山道を1台の車が走っていった。
それを運転するのは龍ケ崎ツバサ、そして、助手席には結城マヤ、そして後部座席には結城ケンタが座っていた。
3人は、ツバサの休暇にキャンプに行くことにしたのだ。
「しばらくは…、この道でいいんだな」
ツバサは運転しながらそう言った。
「はい、とう言うよりこの道しか…ないですよね。この山奥」
マヤがそう言う。
「あぁ、そうだった…」
だがカーナビを見たツバサはあることに気がついた。
「待ってくれ、これ…、道が表示されてないんじゃないか?」
見ると、カーナビの画面は一面真っ白、何も映っていない。
「おかしいですね…」
マヤはそう言いながら地図を取り出した。
「山奥すぎてってことなのかな…」
ツバサは言う。
「最近のカーナビはそんなことないはずなんですがね…」
マヤはそう言った。
「まぁいっか。地図、頼んだよ」
「はい」
やがて、3人はそんなこんなでキャンプ場に着いた。そして、川原のそばに行くと、そこでテントを張った。
「ち、ケータイも圏外か…」
ツバサはスマホの画面を見ながら呟いた。
「ケータイまで使えないんですか?」
近くにいたケンタはそうきく。
「いや、まぁケータイ圏外なんてことは割とよくあるんだがな」
それから、2人はテントに戻る。
「この近くには誰も人はいないみたいですね」
飯盒でご飯を炊きながらマヤは言った。
「そうだな…、まぁそれで選んだんだが」
「どうしてですか?」
ケンタがそう訊いた。
「いや、俺は君たちに本当の自然ってものを体感して欲しくてね。それで…、人は少なければ少ないほど本当の自然を感じられるだろうと思ったから、ここにしたんだ」
「なんか…、わざわざありがとうございます」
マヤはそう会釈する。
「いや、まぁ、そんな…。半分は俺が行きたいだけだったから…」
やがて、夜になった。
「ケンタ…、ちょいと星を見にいこうか」
ツバサはそう声をかけるとテントから出ていった。
ケンタもそれに続いてテントから出る。
ツバサは地面に仰向けに寝転がると言った。
「さぁ、ここに寝そべってご覧」
ケンタも言われた通りにツバサの隣に仰向けになる。
「うわぁ」
たくさんの星を見てケンタは思わず声をあげた。
「すごいだろう?」
「はい!」
そして2人はしばらくうっとりと空を見上げていた。
やがてケンタは口を開いた。
「あの中の星のどこかに、ウルトラマンがいるかもしれないってことですよね…」
ツバサはそれを聞いて答える。
「そうだな…、きっといるさ、この中のどこかに…」
するとその時だ。突然地面が大きく揺れた。
「地震!?」
2人は思わず起き上がる。
「テントへ戻るんだ!」
ツバサはそう叫び、ケンタの手を取ってテントに向かって走り始める。
「い、今のは?」
テントに戻るとマヤは訊いてきた。
「地震…か?だとしたら、崖崩れなんかの危険性もある。気をつけるんだ」
だが、またしても地面が大きく揺れたのだ。
「ま、また…」
「余震か?」
ツバサは言った。
しかし次の瞬間、怪獣の吠えるような声が辺りに響き渡ったのだ。
「な、あの声は…」
ツバサはテントの外に飛び出そうとした。だが、その手をマヤが掴む。
「駄目です。今のあなたは一般人、武器だってないじゃあないですか!」
「いや、それでも行かなくちゃあならないんだ!行かせてくれ!頼む!せめて外にでも…!」
「それなら私も行きます」
「俺も…!」
ケンタまで言う。
「しかしそれは…」
「同じ一般人なのに私たちは行かないなんて出来ません」
マヤはそう言った。
3人は、テントから外に出る。
そして、向こうからこっちに向かって歩いてくる巨大な怪獣の姿を目撃した。
「あ…、あれが…」
怪獣はこっちに向かって歩いてくる。
「あの怪獣…、どうしてこっちに…」
マヤは疑問を口にした。
「獲物だ…、俺たちは久しぶりのここに来た獲物だったんだ…」
ツバサは呟く。
怪獣はこっちに向かって鼻から炎を出した。
「まずい!伏せろ!」
ツバサはそう言うと、ケンタとマヤを伏せさせて、地面にダイブした。
直後、背後で爆発が起こる。
「テントが…!」
3人のテントは炎に包まれていた。
「ちくしょう…」
ツバサはそれをみると目にも止まらない速さで怪獣の方へ駆け出していった。
「あっ、ツバサさん!」
「ツバサ兄さん!」
「フレェェェェイス!」
ツバサは走りながらフレイスフラッシャーを展開して、フレイスに変身した。
「デュァァ!」
フレイスは走りながら現れた。
「ウルトラマンだ!」
ケンタはそれを見て叫ぶ。
フレイスは怪獣に突進していくと、そのまま顔面に蹴りを入れる。
だが怪獣はそれを口で受け止めたのだ。
そして、それを少しづつ締めていき、フレイスの足を痛めつける。
怪獣がフレイスの足を放すとフレイスは地面に倒れ込んだ。
そんなフレイスを怪獣は踏みつける。
だがここでフレイスがバーニングモードにタイプチェンジをした。
「デュア!」
フレイスはそれと同時に、怪獣の足から脱すると立ち上がって構えをとる。
怪獣はフレイスに鼻からの炎をぶつける。
フレイスは後方に吹っ飛ばされて再び倒れ込む。
怪獣はさらにそこにトドメを刺すかのように炎を浴びせた。
そこでフレイスはブリザードモードのタイプチェンジをすると、炎をかいくぐって、怪獣の顔面にパンチを浴びせる。
さらに後方によろめいた怪獣に、蹴りを入れる。
そして、ブリザードソードという青い光の光剣を出すと、怪獣を切り裂いた。
怪獣は真っ二つになると爆散した。
フレイスは光に包まれて、ツバサの姿に戻った。
「すまないな…、怪獣が現れてしまって…」
ツバサは二人のもとに戻ると、まず謝った。
「いいえ、いいんですよ。楽しい思い出になりました」
マヤはそう言う。
「しかし…、テントは燃えてしまった…」
ツバサは言った。
「ううん、また別な時に行けばいい話じゃあないですか。またの休みの時に」
ツバサたち3人が車に乗り込むと、不思議なことにカーナビは治っていた。
「元に戻ってる…」
マヤは不思議そうに言う。
「もしかして…、あの電波も怪獣が…」
ツバサはそう呟いた。
「電波?怪獣?どういう繋がりが?」
マヤは、そうきいてくる。
「いや、怪獣はもしかしたら妨害電波のようなものを出していたのかもしれないなってな…」
ツバサはそう言うと車を発進させた。
夜が明け始めていた。
多分今年最後の投稿。来年もよろしくお願いします!