深夜、東京の市街地には怪獣が現れていた。
岩石のような皮膚に、2本のツノ、両手はムチになっている。
そして、それと戦うのはツバサとキョウスケの乗るゼータウイングだ。
「いくぜぇ!!」
ゼータウイングは次々と怪獣にミサイルを撃ち込んだ。
しかし怪獣はビクともしない。
「なんて硬い皮膚なんだ!喰らえ!」
今度は、レーザーが放たれる。
しかし、やはり怪獣には効果がなかった。
そして、怪獣は両腕のムチを振り回すとゼータウイングを叩き落とそうとしてくる。
ゼータウイングはそれをかわすが、今度は怪獣の尻尾が襲った。
尻尾はゼータウイングに命中し、ゼータウイングがだんだんと高度を下げていった。
「ツバサ!」
「分かりました!」
ツバサはフレイスフラッシャーを掲げて展開させる。
光とともにフレイスが現れ、墜落するゼータウイングをキャッチした。
「ありがとう、ツバサ…」
キョウスケはフレイスに向かって呟く。
フレイスはゼータウイングを地面に置くと、怪獣に向かって構えをとった。
怪獣はフレイスの姿を見ると咆哮した。
フレイスは怪獣に向かって突撃する。だが、怪獣はそんなフレイスをムチではね飛ばしたのだ。
フレイスは思いきり地面に叩きつけられた。
怪獣は倒れたフレイスに向かって迫ってくる。
だがフレイスは怪獣の腹部にキックを浴びせると立ち上がった。
そして、怪獣のムチを持って引き寄せる。
「デュアッ!」
怪獣の喉元に手刀を何度も打ち込んだ。
だがここで怪獣のムチがフレイスの首に巻きついたのだ。
フレイスはバーニングモードにタイプチェンジして、ムチを引きちぎろうとするが出来なかった。
怪獣はそのままフレイスを持ち上げると、地面にたたきつける。
フレイスのカラータイマーは点滅を始めた。
怪獣はそんなフレイスを見届けると、地面に潜って逃走した。
翌朝、ミナとゲンは小学校への取材に来ていた。
「こ、今回は平和そうな取材で良かったっすねぇ」
廊下で授業の見学をしながらゲンは言った。
「えぇ、まぁ今のところはね」
「今のところって、なんすかっ!これからなんか起こるんすか!?嫌っすよ!脅かさないでくださいよ〜」
「ふふっ、面白い」
ミナは思わず呟いた。
「あっ、さりげなく今面白いって言いました!?ちくしょう〜、おもちゃにしやがって〜」
だがそんな間、ミナはこの間のツバサとの会話を思い出してしまった。
「私の…、心の光…か」
「え、なんすかいきなり?」
「ねぇ、ゲンくん。私の心に光ってあると思う?」
ミナはゲンに訊く。
「えぇ〜、光っすか?確かに相馬さんは可愛いし輝いてますけど…、え、光ってなんすか?」
「やっぱきく人を間違えたわ…」
だがその時だった。地面が大きく揺れた。
「じ、地震っすか!?」
教室の中では小学生たちが机の下に潜り込むのが見えた。
だが、それは地震ではなかった。
学校の近くに怪獣が現れたのだった。
あの深夜、フレイスと戦った怪獣と同じ怪獣だ。
怪獣は学校に向かって進撃してくる。
ミナはゲンを連れて校庭に飛び出していた。
「に、逃げましょうよ、相馬さん!?」
ゲンはそう言いながら、ミナに手を引かれて無理やり連れてこられていた。
「いい、ゲンくん。怪獣に学校を攻撃させちゃあだめ!行くよ!」
「行くってったって、武器なんてなぁんにもないっすよ!」
だがミナは首を横に振った。
「武器なら…、ここにあるわ…」
「へ?」
ミナは空中に手を伸ばすと叫んだ。
「ジーク!私にもう一度光をぉぉぉぉぉぉ!!!」
空中に伸ばしたミナの手の中に、ジークペンダントが現れ、ミナはそのままジークの姿へと変身した。
その姿は、以前のジークに似ていたが、全身には、黒と金色のラインが入っている。
「え…、相馬さんが…ウルトラマン?」
ゲンは腰を抜かして、その場に座り込む。
「タァッ!」
ウルトラマンジーク(V2)は掛け声とともに構えをとった。
そして、怪獣に向かって突進していく。
怪獣はムチを使ってジークに攻撃しようとしたがジークはそれを受け止めると怪獣を持ち上げた。
そして、地面に向かって叩きつける。
怪獣は地面に潜って逃げようとするが、ジークはそれを許さなかった。
怪獣の尻尾を掴むと引き寄せたのだ。
そして、その怪獣の尻尾を持って振り回すと空中に投げ飛ばした。
ジークは怪獣めがけて腕をL字に組み、ジークロスショット(V2)を発射した。
怪獣は爆散する。
それを見届けたジークは光に包まれてミナの姿に戻った。
人間の姿に戻ったミナは校庭で腰を抜かして座り込んでいる。ゲンに手を差し伸べた。
「え、えと…、あの…、相馬さん…ウルトラマン…」
そう言いながら、立ち上がるゲンにミナは笑顔で言った。
「そっ!私はウルトラマン!でもなるべくならみんなには黙っておいてね!」
そう言ってウインクをする。
「りょ、了解っす!」
ゲンはそう答えた。
その日の夕方、あるカフェにいたツバサの向かいに、メトロン星人人間態が座った。
「久しぶりだな。メトロン星人」
ツバサは言う。
「こちらこそ、ウルトラマン」
メトロン星人はそう言った。
「ところで、こんな所に呼び出して、何の用だ?」
「実はなぁ、君に会わせたい子がいてな」
「会わせたい…子?」
ツバサが聞くとメトロン星人は近くの植木の陰に向かって言った。
「おい、もう出てきてもいいぞ。この人ならお前の力になってきてくれるはずだ…」
しばらくして植木の陰からゆっくりと、黒い服を着た少女が姿を現す。アスハだった。
その顔色はかなり悪い。
「あっ、お前はデストネスの…」
ツバサは身構える。
「待て、安心しろ、この子は敵ではない…」
メトロン星人はそう言ってツバサを制した。
そこでツバサはアスハが顔色が悪いだけでなく、震えているのにも気がつく。
「さぁ、お嬢さん、言ってご覧、何があったのかを…」
メトロン星人はそう言って促した。
アスハは半泣きになりながらテーブルに勢いよく手をつくと叫ぶように言った。
「先生を…!どうか先生を助けてあげてください!」
「待て、何があったか聞こうじゃあないか。だから…」
しかしアスハは泣き始めてしまい。とても話せる状況にはならなかった。
そこでメトロン星人が説明を始める。
「先生、つまり西園寺カズトは…、奴に…、ウルトラマンデストネスに完全に征服されてしまった…!」