いい人になりたいだけだった、TS転生   作:茶蕎麦

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第十四話 間違えてしまいました!

 

 

 闇、というのに驚くほど縁がある女子高生であると、私は自分をそう思っています。幼馴染の奏台は闇の力を持っていますし、お友達に闇属性なお化けさん達が沢山いますし、そもそも私は死後の闇から這い出た存在ですし。

 暗がりは、そこそこ好きです。ただ、ずっとそこに居られるか、といえば、ちょっと無理ですね。どうしても、私は最終的に光を望んでしまうので。

 人が真に休むことが出来るのは、瞼の裏の暗黒でしょう。それを、望む感情を私はよく理解しているつもりです。けれども、目を開けたくなる好奇心も忘れられません。

 だから、どっちつかずにも私は光と闇を行ったり来たり。どっちも分かった気になって、生きています。

 

 そう、それが間違いだとしても、美しくもグロテスクですらある全てに、目を背けて生きていたくはないのですね。

 それは、いい人の範疇ではないのかもしれません。けれども、汚いを愛でても、良いのではないでしょうか。

 

「うう……」

「悪心として見捨てるに、貴女は純過ぎますね」

 

 闇の中、暗黒を掬い上げて、私はその淀みを撫で擦ります。

 

 

 

「うー……」

「大神先輩、さっきからどうしたのですか?」

「あ……うー、ごめんねー」

 

 私の袖の端っこをちょこん。そうしてからぱっと離して私の瞳に怯えます。そんなルーチンを繰り返すのは、小さな大神唯先輩。

 長い髪をふりふりしてから、大神先輩は私に謝りました。それに、私は笑顔で答えます。

 

「全然、気にしていませんよ。ただ、何かお悩みでもありましたら、お手伝い出来たらなあ、とは思いますが」

「悩みとは、違うんだけど……うー」

「うーうー煩い奴だな……何時もの無駄な元気はどうした」

「うー……」

「市川ったら、唯先輩に辛辣ね! でも、しおらしい唯先輩もいいわ!」

「……何か用がありそうなセンパイはともかく、大一はなんで俺らに付いてきてんだ……何時も通りに三越のとこに行ってろよ」

「何言ってるの、恋と愛は別物じゃない! 別腹よ、別腹。それに毎日男の子じゃあしつこくっていけないわ。偶には可愛い物も……もぐもぐ」

「んなこと言って、センパイ見ながら、白飯かっこんでんじゃねえよ……何か怖いわ」

 

 お外でお昼ご飯を食べに、四人。皆が揃って座していれば、花柄レジャーシートの上はすし詰め状態です。奏台辺りは、そんな狭さを嫌っているみたいですね。

 まあ、確かに普段は私と奏台の二人でご飯を食べながらお空を見ているばかりの時間。それが、賑やかになって、思うところがないという方がおかしいのでしょう。

 確かに、私も鬼気迫る表情で大神先輩を見つめながら白飯ばかりを食べ続ける大一さんはちょっと怖いです。次に、スポーティ少女はじろりと私を見つめました。

 

「山田さんもとっても可愛いから箸が進むけれど……やっぱりその可愛らしくないおっぱいは敵ね! もぐもぐ、あれ、何だかご飯が塩辛いわ!」

「大一さん、目から……」

「星の胸見て悔し涙流してんじゃねえよ……それでも白飯食うの止めないとか、どんだけ食い意地張ってんだ……」

「悔しいけれど、可愛い二人の間でご飯が甘じょっぱくて美味しい! さて、煩い市川はスパイスになるかしら……駄目、フツーね! もぐもぐ。おかわり」

「わっ」

「普通でも、食べ続けるのか……って、おい! もう一箱弁当箱に白飯詰めてんのかよ……」

「もぐもぐ。こんなの、アスリートの当たり前よ!」

「そんなに炭水化物を採るのが当たり前って……お前の中のアスリートって相撲レスラーが基本なんじゃないか?」

「あはは。みっちゃんは大食いだねー……」

 

