もしもムコーダさんがムコーダちゃんだったら   作:政田正彦

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何?原作を読んだことが無い?
じゃあそんな君の為に「とんでもスキルで異世界放浪メシ」が本来はどんな話か簡単に説明してあげよう。

「勇者召喚に巻き込まれたリーマンが転生特典で異世界でもネットスーパーが利用出来るとんでもスキルを手に入れて、そこから仕入れた物で料理して主人公の料理UMEEEEしてたら匂いに釣られて伝説の魔獣であるフェンリルやら酸弾ぶっぱしたりする特殊なスライムやら小さいけどクソつよいドラゴンやらが仲間になった上に異世界のチョロ女神をネットスーパーの魅力(スイーツ)であっさり堕として加護を手に入れてチートしつつ放浪して各地で料理UMEEEEする小説」だよ!

でも僕はそんな小説の主人公を見てちょっとだけ思ったんだ。


なんで男なんだよ、どうせならお姉さんがいいよぼかぁ……と。


サンドイッチとコンソメスープ

 

 

 

 

 私は向田佳子(ムコウダヨシコ)、今年で27になるごく一般的な独身キャリアウーマン。

 そんな私がどうして中世ヨーロッパよろしくな街並みで剣やら鎧やらを着込んだ人や魔法使いっぽい人達といったファンタジーな世界観の街並みのど真ん中で歩いているのかと言うと、俗に言う、勇者召喚とかいうのに巻き込まれたからだ。

 

 ネットでその手の物は飽きる程呼んだ私は最初はあまりにテンプレなこの展開に「ついに私もチートで逆ハーなウハウハライフが!?」と胸を躍らせたが、前述にもある通り、私は他の3人(美男2人と美女1人の高校生だった)の勇者の召喚に巻き込まれただけに過ぎない存在だった訳で。

 

 他の3人が強そうなチートスキルやら桁外れの能力値をたたき出している中、私はというと、ステータスは並、スキルの欄にたった一つぽつんと書かれていたスキル名は「ネットスーパー」という意味不明な物だった。

 

 何、ネットスーパーって。

 

 異世界でネットスーパーって何よ?チートは?魔法は?特殊スキルは?

 

 でも、今となってはこれで良かったかも、と思っている。

 

 

 私が今街を一人で歩いている事にも関係するのだが、勇者召喚で出た場所はこの国の王城みたいな場所だった。

 

 そして目の前には偉そうな王様と王女様が居る訳だけど、な~んか怪しい。

 

 まず勇者を召喚した理由が怪しい。

 

 

 まぁ表向きな理由そのものはね、よくある「突然召喚してしまって困惑するお気持ちは分かるしこんな事が言える立場じゃないけど勇者様どうか悪逆非道の魔王を倒してこの世に平穏と安寧を~」とかそういう感じで、加えてその魔王とかいう存在のせいでこの国の民は貧困に苦しんでいるとかなんとか。

 

 この時点で、「その割にはゴージャスなお召し物ですね?」と喉まで出かかったがグッと我慢した。

 

 加えて、元の世界に戻る手段は私達は知らないけど魔王なら知ってるかもしれない、君達が元の世界に戻る為にも魔王討伐は必須である、との事。

 

 

 うん、嘘だコレ。

 

 もう、そう語る顔に悲壮感のひの字も無いんだもの。

 今まで何人ものダメ男に引っかかってきた私だからわかる。

 

 そういった直感から私は最初からこの国の王様を一ミリも信用せず、マッハで現状からの脱出を考えた。

 

 そこで私は、「私は勇者ではないようですし、ここに居ても皆さまにご迷惑をかけるだけです。なので、2、3ヵ月暮らしていけるだけのお金を頂けますれば、自分で何とかして行こうと思います」と、当たり障りのない言葉で現地のお金をゲットしつつ、怪しいお城からトンズラしたのだ。

 

 

 そうして街へと繰り出した私は、ひとまず、このOLスーツという目立ちまくりな格好をどうにかしようと、服を売っている場所を探した。

 

 

―――――――――

 

 

「アラアラ、なかなか似合ってるじゃない?」

 

「あは、ありがとうございます。」

 

 

 そうして見つけた古着屋?でなるべく歩きやすいような靴とスカート、そして、周囲の人を見て合わせるようにくすんだ色の簡単なシャツを購入し、着てたスーツは目立つからその場で売った。思い入れもなにもあったもんじゃなかったし、今は何より手持ちのお金が心配だからね。

