仮面ライダーディエンド vs Yes!プリキュア5GoGo! 作:新生ブラックジョン
広大な敷地の中にある建物を見上げた青年の目に、屋根の天辺では不気味な黒鳥の様なシンボルがその翼を広げている。それは西洋館を思わせる佇まいの博物館で、内部には館長自慢のコレクションとなる数々の展示品が並ぶ。だがそこへは入場券を以て立ち入ることは愚か、それどころか外界からの存在は一切歓迎されない。博物館はエターナルと呼ばれる組織の本部として機能していた。館長の意思の下に世界中から価値ある品を収集させ、それを美しいまま永遠に保管することを目的とする。・・・・そして組織はその為に強奪をも省みず、収集活動の妨害となる存在の徹底排除も辞さない。破壊、殺戮を世界にもたらしかねないエターナルは館長が価値あると定めた貴重な品々をどんな手段を以てしても必ず手に入れ、自分の為だけにそれを保管すべく永久に奪い去る盗賊集団だ。
「エターナル。・・・・・・生憎と僕の趣味ではないな」
――――青年・・・海東大樹は不気味な“シンボル”を見詰めて懐に手を伸ばすと、一挺の拳銃・・・ディエンドライバーを取る。銃口を“真っ黒な鳥”へ向け、フックショットを放つことでワイヤーを上手く巻き付ける。トリガーを操作しウインチで屋根まで一気に上り詰めた。到達した彼は更にリュックサックから取り出したロープを垂らして窓がある位置まで降りていく。・・・・とある一室を覗いた大樹は反動を付け、大胆にも勢いよく窓を蹴破った。
仮面ライダーディエンド vs Yes!プリキュア5GoGo! Chapter-1
館に忍び込んだ彼は早速その部屋を物色し始める。一通り目を通し机に向かうと、山積みになった書類らしき紙の束を目にして読み漁った。表紙、内容からエターナルのハンター達による報告書であることが解る。組織が持つリストに従いそこに掲載された品を収集、後に職務内容を報告している。・・・・大樹はある特定の内容に関した物を発見しそれを手に取ると部屋を後にした。――――廊下を行く彼の目に飛び込むのはこれまで集められた数々の貴重な展示品であった。まるで組織の力を誇示する様に様々な“お宝”が壁に埋め込まれたガラスケースに収められている。大樹は感心しながら眺め始めていた。
「噂には聞いていたがこれ程とはね」
「―――貴方・・・」
つい夢中になり過ぎたと後悔して振り向くと、そこには謎の青年に対し明らかな警戒心を抱いた鋭い目付きの女が立っていた。秘書然とした格好の彼女は大樹の姿を見てより語気を強めて尋ねる。
「部外者がそこで何をなさってるのですか」
「っ僕としたことが」
咄嗟にディエンドライバーを構えた大樹の指が引き金を絞り、大型二連銃の銃口が火を吹いた。50口径のエネルギー弾を足下に向けて放ち、相手が怯んだ隙に彼は元来た道を引き返す。
「どきたまえ!」
「うおぉっ?!なっ何だー!」
・・・角を曲がりきった出会い頭に作業着姿の男と遭遇する。大樹はディエンドライバーで威嚇しながらその脇をすり抜け、侵入経路であった部屋に飛び込んだ。その後から僅かな差で女が現れる。
「ブンビーさんっ」
「あっアナコンディさん・・・!!」
「今の男は!何処ですか?!」
一方はエターナルの財宝鑑定士であり、もう一方はハンターであった。前者は侵入者の行方を辿って、そこへ偶然居合わせたブンビーと呼ぶ男に尋ねた。
「己れ!」
大樹は蹴破った窓から既に外へと飛び出し、堂々正面の道を走って行く。アナコンディは荒らされた自室の有り様にグラグラと怒りを沸騰させる。頭髪が蛇の如く揺らめく。
「行きなさい!・・早く!」
「は?・・・・・・・・・えぇっ私?!」
「他に誰が居るんですっ早くなさい!逃げられます!」
出口へ向けて走る大樹、灰色のオーロラの様なカーテンがその目前に迫る。“次元の壁”となるそここそが世界を脱する通路へ繋がる。が、瞬間的に移動してきたブンビーの攻撃が放たれた。・・・大樹は突然地面に打ち込まれた巨大な杭に足を止める。振り向いた先には人間のものから変容した姿のブンビーが居た。彼は赤や黄といった派手な色彩の肉体と化し、頭部は大きな複眼や触角を有したまるで昆虫の様である。―――ブンビーは右腕から杭の様な針を撃った。
