西暦2015年7月30日、この日天の神の尖兵・バーテックスが襲来。
全人類の大半が犠牲となる、これギリギリの所で留まらせてくれたのが神樹様であり、初代勇者たちでもある。
断じて死のウィルスの所為などではない。
その他、諸々の事も話した。
「これが、世界の真実。俺たち勇者は世界を壊す存在であるバーテックスから、神樹様
を守ることがお役目だ。ザックリとした説明だったけどこんな感じだ」
海斗は説明が終わると、携帯にある勇者アプリを開く。
その中にある地図を見て、風や樹が近づいていることを確認する。
(そろそろか…)
ガサガサと音が聞こえた方向に振り向くと、草木で隠れた根の部分から風や樹が出てきた。
「友奈!東郷!海斗!無事だったのね。よかっ「風先輩ー!」うっ!大丈夫みたいね」
友奈は心配だったのか、風に向かって抱き着いた。
「そう言えば、風先輩はどうやってここに?」
「このアプリを使ったのよ。三人がスマホをちゃんと持ってたのが不幸中の幸いだったワ」
風は安堵したのか、溜息をついていた。
「この世界のことや、お役目のこと海斗から聞きました。どうして黙ってたんですか!」
「ごめんね。でも、他にも同じようなグループはいくつもあって当たる確率の方が凄く低くて……」
「で、でも、それって勇者部の活動目的通りじゃないですか!風先輩は悪くない」
暗い顔になってしまった風を、友奈は何とか励ましていた。
「もう来たぞ」
みんなが海斗の声に反応し前方を見る。そこには、巨大な
「遅いやつで助かったワ。戦う意志を示せば、アプリがアンロックされるの」
風がみんなに向けて説明をするが、美森だけは…。
「あんなの戦えるわけない……」
美森は自分の震える体を抱きしめるのが精いっぱいだ。
誰もが押し黙る中、海斗が携帯の画面に映る夕顔の花のマークをタップした。
その瞬間、彼の周りに花が舞い始める。
勇者への変身は2~3秒で終わった。夕顔の花の様な白を基調とし、青に近い紫のラインが入った勇者装束に変わる。
「友奈、姉貴を連れて逃げろ!ここはどうにかする」
「嫌だ!私も海斗君と一緒に……」
「姉貴を守ってくれ。任せられるのが友奈だけなんだ!」
「っ!うん!分かった!気を付けてね」
海斗の指示に従い友奈が美森の車いすを押して逃げ始める。
「樹アンタも、逃げなさい!」
「嫌だよ。何があっても着いて行くから」
樹の言葉からは、いつもの控えめな性格からは考えられない、芯の通った思いを感じる。
「じゃあ、アタシに続いて」
「うん」
風が勇者に変身する。
風のイメージ花はオザギリス、黄色を基調としたものになる。
武器は身長の倍近くある大剣だ。
風を見習って樹が変身する。
樹のイメージ花は鳴子百合、緑色を基調としたもので武器はワイヤーだ。
三人の変身が終わる、海斗は慣れた手順で武器を出す。
右手に太刀、左手に火縄銃を出す。
「海斗……あんた」
「一応、俺も大赦の人間ですから。まぁ、あんな変な仮面付けませんし、それに俺は私利私欲で大赦を利用してるだけなので」
海斗はそう言いながら、目の前に迫りつつある敵…ヴァルゴ・バーテックスを見据える。
そんな海斗に風が問いかける。
「ねぇ、海斗。アンタは何で戦うの?」
海斗は少し考える素振りを見せると笑顔でこう答えた。
「大切な人と明日を生きたいからです」
まるで、それ以外の理由など無いとでも言いたげな表情で。
「そぉ、じゃあ。とことんまで付き合ってもらうわよ。勇者部ファイトー!」
「オ、オー!」
そして、海斗たちの戦いが始まった。
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「こ、これなにー?な、何か可愛い」
「この世界を守ってきた、精霊よ。神樹様の導きでアタシたちに力を貸してくれる」
精霊とは、神樹の中にあるリソースから出された存在で、バリアや攻撃の補助などを担当している。
因みに樹の精霊は木霊と言うマリモの様なやつだ。
風のは犬の様な見た目に狐の尻尾がある犬神だ。
そして海斗のは……。
「ほら小僧、ちゃっちゃと走れ。あいつを片付けるんだろ!」
「分かってるよ!」
見ての通り海斗の精霊は喋る。戦国武将の様に鎧兜を被り、その上から羽織を着ている。
後ろには大きく「天下統一」と書かれている。
この精霊の名前は第六天魔王こと、織田信長だ。
「行くわよ!樹、海斗」
その場から、足に力を入れてジャンプをする。
勇者になったお陰で、人外並みのジャンプ力を発揮し空中を飛ぶ。
「ジェットコースター‼」
樹の比喩通りで、まるでジェットコースターに乗ってる気分になれる。
最もそれの比ではないが。
ヴァルゴが下腹部から小型爆弾を発射する。
海斗は左手にある火縄銃で、風は虚空から現れた大剣を振るって、爆弾を払いのける。
