ビブロフィリアの駄作書庫   作:負け狐

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以前途中まで書いてあったのをサルベージ


よく分かる!加工しやすい死体の作り方 第二十刷
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 ペラリ、とページを捲る音が鳴る。その部屋の主は黙々と、表情を変えることなくその本を読む。

 が、ある程度のところまでいくと、溜息と共に本を閉じた。

 

「ゴミ」

 

 一言。声色は美しく、部屋の主であるその人物、女性の魅力を引き立てるであろうその口から発せられた言葉。それは短く、そして攻撃的であった。やれやれと肩を竦めた彼女は、しかし吐き捨てるような評価をした本を丁寧に背後にある本棚に仕舞いこむ。

 別段感慨もなく、仕舞ったそれを一瞥することもなく。彼女は本棚の別の本に視線を移した。背後ではなく、その隣。部屋を囲っている多数の本棚を眺め、少しだけ考えるように顎に手を当てた。

 

「あー……整理も飽きてきた」

 

 ぽつりと呟く。ガリガリと頭を掻き、その拍子に長い髪がさらりと流れるのを気にすることもなく、彼女はそのまま視線を足元に向ける。

 箱に詰められた大量の書物。それを見て、疲れたように彼女は溜息を吐いた。

 

「どうせ、これも」

 

 言いながらその中の一冊を手に取る。ペラリペラリとページを捲り、そして予想通りだと頭を振った。

 こんなものは見飽きた。そう呟きながら、先程仕舞った場所の隣のスペースにその本をねじ込む。再度椅子に座ると、目の前の机にぐだりと体を投げ出した。

 

「つまんねー」

 

 長い髪と少々低めな身長、それとは少し不釣り合いな女性らしい体つき。他人が評価するならば『可愛らしい』と称されるである女性、否、少女と言っても問題ない彼女から発せられた言葉は、またしても似合わないもの。目を細め、顔だけを前に向けると、何でこんなことをやっているんだかと一人ぼやいた。

 自業自得じゃないですか、とそんな彼女に声が掛かる。視線だけをその声の方向に向けようとした彼女は、しかし届かなかったので仕方なく顔を動かした。

 やれやれ、と呆れたように肩を竦める金髪の少女が立っていた。白を基調としたブラウスと薄い青のネクタイが几帳面な雰囲気を醸し出しているその少女は、つかつかと彼女の机まで歩みを進めると、はい、とカップをそこに置く。

 体を起こした彼女は、そのカップに入っていた液体を見て少しだけ顔を綻ばせた。

 

「ん。流石ガレット」

「はいはい」

 

 ガレット、と呼ばれた少女はそんな彼女の言葉を軽く流し、それでどこまで進んだのと問い掛ける。何を、というのは聞かない。分かり切っていることを聞くほど愚かではないのだ。

 

「半分、くらい、かなぁ?」

「……フィリア。貴女真面目にやっているの?」

「やってるさ。だから半分なの」

「……成程」

 

 やれやれ、とガレットは肩を竦める。自分用に持っていたカップの液体に口をつけると、彼女も箱の中の書物を一つ、手に取った。

 どれどれ、とそれを捲り、少し目を瞬かせ。パタンと閉じると先程フィリアが行ったのと同じように背後の本棚にそれを仕舞い込んだ。

 

「まだ読んでないんだけど」

「読む必要があるのですか?」

「ねーよ。けど、読まないのはあたしのプライドが許さない」

「……はいはい」

 

 取り出し、それを差し出した。うむ、と本を受け取ったフィリアは、しかし開いて一分も経たない内にそれを閉じる。

 うんうん、と頷くと、立って待ち構えているガレットにそれを差し出した。

 

「ゴミ」

「分かっていたでしょう?」

「さっきも言ったけど、プライドの問題よ。読まないで判定したら、三流以下になるじゃん」

「はいはい」

 