「・・・へぇ、それが真の姿って訳か。エターナルも侮れないな」
「っここに忍び込むとは只者じゃないな?何者だ!」
「―――通りすがりの仮面ライダーさ。ま、別に覚えなくても良い」
握っていたディエンドライバーを器用に取り回し、続けて取り出した一枚のカードを銃本体のスロットに差し込むと、大樹は銃身下部に備わるレバーをスムーズに操作する。
〈―KAMEN RIDE―〉
「変身!」
〈―DE・END―〉
高く掲げた銃を天に向け撃つ。・・・・・・・・・三色の人影が青年の体に重なることでアーマーに包み込み、頭上に滞空していた何枚かのプレートは顔面目掛けて降り注いだ。それがスリット状の複眼を備えるマスクを形成し、彼も又戦う為の姿となる。
「なっ何ぃ?!」
「少しだけ相手をしてもいいよ、あんたの力を是非見せてくれ」
―――海東大樹、彼はパラレルワールドを自由に渡り歩く次元戦士・仮面ライダーディエンドに変身した。
「但し」
ディエンドのベルトにある左腰のホルダーにはカードが収まる。そこから一枚取り出すと再びドライバーに装填する。
〈―KAMEN RIDE・・・SASWORD―〉
トリガーが引かれ新たなる存在が解き放たれる。・・・ディエンドの持つ“カメンライド”能力は実体ある幻による同じ仮面ライダーの召喚であり、愕然とするブンビーの目の前に“サソード”が登場した。
「相手は彼だ」
「馬鹿な!?―――なっ何なんだこいつはっ・・・?!」
そんな同様も構わず、仮面ライダーサソードは手にした剣を携え襲い掛かる。サソリをモチーフとする彼の武器“サソードヤイバー”の刀身には猛毒となるポイズンブラッドが滾る。ブンビーは一先ず後方に飛び退いて回避すると、右腕を構えてエネルギー状の細い針を連射した。・・・サソードは数発を剣で叩き落とし、更に回避して接近する。
「どうかな?あんたにお似合いだと思ったんだけど」
ディエンドは両者の戦いを傍観して背を向けた。
「何を!」
「ハァァッ!」
サソードの剣捌きに圧倒されかかるブンビーだったが、サソードヤイバーの一突きをジャンプしかわした彼は敵の背後を取る。蜂の能力を備え背中には羽を持つ。これにより大きく回避した。
「食らえ!」
再び巨大な針が撃たれる、それがサソードの背中を捉えて風穴をあけた。途端爆発が起こってライダーの姿を呑む。ブンビーは敵を撃破した。
「~♪なかなかやるじゃないか。まぁ、ほんの小手調べだけどね」
口笛鳴らし指鉄砲で撃ち抜きながら事実か否か、彼は自らの背後に迫るオーロラの中に姿を消していく。・・・・その様子を窺っていたアナコンディは同じく初めて目の当たりにした仮面ライダーなる存在に内心焦りと苛立ちを覚える。彼女は荒らされた自室へブンビーを呼び戻し新たな指示を下す。
「・・・報告書を取り戻して下さい」
「えっと、あの・・・・・・私がですか?」
「―――ブンビーさん」
「あっいえっ、そうですよね!今私しか居ないんですから・・・」
眼鏡越しに伝わるアナコンディの視線が彼を心底震え上がらせる。
「でっでも、報告書なら又書いて提出すればよろしいんじゃ?」
「そういう問題ではありません。我々の情報が外部に漏れる等ということがあってはならないのです!・・・・・・ブンビーさん、貴方はエターナルを無断で飛び出した上にあろうことかプリキュア側へ寝返ろうとした。・・・・・・ですがこうしてのこのこと戻ってきたのはどうしてでしょうね?」
彼女は全てお見通しと言わん秤にブンビーを更に見詰める。・・・睨まれた蛙として寿命が縮み上がる思いだった。
「これはチャンスです。報告書を取り戻して頂けたらこれまでの失敗の数々、裏切りも全て水に流しましょう。―――ですが、お断りになるならそれでも。・・・貴方次第です」
ブンビーは決断を迫られる。そして彼にとって選択肢は限られていた。
大樹は追っ手を振り切りエターナルを脱出するとその足で新たな場所を訪れた。そこは閑静で広々した湖畔だった。手にした報告書の内容から直ぐ側に建つアクセサリーショップ“ナッツハウス”に彼は向かう。・・・すると丁度、そこへ駆け込んでいく少女の姿を捉える。