 大一さんは、流石です。小道具のご飯ひとつで奏台から沢山のツッコミを喚起し、大神先輩にあっという間に笑顔を引き出してしまいました。

 鮮やかなその手際を披露した食事量に比べてびっくりするほどスレンダーな彼女は、その大食にあわあわしていた私に再び目を向けて、続けて言います。どうしてか、手の平を差し出しながら。

 

「喉乾いたから、ミルクちょうだい?」

「え?」

「アホか! 星の胸のサイズは授乳期だからってわけじゃなくて無駄にデカいってだけだ!」

「痛あー!」

 

 奏台のツッコミが物理的に大一さんの頭に炸裂します。あ、発された大きめのぱちんという音の割には存外ソフトタッチでしたね。女の子に強く出れない彼のらしさが地味に出ています。ボケさんの大げさな反応は、反射的なものでしょうか。流石です。

 それにしても、私の胸を無駄とか、結構失礼ですね。まあ、確かに使用予定もない残念な重みですが。ただ、厚みがそこそこあるので、防御力は高いと思うのですよね。三井さんとのステゴロ勝負に勝てたのは、多分この脂肪のおかげですし。

 と、自分の胸を見下ろしていると、そこに顔が。勢いづいて飛んできたそれを、私は胸元でキャッチしました。小さい、それは大神先輩です。彼女は反射的に抱いた私の中で、機嫌を良くしました。

 

「どーん! あはは、ふっかふかー!」

「身じろがないで下さいー。くすぐったいです! あ……ちょっとブラウスが脱げちゃいました」

「ぐっ!」

「セクシーね! そして、幼馴染の痴態に鼻血を垂らす、市川はとんだエロ男! もぐもぐ」

「ほっとけ! ……お前、まだ食ってやがんのな」

「これは、いいおか……むぐぐ……」

「言わせねえからな!」

 

 私が大神先輩にじゃれられている間に、今度は奏台が大一さんとじゃれ始めました。しかし、鼻血を出しながら、女の子の口を塞ぐというのはどうでしょう。何だか犯罪的です。

 注意したほうが良いのでしょうか。

 

「やっぱり、優しい! 思い切って良かったー。あははー」

 

 けれども、私はそんなよく分からない他所のことより、間近の花に癒やされてしまいます。

 何が暗さの原因だったか不明なままですが、大神先輩に何時もの笑顔が戻ったのは、良かったのですから。

 

 

 

「山田さん」

「あ、丸井君。こんにちわ。校舎内で会うのは珍しいですねー」

『……私も居るぞ』

「勿論、見えていますよー。罰さんも、こんにちは、です!」

『ふん』

 

 お掃除の時間にお外で見つけたタバコ吸い殻が気になり、うろうろとゴミ拾いをしながら校舎に居残っていた私。それに、二つの声がかけられました。

 何時の間に、一年生ゾーンに来てしまったのでしょう。廊下にて、どこか初々しい様子の子たちに囲まれた中で目立つ丸井君と対します。勿論、奇異に見られようとも、お隣の罰さんにも、ですね。出来るのに無視してしまうのは好ましくありません。

 そんな私に何を思ったのか、罰さんはそっぽを向いてしまいました。首を傾げる私に、丸井君は笑顔で言います。

 

「罰は、照れているんですよ……まあ、それは良いですね。僕は会えて嬉しいですが……場所を変えた方が、良いかもしれません」

「ん? どうしてです?」

「汚い目線なんかで、山田さんが汚れて欲しくはありませんから」

「目線、ですか?」

『……』

 

 馬鹿な私は、丸井君意味深な言葉を理解出来ません。けれども、周囲を見渡した時に、やけに見つめられているなと感じはしました。

 そして、その数多の中に、どうにも怯えが多分に入っているような。気の所為だったら良いのですが。

 まあ、どちらにせよ下級生の中に私が馴染むことはないでしょう。遠慮なく手を伸して掴まえてから、私は丸井君を引っ張ります。

 

