ナザリックと同格のギルド放り込んでみた   作:ダイアジン粒剤5

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放り込んだギルド 2

 バハルス帝国首都、アーウィンタール。

 歴代最高と讃えられるジルクニフ帝の辣腕で元より活気にあふれていたこの帝都は、竜帝の傘下となったことで空前絶後の繁栄を迎えていた。

 人類版図の各所より各種珍品、名品が集まり溢れていた市場には、今や亜人たちの領域で会った南方の宝物や香辛料までもが溢れており、中には竜帝より下賜された異界の珍品までもが置かれている。

 都市の領域も元の数倍まで広がっており、そのための労働力もまた竜帝から人々に与えられた最新の魔道技術により量産されたゴーレムたちにより賄われている。

 なかにはゴーレムともまた異なる技術により作られたロボットなるモノもあるそうだったが、帝都の住民たちにとってはどうでもいいことだった。

 大切なことは、これら全てが偉大なる竜帝陛下によりもたらされたという事だった。

 

 竜帝が最初現れた時、帝都の住民は恐怖に打ち震えた。

 その支配下に入らざるを得ないと覚悟した時、被支配生物として選ばれた人間たちは到来するだろう闇の時代に絶望した。

 だが現在。

 竜帝支配下の人間種たちの顔は皆一様に、未来への希望に光輝いている。

 竜帝が推し進めた南方亜人国家群への大遠征事業。

 その圧倒的な成功とそれによりもたらせられた繁栄は、人間たちの竜帝への不信と恐怖を押し流した。

 長い年月、種としてのスペックが圧倒的に格上な亜人たちに圧迫されてきた劣等種族である人間たちは、本能的に強い者に縋り守ってもらいたいと願う本能を持っている。

 亜人たちを打倒す力を与えそれに伴う繁栄を与えてくれた竜帝を、多くの人々は庇護者として受け入れたのだ。

 竜帝陛下の下にある限り、自分たちには永遠の繁栄と安全が約束されている。

 もはや傘下にある国々の一部では、この世に降臨された新たなる神として神格化され始めている竜帝である。

 肉持ち現実に君臨する神の御許にありその御業によって繁栄と栄光を賜っている人間たちは、幸福感に酔っていた。

 

 無論、その酔いを醒ます不安材料が無いではなかった。

 隣国リ・エスティーゼ王国に現れた悪魔の親玉、魔皇ヤルダバオトがそれだ。

 歴代最強とも謳われるアダマンタイ級冒険者モモンとその親、大魔法詠唱者アインズ・ウール・ゴウンの手により王国から撃退されたようだが、いまだどこかに潜伏しているという。

 

 帝国や法国、都市国家群などの竜帝傘下の諸国家にその毒牙を伸ばしてくるのではないか?

 そういう恐怖が無いではなかった。

 

 だが、多くの者はそれを一笑に付した。

 

 「竜帝陛下が在られる。 魔皇ごとき、仮に現れたところで瞬く間に引き裂かれるだろう」

 

 事実人々に安心を与えるかの如く、竜帝の御座船である空飛ぶ巨船は遠征の最前線である南方から王国との国境線近くまで戻ってきていた。

 遠く離れた遠方からすらその威容が知れる巨船に、信仰対象にすら成りかけている絶対強者の庇護者が座している。

 竜帝陛下ある限り、自分たちは安全だ。

 人々は、そう確信していた。

 

 

 

 ――――ただ、人々からそう思われている張本人である竜帝こと百段の内心は安心とは程遠かった。

 

 百段だけではない。

 巨船フリングホルニの談話室内で顔を突き合わせている同じプレイヤーのフナザカとTEN☁KAI、そして新たにギルドメンバーとなったこの世界の住人、漆黒聖典の隊長の顔色は皆すぐれなかった。

 

 理由は魔皇ヤルダバオト――――などではなく、その対抗存在として現れたアインズ・ウール・ゴウンである。

 

