仮面ライダーディエンド vs Yes!プリキュア5GoGo! 作:新生ブラックジョン
Chapter-2
カイザはベルトから取り外して変形させたフォンブラスターとカイザブレイガンの二挺でフォトンブラッド光弾を浴びせる。・・・ドリームはその射撃を潜り抜けて懐へのパンチを放つ。命中させ怯んだ所に透かさずルージュが向かう。彼女の足下に炎の球が現れる。
「プリキュア・ファイヤーストライク!!」
強く蹴り飛ばし、必殺の一撃を敵目掛けて見舞った。カイザは爆発に呑まれて消滅する。
「なんとか倒せましたね」
「ローズ達は!?」
「彼処だ!」
・・・・・・・・・クロックアップで高速移動するコーカサスを前に苦戦を強いられていたミント、アクア、ローズ。そこに駆け付けるドリーム達に気付いて注意を促す。
「気をつけて!何処に居るか解らないわ!」
そう叫んだアクアが次の瞬間には宙に浮き、するとローズが漸く停止したコーカサスの姿を捉える。ネモネードに対して呼び掛け、彼女は咄嗟に必殺技を繰り出す。
「プリキュア・プリズムチェーン!!」
幾つもの光の蝶が紡がれて出来た鎖がレモネードの両手から発射され、それがコーカサスを捕縛して拘束する。身動きが取れなくなり、そこへアクアが自らの必殺技をぶつける。水流の弓を作り出し、つがえた渦巻き状の矢を放つ。
「プリキュア・サファイアアロー!!」
それによりコーカサスを一瞬にして貫き通し撃破する。
「皆大丈夫?」
「えぇ、無事よ」
「エターナルの新しいハンターなんでしょうか」
「ねぇ、彼奴は?・・・・・・逃げたのかしら」
ドリーム達3人とミントらが集まる。レモネードの問いに、ローズはライダーを召喚した“彼”の存在が無いことに気づき始める。
「―――ローズパクト!!」
それを受けたルージュの言葉に全員が一斉にナッツハウスへ走る。―――ディエンドは徐々に後退して距離を取る、手には確とローズパクトを持つ。彼の前にはブンビーとホシイーナー。だがライダーカードから作り出された怪物は静止したまま動かない。ディエンドはその時ドライバーを構える。
「どうした?ホシイーナー!」
するとホシイーナーは突然弾かれた様に銃を向け先制攻撃を決めた。ディエンドは再びドライバーを向け、反撃としてエネルギー弾を連射する。・・・そこに来たプリキュア達はブンビーを見つけて立ち止まる。
「ちょっと、どうなってんの?」
「あれ、見て下さい!」
「・・・何、仲間割れ?」
「あぁっ!?ローズパクトだよ!!」
ローズとレモネードが声をあげる。ルージュはディエンドも組織の1人として考え、ドリームはその彼が既にアイテムを奪っていることに気づく。
「・・・兎に角、早くローズパクトを取り返しましょう」
「そうね!」
アクアの言葉にミントら残りが頷く。・・・・・・・・・ホシイーナーは一枚のライダーカードによって召喚される戦士の力を有して生まれた。セルメダルと呼ばれる硬貨の様な物から得る力で変身する“仮面ライダーバース”の姿だった。しかし異常なのは全身10ヵ所に備わったリセクタプルオーブなる器官が全てエターナルボールと化していることだろう、そしてベルトのバックル中央にも不気味な目玉だらけの球体が浮かんでいる。―――“バース・ホシイーナー”は大型銃であるバースバスターからエネルギー弾を撃つ。一方ディエンドは手に入れたローズパクトを守ることに専念し、同時に戦線離脱の為に弾幕を張る。タイミングを見て取り出したカードを使う。
「―――この借りは必ず返す!」
〈―ATTACK RIDE・・・INVISIBLE―〉
その効果“ディエンド・インビジブル”で姿を不可視化させ行方を眩ませる。
「あっ!ローズパクトが?!」