「あっ……」

「私がどうこうなんてまあ、我慢できます。けれども、他の方々に余計な緊張をかけるのはよくありませんね。失礼しましたー!」

 

 汚れるなら、幾らでも。それが人のためであるならば、我慢は簡単です。けれども、我慢を他人に強いるのは駄目ですね。

 唐突な上級生の登場に、皆びっくりしてしまったのでしょう。それが、きっと怯えの正体。何か違う気がしますが、それで通します。

 丸井君を連れて、私はその距離からきっと彼のお友達であるのだろう皆さんにばいばいしました。その際に、信じられないものを見るように彼彼女らの目の色が変わったのは、またどうしてでしょうね。

 何だか謎の多い一幕でした。

 

「なるほど、罰が言っていたのはこういうことか……こんなのが救い? 馬鹿げてる」

 

 丸井君の口の端からぽつりと、ひと言。それを私が拾うことはありません。ただ、声の音を聞いて、彼に振り向きます。

 

「ん。何か言いましたか?」

「何でもないですよ……はは」

『力……』

 

 でも、不明な中初めて見た彼の本当の笑顔は、どこか固いものに見えました。

 

 

 

 適当な世間話をしてから、さようなら。幾ら私でもそんな当たり前くらいは出来ます。まあ、お化けのお話がその中に混ざっているのは、通常ではありませんか。

 まあ、そんなこんなで私は丸井君と罰さんと別れて、一人きり。どうしてか彼に指定された校舎裏での歓談の後。少しの寒さに私は身震いしました。

 

「丸井君らには先に行かせましたが、私も直ぐにこの場から帰らせて頂きましょうか」

 

 日陰の、僅かな闇。じめじめを嫌うのではありませんが、ひんやりしていて長居はちょっと無理です。もっと厚着だったらダンゴムシ探しに興じられるのですが。

 疾く、陽の下に出ようと歩み、そうして私は校舎の影から脱しました。そうして、ふと気配を感じて私は校舎の角に人影を見つけます。

 とても私よりも年かさの人のものとは思えない小ぶりなそれは、やっぱり大神先輩でした。止まった私を見上げて、彼女は呟きます。

 

「山田さん、あの子、とも仲いいんだね……」

「ん? あの子……ひょっとして、大神先輩、丸井君のこと、ご存知だったのですか?」

「うん……あんな子、中々居ないから」

「かもしたら、ここで私達の会話、聞いていらしたのですか? そんな大したこと話していなかったのですが、だとしたらちょっと気恥ずかしいですー」

「まあ、聞いていたよ? あんなトゲの塊のような暗黒いじめられっ子に、山田さんが何されるか、心配だったから」

 

 とても暗い、大神先輩の様子。そんな何時もと離れた姿の彼女から、想像もしなかった言葉が飛び出ました。

 トゲ、暗黒。そんなものよりいじめられっ子、という文句が気にかかります。私は、大神先輩に問いました。

 

「いじめられっ子。それは丸井君のことですか?」

「うん。でも、心配しないでいいよ。あの子は誰彼構わずそのトゲでいじめているのそのままを返されているだけ。因果応報だから」

「よく分からないですけれど、何か私の見ていないところで、いじめるとかいじめないとか、そんな事態があったのですか……何とかしないといけませんね」

 

 トゲとか、私が見ている丸井君からは、これっぽっちも伺えません。彼が私をボードゲームで嵌める時には、嗜虐性が表出ますが、それくらいです。

 けれども、人に多面があることは、当然。信じたいですが、丸井君が知らないところで悪いことをしているというのも、あり得ないとは言い切れないところがあります。

 そう、何時もの丸井君の笑顔の仮面の意味を思えば、もしかしたら。懐かない他人に悪さしてしまうことも、ありかもしれません。

 問いただすべきことを知った私は、感謝を伝えるために、大神先輩へと向き直ります。しかし、視線が合うことはありません。彼女は下を、向いていました。

 

