騎馬戦も残り半分を切ったところで私達は本格的に動き出す。
狙うは葉隠ちゃんのハチマキ。
心操さんが手を伸ばすが、その手は空をきった。
「そう簡単にハチマキは渡さんよ。」
葉隠ちゃんは金の打ち槌を持っている。
小槌さんがいつも持っている打ち槌だ。
「一筋縄じゃいかないか。」
「・・・」
へ?
おしゃべりな葉隠ちゃんが喋らない⁉︎
小槌さんの方を見ると、ニタッと笑っている。
「成る程、小槌さんの仕業ね。」
「その通り。東方のポケットにいた時、奴が人を操って障害物競走しているのを見てね。奴の言葉に答えるなって二人に伝えたんだ。」
私のポケットの中からそんなことを見ていたなんて、凄いわね。
「それにしても何故、君は操られていない。」
「さあね。効きにくい体質なんだと考えているけど、さっぱりね。無理矢理でも二人(葉隠ちゃん・耳郎ちゃん)の口を開けてあげる。」
「どうやってさ。言っておくけど彼と話す気はないよ。」
心操さんの足のふくらはぎら辺に文字と絵を書く。
「裸でいるのにEもあるのか!恥ずかしくないのかよ。」
「なんで知っているの!あ・・・」
「そんな!あ・・・」
洗脳完了だ。
「ハチマキを渡せ。」
葉隠ちゃんからハチマキを貰う。
「じゃね、小槌さん。流石に他人のパーツを小さくできなかったみたいだね。」
「おい、葉隠・耳郎大丈夫か!」
「あ、ハチマキがない!待て、穂稀ちゃん!」
「悔しかったら追ってみなさい。ただし足元には要注意よ?」
「口田、耳郎待て!下をよく見ろ。」
葉隠チームの足元には、雑草が育っていた。
「その草はトラップ草って言って、踏んだ瞬間絡まる性質あるわ。動かないことが無難よ?」
飛び越えることは可能だが、助走なしで高さ1m・幅2mは飛行系がない葉隠チームには難しいだろう。
残り時間が残り僅かになった時やってきたのはB組のチーム、確か物間さんとか言った人が騎手だ。
ハチマキを取ることはせず私に触れた。
「へ?」
「君の個性を使わせて頂くよ。」
《ミッドナイト、すぐに試合を止めろ‼︎》
《え?し、試合終了〜‼︎》
唐突に試合を終了した為、会場からブーイングの嵐だ。
ブラドキング先生と相沢先生が降りてきた。
「物間!すぐ誰かの個性をコピーしろ!」
怒るブラドキング先生に物間さんは騎馬の誰かに触る。
それを確認後、相沢先生はマイクを待ち喋る。
《試合を終了させたのは、ここが戦場になりえるからだ。東方、言っていいか?》
おそらく個性について喋っていいかと言うことだと感じとる。
「いいえ、私から言います。」
相沢先生からマイクを渡される。
《私の個性花を咲かせたりできますが、先生が止めた理由はもう一つの効果を警戒してです。一見は分かりにくいかもしれませんが、花の能力を使えます。つまり幻覚を見せたり、麻痺らせたりできます。場合によっては死の危険もあります。》
それを聞いていたプロヒーローは驚きの顔をしている。
《私は個性の強弱で事なきをえていますが、彼はどうでしょう?おそらく私に触ることによってできる変化系の個性でしょう。彼が私の個性を発動させた時、ここは墓場となりえます。》
プロヒーロー達は生唾を飲む。
相沢先生が止めたとしても、すぐに限界がくる。
《試合を途中で止めた理由は、そんな訳だ。ミッドナイト、今の状態でいい。結果を出せ。》
《えぇ、結果を発表するわ。一位緑谷チーム、なんと終始千万ポイントを死守したわ!二位爆豪チーム、どこでも飛べる騎手と回収できる騎馬が良かったわよ!三位轟チーム、緑谷チームに挑まずポイントを奪っていればもうちょっと上行けたわ!そして四位は心操チーム!》
四位か、残念。
五位は鉄哲チームで、六位が葉隠チーム。
他は0ポイントだ。
葉隠チームなんとかトラップ草を突破し、ポイントを奪った時に終了したみたいだ。
《1時間の昼休憩のちレクエーションをして決勝戦よ。》
○
「あーあ、負けちゃったかー。」
葉隠ちゃんが悔しがっている。
「よかったね芦戸ちゃん、決勝戦行けて。応援しているよ。」
「爆豪が轟対策で入れられただけだし、結局何もしていないんだよなー。やるからにはやるけど・・・」
「それにしても、大勢の前で個性について言えたね〜。」
「そういえば穂稀ちゃんは?」