アイテムを手にディエンドはブンビー、そしてプリキュア達の目の前から忽然と姿を消す。バース・ホシイーナーは再び動きを止め、そして唐突にドリームらの方へ静かに体を向ける。複眼・・・Uフラッシャーが赤く光を放つ。
「エターナル!」
「ローズパクトを返して下さい!」
「―――チィッ!こうなったらせめてお前達を倒して・・・!」
バース・ホシイーナーが動く。右腕を翳すと、その箇所に位置したエターナルボールの瞼が見開かれる。
「ホシイーーナーーー!!」
ライダーの専用武装CLAWs―――バース・ホシイーナーは中距離型支援ユニット・クレーンアームを装備し振り回す。ブンビーはその巻き添えを受け、大型の武器から繰り出される強い衝撃に空の彼方へと吹き飛ばされる。叫び声と共に吸い込まれる様に消えていった。
「そんなぁぁぁーーーー・・・・・・・・・・・・!?」
・・・・・・ドリームを襲った一撃は地に打ち付けられた。彼女は回避する。バース・ホシイーナーは巻き取ったクレーンを受け止めると走り迫る。6人は一斉に迎え撃ち、矢継ぎ早に飛び掛かった。だが誰1人攻撃を当てられず、かわされた末に反撃され倒れていく。ローズ、ミントは動揺さえ見せ、アクアは仲間達へ呼び掛ける。
「何なのこいつ?!」
「今までのホシイーナーと違うみたい・・・!」
「っ来るわ!」
「ホシイーーナーーー!!」
バースの両足に備わるエターナルボールが開眼し、巨大な“キャタピラレッグ”が装着される。重戦車の如く走行し突撃を仕掛け、手にしたバースバスターを乱れ撃つ。避けたローズはバース・ホシイーナーが方向転換する間にミルキィパレットを取り出して構えた。
「―――邪悪な力を包み込む、薔薇の吹雪を咲かせましょう・・・・・・!・・・ミルキィローズ・ブリザード!!」
必殺技が放たれると無数の青い薔薇の花弁が吹き荒れ、バース・ホシイーナーを捉えて埋め尽くさんと瞬く間に包み込んでいく。
「ホシイーーナーーー!!」
だがその中でホシイーナーが雄叫びをあげて抵抗を見せる。バース・ホシイーナーの胸部へ、砲身・サラマンダーランチャーを備えた“ブレストキャノン”が組上がる。・・・・銃口にエネルギーが収束する。―――ミルキィローズの青い花弁が徐々に剥がれ落ち、そこから赤い閃光が一筋の光として溢れる。ブレストキャノンから発射された強力なビームが必殺技を撃ち破った。爆発を起こしながら花弁を吹き飛ばし、逃れたバース・ホシイーナーは新たなCLAWs・・・“カッターウイング”を背部に装着し上空高くまで逃れる。離脱したライダーはジェット機の様な速さで飛び去る。
「ミルキィローズ・ブリザードが効かないなんて・・・・・・!!」
ドリームはそう言いながら、頭上を悔しげに見上げるローズを見ていた。
のぞみ達は変身を解くとナッツハウスへ一旦戻ってモンブラン国王の看病を再開した。その末に、どうにか僅かながらでも言葉を交わせる程度には回復し始めた王様の様子に一同は表情を緩める。彼女達は話し合いの末に奪われたローズパクトを取り戻すべく手分けしてディエンドを探すことになり、ココとナッツは各々国王の側に残ることを決める。残りのメンバー達は地上から、並びにシロップは小柄な妖精の姿から大きな鳥に変化して空からと二手に分かれ捜索を始めた。・・・地上である街中では、更に6人の少女達が2人一組でローズパクトの行方を追う。だがそもそもディエンドが何処へ消えたのか、行き先の検討すら無い状況下では見つけ出すこと等無謀に近かった。回復の兆しを見せたモンブランだがまだ安心は出来ず、一刻も早くローズパクトの中へ移して安静に休ませなければとのぞみ達はその一心だった。
「参ったわね。何処をどう探せばいいってのよ」
「あーん待ってぇ!・・・・・・・・・そんなに早く走らないでよっ」
「もー!のぞみはっ―――。兎に角急いでローズパクトを取り返さないと・・・・・・!」