「最後の王様、遂に見つけたんだってー!?」
―――そう言いながら夢原のぞみが慌ただしくナッツハウスにやって来る。そこには既に彼女の仲間が全員集まっていた。
「・・シー!静かにっ」
「え?・・・・・どっどうしたの一体・・・」
「王様の様子が変なんです」
既に集まっている内の1人、春日野うららが心配した様子で答える。
「えぇっ?!」
「だから大声出さないで!」
「―――何よー、くるみだって声が大きいじゃない・・・!」
「ちょっと2人共静かにっ。・・・全く―――」
睨みながら美々野くるみがのぞみに対して声をあげ、更に言い争う両者を夏木りんが嗜める。彼女は2人に呆れてため息をつく。何やら重々しい空気だがことの発端はあるパルミンという精霊が見つかったことだった。それが最後の国王であることが判明したのだが酷く衰弱した様子で、対処の方法が解らない為に一同は困惑していた。
「―――治療に役立ちそうな本はパルミエ王国にも無いナツ・・・」
「他の国王達にも相談してみるココ」
パルミエ王国の2人の国王・・・リスの様な姿のナッツが肩を落としながら言い、更にフェネックの様な姿のココが促す。それに頷いたりんはとある王女から渡されたカードを取り出し、それをローズパクトに右側から差し込んだ。画面が発光し、立体映像的にババロア女王が現れる。
『まぁ!元気だったロロ?わらわも皆のお陰で・・・』
「そんな話は後ロプ!」
彼女の話を遮るペンギンの様な姿の妖精・シロップ。と、ババロア女王も呻きながら横たわる国王を見て事態を把握する。
『モンブラン!』
「ババロア女王、どうしたら良いココ?」
『・・・長い間パルミンの姿で居たせいでかなり体力を消耗してるロロ、回復するには時間が掛かりそうロロ』
「ゆっくり休んでいれば元気になるんですね?」
『そう簡単にはいかないロロ』
うららの言葉にババロア女王は更に表情を険しくした。
『モンブランはこう見えても四つの王国の中では最年長の国王ロロ』
「そうナツ。沢山の知識と経験を持つ長老の様なお方ナツ」
『ここまで弱っていると、きちんと看病する必要があるロロ』
「・・でも、どうすればいいの?」
とりんの言葉に一同が互いの顔を見合わせる。
「かれん」
ミルクが彼女の膝に飛び乗る。
「ミルクの時みたいにモンブラン国王を看病して欲しいミル」
「かれんさん」
のぞみ達も同じ考えの様だ。
「・・・でも、出来るかしら」
彼女は自信無さげに自身へ問い掛ける。今一度モンブランを見て彼女は答えを出す。
「解った。私に出来る全てのことをやってみるわ」
こうしてかれん達による懸命な看病が始まった。かれんはローズパクトを操作してはちみつを探す。各々、りんが自宅の花屋から温室用ヒーター、秋元こまちがお湯入りポット、ミルクはカップにスプーン、のぞみやうららも湯たんぽ等をかれんの下に持ってきた。
「体が弱っている時は兎に角温かくして栄養を採れば、きっと元気になってくれる筈」
医者を目指すかれんにはミルクの看病経験もあり、やり方は心得ていた。カップにお湯を注ぎ、そこにスプーンで蜂蜜を溶かしてかき混ぜる。
「お取り込み中かな」
階段付近でいつの間にか様子を窺っていた大樹は一同の前に姿を見せた。
「・・・あれ、お客さん?」
「まぁそんなとこかな」
「―――あ!少々お待ち下さい!」
のぞみ達は慌ててテーブル上の妖精達を体で覆い隠す。何やら店主の名を呼び始めると、りんとうららが大樹を一階へ向かわせようとする。2人が気を逸らす間に残りの少女らは必死に後ろ手に回す。
「何でもここには素晴らしい品があるってね。きっと僕が欲しい物があると思うんだけど」
「成る程、それでどんな物をお探しなんですか?」
「ローズパクト」
「え」
うららは大樹が発したそれの名に目を丸くして固まる。のぞみ達は苦笑いが消えて呆気に取られた様な表情をする。―――聞き間違いかとりんは思う。
「あの、今・・・・・・・・・」
「―――ローズパクト。・・・ああ、勿論知ってるとも。キュアローズガーデンへの扉を開く為の鍵だ」
