転生記SGGサイバーフォーミュラ 作:スライムパンティ
「はじめまして、君がグレファール君だね」
「こちらこそ、はじめまして新条選手」
お互いにオーナーから紹介があった後に、新条選手のほうから、俺の方へ来て挨拶してくれる、思ってたよりも大人な感じだ
「2人共、予定通り3時からレースをやって貰うわ、新条選手来て貰って早々で悪いんだけど、坊やの相手をしてあげてね」
「はい」
「それと坊や分かってるわね?これに負ければ、貴方の来期での世界挑戦への道は断たれるわ、しっかりね」
「オーケーマム!」
「それは辞めなさいって言ってるでしょ」
「女王様のご期待に添える様に努める所存にございます」
「・・・・新条君いいわね?絶対に、この坊やに勝ちなさい!」
「は・はい」
流石の新条選手も、オーナーの引きつった表情に恐れおののく
その後オーナーからレースについてや、俺の態度にの注意なんかが・・・いや大半は俺への説教が続き、どうにか終わった所で、廊下で新条選手から
「思ってたよりも楽しそうなチームで助かったよ、レースでは頑張ってくれ期待してる」
「対戦相手に応援されるとか、気楽でいいっすね、たぶん新条選手が負けたら、即刻クビになるかもしれないんっすよ」
「あはは、それは怖いなぁ~、君はレースを始めて1ヶ月程度なんだろ?、確かに負ければ君の言う様に契約はして貰えなくなりそうだ」
「レース経験は確かに新条選手に比べたら、俺なんか1回、それも草レースのみなんですけど、サイバーに関していえば1回とは言え、俺の方が先輩っすよ?」
「ははは、そうだね君の言う通りだ、この後のレースでは本気で相手をさせて貰うよ、先輩君」
「それはそうと、新条さんはアオイとは、契約まだしてなかったんです?」
「仮契約となっているんだ、来週の記者会見に合わせる形でね」
「うひゃ~記者会見っすか?派手っすね」
「そうでもないさ、サイバー初参入のアオイとしては、少しでも宣伝効果を高めるのには必要な事なんだよ」
(なるほど~・・・それで新条が負けたら、女王様はクビとは言わなかったんだな、っとなると俺が勝ったら、他チーム買収するつもりって事か)
「なるほど・・」
pm3:00 アオイサーキット
「いいわね、お互い全力を尽くしなさい」
「「はい」」
レースは10週で行われる、ハンデは新条選手がサイバーに乗るのが今日が初めてということ以外にはなく、同じスペリオンでの勝負となった
お互いスタート位置にスタンバイし、新条選手は流石と言うべきか、きっちりとスペリオンを乗りこなしている、先ほどのテスト走行でも危なげない綺麗な走行を見せつけてくれた
女王様の見守る中、エンジンを温めながら2台のスペリオン轟音立てながら、その時を待つ
そしてスタートと同時に2台のスペリオンが駆け抜ける、俺は先に新条選手を前に出し、ピッタリと後ろに付ける
王者の貫禄なのだろう走行を見せてくれる、予定通り3~5週は様子見をすべくスリップストリームで新条選手の真後ろを走る
「へぇ~やるじゃないか、俺の後ろから離れず付いて来るなんて」
なんで回線を新条選手にも繋がってるだよ、俺は下手な事を口にできない状況に、少し苛立ちを感じながら、無言を貫き走行する
ピットからの指示はほぼ無い真剣勝負なので、その理由から回線を開いてるんだろうけど、俺にしてみればいい迷惑だ
「新条さんも頑張ってくださいね、此処の俺の最高ラップは30秒台です」
「了解した」
3週してみたが、新条選手の最高ラップは、1,35.66と余り記録はよろしくない感じ、まぁ~俺のスペリオンは設定がピーキーにしてあるのもあったが、ここ数日の設定と改造で安定して30秒台を出せるようになっていた。
30秒を切る事は無かったが、前に車両が無ければ30秒台をキープできる様になってるので、新条選手を抜いた時点でトラブルでもない限り、もう俺の前を走る事は不可能となる
「それじゃ~次の週から仕掛けます、新条選手覚悟してくださいね」
「了解した」
言葉の通りに、次の週で一気に抜き去り、そのまま後ろに付けているスペリオンを引き離していく、女王様の声が新条選手の回線を通じて聞こえて来る、どうやら付いて行けない事に苛立ってるみたいだ
新条選手もオーナーの激に答えるように、必死で俺に追いつこうとするも、全く手が出せず、周回を重ねるごとに引き離されていく
そのまま新条選手は、見せ場もなく終わる結果になった
俺はコクピットから降りて、チームメイトから称賛を浴びつつ、オーナーの方を一目見た後、チームメイトと喜びを分かち合った
「やるじゃねーーか!!まったく危なげもなくとは恐れ入ったぞ」
「ハンデが大きすぎたんですよ、F3しか乗って来てなかったのに、女王様も新条選手もサイバーを舐めてた結果ってやつです」
「それにしたって大した奴だよ、お前は!」
一方の新条直樹は、余りの差に現実として受け止められないでいた、速いとは聞いていたが、これ程とは思っておらず、抜きにかかると宣言は受けたが、油断も隙も見せていなかった筈なのに、あっさりと前を譲ってしまうばかりか、追いつけもしないとは考えてもおらず、目の前の事実が夢であって欲しいと願うばかり
「残念だったわね新条君」
コクピットから出て、オーナーから声をかけられたが、放心状態のまま頷くしかなかった、こんな経験はサーキットに出て初めての経験だ、カート時代からF3まで上り詰めてきたが、此処までの差を感じた事など1度だってなかった
気持ちを切り替え、期待に答えられなかった事の弁をオーナーに伝えるべく口を動かす
「申し訳ありませんでした」