「……悪い子が悪い目に遭うのは、当たり前じゃない?」

「そうかもしれません。でも、私は誰だって悪い目にあって欲しくはありません。だから、悪いところがあったら直して貰うために、動くばかりです」

 

 大神先輩の言葉に、私はそう返します。

 悪いことをしてしまう、その気持ちは自体は私も分かるのですね。だって、ソッチのほうが楽ですから。いいことをやり続けるというのは、大変です。

 だから、私は心の悪を否定しません。けれども、悪心に任せて悪行をすることが当人と周りを苦しめることが明白だったら、諌めることくらいはします。

 それが無理で、私が悪に負けてしまったとしても、それでも、私は止めません。こんな身勝手な私、嫌われても、仕方ありませんね。それでも、愛されたいのが困ったところですが。

 

「ふ、あ……」

「う、うぅ……」

 

 私は自嘲に力なく唇を歪め、そうしてどうしてだか大神先輩は涙を零しました。

 溢れる滴、はらはらと。煌めきが美しくとも、それは悲しいもの。故に、少しでも寄り添えればと、手を伸ばしました。

 しかし、大神先輩は私を見上げて、びくりと震えます。それでも手を引っ込めない私に、彼女は叫びました。

 

「うぅ……やだ! 私悪い目にも遭いたくないけど、もっと、もっと、山田さんに叱られたくない、嫌われたくないよお!」

 

 少女は駄々を、いやいやをします。ごねて、震えて苦しんで、そうして縮まった彼女。

 そんな、自分に閉じこもってしまった大神先輩に、私はわざと触れます。出来るだけ優しく、伝えるように。

 そして私は、口を開けました。

 

「大神先輩は、悪い子、なのですか?」

「そうだよ! 闇の世界で、私は全てを虐げてきたの! 何せ、お父さんは魔王で、私はその娘だから! そんなお父さんがこっちの世界で直接山田さんに近づいたって聞いて、心配で! それでも、今まで本当のことは言えなくて……」

「闇の世界、そうなのですか……」

 

 奏台がそれを舞台にして、戦いを続けているという闇の世界。教えてくれないので、闇人が存在するということしか私は知りません。けれども、何となく、それとなく。私は大神先輩がそれと関係していたことに納得を覚えます。

 

 予感を覚えた、大神先輩との、あの出会い。小さい闇人を見えないはずの遠くから感じて近づいて、そのことを忘れることすらなかった、そんな彼女。

 きっと大神先輩は、知らないふりをしていただけで、闇人を見知っていた。それに奏台の闇の力が効かなかったということは、既にそれに染まりつくしているとは考えられなかったでしょうか。

 そう、始まりには嘘があった。動機は分かりませんが、そこから奏台に粘着したのも、故あることだったのでしょう。表立っていた、無意味な稚気によるものではなかった。

 そんなこんなを、悪いと彼女は悲しんでいる。そして、悔いているのはそれだけではなかったようです。私の胸中で、彼女は言います。

 

「山田さんも、市川君も、皆、みーんな! いい子過ぎるんだよお……こんなの、私が、酷く醜いみたいに思えちゃうじゃない!」

 

 その叫びには、胸に期するものがありました。無思慮な私のせいで、他が傷つくのは認め難いことです。

 けれども逃げずに、その痛みを噛みしめる私の前で、すがりつく言葉が続きました。

 

「こっちでは無垢な子のフリして、あっちでは、嫌いは徹底的に殺した。好きは台無しになるまで遊んだ! 私には、暗い血が玩具だった! この世とあの世を行き来して、そんなことすら出来ない他を下に見て、私はずっとヒネていたの!」

 