 プレイヤーである3人はソレが何か元より覚えており、隊長も知識の共有は成されていた。

 アインズ・ウール・ゴウン。

 自分たちギルド≪ブラックオーダー≫に匹敵するほどの戦力を持った巨大ギルド。

 表に出ている五百の死の騎兵などその総兵力の1%にも満たない、ゲーム内最多のワールドアイテムを保有していたチート集団。

 そんな可能な限り敵対したくない、可能なら友好接触したい、最低でも相互不干渉を結びたい相手に、百段は既に非友好的接触をとってしまっていた。

 

 「で、やっぱり百段さんと隊長さんが戦った変な吸血鬼は、アインズ・ウール・ゴウンのNPCで間違いないと?」

 

 「……おそらく。 あのギルドの資料調べ直してみたら、最初に出てくる100レベルNPCと姿からスキルまで全部同じだったので。 偶然の一致ってことはないと思います」

 

 「マジかー」

 

 百段の答えにフナザカは天を仰ぎ、その姿に百段は申し訳なさそうに頭を下げた。

 

 「……すいません、毎度迷惑をかけて」

  

 「いえ、あのとき貴方は襲われていた女性を助けようとしたのです。 間違った行動をしたとは思いません」

 

 だがそんな百段の姿に隊長が待ったをかけ、TEN☁KAIもそれに続いた。

 

 「そうですよ。 それにそれもあって隊長さんとか番外ちゃん、それに法国とも親しくなれたんです。 結果オーライですよ」

 

 「ま、そうですね。 それに結局、殺してはいないんでしょう? だったら復活のための資金も使わせないで済んだんですし、プレイヤーじゃなかったのも不幸中の幸いです。 これに関してはもう、百段さんの武器破壊スキルで壊した武器の修繕費用でも払えば大丈夫ですよ」

 

 「……ありがとうございます、皆さん」

  

 仲間たちからの暖かい慰めの言葉で声音が明るくなる百段だったが、続く隊長の言葉で再び項垂れてしまった。

 

 「そうなると後の問題は……番外席次です。 どうですか百段さん、彼女の様子は?」

 

 「……かなりやる気になってます。 もう戦争したくてウズウズしてる感じで。 女神様もそれに応えて今はいないメンバーが残してった金貨を使って高レベルモンスター召喚して戦争の準備していますし、正直止められる気がしません」

 

 百段の言葉に他の3人も項垂れ顔色が悪くなる。

 女神様だけでも全く手に負えないのに、更なる問題児がソレを煽っているのだ。

 

 「隊長さん、こんなことは言いたくないんですけど、貴方たちあの子にどんな教育してたんです? あの年で結婚して子供作ろうと本気で夜這いかけてくる上に、完全な戦闘狂。 いつも欲求不満を抱えていて我侭で、正直手に負えないんですけど」

 

 割と深刻な口調で尋ねた百段だったが、お調子者なところがあるフナザカがそれを茶化し始めた。

 

 「もう諦めて手を出したらどうです? 子供出来れば落ち着くのでは」

 

 「出来るわけないだろ、相手完全に子供だぞ? しかも俺、今ドラゴン。 どんな特殊性癖だ」

 

 「竜王国の女王様の祖先も人間と子供作ったそうですし、割とありなのでは?」

 

 「無しだよ。 そもそも見た目子供で事案なのは変わんねーだろ。 それに俺、元の世界に妻も子も孫までいるから」

 

 「頑張ってロリコンに目覚めてください。 頑張れ、御爺ちゃん!」

 

 「……お前も俺と同じくらい強いってあの子に教えてやる。 近いうちに襲われるだろうけど、頑張れよ? 負けたらあの子の気がすむまでボコボコにされるし、勝ったら子作りに誘われる毎日だ」

 

 「やめて?! そもそも強いって、そりゃユグドラシルでの話でしょーが! 俺、前線で亜人ども相手にやってる弱い者いじめならともかく、あの子クラスの相手とガチ戦闘する度胸なんて無いですから!! ほんとにやめてくださいよ!?」

 

 「お、おう。 そこまでガチで言わんでも」

 

 フナザカのあまりの剣幕に若干引いた百段だったが、場の空気を戻すように隊長がゴホンと咳払いをした。

 

 「……話を戻してもいいですか?」

 

