遅れてスイマセン!
今日は待ちに待ったクリスマス、勇者部のみんなもクリスマスに浮かれていた。
「まさか、全員サンタ服を着ることになるとは……」
「そうだな……にしても相変わらず、大赦の奴らは
このように、海斗と景夜もサンタ服で過ごしている。
先程からそこら中でどんちゃん騒ぎが起きている。
こうなったのは、昨日の園子ズの発言の所為だ。
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「ねぇねぇふーみん先輩、明日のクリスマス会は全員サンタ服着用ってのはどうですか~?」
「私も園子先輩の意見に賛成です!やりましょうよ風先輩!」
「アンタたちねぇ、前日に言われてもそんなの用意出来るわけ……いやアンタたちだったら出来るか」
最初は呆れたように言っていた風も、園子ズなら出来ることを思い出して投げやりになってしまう。
海斗は飛びつくように風と園子ズの間に入る。
「納得しないで下さいよ風先輩!園子ズも言うんだったら前日じゃなくてもっと前からだな~」
段々説教臭くなってきた会話を、景夜が止めに入る。
「落ち着けよ海斗、それに説教臭いと嫌われるぞ」
「景夜……でもなぁ、今から用意するとなると結構面倒だぞ」
海斗は景夜の言葉によりお説教を止めて、真剣にサンタ服をどうするか考え始める。
その時、園子(中)が思い出したように飛び跳ねた。
「ピッカーンと閃いた!」
「オオ!来たか、どんなのが閃いたんだ?」
「それわねそれわね――」
園子の案は突拍子もないことだが、意外に現実味もあるものだ。
その内容とは、大赦に頼んで至急サンタ服を用意してもらうとのことだった。
「それって出来るのかにゃ~?」
「そうだな……案外できるんじゃないか……?分からないが」
北海道民と沖縄民が何か言っている。
海斗からしたら、あんまり迷惑は掛けたくないのだが。
園子ズにお願いされてしまったら、断るに断れない。
「いいんじゃないかな?海斗君」
「友奈……それもそうか」
「カゲヤ君も手伝って上げなよ?園子ちゃんに悲しい顔させていいの?」
海斗は友奈(結)に景夜は友奈(高)に背中を押される。
「どうする景夜?」
「ここまで来たらやるしかないだろ、大赦に言って準備してもらおう。足りなそうだったら、どこかから借りてくればいいしな」
これが、今回のクリスマス会全員サンタコスプレ事件の原因だ。
因みに、海斗が春信から聞いた話によると。
全て業者にオーダーメイドで作らせたらしい、今回のクリスマス会が終わったらプレゼントとして貰っていいだとか。
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「海斗先輩、今日も凄い盛り上がりですね」
「樹ちゃんの言う通りね、今回はお疲れさま海斗」
「そうね、今回はアンタも頑張った方だと思うわ」
樹に美森に夏凜の言葉のお陰で海斗の苦労も報われるというものだ。
「それにしても……三人ともその服に合ってるね。後でみんなで写真撮らない?」
「良いですね!ひなたさんにお願いしてみましょう」
こちらも中々に盛り上がってるようだ。
「芽吹先輩!この衣装、似合ってるでしょうか?」
「ええ、似合ってると思うわよ亜耶ちゃん」
「メブの言う通り、可愛いと思うよあやや!」
「そ、そうでしょうか?」
芽吹と雀に褒めらて照れているのか、少し顔を赤くする亜耶。
「大丈夫ですわ国土さん!もし似合っていなかったら、すぐに作り直させますわ!アルフレッード!」
「いや、妄想上の執事はこないから」
「……私も似合ってると……思うから良いと思う……」
防人メンバーも日常的に漫才をやりながら、今回のクリスマス会を楽しんでいるようだ。
西暦組も静かにだが盛り上がってるようだ。
「タマはこんな広い場所が当日に借りられたことにもタマげてるぞ」
「そうだねタマっち先輩、景夜さんどうやってやったんですか?」