・・・・・・・・・・・・・・・彼女らを尻目に、大樹の姿は街のシンボルとなる最も高く聳える時計塔にあった。ローズパクトへの被害が無いか確めていたが、彼は左の脇腹に痛みを感じて表情を歪ませる。彼はお宝を守ろうとする余り自らが傷を負っていた。
「僕としたことが―――」
腰を下ろし一時的にこの場に体を休める。奪われたカードを取り返すまでこの世界を離れる訳にはいかないと大樹は思う。
「ロプ?!」
・・・・空からローズパクトを追って捜索中だったシロップの目に留まったのは、紛れもないあの時ナッツハウスへ現れた青年の姿だった。大樹が時計塔にやって来て暫し経った頃である。シロップは一直線に降りていく。―――すると何かが近づく気配を感じ、大樹が咄嗟にディエンドライバーを握った。次の瞬間、激しい突風が起きて彼は思わず顔を背ける。又直ぐに視線を戻すと、そこには肩からポーチを掛けた1人の少年が立っていた。銃口を向ける大樹を睨む様に見据える。
「・・・やぁ。確か、運び屋の・・・シロップ君、だったかな」
「見つけたぞ、ローズパクトを返せっ」
「断る。・・・なんなら、力ずくで取り返すかい?出来るならね」
「―――お前はエターナルじゃない。向こうで見掛けたこともない、どっから来たんだ」
「君と同じさ、僕も色んな所に行ける。・・・・・・詰まり、少なくとも僕はこの世界の人間じゃない」
答えた様でそうでない曖昧な返事をしながら大樹はそっと立ち上がり、今度は彼が少年・・・シロップから姿を変えた甘井シローを見下ろす。その間も警戒してディエンドライバーは構えたままである。
「・・・あんたもローズパクトが狙いか。流れ者のハンターみたいなもんか」
「ふん、そう思うならお好きに。・・・・・・さて、そろそろ消えるとしようかな」
「待て!・・・・・・ローズパクトは渡さないぞ!」
「止めておけ!・・・君1人に何が出来る。怪我するだけだぞ」
大樹はシローをその場に静止させた、しかし諦める様子は無さそうである。
「国王は弱ってて、その中で休ませないといけないんだ。それに俺達にとっても大事な物だ、キュアローズガーデンへ行く為にも・・・」
「知ってるさ、扉を開く為の鍵。だからこそ渡す訳にはいかない。―――僕もさ。これを君達に返す訳にはいかないな、お宝は失わせないよ」
「お前、一体」
そこに何やら物音が近づく。梯子を上がって来る2人の少女が現れる。
「ここから探せばいいんだよ!ね?」
「そう上手くいくかしら。―――あ、シロップ」
「・・・あれ。・・・・・・あーーー!?貴方は・・・!!」
一番高い場所から町中を見渡してディエンドの姿を探そうと立ち寄ったのぞみと、そんな彼女の後を追って続いたくるみだった。2人は思わぬ形でローズパクトを奪い去った盗人を発見する。
「見つけた!さぁ、ローズパクトを返しなさい!!」
「ふぅ、しつこいなぁゾロゾロと。・・・痛い目に遇わせようか?」
大樹は自身のライダーカードを手にする。合わせて、のぞみとくるみもそれに対して身構える。
「君達は何も解ってない。キュアローズガーデンへはこの僕が近づけさせはしない」
「何ですって?!」
「どういうこと、何故?」
「決まってる。彼処はお宝の価値も解らない様な者が踏み荒らしてはならない聖域なんだ。きっと君達の手には負えない。それに残念ながら僕にも持って帰れないしね。だから、扉は開かせない」
「何を言ってるの?」
「お前、ひょっとしてキュアローズガーデンが何処にあるか知ってるのか?」
「さぁ、どうかな」
すると突然、振り向いたシロップが叫んだ。
「―――何か来る!」