 「あ、ああ、すいません、隊長さん。 つい現実逃避を」

 

 「まあ実際、現実逃避したくなる現状ですもんね」

 

 TEN☁KAIの軽口を流し、隊長は話を続けた。

 

 「番外席次の教育については……。 正直、エルフの血を継ぐ彼女は法国の誰よりも年上なので正確なことは言えませんが、彼女の母親が関係しているそうです。 また彼女の存在そのものが評議国にある白銀の竜王との盟約に背くもののため、戦争を避けるためにも神殿に閉じ込める様な形で育ったのが悪かったのでしょう。 婚姻と子作りを強要するのは……我々の落ち度もあります。 あの時は申し訳ありませんでした」

 

 「……過ぎた事ですよ。 それに、あの子の性格からしていつかは襲われていたでしょうし」

 

 ちょうど話題に上がっていたアインズ・ウール・ゴウンの吸血鬼NPCと百段との戦いのさなか、隊長たち漆黒聖典は何者であろうと洗脳することの出来るワールドアイテムを用いて介入、戦闘を優勢に進めていた百段を支配し法国に連れ帰ることに成功した。

 そのまま臨時で最高評議会が開かれ百段の口から世界崩壊級の厄ネタが続々と語られたのだが、そのさなか、自分より強い強者を求め退屈し刺激に飢え切っていた番外席次が百段を急襲したのだ。

 洗脳下にあったとはいえ、本能的に防衛行動をとった百段はそのまま番外席次と交戦。

 番外席次は人類の守り手とも呼ばれるこの世界最強の人類だったが、ユグドラシルにおいてワールドチャンピオンを除けばトップクラスに入るプレイヤーである百段には及ばなかった。

 ほぼ一方的な戦いの末、百段は番外席次に勝利。

 以降たちの悪い懐かれ方をし、竜帝という分を遥かに超えた立場に胃壁を削られる百段の精神を更にやすり掛けする存在となっていた。

 

 「子作りとか言ってこなければ犬猫に懐かれるみたいで結構癒しになるんですけどねぇ……。 まっとうな人間関係を築けば改善されるかと思って俺の娘って形で帝国魔法学院に編入させたけど、あんまり効果ないし。 皇帝さんに無理言っただけになっちゃったなぁ」

 

 「ああ、俺が前線で知り合ったアルシェって子と一緒に編入させたんでしたっけ。 あれ、効果なかったんです?」

 

 「一部改善したんだけど、なんかよりいっそう増長したような気がする。 あまり特別扱いしないようにお願いしたんだがなぁ……」

 

 更に落ち込む百段を、隊長は苦笑しながら見つめる。

 

 (いや、どう考えても特別扱いされるだろう。 確かに帝国は我が法国と比べてハーフエルフに対する差別は少ないが、それでも無いわけではない。 支配地が急激に増えて忙しいだろうに、あの皇帝も気の毒なことだ。 万が一にも竜帝の娘に侮蔑の視線や言葉が投げかけられぬよう、散々気を配ったのだろう)

  

 世間では竜帝の右腕などと呼ばれ竜帝の治世における最大の成功者扱いされる帝国皇帝ジルクニフだったが、その立場は危ういものだった。

 なぜなら大遠征が進み竜帝の支配地が広がるにつれ、かつてジルクニフによって粛清されたり閑職に追いやられたりした元貴族たちが復活し始めたからであり、番外席次の付き人として学院に編入されたアルシェという少女の生家であるフルト家も、そういった元貴族の一つだった。

 亜人領の征服自体は竜帝軍の圧倒的な力で為されるのだが、征服した領土は統治し運営しなければならない。  竜帝軍の中核を占める元冒険者やワーカー、そして元々亜人領にいた家畜扱いの人類では領地経営などとても不可能であり、結果として曲がりなりにも領地経営のノウハウがある元貴族たちが重用されたのだ。  

 無能として粛清された彼らではあったが、竜帝という絶対者の恐怖の下、無能は無能なりに粉骨砕身し皆がそれなりの地位と財産を取り戻した。

 