杏たちの疑問はこの会場だろう、ここに来て一年が経った時に借りたパーティをした場所と同じだ。
「色々ツテを辿って行き着いたのがここってだけだよ」
何も間違っていない、だって大赦にお願いしたらここでどうぞって言われたのだから。
「こう言うのも良いですね若葉ちゃん?」
「そうだな……」
時は進んで行く、騒がしかった時間も過ぎていく。
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「小学生組は並べー、今からサンタさんがプレゼント配ってやる」
景夜が白い袋片手に小学生組の三人を呼ぶ。
須美は海斗に言われ恥ずかしながらもサンタ服を着ている、海斗に「可愛いね」と言われた所為で今日一日で何回もトリップしかけてた。
園子(小)と銀はノリノリで着ている。
「何ですか景夜さん?メッチャ楽しみです!」
「何だかドキドキします」
「お兄ちゃん早く~」
三者三様の反応を見せる三人に包装されたプレゼントを配っていく。
「わぁー‼‼サンチョの着ぐるみパジャマだ!ありがとうお兄ちゃん」
園子が貰ったのは、サンチョを模して造られた特注パジャマである。
景夜が本気で作ったため、完璧な仕上がりになっている。
「私のは熊か~、カワイイな~!ありがとうございます、景夜さん」
次に銀に送られたクマの着ぐるみパジャマだ。
こちらも、銀の活発さを表して作られている。
だが、女の子らしさも気遣っており可愛さも忘れず醸し出されている。
「私のは兎ですか、凄くかわいいです!ありがとうございます、景夜さん」
最後に須美は渡されたのはウサギだ。
ウサギは寂し過ぎると死んでしまう、須美も寂しがりやの所があるのでこれが選ばれた。
「凄いな景夜、本当に手作りなのかあれ?業者とかが出してるレベルにしか見えないんだが」
「努力はしたからな、雪花の修行は辛かったけど。アイツらの笑顔が見れるなら安いもんだよ」
キザな台詞を吐く景夜はなんだか様になっていて、少し悔しい海斗だった。
ひなたはそれを見ながら、思った通りサンタ服が似合ってる景夜のことを写真に撮っていた。
「みんさん外を見て下さい」
「ワンダフォーなことが起きてるわよ!」
歌野と水都の知らせで全員で外に出る。
そこには、――
「雪だ……」
「雪だな……」
吐いた息が白く見える、外では雪が降っていた。
ホワイトクリスマス、外には大きいイルミネーションの施されたクリスマスツリーが良い雰囲気を出している。
「綺麗だね……」
誰が呟いたのだろうか、分からない。
けど、そこに居る誰もが無言で肯定しているように感じる。
二度目のクリスマス、防人組も加わり戦いは佳境に入りつつある。
でも、それでも。
今だけは、今日だけは。
何もかも忘れて、全員でこんな温かい時間を過ごしたい。
きっとみんなそう思っているのだろう。
これは、クリスマスの奇跡などではない。
これは、異常気象による偶然の雪でもない。
神樹の中に居る、名もなき神がくれたクリスマスプレゼント。
今の時間、家族と過ごす者も居るだろう、友達と過ごす者も居るだろう、恋人と過ごす者も居るだろう。
もしかしたら、一人で過ごす者が居るかもしれない。
でも海斗は、忘れないで欲しいと思った。
こんなにも綺麗な景色を、一緒に見上げる誰かがこの世界に居ることを。
一人じゃないとは言わない、けれどここに居るみんなのように。
会う筈の無かった
「偶然だ」と言う人もいるだろう、「運が良いだけだ」と。
そんなことを言われても彼は……東郷海斗は信じている。
この出会いが必然だったと。
例え神の悪戯だったとしても、彼は信じている。
この出会いに意味はあったんだと。
だから言うのだ、そう――
「ハッピーメリークリスマス!」
この、祝いの言葉を。
次回もお楽しみに!
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