その日、全世界のカメラがジャックされ、そいつのメッセージを伝えた。
「我が名はジュダ。宇宙の皇帝である。今これより人類、いや、この地球に宣戦布告をする。とくと目に入れるがいい自らの星が滅びていく瞬間を」
「なんだと…!我々がそう簡単に滅んでたまるか!」
それを見たZETA南部隊の面々は口々に言う。
「そうだ…。俺達にはウルトラマンだって…」
その時だった。
「東京に怪獣が出現!市街地を破壊しています!」
その怪獣こそジュダの地球攻撃用怪獣、グランドキングであった。
通常のウルトラマンの2倍近くあるその怪獣は圧倒的重量感で市街地を破壊していく。
「いたぞ…、なんなんだあの怪獣は…」
ショウとツバサの乗る2機のスターイーグルはグランドキングへの攻撃を開始した。
しかし相手の装甲のような皮膚は硬く、一切の攻撃を受け付けない。
「ダメだ…全く効いていないぜ…」
「よし、こうなったらスペルゲンミサイルだ!」
ツバサの乗るスターイーグルから大型のミサイルが発射される。
だが結果は同じだった。
「ダメか…、あいつ、そもそもこっちに見向きもしないぜ…」
グランドキングは全くこっちには興味が無いかのように進撃していた。
その時だった。どこからともなく光があらわれ。それがあの、2人目のウルトラマン、ジークの姿になった。
「シュア!」
ジークはグランドキングに蹴りを入れる。
だがグランドキングはそれさえも効いていなかった。
「なんてやつだ…。ジークの攻撃も効かないなんて…」
ショウが言う。
「よし、俺達も援護するぞ!」
ツバサはそう言うと最大出力レーザーを発射した。
それはグランドキングの頭部に命中したがやはりそれも効いていない。
ジークは全力でグランドキングの進撃を止めようと組み合っているがジリジリと後退させられていた。
グランドキングは吼えると右手でジークをはじく。
少しの動きのように見えたがジークは横に大きくはね飛ばされた。
そしてそのまま建物を破壊する。
ジークは立ち上がろうとするがそれをグランドキングが押さえつけた。そして何度も両手を打ち付ける。
とうとうジークのカラータイマーが点滅を始めた。
「まずい…!ジークが!」
ツバサは考えるている余裕がなかった。フレイスフラッシャーを掲げるとフレイスに変身する。
フレイスは登場しながらグランドキングに飛び蹴りを浴びせた。
それと同時に操縦者を失ったツバサのスターイーグルはグランドキングに特攻をした。
「ツバサァァァァァァ!」
事情を知らないショウは絶叫する。
「デュア!」
フレイスは構えをとった。
それを見るとジークもふらつきながら立ち上がる。
「デュア!」
「シュア!」
2人は同時にグランドキングに突撃し、押し返そうとする。
だが2人の力でもそれは出来なかった。
グランドキングは2人を左右に跳ね飛ばす。
そして倒れたジークを踏みつけた。
フレイスはグランドキングを羽交い締めにしようとするが払い飛ばされた。
やがてジークは活動限界が来て消滅する。
その場にいるのはフレイスだけになってしまった。
フレイスは再び立ち上がろうとするが、グランドキングはそれを蹴り飛ばした。
そしてサッカーのドリブルのように連続で蹴りを入れてフレイスを転がしていく。
フレイスのカラータイマーが点滅を始める。
そしてとうとう地面に倒れ込んだ。
グランドキングはそれをまたしても踏みつけた。
そして体重をかけて痛みつける。
やがてフレイスも活動限界に達し、消滅した。
ツバサは気がつくと瓦礫の上に倒れていた。
「痛てぇ…うぉぉ…」
見ると全身傷だらけだ。
しかししばらくすると近くにもう一人倒れていることに気がついた。
年齢はツバサと同じくらいの女でZETAの隊員服を着ているが下はそれを改造したミニスカートになっている。
「お、おい。大丈夫か?」
ツバサはなんとかそっちに這い寄っていくと女を揺り起こした。
そして思い出した。彼女はZETA相馬隊隊長、相馬ミナだ。
「う…うぅ…」
ミナはゆっくり目を開ける。
「おい、大丈夫か?」
ツバサは声をかけた。
「あなたは…?」
「ZETA南部隊の隊員、竜ヶ崎ツバサです」
ツバサは答えた。
すると、ミナは信じられないことを言った。
「そう、ツバサ君、あなたってもしかして…ウルトラマン?」
「えっ…あ…」
するとさらにミナは言った。
「安心して、私もよ」
数時間後、ツバサは病院のベッドに寝かされていた。
「全く…、急に特攻するなんて正気じゃないぜ…。生きてたのが不思議なくらいだ」
見舞いに来ていたショウが言う。
「あんなに普段から無茶するなって言ってるだろう?」
南部も言った。
今、病室にはこの2人が見舞いに来ている。
「すいません…」
その時、ツバサはあることを思い出した。
「あの…、相馬隊長は?」
あの後、ツバサは再び気絶してしまったのでどうなったかを知らない。
しかしショウはなんだこいつという顔をして言った。
「なんの事だ?まだちょっと錯乱しているようだな…」
「えっ…、あの場に一緒にいた…」
すると隊長までもが言った。
「疲れてるんだ。しっかり休め」
2人が帰るとツバサはあの後のことを思い返していた。
「なんだって!?」
衝撃の事実を聞かされてツバサは言った。
「えぇ、そうよ。私が…、あのウルトラマンジークよ」
彼女の話はだいたいこうだ。
かつて、ジークは自らの身体を犠牲にすることにより、宇宙の帝王ジュダを封印していた。
ところがある日、異次元人ヤプールの軍団が現れ、その封印を解いてしまったのだ。
ジュダは復活し、地球へ向かった。
ジークもそれを追って地球に飛来し、ミナと一体化したというのだ。
そうして考えているうちに、ツバサはあることを考えた。
ミナ、つまりジークは自らの責任を果たすため、ジュダ本体を追ったのではないだろうか。だとするとかなり危険なことになる。彼女だって怪我を負っていた。今の状況で戦うのは非常にまずい。
俺も助けに行かなきゃあなとツバサは思った。
そう思うがはやいがツバサは必要な荷物をかき集めて病室を抜け出した。
「待ってろ…、今行くぜ…、もう1人のウルトラマン!」
ツバサは痛みに顔をしかめながら夜の街を駈けていった。
ジュダの人間態はビルの屋上から夜の市街地を眺めていた。
そしてその背後の陰に、レーザーガンを構え、忍び寄る者がいた。そう、ミナだ。
しかしジュダは気づくのが早かった。
「久しぶりだなぁ。ジークよ。それともこの星の言い方に倣ってウルトラマンジークとでも呼ぶか?」
そう言うと彼はゆっくりと振り返った。
今回はここまでです。ちなみに来週は作者が台湾に行ってしまうためなかなか更新が出来ません。でも逃げた訳では無いので、お許しを、