 肩を竦め、ちらりと箱を見る。恐らくここの本の殆どは今フィリアが発した言葉が評価になるに違いない。そんな分かり切った予想を立てたガレットは、やれやれと頭を振った。

 少し気分転換でもしましょうか。そう言ってフィリアに手を伸ばす。あん? とそれを眺めたフィリアは、逡巡するとまあいいかとその手を取った。

 

「どうせなら、読み直しがしたい」

「何ですかその読み直しって」

「マズいものを食べた後は口直し、ならゴミ本を読んだ後は読み直し」

「なら、目直しとかでいいのでは?」

「目直し、かぁ」

 

 まあどっちでもいいや。そんなことを言いながら、立ち上がったフィリアはううんと伸びをした。

 

 

 

 

 

 

 魔法使い、という職がある。書物などに書かれている華やかな、あるいは忌諱されるようなものではない、しかし知らない者は鼻で笑うような職業。ただし知っている者にとってはその力を喉から手が出るほど欲するほどの、そんな職業。

 で、あったのは少し前の話。デジタルの普及に伴い、魔法使いの希少性は段々と薄れてきた。成り方さえ知ってしまえば、割と簡単に片足を突っ込める、そんな職に成り果てた。

 しかしそれらは所詮にわか。未だに存在する本物と比べればやはりそこには絶対的な差が存在する。それを本人が自覚しているかどうかは別として。

 

「ガレット」

「何?」

「本、よこせ」

「ありません」

「つまり、騙した、と」

「人聞きが悪いですね」

 

 そんな『本物』の一人は喫茶店で現在ぶうたれていた。ふざけんな、と対面の少女に食って掛かり、はいはいと軽く流される。その拍子にテーブルの上のティーカップがガシャリと音を立てた。

 ちぃ、と見た目にそぐわない表情で舌打ちをしたフィリアは、そのまま頬杖をつきガレットを睨む。これで一体何の気分転換が出来るというのか。そんなことを述べた彼女は、変わらず笑みを浮かべているガレットを見て再度舌打ちをした。

 

「フィリア。もう少し女性らしい行動を取ったら如何です?」

「知らん」

「見た目はいいのに、もったいないですね」

「余計なお世話だ」

 

 三度目の舌打ち。残っていた紅茶を飲み干すと、やることないなら帰ると彼女は告げた。こんなことなら部屋で本の整理をしていた方がなんぼかマシだ。そんなことを思ったのだ。

 ちょっと待ちなさい、とガレットはフィリアを呼び止める。なんじゃい、と立ち上がりかけたフィリアが彼女を睨むと、もうそろそろだからと微笑み、述べた。その顔はとても穏やかで、フィリアを可愛らしいと表現するのならば彼女は美しいと表現するのが適切に思えて。

 ふう、と息を吐いたフィリアは座り直した。この顔は駄目だ。こいつがこの顔をする時は碌な事がない。ただ関わらないと余計に面倒になる。そんなことを連想し、不満気に紅茶のお代わりを注文した。

 

「理解が早くて助かります」

「言ってろ」

 

 四度目。ガレットから視線を外し、店内を眺める。別段変な場所があるわけでもないし、怪しい人物もいない。ならば、何か厄介事があるとすればこれからくる何か。

 盛大な音が鳴った。外から店内を、あるいは店内から外をある程度覗けるように誂えてあった窓ガラスが木っ端微塵に吹き飛び、一台の車がそこから生えた。それが外から突っ込んできた暴走車だと気付いた時には、既に店内はパニックになっていた。

 なにせその車は、そこで止まらず更にタイヤを回転させ始めたのだから。

 

「うへぇ」

 

 テーブルを薙ぎ倒しながら暴走車は唸りを上げる。逃げ遅れた客の一人がバンパーにぶつかり悲鳴を上げた。幸いなのはそこに追撃が来なかったことであろうか。

 衝立とぶつかり耳をつんざくような破壊音が響いた。そこにあった植木は鉢ごと砕け散り、暴走車のフロントガラスにぶち当たる。蜘蛛の巣のような罅が入り、運転手の視界を奪い去った。