 ――――そして力を取り戻した彼らは皇帝ジルクニフへの憎悪を募らせ、強大な反皇帝派閥を形成した。

 

 立場的には竜帝の家臣である彼らには皇帝も手出しはしにくく、竜帝の右腕という世間の評価が、彼ら反皇帝派閥を抑制する最大のよすがとなっていた。

 

 (当初はそれなりに竜帝への反抗心をもっていた皇帝だったが、もたらされる繁栄と反皇帝派閥の存在により反抗を不利益と判断し、完全に竜帝の治世に尽くす存在と化している。 ……これが竜帝、すなわち百段の思惑によってなされたものでないことは確かだ。 それなりに付き合ってきたが、そういうことを考えて行動する人物でない事だけは確信できる。 そうなるとやはりこの流れは全て、あの女神の考えか)

 

 番外席次を除いて唯一ギルドへの加入資格があると認められた隊長は、半ばスパイの役を担っていた。

 番外席次は性格的に向かず女神になかば籠絡されているので、人類の存続と発展ため隊長がやるしかなかったのだ。

 

 (その甲斐あってぷれいやの方々と親交を深めることができ、彼らの持つ知識や技術を人類にもたらしてくれるよう頼むことができた。 これで人類はさらなる発展の道を辿ることができるだろう)

 

 ただ気になるのは、人類に技術や知識を与えることもすべて女神の思惑通りに思えることだった。

 実のところ神にも等しい存在だと萎縮するところもあったぷれいやの3人はとても気さくで人間的で、はっきり言って付き合いやすい存在だった。

 人類のために行動することにも積極的で、世情で言われている通り新たな人類の守護者と言っても過言ではなかった。

 

 (ただ、あの女神は違う。 本当に底が知れない、何を考えているのか全く分からない。 全てが掌の上のようで、恐ろしい)

 

 そして何より恐ろしいことは、このギルドはその女神の完全独裁体制のもと運営されているということだった。

 ギルドメンバーの意見を聞いてはくれるのだが、最終的な判断は全て女神の独断に委ねられている。それに異見を述べることは誰にもできない。

 

 (御三方と親交を深めることは出来たが、それでもあの女神に異見までしてくれる方はいない。 ……人類の未来のため、あの女神の動向には今後も注意しなければ)

 

 「隊長さーん、聞いてますー?」

 

 俯きながら物思いに沈んでいた隊長だったが、TEN☁KAIの声に顔を挙げた。

 

 「あっ、すみません、ちょっと考え事をしていまして」

 

 「しっかりしてくださいよ、隊長さん。 なんだかんだで貴方が一番頼りになるんですから。 なんなら回復魔法でもかけましょうか?」

 

 高僧の姿をしているだけあって、実はTEN☁KAIのは回復と補助のスペシャリストである。 

 気分の悪さも、精神系のバッドステータスを回復する魔法をかければ一発だろう。

 

 「いえ、本当にお気遣いなさらず」

 

 ぷれいやとはいえ生命を憎むはずのアンデットに優しく気遣われるのはいまだに慣れないなと思いながら、隊長はフナザカと百段の間で交わされている話に耳を傾けた。

 

 「とりあえず今のところ絶命ちゃんは百段さんの言う事をある程度聞くんですから、その間に向こうと連絡とって不戦条約なりなんなり結ぶしかないでしょ。 それで女神様を説得するって感じで」 

 

 「……まあ、戦争するのは俺に勝ってからって約束で今は止めてるけどさ。 正直何時までも止められる気はしないぞ? あの子、最近ウチの高レベルモンスター相手に修行してドンドン強くなってるから。 俺は種族レベルの割合が高い分、対策をガチガチに固められると苦戦するからな」

 

 「百段さんなら余裕でしょー。 そういう相手、今まで何十人も倒してるじゃないですか」

 

 「……お前と同じでな? ユグドラシル時代ならともかくリアルで戦うとなると、親しい仲のあんな小さな子を本気で潰すなんて出来ないんだよ。 手心を加えて判断ミスしそうになる」

 

 不安はあれど、とりあえず当座の目的は決まったようだった。

 

