一月十一日、今日は高嶋友奈の誕生日。
誕生日会は別の日に予定されている。
海斗と景夜の二人は形のあるプレゼントを渡す為に、二人で会議をしていた。
「海斗はもうプレゼント用意したんだよな?」
「まぁな、俺のやつは二人プレイ専用ゲームだ。千景先輩と高嶋ちゃんが二人で遊べるように難易度も高めで、かつ千景先輩だけの力じゃクリア出来ないように作った」
「……待て、お前それを一人で作ったのか?」
景夜は訝しむような視線を海斗に送るが、海斗はそれを受け流して話を進める。
「シナリオは園子ズの力を借りて、残りは自分でどうにかした。シナリオ書くのって案外楽しいって分かったよ……」
「そ、そうか……」
海斗は遠い目をしながら語っているのを見ると、園子ズは妥協を許さなかったらしい。
今日も学校に隈を作ってやってきたので、昨日も徹夜だったのだろう。
「景夜の方はどうなんだ?アクセサリ系にしたって言ってたけど」
「ああ、こっちはイヤリングだ。友奈は自分へのプレゼントは『気持ちだけで十分』みたいなこと言って、誕生日会だけで満足って感じだからな」
長い付き合いの景夜の話に、顔を縦に振る海斗。
「だから、お前と同じ考えでチカとペアで使えるイヤリングにした。両耳で色違いのやつを買って、お揃いのアクセサリとして使ってみてって言えばイチコロさ!」
「なるほど」
何だか、テンションが大変可笑しい方向に振り切れてる景夜は置いといて、海斗は彼が述べた理由に納得していた。
「それじゃあ、渡しに行きますか!」
「おおーー!」
二人の少年が、寮の部屋でプレゼントの箱を掲げて叫ぶ。
何ともシュールな光景が出来上がっていた。
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友奈(高)の部屋の前、時刻は十七時頃。
この後、十八時頃からは西暦組で誕生日会をやる予定なので、海斗からしたら早めに終わらせて邪魔しないようにしたい気持ちでいっぱいだ。
「友奈ー、入るぞー」
「ちょ、景夜!ノックかインターホン!」
昔からの仲間だからか、少しデリカシーが無いように感じる行動に驚きつつも海斗はツッコム。
玄関に上がり少し歩けば、もう部屋の中だ。
誕生日会の飾りつけなのか、全体的に可愛らしい装飾の施された部屋、中に友奈は居らず若葉やひなたと言った西暦組のメンバーが居た。
「あっ!景夜!お前、装飾の手伝いサボっただろー!罰として――」
「いや、俺の担当は料理なんだが。それに装飾はそんなに要らないって言ったのタマだろ」
「……スマン、そうだった」
景夜の言葉に精神的にライフを削られた球子を躱し、他に来ている者を確かめる。
(若葉ちゃんにひなたちゃん、球子ちゃんに杏ちゃん。……あれ?歌野ちゃんに水都ちゃん、後は雪花ちゃんに棗先輩が居ないしそれに――)
「何だか少ないね、他の西暦組メンバーは?」
「千景は友奈を指定の時間までここから引き離してもらってる、他の歌野や水都、雪花に棗さんは買い出し組だ。お菓子やらケーキやらを買ってきてもらってる」
「へぇ~、役割分担はバッチリだね。……それじゃあ、長居するのも悪いしこれだけ置いてくね。高嶋ちゃんに中にバースデーカード代わりの物があるから見てねって言っといて」
海斗はそう言い残すと、風のように去っていった。
「何だか、今日の海斗君は少し変でしたね」
「そうか、私にはあまり変わらないように見えたが……」
「タマもあんまし分かんなかったぞ」
「私も何となくしか……」
四人がそれぞれ違う意見を出す中、景夜は苦笑していた。
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誕生日会も終盤、海斗からの伝言を伝えてプレゼントの中を見る。
そこには、ゲームと付箋で書かれたUSBとメッセージと付箋で書かれたUSBがあった。
至急千景の部屋からノートパソコンを持ってきてメッセージのUSBを差し込む。
中には、一本の動画。
「見ていいよね?」
「いいんじゃないか?そのためにアイツが作ってきたんだし」
友奈がカーソルを再生のマークに合わせてクリックする。
すると、動画が始まり瞬く間に神世紀組の面々が現れる。
「ちょっと、海斗!もう撮ってるの?だったらアンタも早く入りなさいヨ」
「はいはい。えーっと、ちゃんと写ってるかな?……ゴホンっ!高嶋ちゃん誕生日おめでとう!この動画は多分今から十分位あるはずだから、ちゃんと最後まで見てね!それじゃあ、はじまりはじまり~」
海斗の少し緩い声から始まった動画。
最初は第一印象とやらなんやらの話をして、五分を切った頃からは、神世紀の中から小学生組や防人組と言ったグループからのお祝いメッセージになった。
「高嶋さんの勇気にはいつも助けられてます、いつまでも健やかに」
「高嶋先輩には助けられることも多いけど、これからは助けていけるようにがんばりま~す!」
「高嶋さんが隣にいると頼もしく感じます!アタシもそう思ってもらえるようになりたいです!」
その後は一呼吸貯めて、
「「「誕生日おめでとうございます!」」」
友奈の頬に涙が伝う、それでも動画は終わらない。
次は、防人組。
「高嶋にはいつも驚かされるは、今後も良い付き合いをよろしく」
「高嶋さんには前衛で守られることもあるので、何卒今後も私を助けて下さい!」
「高嶋は、本当の勇者に見える。私は誰かを守るために戦う人より、誰かを笑顔に出来る人の方が善いと思うから」
「しずくの言う通りだ!俺もこう見えてアンタのことは慕ってるんだぜ」
「高嶋さん――」
ここからはもう、友奈には聞こえているが聞こえていない。
次々に流れ出る自分への感謝の言葉、称賛の言葉。
そして、最後に――
「高嶋ちゃん、君に会えてよかった。やっぱり、友奈って名前の人は強いね。精神的にも、肉体的にも、でもね辛いことや苦しいことがあったら頼って欲しい。俺たちは友達だ、今までも、これからも」
また少し溜めを作り、
「誕生日おめでとう!君が生まれた今日が、君にとって世界一幸せな日になることを祈っています!」
これは、自分を多く語らない少女に向けられた祝福の言葉。
もちろん、一番は――
「ありがとう!みんなが友達になってくれたことが、私が貰った世界一最高のプレゼントだよ」
ともだち、彼女の最高のプレゼント。
遅れ気味でスイマセン
次回もお楽しみに!
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