 あるいは、眺めていた二人に運転手の顔を隠す役割を果たした。

 

「フィリア」

「え? 本気?」

「どうしてそんなことをわざわざ?」

 

 フィリアの問い掛けの答えになっていないようなその返し。だが、それで彼女は十分だった。まあそういうことなのだと理解した。

 それでも一応、とフィリアは視線を暴走車からガレットに向ける。

 

「これからの予定は?」

「気分転換ですけど」

「……さいですか」

 

 頭を振ると、フィリアは暴走車に視線を戻す。店内を破壊しながら、どんどんと勢いを増しながら、車は真っ直ぐに迫ってくる。危ない、という声が聞こえる。逃げて、という声が聞こえる。

 ああもう、と彼女はガリガリと頭を掻いた。やかましいな、と五度目の舌打ちをした。

 

「《少し、大人しくしては如何?》」

 

 ピタリ、とまるでそういう劇の一場面だったのかのように、その空間から音が消え去った。逃げ惑う人も、悲鳴を上げていた人も、彼女達を心配していた人も。

 目前に迫っていた車も、当たり前のように静かに佇んでいた。

 

「お見事」

「やかましい」

 

 そんな無音に響く一人の拍手の音。それを合図にしたように、今目の前の光景を理解した周囲の人達に動きが戻る。車が動かなくなったことを確認し、それから離れるように外へと逃げていった。

 周りを気にしない二人は、無造作に車に近付く。元々が再度動き出せば確実に轢かれる位置だったが、それよりも更に近くに。

 運転席のドアに手を掛けた。ガシャリ、という彼女達の来訪を歓迎しない音が鳴る。ふう、と息を吐くと、そのガラス窓を覗き込んだ。当然というかスモークガラス、中の人物の表情は伺えない。

 

「ガレット」

「私? フィリアがやればいいでしょう」

「ガレット」

「……はいはい」

 

 肩を竦めると、ガレットはゆっくりと右手を握る。ちらりと運転席のドアの取っ手を見、普通に鍵を使うタイプなのですねと呟いた。

 

「ということは、《その鍵はきっと私が持っている》でしょうね」

 

 はい、と右手を開く。先程まで何もなかったそこに、一つの鍵が握られていた。

 それを運転席の鍵穴に差し込み、回す。当たり前のようにロックを解除し、当たり前のように運転席は彼女達を迎え入れた。

 

「あれ?」

「どうしました?」

「いや、てっきりもぬけの殻だと思ってたから」

 

 運転席に座っているものを見てフィリアは目を瞬かせた。それは残念でしたね、とガレットは笑い、ハンドルの下に刺さっていた車の鍵を引き抜いた。先程彼女が持っていたものと同じ形をしたそれには、キーホルダーがくっついている。

 

「随分豪快な招待状ですよね」

「迷惑限りないんだけど」

 

 そう思うよね、と運転席に座ったままになっているものをツンと突付いた。それはされるがままに首が傾き、飛び出ている目玉がゆらゆらと揺れる。デロリと垂れたままになっている舌が、それとは逆方向に動いた。

 

 

 

 

 

 

「で」

 

 とある一室。そこでテーブルを挟んだ向かい側にいる男性に向かい、フィリアは文句しかないという表情のまま言葉を続けた。

 何で自分達は捕まっているんだ。そう述べると、男は盛大な溜息を漏らす。

 

「逆に聞くが、どうして捕まらないと思った?」

「何もしていないもの」

「うん」

「……そうだね。ビブロフィリアは百歩譲ってそうかもしれない。が、マーガレット・ベルンシュタイン、君は別だ」

 

 ピクリ、と涼しい顔をしていたガレットの眉が動く。心外だ、と言わんばかりのそれを見て、彼はもう一度溜息を吐いた。

 なあビブロフィリア、とその隣の少女を呼ぶ。その疲れたような声に反応したフィリアは、知らんとばかりに肩を竦めた。それで充分だったのか、彼はそうかと短く述べた。

 

