ガタノゾーアから無数の触手が伸び、フレイスとジークを掴んで持ち上げた。
そして、その触手より、2大戦士の光のエネルギーを吸収し始めたのだ。
ジークのカラータイマーの点滅は速くなり、フレイスのカラータイマーも点滅を開始した。
「エネルギーを…吸い取っているのか…?」
隊長は言った。
するとメトロン星人人間態が口を開いた。
「邪神ガタノゾーア…。最強の怪獣の一体とされており…。別の宇宙では世界を闇に包んでしまったこともあるらしい…」
「そんな…、ツバサ…頑張って!!」
ミハルは声をあげた。
「そうだぞ!!こんな所で諦めるなんてそれはお前じゃあない!!」
ショウも叫んだ。
「相馬さんも…、頑張ってください!」
ミカも応援する。
「いけぇぇぇぇ!!チェストぉぉぉぉ!!!」
キョウスケが叫んだ。
それを見てシンペイが呟く。
「あれっ、黒田さんって出身どこだっけ」
みんなの声援はフレイス達にも届いていた。
「みんな…」
「そう…、私たちは…、ひとりじゃあないっ!!」
フレイスとジークはそう言うと金色に輝き始めた。
「はあああああああっっっ!!!」
「はあああああああっっっ!!!!」
そして、その光のエネルギーは触手を伝わってガタノゾーア本体に直撃する。
「ぐあああああああっ!!」
ガタノゾーアの触手は引きちぎられた。
そして、フレイスとジークは地面に着地する。
「行くわよ!ツバサくん!」
「了解!」
フレイスは腕を十字に、ジークは腕を十字に組んだ。
そしてフレイシウム光線とジークロスショット(V2)は同時に発射され、空中で合体、そのままスパイラル状になり、ガタノゾーアに命中する。
ガタノゾーアは炎に包まれて大爆発をした。
「やったぞ!」
ショウが叫ぶ。
そんな中でアスハだけが心配そうにしていた。
「先生が…、助けに行かないと!!」
だがそこで隊長が声を上げる。
「いや、待て、まだだ。まだ終わってはいない!!」
煙が晴れてくると、そこには、ウルトラマンデストネスが立っていた。
そのカラータイマーは点滅をしている。
「まだだ…。これしきのことで…。これしきのことでぇぇぇぇぇぇ!!!」
デストネスはそう叫び、再び闇をまとい始めたのだ。
そして、その闇は大きく成長していく。
「おい…!なんだあれは…!!」
「信じられん…」
南部隊長も呟く。
「なんなんだあいつは…」
ショウも言った。
それは、漆黒の暗雲が集まった巨大な怪獣の頭部のような姿をしていた。
そして、その大きさは、空を埋め尽くす程のものであった。
「これこそ我が最強の姿、自らの怨念で変身した最強形態…!大魔獣カイザーテゴスとでも言おうか…、フハハハハハハッ!フハハハハハハハハハハハッ!!!」
そして、カイザーテゴスはその口を開いた。
すると、そこから無数の火球が雨のように降り注ぎ始めたのだ。
フレイスとジークは地面に倒れ込み、火球はZETA基地本体にも直撃する。
「うわぁぁぁぁっ!」
南部隊の部屋も火花が飛び散り、停電をした。
フレイスとジークはカラータイマーの点滅が速くなっていくのを感じた。
「く…ダメか…。もうダメなのか…!」
するとミナは言った。
「そんなことは無い、ツバサくん。信じていれば、なんだってできるはずよ…。だから…」
「そうか…、なんだって…、分かった!光よ!人の心の光よ!俺の元に来い!!」
フレイスはそう言うと立ち上がった。金色の光に包まれていた。
「おい…、なんだよこれは…」
南部隊のメンバー全員のその手に、金色に光り輝くフレイスフラッシャーが現れた。
そして、メトロン星人とアスハの手にも。
いや、それだけではなかった。結城姉弟は自分の家でそのフレイスフラッシャーを握っていた。
大日新聞社では、ゲンもフレイスフラッシャーを握っていた。
全世界で、フレイスやジークに関係したことのある人達が、金色に光り輝くフレイスフラッシャーを握っていたのだった。
やがて、ショウが口を開く。
「なるほど、そういうことか、理解したぜツバサ!行くぞ!みんな!!」
皆は一斉にフレイスフラッシャーを天に掲げた。
そして、光となり天からフレイスのカラータイマー目掛けて飛来する。
「最後は…、私の番ね…」
ジークは立ち上がるとフレイスに拳を重ね合わせる。
2人の戦士は、光に包まれて、融合した。
そこには、体色が金色と銀色になったフレイスが立っていた。
「な、なんだお前は!!」
デストネスが声を上げる。
「ウルトラマンフレイス…!バーンズモード!!」
「ゼアッ!」
フレイスはそう叫ぶと大地を蹴って、そのまま、カイザーテゴスの口の中に突進していった。
「ぐあああああああっ!!!!」
フレイスがカイザーテゴスの口の中に突入すると、カイザーテゴスはそのまま光に包まれて、大爆発をした。
しばらくして、ウルトラマンフレイスバーンズモードは空に浮かび、朝焼けに照らされていた。
そして、その手には、デストネスから救い出したカズトが握られていた。
「ゼアッ」
フレイスはそのまま地上にゆっくりと降下して、着地する。
そしてカズトをそっと地面に置くと、光に包まれて、それぞれの人に分離した。
ツバサ、ミナを含む人々が見上げる中、フレイスとジークの2大戦士は静かに立っていた。
結城姉弟や、ゲンもその場にいる。
カズトはアスハに支えられて立っていた。
「フレイス…、今まで…、ありがとう…。その…俺と一緒に戦ってくれて…」
ツバサが言うとフレイスは頷いた。
「ジークっ!ありがとうねぇ!!」
ミナもジークに手を振った。
「しかし…、本当に行ってしまうのか…」
隊長が前に進み出た。
「地球以外にも、我々を必要としている星がある。暫くはそこの平和を守るため、旅立たなくてはならない。だがいつかきっと、戻ってこよう。君たちの心に、さっき見せてくれたような、美しい光がある限り…」
フレイスはそう言った。
「分かった…ありがとう…。ありがとうウルトラマン…。光の戦士よ」
隊長は2大戦士に敬礼をした。
フレイスとジークはゆっくりと頷くと、飛び立った。
そこにいたみんながいつまでも手を振っていた。
「地球か…、美しい星だったな…」
宇宙空間で地球を見下ろして、フレイスが言った。
「そうだな。美しい。そして、希望に満ち溢れていた。行こう、フレイス、我々を必要とする人々がこの宇宙のどこかで呼んでいるぞ」
ジークはそう言い、自身を赤い球体に包んで飛行していく。
フレイスは頷くと、自分も、赤い球体に身を包み、ジークを追って飛んでいった。
皆さんのおかげで、ここまでかきあげることが出来ました。ありがとうございました!!多分またいつか続編を書くことになるかもしれないのでそこはよろしくお願いします!!!