またしても怪獣が現れた。そして怪獣は市街地に向かって真っ直ぐに進撃を開始した。
怪獣は咆哮すると角から四方八方に電撃を放ち始めた。
電撃は近くにあった鉄塔に命中し、鉄塔が倒れる。
怪獣はまたしても咆哮を上げた。
だがその時、2機の戦闘機が現れる。ゼータウイングとスターイーグルだ。
「これ以上進撃させてたまるか!」
ゼータウイングにはツバサとキョウスケが乗っている。
「いくわよ!」
スターイーグルにはミハルが乗っていた。
そしてスターイーグルは怪獣に向かってレーザーを放つ。
だがそのレーザーは怪獣には当たらずにその手前でなにかに弾かれるようにして軌道をそれてしまった。
「なっ…!」
怪獣は電撃をまたしても四方八方に放った。
その周りに土煙が上がり…。そして…。
次の瞬間怪獣は消えていた。
「怪獣は周りを常にバリアーで覆って防御しているものと考えられます」
ZETA南部隊の部屋でミカが解析をしている。
「なるほど…で、そのバリアーを破る方法は?」
隊長が質問した。
「怪獣が電撃を放つ瞬間だけそのバリアーは消えます。なのでその瞬間を狙いバリアーを発生させている角を破壊できれば…」
「だが見ただろう?あの電撃は四方八方に発射される。近づいたら撃墜されるぞ」
キョウスケが言った。
「はい、そこです…。いかにしてあの攻撃をかわし角を破壊できるか…」
するとショウが口を開いた。
「俺にやらせてください!」
「有馬、正気か?」
シンペイが訊く。
「南条、俺は至って正気だ。スターコンドルを使う」
「スターコンドルだと!?」
今度はキョウスケが言った。
「はい、あの機体ならば電撃をかわすことができるかもしれません!」
「確かにスターコンドルを使えばあの電撃をかわすことができるかもしれません。しかし危険です!第一まだ開発途中の機体です…」
ミカまで反対する。
「いや、俺は有馬にかけようと思う。確かにスターコンドルを使うのは危険だが…、やらなきゃあやつは倒せない」
「私も賛成よ。やらなくて後悔するよりかははるかにマシじゃあないの?」
ミハルも言う。
「お前達…」
ミハルはショウに向かってウインクした。
ZETA基地格納庫。
そこに、スターコンドルはあった。
機体の前部分がコンドルの頭のような形をしているのでこう呼ばれている。
「おいっ、有馬」
その前に立っていたショウにツバサが声をかけた。
「どうした?」
「いや、どうも腑に落ちなくってな。なんでお前があそこまでこの機体に乗りたがったのか」
ツバサは言う。
「そういうことか…」
そしてショウは少し間を置くと話し始めた。
「実はな、スターコンドルの開発者は俺の友人だったんだ…」
「だった…?」
「そうだ。だがそいつは俺の目の前で…、怪獣に…」
「……」
「その時、そいつは俺に言ったんだ。コンドルはお前に託すって…、きっと使うべき時が来るだろうって…」
「そうか…、辛いことをきいてしまったな…、すまなかった」
ツバサは謝る。
「いや、きいてくれてありがとう。おかげで燃えてきたぜ!あいつの想いを無駄にしないためにも!」
怪獣が再び現れた。今度は市街地のすぐ近くまで来ている。
そしてまたしてもあの電撃を放ち始めた。
「広島市近郊に例の怪獣が出現しました!」
ミカが言う。
警報を聞き付けてツバサとショウも部屋に駆け込んできた。
「やはりあいつか!」
ショウは言う。
「ZETA南部隊出動!」
隊長が号令した。
「了解!」
格納庫が開きそこから姿を現した戦闘機たちの中にスターコンドルの姿もある。
「さぁ行くぜ!」
スターコンドルはエンジンに点火すると飛び立った。
怪獣は小型のビルをなぎ倒しながら進んでいく。
だがそこへ2機のスターイーグル、そして1機のスターコンドルが現れた。
「行くぜお前ら!」
ショウが言う。
「おう!」
「OKよ!」
スターイーグルは怪獣の気をそらすために攻撃を開始した。
しかしもちろんの事ながら全てバリアーに弾かれる。
そしてその瞬間は訪れた。
怪獣は角から電撃を放ち始める。
「よぉし!行くぜ!」
スターコンドルは電撃を巧みにかわしながら怪獣の角へと近づいていく。
「おぉぉぉぉらぁぁぁぁぁ!」
そしてレーザーを発射した。
しかし…、その瞬間に怪獣は攻撃をやめ、バリアーが閉じてしまった。
「なっ…!」
「よし!こうなったら!」
ツバサはフレイスフラッシャーを展開してフレイスに変身する。
「デュアー!」
フレイスは勢いよく怪獣に飛び蹴りをするがそれさえもバリアーは弾いてしまった。
続いて連続パンチをするがバリアー相手では全く効いていない。
だがフレイスが現れたことにより、チャンスは再び巡ってきた。
怪獣がフレイスめがけて電撃を一斉に放ったのだ。
「デュァァァァ!」
フレイスは電撃に悶えながらもショウに向かってうなづいた。
「分かった!ありがとよ!ウルトラマン!」
スターコンドルは再び怪獣に向かっていった。
そして、レーザーを、放った。
1秒が永遠に感じられるほどの時間、そして…、次の瞬間ミハルが歓声を上げた。
見ると怪獣の角は破壊されている。
ショウはほっと胸をなでおろした。
そして、フレイスの反撃も始まった。
フレイスは怪獣の胴体に向けて蹴りを入れる。
怪獣は突然のことに驚きを隠せない様子だ。
そして最終手段、口から火球を噴く攻撃を開始した。
だがフレイスはそれらを全て片手で受け止めると怪獣に向かって投げ返した。
怪獣の体表がスパークする。
そしてもうやけになった怪獣はフレイスに向かって突進してきた。
だがもはや怪獣はフレイスの敵ではなかった。
フレイスは突進してきた怪獣の顔面に思いきりパンチをする。怪獣はそのまま気絶して、地面に倒れる。
フレイスはそんな怪獣を高く持ち上げるとやがて、どこかへと飛び去っていった。
「よし!やったぞ!」
隊長は基地でガッツポーズをする。
「やったァァァァァ!!」
ミハルも歓声を上げた。
「よくやったな、有馬!」
ツバサもショウに通信を入れた。
「あぁ、お蔭さまでな」
三機の戦闘機は並んで基地へと帰っていった。
一方、異次元空間、ここではまたしてもヤプール達が話し合っていた。
「ベロクロンが敗れ、新しい超獣はまだなのか!」
1人のヤプールが言う。すると別のヤプールが答えた。
「いいや、既にできている。そして地球への総攻撃の準備もな。さぁ行け!我がヤプール第2の超獣!バキシムよ!」
ゴジラ!モスラ!ラドン! ゴ!モ!ラ!