僕アカ×東方 〜私の個性はほぼ全キャラの能力〜   作:響緑

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今回は少し独自設定が入っています。
苦手な人がいるかもです。


決勝戦 準々決勝

準々決勝。

ステージの修復も終了し、緑谷さんと対峙する。

 

《準々決勝第一回戦は、未だ個性を果たしてないがどうした⁉︎ヒーロー科、緑谷出久!対するは、今回はどんな能力だ⁉︎ヒーロー科、東方穂稀!》

 

確かに緑谷さんは個性を使って無い。

まだ0か100でしか使えないからだ。

 

「私はこの能力で貴方を倒します。」

 

変身したのは美鈴さん。

 

「いくわよ。レディ〜、ゴー!」

 

周りに聞かれたくないことを言うために近づく。

 

「個性を使いなさい、フルで使おうとし過ぎよ。あっつあつのラーメンより、程よいラーメンの方が食べやすいでしょ?」

 

それを聞いた緑谷さんはハッとして、考え込む。

そして緑谷さんが全体的に少し赤く変化し始めた。

そう、それでいいの。

 

「それ、どんだけ持つ?」

 

「分からない、ちょっとでも気を抜いたら解けてしまいそうだよ。」

 

それでは敵と会った時に役に立たないな。

 

体育祭(これ)が終わったら、特訓しないといけませんね。・・・それは置いておいて、勝たせていただきますね。」

 

「それは僕のセリフだよ。こんな所で負けるわけにはいかない。」

 

再度、近接攻撃をする。

緑谷さんの攻撃を避け、自分の攻撃を当てる。

なんとか避けようとして横腹を捉える程度だったが、普通の状態に戻ってしまった。

 

「させないよ‼︎」

 

慌てて赤くしようとする緑谷さんに攻撃を仕掛ける。

 

《激しい攻防戦が巻き起こっているぞ‼︎緑谷は防戦一方だ!》

 

《何かしようとしていたが、不発に終わったって感じだな。》

 

このまま続けても、緑谷君は降参することはないだろう。

 

「ちょっと痛いかもしれないけど、許してね?」

 

繰り出す技は回し蹴り。

腕でしか攻撃していなったため反応が遅くはなったが、緑谷君はなんとか防御。

勢いよく蹴ったため緑谷さんは後退する。

そして場外の線をオーバーしてしまった。

 

《緑谷君、場外!よって東方さん、準決勝進出‼︎》

 

「緑谷さん。腕主体なのはいいけど折角の強化系なんだし、足も使った戦法にしたらもっと戦術が増えていくと思うよ。」

 

「そっか。僕はオールマイトに憧れるあまり、足技なんて考えたこともなかったよ。ありがとう、東方さん。飯田君に聞いてみるよ!」

 

足早に立ち去る緑谷さんを見て、私は呟いた。

 

「次、飯田さん試合・・・」

 

 

 

観客席に戻る際、ある人とすれ違う。

 

「こんにちわ、エンデヴァーさん。」

 

「東方の娘か。君も強化系の個性も持っているなら、焦凍の成長のためのテストべッドとしていいかもしれんな。本当は緑谷とか言う奴が良かったんだが・・・」

 

やっぱりこの人は、オールマイトしか見ていない。

そんなエンデヴァーさんに私は怒りを覚えた。

 

「ちょっといいですか?」

 

「何かね?」

 

「轟さんはあなたの道具じゃありません。貴方はオールマイトを抜くことだけを考え、個性婚をして轟さんを作ったそうですね、お父様から聞きました。轟さんだって一人の人間です‼︎ 一人の親として轟さんを見たことはありますか? 一番近くにいるのに、救えていない自分の息子の気持ちを考えたことはありますか? 検挙率一位でも制圧力一位でも、貴方はオールマイトには勝てません。貴方がオールマイトしか見ていない今では、No.1ヒーローには絶対なりません。」

 

眉をピクッとさせるエンデヴァー。

 

「オールマイトしか・・・見ていないだと?」

 

「はい、私はそう捉えました。私がテストベットですって? 確かにオールマイトと同じ強化系の個性は持っていますが、私はオールマイトではありません。もし轟さんが勝っても、それは貴方の勝利ではありません。子が親でないように、親は子ではありません。そんなこともわからないんですか‼︎」

 

《飯田君、降参。よって轟君、準決勝進出!》

 

どうやら相手は轟さんになったらしい。

 

「すみません、熱くなりすぎました。私は友達である轟さんを救うヒーローです。貴方はプロヒーローとして、どう捉えるかはわかりません。私は轟さんに勝ちます。それだけです。」

 

私はその場を後にした。

怒りはあったとしても、言い過ぎたかも知れない。

でも言わないといけない気がした。

このままでは、間違えなく家族決裂すると思ったからだ。

観客席に戻り、小槌さんがいないことに気づいた。

 