上空から奇襲を仕掛けるべく急速に接近する影が見える。遥か遠くに居たがあっという間に迫り、そいつは背中に備わった翼で攻撃を仕掛けてきた。バース・ホシイーナーは大樹を狙って腕を伸ばす。――――捕まり、瞬く間に連れ去られた大樹はディエンドライバーを向ける。だがバース・ホシイーナーはそれを手で退けさせ、自らの左腕にショベルアームを出現させる。
「あの間抜けもとんでもないことをしてくれたもんだっ・・・!」
バース・ホシイーナーはそこで、掴んでいた大樹の胸ぐらを放した。地面へ真っ逆さまに落下していく―――・・・しかしその最中に彼はディエンドライバーから発射したフックショットで難を逃れる。足を狙って絡めとり、自らが着地すると共に敵を墜落させる。大樹は降りたってドライバーへカードを装填する。
〈―KAMEN RIDE・・・DE・END―〉
「変身!」
装甲を纏い、スリット状のマスクに素顔を覆われ仮面ライダーディエンドとなる。矢継ぎ早、新たなカードを取り出してそれを使う。
〈―KAMEN RIDE・・・PSYGA・NADESHIKO―〉
「飛ぶ奴には丁度良い」
「宇宙ーーー・・・・!キターーー!!」
声をあげ跳び跳ねる青い複眼の戦士が拳を高々と天へ向けて突き上げる。艶やかな女性らしい名を持った、正しく彼女は仮面ライダーなでしこだ。一方、その隣には“帝王”の異名を持つ純白の装甲に身を包む仮面ライダーサイガが現れた。・・・両者はバース・ホシイーナーに対し空中戦を挑む。
「タイマン張らせて貰うぜ♪」
〈Rocket・On〉
なでしこの右腕にオレンジ色のロケットモジュールが装備される。巨大なそれからジェット噴射してバース・ホシイーナーに追い付く。更に飛行ユニット・・・フライングアタッカーを用いてサイガは飛行すると共に、フォトンブラッド光弾で追撃する。2人のライダーが次々と攻撃を放ち、そこになでしこの繰り出した渾身の一発が入る。
「ライダーーーロケットパーーンチ!!」
モジュールの勢いから与えられたその技に、寸前に防御したもののバース・ホシイーナーはバランスを崩す。ディエンドは隙を見て透かさず必殺技を叩き込む。
〈―FINAL ATTACK RIDE・・・DE・DE・DE・DEEND!―〉
・・・構えたディエンドライバーからライダーカードを象ったエネルギー状の光の渦の照準が現れ、トリガーを引くことで巨大なビームの一撃が放たれる。召喚されていたなでしこ、サイガも又還元され力の一部と化してカード型エネルギーの力を込めた高威力のディメンションシュートで敵を捉えた。バース・ホシイーナーは直撃を受け爆発と共に落下する。・・・・・・立ち込める煙が晴れるとそこへうつ伏せに倒れていた。ディエンドは少しずつ近づく。
「―――・・・ホォォシイィィナァァーーーーッ!!」
叫びながら、突如としてホシイーナーは起き上がった。そこへ時計塔から駆け付けたのぞみ達が姿を見せる。装甲を纏った怪物は地の底より響かん秤に雄叫びをあげる。・・・バース・ホシイーナーの全身に全てのCLAWsが組上がっていくと、それは“バース・デイ”と呼ばれる重武装形態になる。胸部に備わるブレストキャノンが静かにエネルギーを収束させる。赤いビーム・・・“ブレストキャノンシュート”がディエンドを襲う。
「ウァァァーーーーッ!!」
変身を強制的に解除された彼はディエンドライバーを手放して倒れる。満身創痍の中で再び銃を握ろうと地を這いそれに手を伸ばすが、バース・デイとなったホシイーナーがクレーンアームで飛ばしたドリルアームの先端部に弾き飛ばされる。のぞみはそれを見て駆け寄った。
「のぞみ!」
「―――シロップ、その人をお願い!」
「へ?けどこいつは・・・!」
「お願い!・・・・くるみ!」
「えぇ!」
のぞみの言葉にシローは渋々大樹へと近付く。くるみもホシイーナーを前にミルキィパレットを取り出す。のぞみはキュアモのボタンを順に押した。