「サイバー初挑戦、それに今日初めてスペリオンに乗って、いきなりレースをさせたのは悪かったわ、それでもあの坊やは、スペリオンを数日で自分の物にして乗りこなして見せたわ、貴方なら、それ以上を期待してもいいのよね?」
「・・・・・ええ、やらせてください」
負けず嫌いの性分である新条選手は、目をギラつかせながら、自分を負かせた相手のビットの方を睨みつける
新条はオーナーから提示された、グレファールの出した記録30秒の壁を破る為、その日からサイバーに向き合う事に
俺の方はと言うと、女王様から正式にドライバーとしての契約をするべく、話し合いが持たれていた
「グレファール君、ウチとしては新条選手をアオイフォーミュラのシートに乗せたいと考えてる、君には買収したサブチームのシートでの参加をして欲しい」
「ええ勿論です、それは納得してるので問題ないのですが、世界に向けてのライセンス取得は、国内では3枠です。俺に海外でのライセンス取得を挑戦させ貰いたい」
「・・・・あら?自信が無いのかしら?」
「そうじゃありません、国内でのサイバーの技術革新は、すさまじいのは分かってるつもりです。けど世界と渡り合えるような結果が出るには、まだ数年はどう頑張っても無理でしょう。世界を知る意味でも海外でのライセンス取得は、今後の世界挑戦に向けての貴重なデーターになるはず、やらせて貰えませんか?」
「・・・あえて難しい方でのライセンス習得を目指したいと言うのね?」
「ええ、その通りです」
「分かったわ、私の前で、それだけ大口を叩いたのよ、必ずライセンスを持って来なさい、いいわね?」
「イエスマム!」
海外でのライセンス取得の為のレースが、数日後に有るっていうので、急いで荷物を纏めて、既存のチームを、そのまま借りて出発する
「新条さん、慌ただしい上にメカニックを何人も借り出したりして、申し訳ないっす」
「気にするな、その分しっかりやれよ!」
「はい!新条さん」
がっちりと握手を交わし、足早に空港へ向かった
慌ただしかった事もあって、行先も知らずに居たのだが、飛行機の中で監督から
「行先がイギリスーーっ!しかも大会優勝者しかライセンスが無いってマヂっすか?!」
「はぁ~全く・・・そう言う訳だから、コースを到着までに頭に叩き込んでおきなさい」
「まぁ~女王様が付いて来てないだけ、羽を伸ばせるのかな」
「優勝しなければ相当小言を言われるはずだよ、羽を伸ばし過ぎないようにね」
「・・・・・日本で目指すんだったかも」
「我々としても、君の提案には大賛成なんだよ、世界に向けてかなり貴重なデーターが得られるはずだからね、君がいい出さ無ければ、私達がオーナーに提案していた事だった、諦めるんだね」
「了解っす!」
急ぎ足で参加する事になった、イギリスグランプリなのだが、俺達は海外枠なので優勝するしかライセンスを得られないらしので、他チームに原作選手が居ない事を、必死で祈りながら登場選手の名簿に目を通す
(よし!知ってる名前は無い)
少し気が楽にはなったが、それでもレースは何があるか分からない、気を敷き締めて臨んだドイツグランプリ
・・・・・
・・・・
・・・
・・
「何とか優勝出来ましたね」
結果は文句なしの優勝、そしてライセンスをget出来たのだが、気疲れしすぎて大変だった、これがイギリスグランプリの感想
「本当によくやってくれた、先ほど葵オーナーから連絡貰って、お褒めの言葉を頂いたよ、明日のパーティには来られるそうだ」
「うげっ!来るの??」
「シーーーッ!そう言う事を言わない、帰国後には君の記者会見もするみたいだから、その事もあって君の教育を、しっかりしておく様にも言われてるんだからね、しっかり頼むよ」
「ちょ!じゃードイツの大会は?アレにも出たいって、話してたじゃないですか、10日後っすよ?」
「君はもう既にライセンスを得てるんだ、特に意味ないだろう」
「大会出場経験が少ないからって話じゃなかったです?それと世界のデーター集めも含みで」
「しょうがないだろ、オーナー命令なんだから、国内のマスコミが思ってる以上に、君を取り上げているらしくて、会社としても見過ごせなくなって来たんだ」
ドイツ大会では、2位を周回遅れにした上で、3週目はやっぱりマナー違反って事で、指示が出た事もあって、前に出た大会同様に位置をキープしたんだ、ちょっと不味ったかな
「記者会見に出るのはいいけど、特別ボーナス出さなきゃ出ないっすよ、ちなみに優勝賞金の倍っす」
「はぁ~君の気持も分かるけど、ファンを大切にしないドライバーは必ず自滅するよ、そう言う事を含めて、今から勉強するんだ来なさい」
俺の意見なんかガン無視、部屋の中に閉じ込められて、ひたすら有難い授業を長い時間に渡って聞かされる羽目に、話の筋が通ってるだけに反論の余地は一切ない
「やっとメシだ!!」
「コラ!ハシタナイ真似をしない!」
飯の時、休憩時間、他全てにおいて一々注意される、有名人って大変なんだと、心の底から思う、ハヤトとかマヂすげー!まだ有った事無いけど、新条さんのデビュー戦で見られるといいなぁ
パーティには出席させられたが、一言もしゃべるなと言う言いつけ通り、何もさせて貰えず、何もしゃべることなく、拷問状態のまま何時間も苦しめられることに
女王様の隣でひたすら愛想笑いをし、サインを書けと言われたら書く、監督達に言われ決められた書き方で、何度も練習をさせられた
最初思うように書いて見なさいと言うんで、アオイフォーミュラ恐怖公グレファールって書いたんだ、思いっきり頭をはたかれたんだぜ!信じられる??
