絡してくれ」
「分かった」
腕に包帯を巻いた男がビットをウロウロしてるのを見つけたので、話しに行く
「もう動き回っても大丈夫なんっすか?」
「君か、予選中だと言うのに余裕だな」
「相変わらず自分にも他人にも厳しいっすね、それよりもスゴウのピットに居てもいいんです?まだ契約中なんじゃないんすか?」
「すでにユニオンには辞職願を出していてね、受理された事もあって様子を見に来たんだ」
「って事は菅生さんと呼んだ方がいいんっすか?」
「そう言う事だ」
「って事は来期に向けてスゴウも2チーム体制って事か、何処を買い取るんです?」
「私はサイバーから身を引くつもりだよ、残念ながらね」
「そりゃ残念な事で、けど実家の会社の命運をハヤト1人に押し付けるのは、どうかとも思いますけど、まぁ~俺が言う事じゃないか」
そんな話をしていると、ハヤトが俺達に気が付き、話しかけて来る
「本当に仲が良かったんですね、グレ君と修さん」
「シューちゃんとぐれちゃんの仲って感じかな」
「ホントグレ君とサイン貰いに言った時は心臓潰れそうでしたよ」
「そういやそんな事もあったな、それとその呼び方は辞める様に言ったつもりだったのだが?」
「じゃ~俺に勝つんっすね、そしたら様付でも殿付でも好きな呼び方にしてやるっすよ、敗者の弁は聞いてやらん」
「フフ確かにそうだな」
「そう言う事!ハヤトはとっとと俺のタイム抜いて来いよ、暇でしょうがないからな」
「分かってますよ、グレ君にも新条さんにも抜けない様なタイム出してきます!!」
そう言ってピットの方へ戻っていくハヤト
「おう期待してるぜ!」
「あまり他のチームへの応援は感心しないが、君なら許されるのだろう」
「そう言う事っすよ、それじゃ~ハヤトが抜いてくれるまでの間、家庭訪問でも続けますかね」
そう言って他のモーターホームの方へ行き、プラプラするが、他のチームは必死に俺達のタイムを抜こうと必死に対応してるので、誰も相手にしてくれず、自分のモーターホームへ戻る
ハヤトは新条をギリギリ抜いて、フロントローに付けた所で、タイムアップ予選終了となった
その日の夕方、再度確認と最終打ち合わせをすべく、主要メンバーを集めて明日の本選に向けた話し合いが持たれた
作戦を再度しっかり全員に確認して貰い、いくつものパターンにおける対処法などについても話し合われた
そしてイギリスグランプリ決勝が開始されスタートを切る各車
予定通りにハヤトを挟んで走行を続けていると、トラブルなのかニューアスラーダのモードチェンジが遅れている、即座に油圧だと判断した俺は
「新庄さん、モードチェンジのトラブルみたいです、無理に抜いて巻き込まれないように、余裕を持って抜いちゃってください、この先の公道でもモードチェンジが遅れるはずなので、そこで仕留めればいいはずです」
「分かった」
予定通りに、新条さんはオフロードで力を溜めて、一気にオンロードになる場所で抜き去る
「このまま一気に引き離していくので、置いていかれない様にしてください」
「言われなくても分かってる、余り遅いと抜くからな」
「やれるならどうぞお好きに」
スリップに付かれない程度の距離を保ちながら、駆け抜けていく、周回遅れをどんどん抜き去って行く中、レースの始めの方でNアスラーダが緊急ピットに入った事も伝えられる
そのままハイペースで後続車をガンガン引き離し、そのまま新条さんを前に出してのワンツーフィニッシュとなった
これで総合でもアオイは3位を大きく引き離し、ワンツーを決める結果となった事で、ワールドチャンプへの大きな手ごたえを得る事になった
ハヤトは健闘して3位表彰台に上がったが、俺達に大きく引き離され、周回遅れにならないギリギリの3位だけに、悔しい表情を浮かべているのだった
しかし、俺は忘れていた、俺はここで勝ってはいけなかったって事に!