「プリキュア・メタモルフォーゼ!」
「スカイローズ・トランスレイト!!」
キュアドリーム、ミルキィローズが戦いを挑む。バース・デイ・ホシイーナーは両足のキャタピラレッグで迫りながらショベルアームを振り翳す。
「シロップ!」
「ココ!」
敵の出現によって、それから発せられた邪悪な気配を感じ取って駆け付けたパルミエ国王の1人だった。彼はシロップやミルクが少年や少女の姿となれる様に、自身も端正な顔立ちをした小々田コージと名乗る好青年の姿で駆け付ける。
「モンブラン国王は?」
「大丈夫、モンブラン国王はナッツが見てるから。・・・・・・ところで、その人は・・・?」
「あの泥棒だよ、それと多分こいつはエターナルじゃない。―――そうだ、まだローズパクト持ってる筈だ。こいつをナッツハウスに連れてくぞ」
「―――確かに、このまま放っとく訳にもいかないな。・・・酷い傷だ、どうして?」
「ホシイーナーにやられたんだよ、今までプリキュア達が戦ってきたのより強いんだ。・・・・・・さ、行くぜ」
シローは巨大な鳥の状態であるシロップの姿に変わり、背中に備わったスペースにコージと気を失った大樹を乗せた。運び屋として様々な積み荷を載せることが出来、そこにのぞみ達を乗せることも度々である。彼はそのまま翼を広げて飛び立つとモンブラン国王とナッツが待つアクセサリーショップへと向かう。ドリームとローズはそれを見届け、2人互いに呼吸を合わせて果敢にバース・デイ・ホシイーナーと戦う。だが敵はCLAWsを活用してことごとく戦士達の攻撃を掻い潜る。地上での砲撃や近接戦闘、空からの突進。又、ドリーム達のパンチやキックにすら耐えうる。・・・加え、ホシイーナーはブレストキャノンからビームでは無い何かを発射してばら蒔く。それはエターナルボールであり、本来セルメダルの破片から生み出される筈の屑ヤミーなる戦闘員を続々と解き放った。全身に包帯を巻いた不気味な動きをするそいつらは顔面の大穴にこちらにもエターナルボールが備わっている。屑ヤミー型ホシイーナーが複数現れて立ちはだかる。
「ホシイーナー!!」
「ちょっ何なの?!増えてるじゃない!」
「・・・・・・!!」
“ミイラ男”の集団がゾンビの様に一斉に動き出した。・・・・・・・・・・・・・・・・・・シロップ達は驚く程早くナッツハウスの前に到着する。と、丁度着陸したところへ店内から夏と呼ばれる人間の姿に変わったナッツが出迎える。
「シロップ!」
「よ。・・・ローズパクト、何とか取り返したぜ」
再びシローに変わり、彼は倒れた拍子に大樹が落としていたそのアイテムを見せた。夏は一安心しつつ、コージが支える男の姿に気づいて目を留める。
「そいつはっ」
「・・・のぞみが助けろってさ。ま、こいつはエターナルとは違うらしいから大丈夫だろ」
「ナッツ、手伝ってくれないか?酷くやられたらしいんだ、一先ず休ませないと」
「・・・仕方無い。解った」
―――二階のソファーに寝かされた大樹は更に数分程して目を覚ました。先ず自分の身に起きたことを思い出し、それから直ぐに懐を探ってそこに入れた筈のローズパクトを確認する。
「ローズパクトなら取り返したからな」
シローがその手に持っているのを見て大樹は舌を打つ。
「あんたが酷く傷ついていたから、だから僕達で連れて来たんだ」
「・・・何故ローズパクトを盗んだ。シロップから聞いた、お前はエターナルじゃないんだってな」
コージ、夏が各々現れ、手には救急箱を持っていた。どうやら既に手当てされているらしく、頬にガーゼが貼ってある。
「・・・決まってるさ、お宝の為。まぁ君達には理解出来ないだろうけど―――」
彼はそう言いつつ立ち上がった。そしてディエンドライバーを取り出して構えた。
「返したまえ。一度しか言わないぞ」
「お前な・・・!」