けどイギリス大会では、カラーリングに口出しできたから、黒をベースに赤いラインの入ったデザインにしてダークスペリオンGTって名称で登録
流石に恐怖公スペリオンは許されなかったけどなwwww
監督の提案で名称がダークスペリオンGTにはなった経緯はあるけど、俺自身は納得してない!いつか恐怖公を・・・いや、辞めておこう
それと言うのも、流石はプロの大会って事なのだろう、めちゃくちゃ綺麗な金髪美女のレースクイーンを見てたら、恐怖公を駆り出して嫌われたくない!
何気に数名のレースクイーンと握手して貰ったんだぜ!エロくてめちゃくちゃ美人のレースクイーン、握手した時、めちゃめちゃいい匂いしてて、クラクラっと来ちゃった
優勝して調子に乗ってる時に、話しかけてくれたレースクイーンに向かって
「俺のユニフォームと、お姉さんのそのユニフォームサイン入りで交換してくれませんか?」
流石にドン引きされた上に、監督からゲンコツされた上に、ビットの奥に引きづられていき、懇々と説教された、マセガキだの色気づくには10年早いとか、もうめちゃくちゃ言われた
そのせいもあったのか分からないが、パーティー後もひたすら拷問と言う名の勉強会が続けられる、酷すぎる・・・
監督達に人格まで強制される様な、過酷な拷問の末、結局ドイツ大会にも出して貰えず、帰国する
目を覆うばかりのフラッシュの嵐と歓声の中から搭乗口を抜け、会場へ向かいそこでもフラッシュが目を覆う
言われた様に、決められた事を言った後、ほぼ全てを女王様が仕切り、新チームの発足と、俺以上に期待すると言う、新条選手がメインチームのドライバーとして紹介された、新条選手から俺へのリップサービスとデビュー戦への意気込みを述べた、俺は決められていたセリフを口にしただけ、記者会見の裏事情ってこういう事なんだろうなぁ~って感じた
しかし女王様は、超ご機嫌で口が回る回る、もう世界を取ったかのような発言の連発、本当に大丈夫なのかと問い詰めたくなるような自慢に、改めて女王様なんだなぁ~っと思うしかなかった
記者会見の後、新条さんと話せる機会が有ったので
「本当におめでとうグレファール君、先を越されてしまったけど、俺も後に続かせてもらうよ」
「イギリスはちょっと楽勝過ぎましたね、俺も日本でライセンス取れば良かったのかもっす」
「とは言っても強豪ドイツの1枠を見事に取ったんだ、もっと誇るべきじゃないのか?」
「イギリスは多分今後において低迷期を迎えるでしょうね、逆に日本はこれからヤバいくらいに躍進するはずです。俺は数年後には日本がサイバーの世界において中心となるのではと感じてます。ですから新条さん舐めてかかるとライセンス取り損ねますよ」
「君がイギリスでそう感じたと言うのなら、本当なのだろう、日本がサイバーの中心となるか、・・・そうなのかもしれないな。スペリオンは本当に素晴らしい機体だ、なのにもうそのスペリオンの次世代機の開発の話も聞いたからね、サイバーに来たのは正解だったよオーナーには感謝しないとな」
「取り残されない様にお互い頑張りましょう新条さん」
「ああ」
数日後、新条さんのデビュー戦である、富士岡でのレースが開催された
ダークスペリオンGTカスタム
全長 4734mm
全幅 2262mm
全高 987.3mm
車両重量 755kg
総排気量 5000cc
最高出力 1420馬力/16000回転
最大トルク 128kg-m/12500回転
最高速度 430km/h+α
エンジン C.C.エンジンV12
構造 C.T.S 4WD
ボディ素材 C.F.R.P
変速機 前6 後1