「手をかざして戦う意志を示して!」
風が叫ぶと樹が手を後ろに回して、武器であるワイヤーを出現させる。出現させたワイヤーで自分に向かって来た爆弾を切る。
「な、なんかでたよ~」
少しふらつきながらも何とか着地して距離を測る。
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一方、美森と友奈はというと。
「あっ!電話だ!東郷さんちょっと待ってて」
「えぇ、分かったわ」
突然鳴りだした電話に驚くも、それ以上に海斗たちのことが心配なのか急いで電話を取る。
『風先輩!』
『よし!繋がった』
友奈も怖いのだろう、誰かに頼りたいと無意識に思いそして、声に如実に表れている。
『風先輩、大丈夫ですか?今戦ってるんですか?』
『こっちの心配より、そっちこそ大丈夫!』
『はい!』
友奈も落ち着いたのか、少し落ち着いた口調になってきた。
「数多すぎだよ~!」
「クソ!手数が足りない」
あちらの声が聞こえてくる。
樹も海斗も奮闘しているが爆弾の数が多すぎるのだろう。
『友奈、東郷。黙っててゴメン』
『さっきも言ったじゃないですか!気にしてません!寧ろ先輩に任せきりでこちらこそごめんなさい!』
『友奈…』
風の安堵の声が電話から響く。
だが、それは直後の巨大な爆発音で消し飛んだ。
「お姉ちゃん!」
「風先輩!」
友奈たちの方からでも見える、樹にも爆弾が命中したのが。
「樹ちゃん!退け!邪魔なんだよ!」
海斗も奮闘しているが流石に一人では、完全に抑え込むことなど出来ず。
段々と友奈や美森の方に迫ってくる。
風や樹は精霊バリアで無事だがまだ完全には動けない。
「こっち見てる」
ヴァルゴの下腹部が熱を帯びて膨らんでいく、明らかに小型爆弾を放つきだ。
「友奈ちゃん!私を置いて今すぐ逃げて」
親友の悲痛な叫び、自分を連れて行ったら間違いなくヤラレル、だから。
「何言ってるの、友達を!」
そこで言葉が止まる。目尻に溜まっていた涙を拭き、呟き始める。
「そうだよ!友達を置いてなんてそんなこと絶対にしない!」
「ダメ逃げて!友奈ちゃんが死んじゃう!」
美森の叫びが友奈は聞こえている、それでも……。
「嫌だ!ここで友達を置いて見捨てるような奴は……」
「友奈ちゃん!」
ヴァルゴの攻撃が今にも放たれる。けれど友奈は、走るのを止めない。敵に向かって走り続ける。
「勇者じゃない!」
そして、爆弾が放たれる。どこからどう見ても、命中してるように見える。
だが結果は違う。爆風で煙が吹き荒れる。
「きゃあ!友奈ちゃん」
「姉貴!大丈夫か!」
すぐ近くまで駆け寄って来た海斗が、美森の無事を確認する。
「海斗!私より、友奈ちゃんを!友奈ちゃんが!」
呼吸は乱れてるし、言葉は上手く発せていない。
それでも美森は、自分より友奈を優先させようとした。
(そういう所は、変わってないな。)
「大丈夫だよ、姉貴。ほら見て見ろ」
煙が晴れていく、そこには左腕だけが勇者装束に変わっている友奈がいた。
「嫌なんだ。誰かが傷つくこと、辛い思いをすること。みんながそんな思いをするくらいなら」
そう言いながら2発目に来た爆弾を右足を使った回し蹴りで、次の爆弾を回し蹴りの遠心力をフルに活用し今度は左足で回し蹴りを決める。
蹴る直前に勇者衣装が装着されてダメージは無い。
そして、4発目の爆弾を跳躍で躱す。
「私が、ガンバル!」
空中で来た爆弾を右腕で殴り飛ばす。
「友奈!」
「友奈先輩!」
「友奈ちゃん!」
「行けー!友奈ー!」
みんな声が響く中、友奈は跳躍のお陰でヴァルゴの真上に行くことに成功する。
「うぉおおおおお!勇者パァーンチ!!」
友奈の上空からの攻撃が見事に当たる。
体積の3割程を拳で持っていくとは、何とも凄い事である。
精霊である牛鬼のお陰でもあるが……。
「勇者部の活動は、みんなの為になることを勇んでやること、私は讃州中学勇者部、結城友奈!私は勇者になる」
この日、東郷海斗や結城友奈たちの日常は一旦終わりを告げた。
そして、5人に新たなる日常が舞い降りる。
今回も前回同様、花言葉を弄ったものがサブタイです!分かったなら感想でお答えを!
後、誤字脱字などがありましたらご報告お願いします!
P,S,
そう言えば主人公紹介してなかった。
名前:東郷海斗 真名 日守陽向
外見:身長は160前半で、青墨色の眼、顔はそこそこ良い。髪は茶色混じりの黒。
誕生日:7月30日
血液型:A型
星座:獅子座
好き:美森、柿ピー、勇者部のみんなや家族後春信さん
嫌い:大赦、仲間を傷つけるやつ、
趣味:読書、料理、プログラミング
特技:プログラミン・剣道
「東郷海斗は勇者である」を「ゆゆゆ」風に略すと「とかゆ」になるけど、どう思う?
10月26日に血液型追加しました。