 

 一応、屋台の串焼きと引き換えでストリートチルドレンからお金の相場とかは聞いたけど、それを聞く限りだと、貰ったお金は人が3ヵ月暮らすには十分、むしろ少し多いかな?程度の物。

 

 だからといってじゃあ3ヵ月は安心♪という訳には行くまいて。

 備えあれば患いなし、というしね。

 

 

「あの、この辺詳しくないんで一つお聞きしたいんですが、この辺で安い宿屋ってどこかありますかね?」

 

「ああ、それなら……。」

 

 

 やっぱり商品を買って珍しい物を売ったお陰もあるのか、お店のおばちゃんもとても親切に宿屋を教えてくれた。私は聞き出した宿屋で一つ部屋を取り、ようやく色々と確認する為に一人になれた。

 

 

 まず真っ先に確認すべきは、王城でも見られた私のステータスとかいう奴だ。

 

 まぁやっぱり最近よくあるやつにありがちな、経験値でレベルが上がって強くなる、例のアレだろう。……ただ、私が今見たいのはそっちではなく。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 【 名 前 】 ヨシコ・ムコウダ

 

 【 年 齢 】 27

 

 【 職 業 】 巻き込まれた異世界人

 

 【 レベル 】 1

 

 【 体 力 】 100

 

 【 魔 力 】 100

 

 【 攻撃力 】 78

 

 【 防御力 】 80

 

 【 俊敏性 】 75

 

 【 スキル 】 鑑定  アイテムボックス

 

 【固有スキル】 ネットスーパー

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そう、このネットスーパーって結局何なのよ。

 とりあえず、クッソ恥ずかしいけど、小声で「ネットスーパー」と唱えたけど何とも無かったので、鑑定でポンッと出て来て空中にふよふよ浮かんでいるウィンドウのネットスーパーという文字に触れてみる事にした。

 

 すると、それが正解だったようで、目の前にはいつもの見慣れたネットスーパーのウェブサイトのウィンドウがパッと現れ、そこには当たり前だがいつもの商品がズラリと並んでいた。

 

 ただ一つ違うのは、割と分かり易い位置に、硬貨を入れるらしい、四角い枠が存在した。

 恐る恐るそこに銀貨をチョンッと当てると、銀貨がしゅわっと消えて『残金がチャージされました』というメッセージと共に、おそらく残金であろう数値が変動した。

 

 多分、この数値が入金したお金の数で、これを消費する事によって買い物が出来るんだろうけど……どうやって届くのよ?異世界でしょ?宅配便の(あん)ちゃんが宿屋の扉叩いて「ちわーす」って届けてくれるわけ?

 

 

 

 …………ま、まぁ物は試し、という事で、とりあえず鉄貨8枚の500ミリリットルの水と1個銅貨1枚の菓子パンを2つをカートに入れて、購入手続き。

 

 本来ならここで支払い方法と郵便と受け取り方法何かが表示されたページに飛ぶのだが、手続きを済ませた瞬間、目の前に銀色の粒子が集まって行き、一つの塊になったと思ったら、そこに段ボールが現れていた。

 

 もしかしてと思いそれを開封すると、そこには先程購入した水と食料が!

 

 

 これ、ひょっとして戦ったりしたくない私からすると下手なチートスキルよりアタリのスキルだったのでは?

 

 他の勇者には苦笑いされちゃったけど、お金さえあれば飲食は困らないどころかとても充実したものをいつでもどこでも取ることが出来るし、そのお金だって、これでなんとかなるのではないか?

 

 例えばこの世界では塩は海に面していない国だと高価なものになるらしいし、そんな事だから多分香辛料なんてもっとお高く売れる事だろう。

 

 私はこのスキルで大金持ちになれるかもしれないぞ!なんつって……そう上手く行くかはまだ良く分からないけど……。

 

 

 私は異世界の地で、元居た日本で作られたフワフワな菓子パンに舌鼓を打ち、割と何とかなるかも、と軽くなった気分で宿屋のベッドに横たわった。

 

 包装紙とかのゴミはアイテムボックスに入れておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日、私は早速商人ギルドに……ではなく、馬車に乗りに来ていた。

 

 金を稼げそうだとは分かったが、その前にこの国から出ないと後々めんどくさそうだなと思ったためである。金が稼げると分かった途端やっぱり城に来いやって事になったりしても怖いし、どこかでボロが出るかもしれないし。