「それよりもミナちゃん」

「ミナちゃんと呼ぶな!」

「じゃあキリエちゃん?」

「まずちゃん付けをやめてくれ」

 

 霧江水無月、紛うことなき成人男性である。色の薄い髪は彼がそういうことに無頓着であることを証明するかのようにボサボサであり、ヨレヨレのコートが更に情けなさを増している。不潔ではないのが幸いだが、それは彼の功績ではないのでプラスにはならない、というのがフィリアとガレットの評価であった。

 色々と疲れ切ったように項垂れた水無月は、話を続けていいだろうかと二人に述べた。

 

「今日の夕方、喫茶店に暴走車が突っ込んだ。被害者は数名、いずれも軽傷で済んでいる」

「あら、それはよかった」

「……車の狙いはマーガレット、君だったようだ。あの時間君があそこではなく人気のない場所にいたのならば、軽傷の被害者はゼロだっただろうね」

「不幸な偶然ですね」

 

 さらっとそう述べるガレットを見て、フィリアはやれやれと肩を竦める。これ見て何でこいつの方が常識人だと認識されるんだろう。そんなことを独りごちた。

 まあこのままでは話が終わらない。そう判断したフィリアは水無月に向き直る。それで自分達がここに拘束されている理由は何だ、と。

 彼女の最初の質問と同じようなそれを聞いた水無月は、しかし今度は真面目な表情で頷きそうだったなと返した。本題に入ろう、とガレットから奪い取った暴走車のキーを机の上に置いた。

 

「ビブロフィリア」

「なんじゃい」

「この招待状とやらは、どういう意図のものだい?」

「自分で調べられるでしょうが。何であたしに聞く」

「君の方が正確で素早いからだ」

「ちっ」

 

 今日何度目だ、とそんなことを思いながら、フィリアはキーホルダーを手に取った。タグのようなそれを眼前にかざすと、何かを睨むように目を細める。

 

「ったく、もう。《ありがたく読ませて頂きますわ》」

 

 タグが弾けた。文庫本程度の大きさになったそれは、手紙らしき文面が書かれている。

 マーガレット・ベルンシュタイン様、貴女に是非お会いしたい。つきましては、お近付きの印に粗品を送ります。喜んでいただけると幸いです。大体内容はそのようなものであった。裏にはご丁寧に地図がついている。

 

「粗品、か」

 

 水無月はそう呟き顔を顰めた。相変わらずふざけた輩だ。そんなことを吐き捨てるように続け、ジロリとガレットを睨む。嬉しそうな顔をしている彼女を睨む。

 

「マーガレット」

「何でしょう」

「あれはこちらで回収させてもらうが、構わないね?」

「構うに決まっているでしょう!? 何を考えているの!」

 

 バン、と机を叩いてガレットは立ち上がる。先程までの余裕の笑顔はどこにもなく、ただただ不満だと怒る等身大の少女の姿がそこにあった。

 ああ、これがもう少し違う理由だったのならば微笑ましかったのだが。そんなことを思いつつ、何度も言っているがと水無月はガレットに指を突き付けた。

 

「一応曲がりなりにもここは日本だ。人の死体を粗品だからという理由ではいそうですかと渡せん」

「ケチで狭量で、まったく最低」

「年若い少女の無残な死体を喜んで貰い受けようとする狂人よりはマシさ」

「あら、そうでしょうか?」

 

 どっちでもいい、とフィリアは思う。死体を喜ぶガレットも、死者を悲しむ水無月も。どうでもいいから、早く帰らせろ。それが今現在の彼女の偽りなき心境であった。

 そもそもここには本がない。暇を潰す一番の娯楽が存在しないのだ。二人のアホみたいな会話を聞くのはそろそろ飽きた。本を読ませろ。

 