「百ちゃん、小槌さんは?」

 

「小槌さんは早退しました。なんでも妹さんの病気が悪化したらしいです。」

 

小槌さんに妹がいることは、対人練習の後に教えてもらった。

でも病気持ちとは知らなかった。

治ることを願いつつ、次の轟さんで使う個性を考えることにした。

 

 

(宿儺視点)

 

私は妹の容態が急変したため、早退させて貰った。

妹は昔から体が弱く、よく病気をすることが多かった。

保須駅で降り、自宅へ自転車を飛ばす。

 

「小槌君じゃないか!どうした?確か今頃体育祭の真っ最中だろう?」

 

「インゲニウムさん!山女魚(やまめ)の容態が急変したんです。学校は早退させて貰いました。」

 

山女魚というのは妹の名だ。

体育祭・・・インゲニウム・・・

そうだ!

この後、ヒーロー殺しと会って引退せざるをえなくなるんだった!

 

「そうか、止めて悪かったな。」

 

どうする・・・。

妹を取るか、インゲニウムを取るか。

悩んでいる暇はあまりないだろう。

 

「山女魚、ごめん。」

 

私はインゲニウムを取った。

彼は飯田君の憧れでもある。

それを奪うのはしのびなかった。

インゲニウムの後を追い、路地裏に辿り着いた。

ナイフを振り上げているヒーロー殺しを見て、叫んだ。

 

「ヒーロー殺しだー‼︎誰かこっちに来てくれー!」

 

私は思いっきり大声で叫んだ。

ヒーロー殺しは溜息をつき、こう言った。

 

「今回は見逃してやる。だが、次はないぞ。」

 

ヒーロー殺しは壁を蹴り、ビルの屋上へと消えていった。

これで飯田君の誇りは守ることができた。

 

「インゲニウムさん、大丈夫ですか?」

 

「体の自由が思うようにきかないが、大丈夫だ。早くここから去った方がいい。」

 

おそらく血を舐められたのだろう。

去った方がいいってどういうことだろう。

 

「どうして・・・」

 

「警察がくれば、一・二時間聞かれるからさ。山女魚の為にも早く帰ってやんな。」

 

「そうですね、すみません。」

 

私は急いで現場から去り、実家へと帰っていった。

 

「おかえりなさい、宿儺。なんとか落ち着きを取り戻したみたい。」

 

母は無個性ではあるが医師免許を持ち、保須ではある程度名の知れた医者でもある。

 

「おそらく病状はインフルB型、発熱と風邪が酷かったわ。」

 

インフルの時期が過ぎた後の発症か。

少しおかしいな。

それは母も同じ考えのようで、知り合いの医師達に電話をするようだ。

 

「山女魚・・・ん?ヤマメ?」

 

そういえば東方にヤマメがいたような・・・

山女魚の首に何かに噛まれた跡があった。

 

「お母さん、これ。」

 

「この形状・・・蜘蛛かしら?」

 

そして思い出した。

黒谷ヤマメ能力の“病気(主に感染症)を操る程度の能力”、もしかすると山女魚は・・・

 

「山女魚が病弱な理由、山女魚の個性がそうさせているかも。」

 

「どういうこと?宿儺。山女魚は無個性よ?」

 

「おそらく、病気を操って俺達の病気を無くしているだよ 。俺達が病気になったことがないだろう?」

 

「そう言われてみれば・・・それが山女魚の個性?」

 

「相手の病気を奪い自分が受ける個性。山女魚がその気になれば、自分の病気を相手に押し付けることができるはずだ。」

 

山女魚が個性持ちだということに驚くお母さん。

後日、確定ヒーローアプレイゾさんに依頼。

すると山女魚は無個性ではなく、個性があることが判明。

個性:菌。

外れ個性ではあったが、山女魚は感動した。

二日後、学校に行くと少し変わっていた。

 

「どうしてこうなった?」

 

「小槌お兄ちゃんだ、おはよう。」




備考
・フルカウル&足技(原作変更)
原作より早く緑谷が気づきます。

・エンデヴァーとの会話
必要なことだと思い、加えました。
これで息子との関係が良くなるとは思いませんが・・・

・インゲニウムがヒーロー継続(原作変更)
多少怪我はしているものの、ヒーローが継続くらいに留まっています。

体育祭で何が起こったのか、勝手に想像して下さい。
ヒーロー名をアンケしてますが、職場体験先はもう決まっていたりします。
当てられる人はいないかもね。

初登場キャラ→ヤマメ
使用キャラ→美鈴

主人公のヒーロー名を決めかねています。3つほど候補を立てておきます。因みにチェンジストはチェンジ+イースト(東)を合わした物になります。

  • 変化ヒーロー チェンジスト
  • 変化ヒーロー ほまれちゃん
  • 変化ヒーロー Orient(東方)

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