 

 このスキルでお金を稼ぐなら他の国に行ってからだね。

 

 

「4日もかかるんだ……。」

 

 

 乗合馬車、まぁ言ったらこの世界のバスみたいなものなんだろう。

 その情報を見る限りだと、国境沿いの街に着くまでに4日、そこからこの国の国境を超えるとなると、その街から更に移動する必要があるんだとか。

 

 とりあえず、私は水の入る革袋と、干し肉や黒パンといったこの世界の食料を購入。

 まぁ人前でネットスーパーとその商品を使う訳にも行かないしね。あと、割と当たり前に使ってたけど、アイテムボックスなんかもレアスキルの可能性があるからあま人目の付くようなところでは使わない。

 

 

 そうして初めて乗る馬車の中には、行商人らしいおじさんと、若い夫婦とその子供の四人家族、んでもって、30半ば位の女性。護衛に4人の冒険者が居た。

 

 空いて居た行商人らしいおじさんの隣に腰を降ろし、折角なので色々と聞いてみることした。

 

 

「こんにちは。」

 

「おや、こんにちは。」

 

「キールス(※これから行く街)へは何かを売りに行くんですか?」

 

「あぁ、とある伝手から石鹸を入手しましてね。キールスにある知り合いの商会に買ってもらおうと思いまして。」

 

 

 へえ、石鹸、この世界にもあるんだね。

 いや、そりゃあるか……石鹸の歴史を紐解くと話はなんと紀元前にまで遡る事になるとか言うしね……。

 

 異世界とはいえ16~17世紀中世位の文明はあると見ていいだろう。

 とはいえ、おじさん曰く石鹸が使えるのは貴族とか商人の家とかが普通なんだとか。

 まぁ言ったら高級品って訳だ。

 

 と、まぁそれは置いといて、私はその他にも色々と聞きたい事をそのおじさんに聞いてみる事にした。

 

 

 まずはアイテムボックスだが、これは何も勇者とか異世界人だけが持ってる特異な物という訳ではなく、1000人に1人は持っている物らしく、小さい物で背負子3つ分、大きければかなりの量が入るそうで、その大きさはその人が持つ魔力の量に比例するんだとか。

 

 ……その理論で行くと、ステータスで100と表示されている私のアイテムボックスもあまり期待出来そうにないな。

 とはいえあるに越したことは無いからいいけど。

 

 次に鑑定だが、むしろこちらが危惧していたレアスキルという奴であった。

 

 

 過去に持っていたのは召喚された勇者や一部の偉人だけで、鑑定持ちは商人の理想というか、伝説上の稀有な存在であるらしく、普通は国かギルドが一つ所持しているかどうかという超高級な魔道具でようやく使えるスキルなんだとか。

 

 もし鑑定が出来てアイテムボックスがあって、なんていう存在は商人の夢なんだそうだ。

 

 

 

 ……せんせー!ここにその夢を意図せず叶えてしまっている人が居まーす!!

 

 

 でもまぁ、これで私が誰かに鑑定されて召喚に巻き込まれた異世界人である事がバレる可能性がほとんどないっていう事が分かった。

 

 ちなみに、このおじさんもこのまま隣国まで行こうとしているらしい。

 何故かと聞いてみると……。

 

 「この国もいろいろとキナ臭くなってきましたからなあ……家族が居たならそうも行かないかもしれませんが、生憎私は独り身なので、早めにこの国から手を切ろうと思っていましてな……しかも、ココだけの話、噂によると近々国境が封鎖されるとかいう黒い噂もあるそうでして……。」

 

「えっ……!?」

 

「ココだけの話ですぞ!ココだけの話!」

 

「わ、分かりました。」

 

 

 この国マジでヤベェ。

 私も早めに見切りをつけて来て良かった。

 ……あの勇者三人は大丈夫かな……まあチート持ってるし、いざとなればどうにでも出来るでしょ。

 

 

 ……出来るよね?

 まぁもう飛び出してきちゃったから私にはどうしようもないけど。

 申し訳ないけど私も我が身が可愛いのであの三人には別の場所で頑張って幸せになってもらおう。

 私はさっさとこの国からおさらばだぜ!

 

 

 

 『乗合馬車運航停止中』

 

 

 

「うそお……。」

 

 ……おさらばできなかったぜ!!