 「じゃあ百段さんが絶命ちゃん止めてる間に、ともかく向こうと接触するってことで。 ……誰が行きます?」

 

 「俺は嫌です、怖いんで。 百段さん行ってくれません?」

 

 「俺も一人で行くのは嫌だよ。 どういう思惑があるのか知らんが今は向こうさんも王国とやらの重鎮って表の立場があるんだから、そっち方向から公式会談を頼む方向性でいいだろ」

 

 「……ああ、そういえば今はそうなんでしたね。 しかし、なんであいつらあの程度の戦力で魔皇ってのと戦ったんでしょうね? NPCがいるってことはギルドごと転移してきてるんでしょうに」 

 

 フナザカの疑問に、百段は首を振って答える。

  

 「皆目見当もつかん。 それにあのモモンって奴も謎だ。 あんな奴はアインズ・ウール・ゴウンにはいなかったはずだし、そもそもモモンガの子供ってのも理解不能だ。 あいつ結婚したのか?」

 

 「どうでしょね? 正直なところ親しいわけでもなかったし、ここ数年の間に結婚して子供作ってアカウント作ったんじゃないです? ギルドが解散した後も一人で細々とやってるって話は何年か前に聞きましたし」

 

 ――――彼らの話は、時々分からないことが多い。

 

 素性などに関してもユグドラシルと呼ばれる異世界から来たという以上の事があるようだったが、そこから先は決して教えてくれない。 

 どれだけ親しくなったとしても、やはりぷれいやである彼らと自分との間には大きな溝があるようだった。 

 

 (まあ彼らが現状人類に好意的で庇護しようとしてくれているのは間違いない。 隠したい素性を無理に聞き出そうとするのは関係性を壊すことにも繋がる。 あまり深入りすることではないだろう)

 

 「まあともあれ、百段さんには絶命ちゃんに勝ち続けて止めていてもらわないと。 次は何時、模擬戦するでしたっけ?」

 

 「週一で戦ってるから、明日だな。 とりあえず公式会談の準備さえ始めてしまえば仮に負けても即戦争ってことにはならんだろうから、絶対に勝たんとな」

 

 「では私から法国を通じて会談を行うよう取り計らいましょう。 数日内には使者を贈れると思いますので、会談自体も相手の出方次第ですが一月以内に実現できるでしょう」 

 

 「じゃあ何を決めるか考えないとかないとですね。 とりあえず相互不可侵、連絡を取り合うためのホットラインの設置とかは必須ですかね」

 

 「可能なら同盟関係の締結、無理でも情報の共有とかはしたいですね。 こんな事態に巻き込まれてるもの同士、協力できることは協力していかないと」

  

 「だったら向こうのNPCを攻撃したことの謝罪も最初にしといた方がいいかもですね。 最初に折れるところは折れて、金貨を払うくらいで手打ちってことにして」

 

 「こっちが全面的に悪いわけでもないんですから、謝罪までする必要は無いんじゃないです? 後から後から謝罪と賠償を請求されて絡まれるのは面倒ですよ」

 

 「いやあのモモンガって人はそこまで常識はずれなDQNではなかったでしょ、プレイスタイルはDQNだったけど。 一度手打ちにしたことを表立って蒸し返すほど馬鹿じゃないですよ」

 

 「じゃあこっちの対応としては…………」

 

 その後数時間にわたって前後策に対する議論が行われ、NPCの件に関しては壊した武装の修繕費分の金貨を払うということで結論を見、隊長主導で竜帝として王国宰相に正式に会談を申し込み百段が直接モモンガと話し合うという事が決まった。

 

 

 ――――そして翌日行われた番外席次≪絶死絶命≫と百段の模擬戦。

 

 まだまだ実力に差があるため終始優勢に戦いを進めた百段だったが、番外席次が行った重傷を負ったフリ弱ったフリ作戦に見事にハマり攻守逆転。

 奮戦するも一度傾いた天秤を戻すことは出来ず敗北。 

 女神アイラム全面協力のもと、番外席次の主導によるアインズ・ウール・ゴウン殲滅計画の遂行が決定された。

 

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