「貴方、まさか!」
かれんを始めに少女達の目付きが変わる。その“まさか”は彼女達が持つ正しくローズパクトを狙う敵の組織以外に考えられないからだ。・・・だが、その青年はフンと鼻を鳴らして首を横に振った。
「やめてくれ。あんな連中と一緒にされるのは心外だな」
「何言ってるの。貴方エターナルでしょ」
警戒心を以てこまちが再度問い掛ける。
「違うな。―――さぁ、ローズパクトを渡してくれ。・・・僕もお宝の為なら容赦はしない」
大樹はディエンドライバーを突き付けて要求した。のぞみ達5人はテーブルの前に集まると青年からローズパクトと国王を守ろうと立ち塞がる。外観を五色の蝶が飾る携帯型変身アイテム・キュアモを取り力強く叫ぶ。
『プリキュア・メタモルフォーゼ!!』
眩い光の中で順に姿が変わる。―――夢原のぞみの髪は明るいマゼンダとなって、結わいた部分は輪の形に、更に後ろ髪が伸びる。続き、夏木りんは炎の如く燃え盛る様な色のショートヘアーに変わり、春日野うららはツインテールが“猫耳”を思わせるシニヨンとなってそこから細い毛の束がバネの様にカールして飛び出る。又、秋元こまちはより鮮やかな青緑色でボリュームを増すショートヘアー、水無月かれんは後ろ髪を高く結い上げた青になっていった。服装は制服から薔薇や蝶をモチーフにした戦士のコスチュームとなる。―――伝説の戦士プリキュアが並び立つ。
のぞみは大いなる希望の力、キュアドリームに。
りんは情熱の赤い炎、キュアルージュに。
うららは弾けるレモンの香り、キュアレモネードに。
こまちは安らぎの緑の大地、キュアミントに。
かれんは知性の青き泉、キュアアクアに。
『希望の力と未来の光!華麗に羽ばたく五つの心!―――Yes!プリキュア5!!』
・・・・・・又、妖精ミルクは美々野くるみの姿へ一瞬にして変化すると“ミルキィパレット”を手にして高らかと叫ぶ。
「スカイローズ・トランスレイト!」
彼女は青い薔薇に秘められた神秘の力で変身する。プリキュアでは無いが同じ志を共にする6人目の戦士だった。
「青い薔薇は秘密のしるし!ミルキィローズ!!」
ウェーブがかったツーサイドアップ、髪留めやコスチュームにあしらわれる“奇跡”を花言葉に持つ薔薇。くるみはミルキィローズとなる。・・・・・・大樹はバルコニーを飛び降りて外へ向かう。それをプリキュア達が追い掛けて湖の桟橋に場を移すと大樹がカードを取り出してディエンドライバーに装填する。スライドをポンプアクションして引き伸ばすことで音声が鳴り響く。
〈―KAMEN RIDE―〉
「変身」
〈―DE・END―〉
青年の姿を包み込む装甲、シアン色のボディーと素顔を覆うマスク。大樹が仮面ライダーディエンドとなり、それを見た少女達は目を見開いて驚く。バルコニーから同じく見ていたココとナッツ、シロップらもエターナルのハンターとは別の何かを感じる。ディエンドライバーの銃口が火を吹き、それを皮切りに戦いが始まる。ドリームを始めとした“プリキュア5”が次々に攻撃を繰り出す中をディエンドは驚異のスピードで掻い潜る。勢い付けてターンを決めるとキュアアクアに迫り、得意とする高速移動で急速的に接近していく。拳を打ち、膝を放ち、アクアを押し退けると襲い掛かるキュアミントの飛び蹴りを回避する。続けざまキュアレモネードとキュアルージュの2人がパンチを振り翳し突撃してきた。ディエンドは身を翻しドライバーを構えるとトリガーを引く。放たれたエネルギー弾が爆発を生んで視界を遮り、紛れてディエンドの剛拳が飛び出す。レモネードを捉えて吹き飛ばし、隙を突かれたルージュも蹴りを浴びた。
「レモネード、ルージュ!!」
・・・キュアドリーム、ミルキィローズが加わってディエンドに対する肉弾戦のラッシュを送り込む。だがディエンドもかわすか防御しやり過ごすと、距離を取ってドライバーの銃撃を叩き込んだ。
〈―ATTACK RIDE・・・BLAST―〉
カードを装填して“ディエンド・ブラスト”を発動し、それのホーミング機能が付加された弾を雨霰の如くプリキュア達の頭上から浴びせた。―――しかしミントが咄嗟に作り出した“エメラルドソーサー”、それによるエネルギー状の巨大な円盤がバリアの役割を果たして身を守る。後ろに飛び込んだ仲間達も直撃を免れた。
