「ハッピーハロウィン!」
ツバサがZETA南部隊の部屋に入っていくと、思いっきり魔女の仮装しているミハルがクラッカーを鳴らした。
「ど、どうしたんだ?その格好?」
ツバサが戸惑っていると、吸血鬼の格好をした隊長が出てきて言った。
「知らないのかツバサ。今日は世間ではハロウィン!街ではみんなが日頃の疲れを忘れ、お菓子パーティー仮装パーティーに全力を尽くす日なんだ!」
「え、えと…、隊長?キャラ崩壊してますよ…」
「当たり前だ!一年に一度のお祭り!キャラ崩壊せずにいられるものか!」
「確か去年もそんなノリでしたね…」
ツバサと同じくノリについていけないショウが言った。
そんな2人の手をミハルが取って部屋の奥の倉庫に連れ込もうとする。
「さぁ、ほら、君たちも仮装するよ!」
二人はされるがままに倉庫に連れ込まれてしまった。
「ジャーン!」
しばらくして倉庫から出てきた2人は怪獣の骨の仮装をしていた。
「亡霊怪獣でーす!」
ミハルが説明する。
「またもや独創的ですね」
かぼちゃの帽子を被っているミカが言った。
「設定としては、宇宙にある怪獣墓場から地球に落ちてきたって設定よ」
ミハルはさらに解説を続けた。
「一体どこからそんなアイデアが出てくるのやら…」
2人は呆れ返った感じで呟いた。
「ほーらほら、お菓子を食べるよ!」
ミハルはお菓子が大量に入ったかぼちゃ型のケースを2人に押し付けた。
その頃、キョウスケとシンペイは東京で行われているハロウィンパーティの中、パトロールを行っていた。
歩行者天国のため、ルーバーを途中で降りなくてはならない。
「にしてもすごい人だな…」
キョウスケは人混みの中に足を踏み入れて言った。
「みんな浮かれてるよ…。そもそもハロウィンってのは魔よけの儀式だってのに…」
シンペイも言った。
「それだけ、日本人がお祭り好きってことだろ」
その時だった。
「あ、それってもしかして、ZETA隊員のコスプレですかぁ〜!?」
2人は数人の女性コスプレイヤーに捕まってしまった。
「いや…、これは本物で…」
「ねぇ見てこれ!すごいクオリティ!」
「うわぁっ!一緒に写真撮ってもらってもいいですか!?」
あっという間に人だかりができてしまった。
「ハァハァ…、なんとか脱出出来たようだな…」
数十分後、人混みから脱した2人はフラフラになりながらルーバーに向かって歩いていく。
しかしそこに広がっていたのは驚くべき光景だった。
なんとルーバーがひっくり返され、その上で十数人もの人が踊っているのだ。
「え…」
2人は驚いて声も出なかった。
そして、そんな半ば狂気と化した群衆をビルの屋上から見つめる者がいた。
それは、魔女のような姿をしている。
「ククククク…、いいぞ…、ここまで醜い人間の心が集まる場所は滅多にない…。さーぁ、ネザルゴンよ…、お前の餌だぞ〜」
魔女がそう言った瞬間、人々の中から無数の、紫の煙のようなものが夜空に向かって上がり始めた。
「おい!南条!見ろあれを!」
キョウスケがそれに気がつく。
「ん?なんだあれは?」
やがてそれはひとつにまとまり怪獣の姿になり始めた。
「行け!ネザルゴンよ!見せてやるのだ!人間どもに浮かれきっていると今にこうなるということを!」
魔女が言った瞬間、ネザルゴンは地上に着地した。
本来なら人々はそこで逃げるところだった。しかし今回は違った。
「うぉぉぉぉ!いいぞもっとやれ!」
「やい怪獣!どんどん壊せ!破壊の限りを尽くすんだ!」
なんと逃げるどころか怪獣を応援し始めたのだ。
ネザルゴンはそれに応えるように吼えると鼻先の角からレーザーを放ってビル群を壊し始める。
「東京!渋谷に怪獣が現れました!」
南部隊の所にキョウスケからの報告が入る。
「なっ、渋谷だと!?この時期、人が沢山いるではないか!避難を優先させるんだ!」
隊長は吸血鬼コスプレのまま言う。
「それが…、みんな逃げるどころか怪獣が現れて喜んでいるんです!」
シンペイが言う。
「なっ…」
これには隊長も絶句した。
「隊長?」
隊長はツバサの一言で我に返る。
「ツバサ!有馬!朝倉!怪獣を人の少ないところに誘導するんだ!」
「了解!」
ZETA基地から三機のスターイーグルが発進する。
やがて、ネザルゴンが見えてきた。
「あれが怪獣ね…、誘導を開始するわ!」
ミハルが先陣を切ってレーザーを放ち始める。
「よし!行くぜ!」
ツバサとショウもあとに続いた。
一方、地上では、ネザルゴンの方が応援されていた。
「うぉぉぉぉ!負けるな!そんな飛行機!墜落させちまえ!」
ネザルゴンはそれに呼応するかのようにスターイーグル達に向かって角からのレーザーを放つ。
スターイーグル達はそれを旋回してかわした。
だがその攻撃のおかげでネザルゴンは少しづつ人混みから離れていった。
「よし!だんだんと人混みから離れてきてるぜ!このまま…」
しかしその瞬間だった。ツバサのはスターイーグルがレーザーの直撃を受けたのは。
「まずい!脱出!」
ツバサはパラシュートを展開し、スターイーグルから脱出する。そしてそれと同時にフレイスフラッシャーを展開し、フレイスに変身した。
「デュアー!」
フレイスはネザルゴンの片腕を掴むと、人混みとは反対側の方へ投げ飛ばす。
人々の熱は最高潮に達した。
「よぉぉぉぉぉし!負けるな!ウルトラマン!」
「怪獣!頑張れ!」
「いいぞ!どっちももっとやれ!」
ネザルゴンは立ち上がると、フレイスに頭突きをする。
だがフレイスはそれを抑え込むと、頭部を持ち上げて、ネザルゴンを逆さまに地面へと叩きつけた。
ネザルゴンは立ち上がったが今のでもうフラフラになっている。
フレイスはそんなネザルゴンにフレイシウム光線を浴びせた。ネザルゴンは爆発する。
フレイスはそれを見届けるとやがて消滅した。
「おーい!」
ツバサたち3人とキョウスケとシンペイの2人は地上で合流した。
「よし!やったぜ!」
「ありがとう!」
だが5人は気づいていなかった。彼らにそっと忍び寄る影があることを…。
「ちくしょう…、来年のハロウィンこそは…。だがその前にこいつらを始末してやる!」
その影、魔女はそう言いながら5人に忍び寄っていった。
ところがその瞬間だった。
「うぉぉぉ!いたぞ!我らが英雄!ZETAが!」
なんと5人を見つけた群衆が土砂崩れのように突進してきたのだ。
「うわぁぁぁぁっ!」
魔女はその群衆に押しつぶされ、人知れず息絶えた。
集団心理って怖いね(((
実は作者は最近ダークネスファイブが尊くてつらい病気にかかっています。だから特別編としてフレイスの世界にダークネスファイブがやって来るって話を考えてしまいました。それもそのうち投稿するのでよろしくお願いします。