「ミナヅキ」

「ああ済まないビブロフィリア、君にも聞きたいことはあるからもう少し――」

「ちょっと持ってくる。《こちらの本は如何でしょう》」

 

 彼女の手がブレた。そしてそれがハッキリすると、そこには一冊の本が握られている。ハードカバーの装丁がされたそれは、図鑑か、あるいはそれこそ。

 

「所構わず魔導書を呼び出すな!」

「だからちょっと持ってくるって言ったでしょうが」

「……ああ、そうだね。まだ一応言うだけマシか……」

 

 ガクリと水無月は肩を落とす。そんな彼を気にせず、フィリアはペラリとその本を捲った。数ページ読み、そしてげんなりした表情に変わり、しかしそのまま読み続ける。

 つまらないものを持ってきてしまった。何かを諦めたように彼女はそう呟いた。

 

「そう思うなら、読まなければいいでしょう?」

「今すぐ帰っていいのなら、あたしだってこんなもん読まんわい」

 

 ガレットの言葉にそう返し、彼女は目の前の彼を見る。つまらない本のページを捲りながら、それで聞きたいことは何だと口にした。

 ああ、そうだった。我に返った水無月はそんなことを呟きながら机の上の書類を手に取り、そして先程の招待状をそこに重ねる。そうしつつ、なら手短に聞くぞ、と彼女に述べた。

 

「犯人に心当たりは?」

「あたしに聞くな」

「君以外の誰に聞けと言うんだ」

「ガレット」

「本気で言っているのかい?」

「……勿論」

 

 思い切り視線を本に向けながら、水無月の問い掛けに間を開けながら。フィリアはそれだけを言って言葉の締めとした。どう考えても否定でしか無いそれを聞いた彼は、分かっているじゃないかと肩を竦める。面倒臭い、というオーラを全身から放っている彼女を見ながら、それでも、と言葉を続けた。

 

「いや、だからこそ、か。ビブロフィリア、今の頼りは君しかいない」

「知らん」

 

 バッサリと切り捨てる。まあ分かっていたが、と溜息を吐いた水無月は、どうしたものかと顎に手を当てた。魔法使い、とりわけ魔女と評される連中の中でも彼女は比較的まともで付き合いやすい相手だと彼は思っている。だから、こういう時はどうしても彼女を当てにしてしまうのだ。ちなみにビブロフィリアの世間の評価はすこぶる悪い。

 ともあれ、今回のように機嫌の悪い時のフィリアを宥めるのは骨が折れる。長いとは言えないが短くもない付き合いだからこそ、何とかする方法を思い付きそうで思い付かないのだ。

 

「今度、何か食事でも奢ろう」

「いらね。今のあたしは食い物で釣られん」

「……そうか。では、何か欲しいものを――」

「今すぐ帰らせろ。本読ませろ」

「まあ、そうなるよな……」

 

 はぁ、と水無月は再度溜息を吐いた。これは今日は無理かもしれない。そう判断した彼は、仕方ないと書類をまとめて封筒に入れた。ビブロフィリア、と目の前の彼女を呼ぶと、済まなかったと頭を下げる。

 ん? とそんな彼の行動に首を傾げたフィリアに向かい、水無月はまた今度にするよと苦笑した。

 

「ん。そういう物分りの良いところ、あたし好きだな」

「はいはい」

 

 んじゃ遠慮なく、とフィリアは立ち上がる。パタンと本を閉じ、固まっていた体をほぐすように伸びをし。手をヒラヒラとさせながら、部屋の扉に足を向けた。

 

「案外素直に帰すのですね」

「今は無駄なことに時間を費やす余裕はないのさ」

「あら、そう」

 

 クスリと笑うと、ガレットも同じように立ち上がる。まさか自分はこのまま残れと言わないよな、と目で訴えた彼女に向かい、水無月はふんと鼻を鳴らすことで返答とした。

 

「マーガレット」

「何でしょう?」

「君は碌な死に方をしないな」

「知っています」

 




勘を取り戻すリハビリも兼ねてます

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