「シロップ。―――教えてくれ。ローズパクトはあんたにとってそんなに大事な物なのか?」
大樹を睨むシローをコージが止めた。彼は遮る様に質問する。
「正確に言えば、ローズパクトなんてたかが鍵さ。確かにそれも中々良い品だけど、僕が欲しいのはその先にある物・・・」
「・・・・・・キュアローズガーデン」
「ま、そんなとこだ。・・・場所、だね。・・・・・・いや、欲しいと言うより、守らなきゃと思ってね。美しいお宝だから」
「その為にローズパクトを奪ったっていうのか」
夏の言葉に大樹は鼻を鳴らす。
「どうして・・・」
「解らないかな?鍵さえなければ君達は彼処へ行くことは出来ないだろ。・・・ローズパクトを奪えば国王を揃えたところで鍵は完成しない。だからさ」
3人はそれ以上言葉も無かった。まさかエターナルと同じ様にただ奪うことを目的としていた訳ではなく、キュアローズガーデンを自分達から守りたいとそういった理由からだったとは想像もしない。コージ、夏、シローは口をあんぐりさせて固まった。
「―――じゃ、ローズパクトを渡せ。同じ事を二度も言わせるなよ」
「勝手なこと言うな、俺達はキュアローズガーデンに行かなくちゃならないんだ。・・・・・・フローラとの約束なんだ、それに―――」
「約束?」
「それに、そこへ行けば俺の記憶だって・・・・・・・・・」
「シロップ―――」
シロー・・・シロップは同じ妖精でありながらココ達パルミエ王国の住人やその他の国々の者とは違っていた。唯一空を飛ぶことが出来、彼は自分だけが周りと違う孤独の中で自分が何処で生まれたのかそれさえ忘れていた。コージが語ったそれを聞いた大樹は、とある人物の顔が脳裏を過る。・・・“世界の破壊者”と呼ばれ行く先々で人々から憎まれ、過去に関する一切の記憶を失っていた男。その彼は仲間達と先の見えない果てしない旅を続け、同じ仮面ライダーの1人として数々の激闘を経て記憶を取り戻した。・・・・大樹はシローにそんな仲間の姿を重ねる。
「・・けど、シロップは少しずつ思い出しかけているんだ。キュアローズガーデンへ行くことが決定的な手掛かりになるかも知れない」
「のぞみ達は俺にも約束してくれた。一緒に行くって。だから何がなんでもローズパクトは渡せない」
「――――そうか。成る程ね、面白い」
「何」
「この世界にも素晴らしいお宝があったって訳だ。又しても持って帰れそうにないけど。・・・それじゃあ、君達にもう用は無い」
大樹はディエンドライバーを納め、ソファーから立ち上がって階段を降りていった。
「その体で何処へ?」
「取り戻すのさ、僕のお宝をね。・・・・・・運び屋君も何時か自分の“お宝”を取り戻せる様に頑張りたまえ」
「お前、一体何者なんだ?」
その問いに大樹は笑いながら、作った指鉄砲を向けて撃つ素振りをした。
「―――ただいま・・・・・・。あれ、あんたは・・・!」
ローズパクトを見つけられなかったことで落胆しながら帰って来た、夏木りんを始めとしたメンバーがそこに現れた。4人は咄嗟にキュアモを手に身構えた。
「ホシイーナー!!」
ホシイーナー化した屑ヤミーの集団を相手に2人の戦士は奮闘し、ドリームは自らの必殺技をぶつけて一掃する。
「プリキュア・シューティングスター!!」
強烈な体当たりにホシイーナー達はバタバタと倒れて消滅する。ローズも残りを倒しきると、体力を消耗する前に決着をつけるべく動く。だがバース・デイ・ホシイーナーがカッターウイングで飛び上がり、ブレストキャノンの砲身から大量のエターナルボールを街中に向けてばら蒔き始めた。遠くまで飛ばされたボールから更なる屑ヤミーの大群が生成されていく。
「そんな!又っ?!」
「不味いわね、このままじゃ街に居る人達に被害が・・・・・・!!」
「ホシイィィーーナァァーーー!!」