「確かにやるな。・・・けどこれはどうかな」
ディエンドはドライバーのスライドを戻し、更に二枚のカードを取り出してスロットに差し込んでいく。
〈―KAMEN RIDE・・・KAIXA・CAUCASUS―〉
プリキュア5を相手に召喚され殺気を放つ、仮面ライダーカイザ。・・・一方、ミルキィローズの目の前に現れたのは仮面ライダーコーカサスだった。2人の戦士は自らを実体化した存在に従い動き出す。――――ネクタイを弛めるかの様な仕草から始まり、カイザは専用武器であるカイザブレイガンを構える。コーカサスは手にしていた青い薔薇をローズの足下へ放り投げると突如駆け出す。
「こんなのってアリ!?」
「この人達は一体・・・・・・?!」
ルージュ、レモネードの同様など尻目に容赦なくカイザは攻撃を行う。フォトンブラッドの刃が袈裟懸けに振り上がり、ドリームは切っ先を紙一重にかわす。3人は息を合わせ応戦する。時を同じく、ミントとアクアは1人敵を相手取る仲間の援護に回った。・・・黄金のライダーは軽々相手のパンチを受け止めて押しやる。ローズは尚も肉弾戦を仕掛けて懐に入ろうとする。
〈Clock Up〉
それよりも早くコーカサスがベルトのトレーススイッチに触れ、マスクドライダーシステムに備わった“クロックアップ”を発動した。ローズの攻撃が当たる直前、目にも留まらぬ早さで高速移動し反撃する。
「キャアァァァァァッ!?」
「ローズ!!」
「消えた」
アクアが思うのも無理はない、今のコーカサスを視認すること等不可能に等しい。3人は一ヵ所に固まって互いに背を向け合い、周囲を見回して敵の姿を注意深く追う。・・・・・・・・・・・・ディエンドはこの間にナッツハウスへ近付く。
「来るなロプ!お前になんか渡さないロプ!」
「国王に手を出すなナツ!」
「・・・それはどうでもいい、妖精は黙っていたまえ。―――やはり素晴らしい」
テーブル上にある四角い箱の様な形をしたそれをディエンドが手に取る。と、その瞬間ココが彼の腕に飛び付きローズパクトを渡すまいとしがみつく。
「させないココ!!」
「「ココ!」」
「放せ、無駄なことだ」
だが軽く腕を払うと妖精は意図も容易く振りほどかれてしまう。ココはテーブルへとその身を投げ出された。ナッツとシロップはそこへ咄嗟に滑り込み、間一髪で無事に仲間を受け止める。ディエンドは気にも留めず、悠然とナッツハウスを出る。
「おっお前は!―――あーーー!?」
男がやって来て立ち止まった。そこで出会したのは報告書を取り返すべく出撃したブンビーだった。彼はディエンドを見掛けて声をあげ、次にそれが持つローズパクトを見つけて又叫んだ。
「なっ何でお前がここにっ?!・・・・・・・・・それは、ローズパクト!」
「やぁ、あんた達も狙ってたのは知ってるけど。ご覧の通り僕のが一足早かった。お先に失礼するよ」
「―――待て!・・・・・・報告書なんかもうどうでもいい、そのローズパクトさえ手に入れば私はエターナルに戻れるどころか大出世だ!」
ブンビーは蜂の様な怪人の姿になって飛び掛かる。ディエンドは避けてカードを取り出す。
「―――残念、今は相手してる暇は無い。・・・僕にはね」
「ローズパクトを寄越せ!!」
・・・ディエンドの持つライダーの姿が描かれたカード。ブンビーは本部での戦闘を思い起こす。敵が操る未知の力に目をつけ、咄嗟にエターナルボールを投げ付けた。ボールはカードを捉える。
「何!」
「フフフ、さぁてどうなるかな?」
手元から落ちた“BIRTH”と表記されたライダーカードに不気味な目玉の付いた球体が沈んでいく。暫しの沈黙が訪れ、そして閃光が発せられると“ホシイーナー”と呼ばれる怪物が誕生する。エターナルのハンターは様々な物体等から巨大な僕を作り出してこれを使役する。だが今新たに生まれ出たホシイーナーはこれまでとは異質を極めた。
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