フレイスは突進してくる怪獣をひたすら押し返そうとしていた。
しかし相手のキャタピラの馬力は桁外れだった。
じりじりとフレイスは後ろに押されていった。
一方、その頃、大道寺達上層部の人々は実験場高台にあるスパイナー弾発射台に移動していた。
「いいか、お前達、スパイナーを使ってウルトラマンごと怪獣を葬り去るのだ。もう何人死傷者が出ようが構わない。この場を知っているのは我々だけだ!怪獣のせいにしてしまえば!」
そして、砲台の照準は怪獣がこっちに来ないように押さえ込んでいるフレイスの背中に合わせられた。
「よし!いいぞ!発射!」
スパイナー弾は発射され、そのままフレイスの背中へと命中、大爆発をした。
「あ、あれは…、なんてことを…」
その様子をキョウスケのもとで見ていたミハルも呟いた。
爆発が晴れると、もうそこには、何も残っていなかった。
「く…、う…」
実験場の地面にはツバサが傷だらけになって倒れていた。
「ちくしょう…」
ツバサはそう呟く。
だがなんと、大道寺達はそれを見ていたのだ。
「あれは…、あいつ…、ウルトラマンと怪獣のいた所に…、何者なんだ?」
大道寺はそう呟いた。
ツバサはよろめきながらも立ち上がり、キョウスケやミハルのいる所へと向かおうとする。
だがその時だった。目の前に、大道寺とその2人の副官が現れたのだ。
「やぁ、君はたしか…、竜ヶ崎ツバサくん。とかいったな?」
ツバサはゆっくりとうなづいた。
すると大道寺は言った。
「君は…、一体何者なんだ?何故ウルトラマンと怪獣の戦っていたちょうどその場所に倒れていた?どういうことなんだ?説明してもらおうか」
だがツバサはこう言った。
「ならば俺からも言わせてください。あなた方のやり方は間違っている!怪獣を倒すのに、兵器開発を進める、とてもわかりやすい理由だ。だがあなた方は守ろうとしていない!ただ倒すことだけを目的とした、殺戮者だ!そんな人々に人類は、この地球は守れない!」
すると、大道寺は高らかに笑い始めた。
「なるほど、なかなか面白いことを言うな。だがお前はまだ未熟だ。人類を守るにはときに、殺戮者とならなくてはいかんのだよ。竜ヶ崎ツバサ、いや、ウルトラマンよ」
その頃、キョウスケとミハルのもとへは、別の高官が来ていた。
「さて、あなた方は記憶処理とさせていただきましょう」
だがミハルはその姿を見ると、掴みかかって言う。
「どうして!あなた達はウルトラマンを!私たちと一緒に地球を守る仲間を攻撃したの!?何故!彼は仲間に裏切られなきゃあならないの!?あなた達は本当は人類の平和なんてこれっぽっちも考えちゃあいない!あなた達がやっているのはただのエゴよ!」
だが男はそれを振り払うと、冷たく言った。
「だからなんなのだ?お前ごときに何が出来る?せいぜいそこで綺麗事並べてるがいいさ。ただの隊員の分際で」
ミハルは気がつくと男にレーザーガンを向けていた。
「ほう?撃つというのか?この俺を?そんなことしてみろ、お前は人殺しだ。もう一度言うぞ、お前は人殺しだ。一生消えない十字架を背負うことになる。それ相応の覚悟があるんだろうなぁ?」
ミハルはレーザーガンの引き金に指をかける。
だがその時だ。
「もうやめろ!」
キョウスケが脚の痛みに顔をしかめながら叫んだ。
「お前を…、こんなことで失いたくはない」
ミハルはレーザーガンをおろした。
「フン、感動だな。…では2人とも、テントにいらしてください。そこで記憶処理を始めますよ。抵抗したら…、分かっていますね?」
「どうします?黒田さん」
男が見えなくなるとミハルはきいた。
「決まってんだろ。俺は、ここでZETA上層部に、反旗を翻す!お前は…、どうする?」
「もちろん…、ついて行きます」
一方、ツバサは拘束されて、実験場近くにあったヘリコプターに乗せられた。
同じヘリに、大道寺も乗っている。
「お前は…、我々の新兵器開発の重要なキーマンとなる」
大道寺は言った。
「お前の目的はなんだ」
ツバサは訊いた。
「君のウルトラマンとしての秘密を解明し、人工的なウルトラマン部隊を作り出す。そうすれば我々の怪獣対策は新時代を迎えるであろう」
「そうはさせない!」
「さて…、どうなることやらな」
一方、実験場にいた高官達は一同テントの中でロープで縛られていた。
記憶処理装置も破壊されている。
キョウスケは椅子に座っていた。
一方、ミハルはその中の1人にレーザーガンを突きつけた。
「さぁ、あなた達の本拠地はどこなの?」
「さぁーね、教えるわけないだろぉ」
ミハルはため息をつくと、男の顔の横すれすれを撃った。
「ひいっ」
「次言わなかったら軌道それて本当に撃っちゃうかもね」
そして、レーザーガンを男の額に押し当てる。
「わ、わかった…、神奈川県…、箱根の山の中…」
「ありがとっ」
ミハルはウインクをした。
その時、座って、色々通信機器をいじくっていたキョウスケが言った。
「おい!通信が繋がったぞ。このままZETA日本支部の所に連絡をつければ…、援軍を要請できる!」
箱根山中にあるZETA日本支部兵器開発部本部、その中の一室にツバサは監禁されていた。
「ちくしょう…、とてもまずいことになったぞ…、このままだと…!」
しばらくして部屋に、大道寺が入ってきた。
「やぁ、ツバサくん、どうだね気分は」
「最悪だ…、それに薄々気づいていたがこれは兵器開発部の陰謀なんだろう?新兵器を使い、ウルトラマンごと怪獣をたおす。もちろんあの怪獣も兵器開発部が生体改造したものだ。そして、そのウルトラマンが人間に戻ったところで回収し、人造ウルトラマンを造る…」
大道寺は思わず拍手をしていた。
「ご明察だよ。だが一つだけ間違っている。ウルトラマンが人間だということは想定外だった。本来は、消滅した時の光の粒子を回収するはずだった。だがそこで都合よく君が現れてくれたというわけだ。君にはとても…、感謝しているよ」
だがその時、部屋の中が大きく揺れたのだ。
そして一気に電気が消え、警報が鳴り響く。しばらくすると赤い非常灯が点火した。
「これは…?」
「何が起きているんだ!」
大道寺までもが慌てた様子だ。
するとそこに大道寺の部下が飛び込んできた。
「大変です!基地の動力炉が!何者かによって破壊されました!」
今回はちょっとウルトラマンの活躍は少なめでした。まぁ多分次回はいつも並に活躍すると思われるのでそこはお許しを