 

 えっ、早くない?もう国境閉鎖が進み始めてるって事?いや、何でかは分かるよ?国の外に出て行かれちゃうと税収とか兵の数とかが減っちゃうからって言う事でしょ?ただその対応が意外と早い……こ、これ早い事なんとかしないとこの国から出られなくなっちゃうんじゃ……。

 

 だからと言って私が一人で国境を乗り越えようとすると、馬車で移動中にも出会ったゴブリンとかその他の魔物とかが襲ってくるかもしれない。

 それらと私が戦ったらどうなるかなんて想像するまでも無い。

 

 どうしたもんかな、と、そこまで考えて、行き交う冒険者らしい剣やら盾やらを装備した人達を見て、私はピンと来た。

 

 そうだ、冒険者さんにお守りしてもらいながら国境を越えればええんちゃう?(謎のエセ関西弁)と。

 

 

 まぁ、多少お金はかかるだろうけど、今ここでケチケチしてるわけにも行かないしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その翌朝、私は早速冒険者ギルドへと足を運んだ。

 冒険者は私をチラッと見て、しかし「なんだ依頼者か」と視線を元に戻した。

 ……いやまあ、確かにそうだからジロジロ見られても困るんだけどね。

 もし冒険者っぽい人だったらテンプレよろしくな感じでジロジロ見られてたのかな。

 

 

「すみません、依頼をしたいのですが。」

 

「はい、どのようなご依頼でしょうか?」

 

「フェーネン王国までの護衛の依頼を。それと馬車がないので、徒歩でとなるのですが……。初めて冒険者ギルドに依頼を出すのですが、このような依頼の場合の報酬はどれくらいになるのでしょうか?」

 

「徒歩での護衛任務の依頼ですね? 護衛任務となると、Cランク以上の冒険者に依頼することになりますし、そのうえ徒歩となると日程もかかりますから最低でも金貨7枚は必要かと……ただ、今はご承知の通り乗合馬車が停止されていまして、この手の護衛任務の依頼が増えております。それを鑑みると金貨8枚はあった方が良いかと思います。」

 

 

 金貨八枚、かぁ。

 表情を見るに八枚が本当に最低ラインっぽい。

 う~ん、痛いけど、まぁ、背に腹は代えられな……いや、待てよ?……腹か。

 

 

「えっと、じゃあ金貨八枚で、道中の食事なんかは全部こちら持ちって事ならどうですかね?」

 

「それなら、受けてくれる人はかなりの確率で現れるかと。」

 

「じゃあ、それでお願いします。」

 

「ハイ、金貨八枚でフェーネン王国までの護衛を、食事はこちらが持つ、と。では、依頼を受けてくれた方が現れましたらこちらから連絡をしますので、その時また改めてここにお越しください。」

 

「分かりました。」

 

 

 うーん、なるべく早く現れるといいな……。

 

 

 

 ……とか思ってたら、翌日、連絡が来たので冒険者ギルドに行くと、早くも依頼を受けてくれた冒険者パーティーが居たそうで、その人達との出発時の時間などの打ち合わせをすることになった。

 

 受けてくれた冒険者はCランク冒険者パーティー『アイアン・ウィル(鉄の意志)』という冒険者パーティーだった。

 

 

「俺はアイアン・ウィルのリーダーのヴェルナーだ。よろしく頼む。」

 

「私はムコーダと言います。こちらこそよろしくお願いします。」

 

 

 苗字と名前があるのは貴族だけ……という可能性もあるので、名乗るのは苗字だけ。

 無駄に勘繰られるのもなんだしね。

 

 名乗ってくれたヴェルナーさんは30代前半の190センチはある長身にがっしりとした体つきで、デカい盾を背負い腰には剣を下げており、太い腕に残る数々の傷跡と相まって見るからに歴戦の冒険者という感じだ。

 

 次いで、革鎧を着て腰から長剣を下げた剣士と思われるヴィンセント。

 胸当てをして腰に短剣を携えた斥候だろう若い女の子リタ。

 ローブを羽織った魔法使いらしき白髪交じりの渋いおっさんのラモンさん。

 修道服っぽい白い服を着た回復役だろう二十歳前後の女性のフランカ(ちなみに超巨乳)で、計5人の冒険者パーティーだった。

 

 中々バランスの取れたパーティーだなあと思う。

 いや、もちろん素人目だし、冒険者の事なんて良く分からないけど……。

 

 ヴェルナーさんとの話し合いで、出発は明日、朝7時に冒険者ギルド前に集合ということになった。

 