大会が終わり、次の会場へ到着してからも、忙しい毎日を送ってた、ある日、ユニオンの監督から電話があり
「・・・・そんで、ランドルってぼっちゃんを、一騎打ちで叩き潰して欲しいって?」
「まぁ~平たく言うとそうなのだが、ウチとしてもシューマッハの抜けた穴と、資金繰りを考えると、どうしても断りきる事が出来なくてね」
「ユニオンの所には、個人的にも色々世話になってるんで、断れないんでやりますけど、貸っすよ監督?」
「分かっている」
詳しく聞くとやっぱりハヤトが関わってた様で、即座にハヤトに電話をかける
「ランドルってぼっちゃんが、俺の所に挑戦状叩きつけて来たんだけど、どう言う事なのか説明はあるのか?」
「あっ・・・」
「あっ・・じゃねーよ、あ・・・じゃおかげでユニオンの監督には借りを作れたからいいけど、お前にも貸しだからな!」
「うん、それはいいんだけど、いつやるの?」
「今日だよ、今日、まさか火種作った上に無料観戦とシャレ込むつもりか?」
「そんなつもりはないけど気になると言うか」
「そうだなぁ~ユニオンのニューマシンのデータを丸裸にするか、嫌がらせの代償として、スゴウのスタップも連れてデータを好きなだけ取ってけ、次の大会では間違いなく注目チームになるデータはウマウマっしょ!他のチームにも連絡してやろっとケッケケ」
「ひっど~っ、けど分かったよ、監督達にも聞いてみて行けそうなら行くよ」
ハヤトと電話を切った後、自分のチームは元より、他のチームには少数でなら来てもいいよと伝えた
その日の夕方、各チームが見守る中、俺とランドルの勝負が始まった
「勝負は20週を先にゴールしたほうの勝ちとする、双方共に問題ないな?」
「ああ」
「ハンデだ先に・・「いらねーよ」ちっ!」
そしてレースが始まった、余裕のつもりなんだろう、後ろに付けて来るランドル、他の皆さまの為にもポテンシャルの全てを吐き出させてやるつもりで、先行していく
「やるじゃないか、だが!」
そう言ってランドルが仕掛けて来るが、進行方向にブロックしてカーブに入る前に食い止めて行かせない
「何かする予定だったのかね?」
「なるほど、中々にボクを楽しませてくれる」
周回を重ねるごとに、疲弊していくランドルが乗るイシュザーク、思うように抜く事が出来ず苛立ちを隠せないでいる様なので、わざと前を行かせてやる
「き・貴様!どう言うつもりだ」
「サイバーフォーミュラのドライバーレッスンを、新人に教育してあげようって優しさだ、残り3周守り切ってみろ」
「このボクにレッスンだと、その減らず口叩けないようにしてやる」
コーナーの度に、抜けるのに抜かず、何時でも抜けると言う様な態度で、イシュザークの後ろから追い立てていく
流石のランドルもプライドがズタズタとなり、戦意喪失し諦めて速度を落とし、俺は何も言わずに残りの周回を終えてゴールする
「所詮こんなもんだ、自称天才さん」
「くっ!この屈辱は必ずノルエーで返させてもらうぞ、グレファール」
「手足が震え、その怯え切った表情で言われても、真実味が無いぞ自称天才君、本気でノルエーに来ると言うのなら、その時はレッスンじゃない勝負として受けてやるよ」
「言いすぎだグレファールさん、しかし良かったのかい?」
「俺は困りませんよ、困るのはユニオンさんでしょ?悪いとは思ったけど、話を持って来た時にデーター収集や観戦してはいけないって条件を出さなかった監督が悪い」
「まぁ~そうだなハハハ」
真っ青に青ざめながら頬をポリポリして、上層部への言い訳を考えてる様だ
「この後大変でしょうけど、頑張ってくださいね」
「はぁ~・・」
そう言ってユニオンを後にする、しかしノルエーでランドルを見かける事はなく、完全に牙をへし折ってしまう事となった
ユニオンでは、いくら資金とドライバー確保の為とは言えニューマシンのデーターをレース前に各チームへ晒してしまうという事態になった上、ランドルを完全に潰されてしまった事に気が付けたのが3日後
対応が後手に回った事で、次のノルエーは棄権せざる得ない状況となっていた
「やはりランドルは無理か?」
「ええ、本当に怖い選手ですよグレファール選手は、あんなことをされてたら正気で居られる選手などいません」
「だろうな、各チームもデーター収集してた事が逆に恐怖を植え付けられる結果になっただろう、そして今期の展望はもう見えてしまったと感じただろうな、名実共に恐怖公と呼ぶにふさわしいドライバーになってしまったなグレファール選手は」
「ですね、あのレースでグレファール選手も色々あった二つ名が恐怖公、同じフィールドに立てば、徹底的に潰しつくし骨の髄まで恐怖を植え付けられ、二度とレースへ戻って来れなくなる、噂の中にはシューマッハ選手も恐怖公の恐怖にあてられて2度と戻って来ないだろうとまで言われてますからね」
「シューマッハ選手は関係ないだろうに、しかし本当にそうだとするなら恐怖公とは相性最悪だなウチは」