お茶子ちゃんは周りを見渡すが、見当たらない。
「轟君が話があるって連れていかれたよ?」
「もしかして、愛の告白とかかな。」
「そんな雰囲気じゃなかったよ?」
「気になるな〜。」
「こんなことなら、穂稀ちゃんに盗聴器をつけておけばよかったわ。」
「怖いよ〜。」
・
・・・
・・・・・
私は緑谷さんと同じく轟さんに呼ばれた。
「緑谷、お前オールマイトに目つけられているよな。オールマイトの隠し子が何かか?」
何を聞くかと思ったらそんなことか。
「轟さん、それは違うと思うわ。」
「なぜだ東方。」
「No1ヒーローにプライベートがあるかしら?デートしようもんなら、ファンやマスコミに囲まれるのが必死よ。ましてやオールマイトの隠し子なら、マスコミが嗅ぎつけない訳ないじゃない。」
「それもそうだな。」
「その通りだよ轟君。僕の個性が似ているから、オールマイトにが気にかけているだけで(゚Д゚;≡;゚д゚)」
緑谷さん、そんなにオロオロしていたら何かを隠しているって教えています。
納得したらしく、話始めたのは個性婚のこと。
「緑谷、もう一度言おう。お前には勝つ、左を使わずにな。」
右・・・氷結の方だけと言うこと?
「手加減のつもり?」
「右の力だけで優勝し、あいつを全否定する。」
あいつ・・・エンデヴァーのことかしら?
「君がそうならそれでいいわ。だけれどね、左側も君の個性でしょ?使わないと勿体無いわよ?」
「・・・そうか。」
轟さんが去るのを確認して私も昼を食べに戻った。
そういえば私を一緒に呼んだ理由はなんなのだろう?
帰ったと言うことは、終わったってことだよね?
「東方ちゃん、東方ちゃん。昼からこれを着ないといけないんだって!」
確か、アメリカのチアガールが着ている服だ。
おそらく百さんが作ったものだろう。
「誰が伝えに来たの?」
「上鳴と峰田なんだけど、相沢先生が忘れたらしく私達に伝えに来たらしい。」
あの二人か、絶対何か企んでいる。
そう思い私は携帯を取り出す。
かける相手はもちろん相沢先生だ。
スピーカーモードにする。
「あ、相沢先生。上鳴さんと峰田さんに何か伝言とか伝えましたか?」
《伝言を伝えるなら飯田に伝えるのが合理的だ。》
「そうですよね、すみませんありがとうございます。」
それを聞いた百さんは、ホッと一安心。
「ねえ、みんなちょっと懲らしめようか?」
「いいね、いいね。やろうよ。」
「ちょっとm・・・「前々からあのバカを治す方法として、考えていたんだ。」・・え、え?」
「そんなことをしたr・・・「いいね、私もやる〜。女の怖さを思い知らせてやろう〜。」・・・葉隠ちゃん⁉︎」
梅雨ちゃん、百さん、私、いまいち事態を理解していないお茶子ちゃんを除く女子は足早にどこかへと消えていった。
「ど、どうしましょう。」
「どうするも何も、止めましょう。」
「そうね、でも・・・半殺しまでは許しましょ。」
「つ、梅雨ちゃん⁉︎」
「冗談よ。」
そして昼休憩後。
「ど、どうしたの峰田君‼︎それに上鳴君も‼︎」
「ひどい怪我じゃないか‼︎」
たんこぶやあざだらけになっている二人が見つかった。
怪我の方はリカバリーガールに治されたが、精神的なダメージもおったようだ。
「怖〜よ、怖〜よ。あれは人の皮を被った悪魔だ。」
「いや、人の皮を被った魔王だ。」
「これは私でも完治は不可能さね。しばらく精神科に入院させるべき案件だ。」
「穂稀ちゃん、女って怖いわね。」
「梅雨ちゃん、私も貴方も女よ。」
「そうだったわね。」
備考
・騎馬戦途中終了
そのため千万ポイントを保持したまま、緑谷が一位通過。
主人公のヒーロー名を決めかねています。3つほど候補を立てておきます。因みにチェンジストはチェンジ+イースト(東)を合わした物になります。
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変化ヒーロー チェンジスト
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変化ヒーロー ほまれちゃん
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変化ヒーロー Orient(東方)