 私は幻視します。善を知らずに、見知った悪ばかりを行う返り血まみれの大神先輩を。

 それは、小さな暴君。他人の気持ちを理解出来ない、そんな少女。とても悪く、叱って直さねばなりません。そして、損なわれた全てに対して、贖うことも必要でしょうか。

 けれども、すっかり怯えてしまっている彼女をどう叩けというのでしょう。私は、強く、抱きしめ直しました。

 

「でも、私の遺伝と違って似た能力持ちで闇に親しんでいる、きっと正体はあの勇者なのだろう市川君を私は見つけてその隣の女の子も見定めて、そうして私は初めて他人を同等と考えた! なら、友達になれるんじゃないかな、って思ったの! 思いたかったんだよお!」

 

 知らず、会う前後で大神先輩は変わっていたのですか。ああ、だから私は去年に見た彼女と、今の大神先輩を結び付けられなかったのですね。

 人を人と思わない冷たい目の少女と、見定めるために視線を熱くし縋り付く大神先輩。それは、違って見えるはずです。

 

「今更、私の腐った性根は直せないのに……悪い子なのに、何時かは滅ぼされるんだって、お父さんだって言っていたのに……それでも、愛されたいって思っちゃったの」

「良いのでは、ありませんか?」

「え?」

 

 目の前の大神先輩は悪い子。それは、分かりました。確かに、そのために何時か行いのしっぺ返しが来てしまうのかもしれません。

 異世界での悪行。私に知れないからとはいえ、それは確かにあったこと。けれども、私は関していません。だから、目の前の少女はただ愛おしい暗がりでしかないのです。故に、言えることは一つだけ。

 

「私は、愛しますよ」

「それは……きっと、良いことじゃないよ? むしろ、悪いこと……わぷっ」

「だから、どうしたのですか。私は欲され、差し出そうと思いました。……それだけ、なのですよ」

 

 私は、いい人になりたい。けれども、そのために生きてばかりではありません。様々に間違えて、それでも私は懸命に模索します。

 そう、ひたすら真っ直ぐに進む以外を否定するのは、よくありません。悪しくあっても、それは生で。なら、変われる。裏切られても、そう信じていたいのです。変わる力を育むために、私なんかの愛が要るのであれば、いくらでも。

 更に言えば、私は既に反省している人をいじめる趣味はないのですよ。だから、私は叱らず嫌わず、ただ語るのです。

 

「私なんかが間違って、それで貴女が幸せになって、そうして……人に優しくなってくれるのだったら……それで良いのです」

「本当、に?」

「ええ。一度の間違いやり直し。それがどうしたのですか。再スタートは何時だって出来ます。そんなことより、貴女が気づいた罪の重みを軽くすることの方が先決です」

「罪……」

「潰れないで下さい。そうなってしまったら、私が、悲しい」

 

 そう、これは結局は、彼方の人々よりも目の前の少女を選んだ私のエゴ。だから、本音を伝えるのに迷いはありません。

 泣かないで。ただ、私がそれを見るのが辛いから。口にするまでもなく、指先で彼女の目尻を拭って、私はそれを表します。

 しかし、涙は次々溢れて、止まりません。なら、ぎゅっと、包み込んでしまいましょう。そうすれば、冷たくはないでしょうから。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい! 私、人がこんなに温かいって、知らなかったの!」

 

 引っ付く少女の叫びを、身体で聞いて。私は自分の間違いに満点を付けました。

 正しいからと、それ以外を否定するのは簡単です。きっと本当にいい事は、疾く無理にだって正すこと。でも、汚くても醜くても、生きていていい。それだって、当たり前のことですから。

 優しく、そうして本人に直して貰う。その間ずっと信じることくらい、します。その思い伝えたくて、だから触れるのでしょう。

 

「よし、よし」

「うう……ありがとう、ありがとう……」

 

 

 闇の帳を気にせずに、私達はそのままずっと、一つでした。

 

 

 


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