「・・・ですね」
スゴウアスラーダチームもデーター収集から帰って来てから、データーの分析が終わり、主要メンバーを集めて、改めてレース映像を見て愕然としていた
「本当に恐ろしい選手に成長したなグレファールは」
「そうですね修さん」
「あのレースで恐怖公という名称が確定したそうじゃ、そしてランドル選手はノルエーを棄権だそうだ」
「監督、それは本当なんですか?ランドルが棄権って」
「そうだ、心身衰弱で今も入院先で苦しんでるらしい」
「いい気味よ、サイバーフォーミュラをバカにしたんだもの」
「じゃが、レースを見て分析した結果ランドルは紛れもなく超一流じゃった、若くセンス溢れる選手で今後に十分期待が持てるだけに惜しいといえば、惜しい選手を失う結果となったのも事実、ハヤト十分に注意するんじゃ、奴はそういう選手となったんじゃからな」
「はい!」
「本当に分かっているのかハヤト、奴のレベルは私にすら計り知れないと感じるほどのレーサーだ、隙を見せれば、次はハヤトがランドルと同じ目にあうのだぞ?」
「はい、レースを見てても寒気のするような殺気みたいなものも感じましたし、映像を改めて見てても、全く勝てる要素もないんですけど、それでも僕は負けたくないんですグレ君に」
「それならいい、アレを見てそう言えるのは、それこそがハヤトの強みなのだろう、がんばれよハヤト」
「はい修さん」
GPXノルエーグランプリは、新条のポイントが2位になった事と、そろそろ優勝して欲しいとのオーダーで、ポールトゥーウィンにて優勝を飾る
ファイヤースペリオンはマシントラブルでリタイヤ、2位にアスラーダが入った
「まさか恐怖公の名前を再び聞く事になるなんてね、まったく失礼な話だわ」
「い・いや~まったく、ホントそうっすよね、女王様」
ま・まさかインタビューでちょいちょい記者達の口車に乗って、デビューで使った恐怖公の次世代マシンをまた時間がある時に、賞金を使って作りたいとか言った事が、裏目に出るとは・・・なかなかいい嫌がらせだ、こんちくしょーーっ!
「まぁ~いいわ、意味はアレじゃないみたいですしね、次の大会ではカラーリングを変えなさい、いいわね?」
「ええーーっ!マジっすか???」
「何色がいいかしら?そうねぇ~・・・紫なんてどお?」
「そんな色にしたら乗らねーぞ俺は」
「嫌なら考えておきなさいランドルフ君」
「きょ・拒否権は?」
「ないわよ」
大会のお祭りムードが一段落し、主要メンバーを集めて、新しいカラーリング候補を前に、メンバーは苛立っていた
「ランドルフさんは白をベースに金ですか」
「そしてオーナーが紫をベースに赤ですね」
「ならこっから多数決と言うのは・・・」
「却下だ、俺は譲らねえ」
「オーナー命令です、私の案で行くわ」
「上等だ!次は別の選手にでも乗せてやるんだな」
「貴方に違約金が支払えるのでしたらどうぞご自由に」
「あ~そう言う事を言うんだ、違約金を別チームに移籍する時に、払って貰えば済む話だ?謝るなら今だぞ女王様」
「やめてください2人共、こんなカラーリングの事で、険悪にならなくてもいいじゃないですか」
「「黙れ!」」
話し合いは結局平行線のまま数日が過ぎて、結局女王様が折れる形で、俺の案が採用された
新たなカラーリングを施した、ベルセルクのお披露目には、多数の記者が集まり、ニューマシンでもないのに、バッカみたいに騒ぎ立てて来る
「グレファール選手、今期のワールドチャンピオンは、もはや手中に収めたという事の意味を込めてのカラーリングの変更と、お聞きしたのですが、ベルセリオンの性能も見直しされ一新したのでしょうか?」
「性能に関してはレースでお見せします、それと手中に収めたとか誰がそんな先走った事を言ったのかは想像できますが、まだ終わってませんよ、まだまだどのチームも諦めてません、俺を潰そうと必死に各チームは牙を研ぎ澄ませて待ち構えているんです、僅かな油断で食い殺されないようにする為に、俺も必死で頑張っています」
「ですが、他のチームでは既に来期に目を向けて動き出し、今期は諦めてるとの噂もあるのですが、グレファール選手はどう思われますか?」
「そんなチームがあるんですか、どのチームがそうなのか分かったら教えてください、2度とレース出来ない程に徹底的にレースでは潰して差し上げますんで、とは言え、まずないとは思いますがね、そんなチームは」
「そ・そうですか」
「そうです、失礼な質問は辞めてくださいね、気分が悪くなるんで、では質問はここまでとさせて頂きます、でわ失礼します」
ったく相変わらずマスゴミはまともな質問をして来ないから気分が悪くなる、終わるって言ったのにまだ聞かせて欲しいとか言うけど、ウザいっての!
ノルエーで優勝した事で大幅に総合ポイントでリードを果たしたグレファール、各チームは、厳しすぎる戦いを強いられる事となったのだった