 食事もこちら持ちだし、いろいろと準備しといて正解だった。

 あと、「本当に食事はそちら持ちで大丈夫なんだよな?」と聞かれたけどアイテムボックス持ちだから~という理由であっさり納得してくれた。

 まぁ見るからに戦闘とか出来そうにないのはもちろんの事、大荷物も持ってないからね、そりゃ怪しまれるよね。

 

 出発は明日になった事だし、私はこれからまた必要になりそうな物を買い集めた。

 

 まずマント、これは布団になるし防寒にもなるし色々と便利で必需品だそう。

 そして食器類各種を細々とではあるが揃えていく。

 そうやって色々と購入していくなか、私は魔道コンロなる物を見つけた。

 

 まぁ、文字通り、電機ではなく魔力で動かすカセットコンロだ。

 魔力を流し込むことで誰でも簡単に火が起こせる優れモノだが、ちょっと高い。

 

 これを見て私は、これならあっちの世界のカセットコンロを魔道コンロと称して使う事も出来るのではなかろうか?と考えた。

 

 魔道コンロの外見がカセットコンロに酷似していた為だ。

 

 

 私は早速ネットスーパーでカセットコンロを購入。

 他にも、カセットガス、鍋にフライパン、包丁、まな板、そして、大事な食材はジャガイモ、人参、玉ねぎなどの野菜類にチーズ、ハム、ソーセージ、卵、ベーコン。それからすぐ出せる惣菜類も購入。あとは塩に固形スープの素などの調味料類もいろいろと購入。

 

 何だかんだで金貨2枚ちょい使ってしまった。

 色々とみていくうちに揃えて行きたくなっちゃうんだよね。

 まぁ、無駄な買い物ではない筈だ。

 

 ……ほんとは化粧品とかも揃えたかったけど、匂いとかで怪しまれると嫌だし、今回は諦めた。

 

 

 

 翌日、キールズの街を出発してから旅路は順調に進んでいた。

 アイアン・ウィルの皆さんの布陣も抜かりない。

 

 私を真ん中にして、先頭は斥候のリタで私の右側が剣士のヴィンセント、左側が魔法使いのラモンさん、私の後方右側が回復役のフランカで後方左がヴェルナーさんだ。

 

 いざという時は依頼主である私を一番に守るための配置だという。

 

 正直もっとキツイ物を想像していたんだけど、皆私を気遣って合わせてくれたから、あまりしんどい目には合わなかった。

 

 

「そろそろ日が暮れてくる。今日はここらで野営にするか。」

 

 しばらく進んで、ヴェルナーさんの一声で今日はここまでとなった。

 私は約束通り食事の準備を始める。

 

 とは言っても、事前に作ったものを温めるだけだから簡単だけどね。

 

 

「お、その魔道コンロ、すごいの持ってるね?」

 

「あぁ、家庭を持った知人から、もうこれを使って料理をする事はないだろうからって安く譲り受けたんですよ。」

 

 

 へぇ~とカセットコンロをまじまじと見るヴィンセントさんだったが、特に怪しまれている感じではないので、次いで私は玉ねぎを1cm角、ベーコンを1cmの色紙切りにする。

 鍋にオリーブ油を熱して中火でベーコンを炒め、香りがたったら玉ネギを加えて炒め合わせ、玉ネギがしんなりしたら、見られないようにこっそりと固形スープの素を入れ、そこに水を加える。

 

 固形スープの素が煮溶けたら、塩コショウで味を調え……たいところだが、高級品であるかもしれない事を考えると、ここで使ってしまうと色々と問題になるのでは?と思い、スープの素の味を信じる事にした。

 

 最後にトッピング用の乾燥パセリを散らして完成だ。

 

 その傍らではスープを煮ている隙に、食パンとハムとチーズ、レタスを挟んだ物と、事前に作っておいたたまごサンド用のたまごサンドのネタを挟んだ物を添えて、完成だ。

 

 

「皆さん、食事が出来ましたよ~。」

 

「おおっ!?すっげえいい匂い!」

 

「それじゃ、いただくとするか!」

 

 

 異世界でもそのあたりの感覚は同じだったようで、見た目からしても各々割と好印象を覚えたようだ。異郷のスープって結構飲むの勇気居る気がするけど、そのあたりも大丈夫そうで何より。 

 

 ……私が気にし過ぎかな?