バース・デイ・ホシイーナーが飛び去る。2人は後を追い掛けると共に、別れた仲間との合流を目指す。―――――同じ頃、りんとうらら、こまち、かれんを前にした大樹達の睨み合いが続く中、シローが止めるように間へ割って入った。
「もういいんだ、ローズパクトは取り返した。モンブラン国王も無事だしな」
「一体どういうこと?シロップ」
「それは・・・」
「「何か来る!!」」
同時に叫んだコージと夏に一同が外を見ると、目の前の湖を取り囲む勢いで屑ヤミー・ホシイーナーの集団が出現して迫る。りん達プリキュア、更に大樹も外に向かう。
「これは・・・っ」
「ライダーの力を完全に取り込んで、こんな下らないものを作り出したのか。実に不愉快だ」
絶句するかれんの傍らで大樹が憤慨しながらドライバーとカードを手に取る。
「君達もこいつらをさっさと倒して仲間のところへ行った方がいいな」
「そう言えば、のぞみさんとくるみさんが来てませんね」
「大変!皆!」
こまちの呼び掛けで少女達が変身し、隣では大樹がディエンドとなって並び立つ。
〈―ATTACK RIDE・・・ILLUSION―〉
1人は続けてディエンドライバーに読み込ませたカードの効果で自らの分身を2体生成し“ディエンド・イリュージョン”を発動する。ディエンドは止めの一撃をより強力なものへ変える。
〈―FINAL ATTACK RIDE・・・DE・DE・DE・DEEND!―〉
本体がカードを装填して3人のディエンド達が同時に銃を構えると光の渦状のライダーカードによる照準が出来上がる。“多重ディメンションシュート”の三発の大口径ビームが複数のホシイーナーを纏めて消し去っていく。・・・・・・ところが、敵は又ゾロゾロと何処から途もなく増え始める。
「時間が掛かりそうだ、仕方無い。出血大サービス、かな」
「・・・何か策が?」
彼はライダーカードを三枚取り出して一気に装填した。ディエンドライバーから発せられた音声が新たなライダー達の名を読み上げる。
「まぁ期待したまえ」
〈―KAMEN RIDE・・・ZERONOSE・ACCEL・METEOR―〉
アクアの質問に仮面の下で笑う。3人の仮面ライダーが召喚され、先陣を切って順に敵集団に殴り込む。
「最初に言っておく!俺はかーなーり強い!!」
大剣となるゼロガッシャー・サーベルモードを振り回し、それで屑ヤミーを仮面ライダーゼロノスが切り裂き、
「さぁ、振り切るぜ!」
仮面ライダーアクセルはエンジンブレードで切り掛かり駆け抜ける。更に、
「―――お前達の運命は俺が決める!」
青い発光体が敵の群れに激突しながら落下するとそこから怪鳥音を響かせ仮面ライダーメテオが現れ、彼は星心大輪拳を以て格闘を仕掛けた。・・・ディエンド、キュアルージュ達もそれに続いて走り出す。
「アタァッ!ホワチャァッ!!」
隕石の如く飛来し力強く、かつ素早い打撃の連打を浴びせかけるメテオ。それに続いたルージュは共闘する様に屑ヤミー達を蹴散らす。・・・アクアはアクセルが容赦なく斬撃を喰らわせたところに飛び込んで蹴りを見舞う。又、ゼロノスに襲い来る1体をミントの攻撃が救い、レモネードはディエンドと共に立ち向かった。次第にホシイーナーはその数を減らし尽くす。
「今です!」
プリズムチェーンで巻き取った残りの屑ヤミー・ホシイーナー目掛けてディエンドの集中砲火があり敵集団は全滅する。戦士達は怪鳥の姿で空を飛ぶシロップの背に乗り、バース・デイ・ホシイーナーの気配を追い掛けて上空から街を見下ろす。次第に分厚い雲が日の光を遮り、一同は不穏な空気を肌に感じていた。―――シロップは爆発音と同時に立ち上る煙を目にして急速に近付いていく。・・・・・・地上ではドリームとローズの2人が敵に取り囲まれる形に追い詰められていた。