 

 

「うっ、うんめぇ~~~!!」

 

「このパン、すっげぇ柔らかいな!これだけでご馳走だ……挟んであるたまごとこれも……うまい!!」

 

「ねっ!?このパンすっごい美味しいよね!!」

 

「このスープも……はぁ……美味しいわねぇ。」

 

「うん、美味い。」

 

 

 うんうん、かなり好評なようで何よりだ。

 特にパンは驚かれた。

 こんなに柔らかいパンは貴族位しか食えないもんだとか。

 まぁ確かにここに来るまでに見かけたのは黒いパンだったな。

 スープにつけてふやかしてから食べる位硬いパンも当たり前、みたいな感じ。

 

 故郷の製法で作られたパンなんでそこまで高くは無いんですよ~と適当に言って誤魔化したが、そんな特殊な製法で作られたパンをいただいてしまってよかったのか!?とか言われてしまった時にはちょっと困ったね。

 

 ホントはワンコインで買えるレベルの安い食パンだし。

 なんならいつでも補充できるしね。

 

 食べないでとっておいても腐るだけですから、と言うとそういうことならとぱくついていたけどね。

 

「おかわり!」

 

「馬鹿お前少しは遠慮しろ!」

 

「あはは、いいですよ、皆さん結構食べそうだなと思ったので結構量作っておきましたから。」

 

「ホント?いや~ありがたいね!」

 

「じゃあ俺もおかわり!」

 

「あの、すみません、俺も……。」

 

「……このたまごのサンドイッチ、絶品だな。もう一つくれないか?」

 

「わ、私もいいかしら……?」

 

 

 

 かなり動く事になるだろうから、当然食べる量も多くなるだろうなあと結構多めに作っておいたけど、巨乳美女魔法使いのフランカさんまでおかわりするとは思ってなかったよ。多く作っておいて良かった。

 

「それにしても、旅路でこうして温かいものにあり付けるとはありがたいことだ。」

 

 そう言いながらスープを啜るヴェルナーさんの言葉にみんな頷いている。

 

「ホントっすよ。この依頼受けて正解でしたね。」

 

 旅の間の食事と言えば、干し肉やら前述の硬いパン等の味気ないものになることが多く、私が出したような食事は旅路で食うにはかなりのごちそうになるそうだ。

 

 美味い物を食えば場が和むのはどこも一緒みたいで、話も弾んだ。

 

 そうした話の中で分かった事だが、どうもこのアイアン・ウィルの皆も、この国の不穏な空気を感じ取って、隣国へと渡る事を決意したんだとか。まぁ、そりゃあんだけ怪しまれてる中、突然国境を封鎖するとか噂が出たりしてたらね。

 

 そんな最中、私の依頼が目に留まったそうだ。

 

 本当はもう少し高い報酬が出る依頼もあったそうだが、道中の食事もとなると、五人分の食費は結構馬鹿にならない額になるそうで、それなら私の依頼を受けた方がいいかと思ったらしい。良かった、一言付け加えといて。

 

「料理は得意な方なので、この先の食事も任せてくださいね。」

 

 そう言うと、皆は笑顔で明日からも楽しみにしているよ、と言っていた。

 こちらも身を守ってもらっている訳だし、出し惜しみ無しで美味しい物を作らせてもらうよ。




飯要素を出すまでやったからここで終わり。

女性ムコーダさんのスペック↓

容姿:今んとこ特に決めてないけど、日本人ならではの若作りで異世界目線で見ると二十台前半に見える。別段美人という訳ではないが。黒髪ロングで若作りな顔で背は低めと考えていただければ特に問題はない。

精神:原作のムコーダさんより5割増しで優しいし甘い。んで変な所原作より男気がある。夢見がちな乙女だった頃があり、その影響で原作より妄想力が強く、今後の魔法の習得が早い。

料理の腕:学生時代から好きで料理部に所属したり一人暮らしを始めてから更に凝ったものをつくるようになったりと、非常に女子力が高く、お菓子作りも出来る。

男運:壊滅的に悪い。今までも男性と付き合ってもその人がとんだダメンズだったりクズだったりとろくな目に遭っていない。ただ、その影響で男を見る目とダメな男を操縦する腕はある上、知り合いからはダメ男製造機とまで言われてしまった事がある。

ステータス:上記の理由で魔力の伸びは良いが、体力面では原作に劣る。また女の子の日とかあるので旅の足が原作より遅い。
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