『どうぞ!!』
合宿が敵連合に襲われ、重軽傷者は病院へと運ばれた、真弥もその1人であり、その中でも重症と言えた、その真弥は現在手術を受けていた
茜「なぁ、兄ちゃん大丈夫やんな…?」
父「大丈夫、真弥ならきっと…」
茜と葵は両親にしがみつきながら手術室のランプが消えるのを待っていたそこに響香と相澤が姿を現す
響香「おじさん、おばさん、茜ちゃん、葵ちゃん…」
母「響香ちゃん…大丈夫、真弥はこのくらい直ぐに直して私達に笑顔を向けてくれるわ」
響香の悲痛な顔を見て笑顔を作り励まそうとする母、しかし響香はそれを他所に4人に頭を下げる
響香「ごめんなさい!私あの場にいて、一緒に戦うことも出来たのに…!怖くなって…真弥に逃げてって言われてそれを免罪符にして逃げちゃった!本当にごめんなさい!」
響香の謝罪は心からのもので響香の目から涙が溢れていた
響香「いつも私真弥に守られてばっかりで…心のどこかで真弥なら倒せる、平気って勝手に思い込んで…!真弥がどれだけ怖い思いを押し殺して戦ってくれたのかも知らないで…!」
そこまで言って更に続けようとすると母が響香を抱きしめる
母「いいの、貴女のせいじゃない、真弥はね、誰かの為に戦うから強くなれるの、貴女が責任を感じる必要は無いの…」
葵「響香お姉ちゃんは何も悪くないよ、これあげるから元気だして?」
頭を撫でながら励ます引き抜かれた母、葵もポケットから飴玉を取り出し響香に渡す、響香はそんな2人に泣き付く
父「相澤先生、どうして敵がこちらの動きを把握出来たんでしょうか…」
相澤「考えたくない可能性ではありますが…やはり、誰かが情報を敵にリークしていると考えるのが無難かと…」
それを聞き父も母も険しい顔になる、響香も体を震わせる、すると手術室のランプが消え、中から医師が出てくる
父「先生、真弥は息子は助かるんですか?」
医師は申し訳なさげにしながらも言葉を紡ぐ
医師「一命は取り留めたものの、今晩が峠かも知れません、出血が酷くあと数分遅れればアウトでした」
母「あの、峠とは…助かったんですよね…?」
医師「ええ、何とか助けられましたが、脳の負担が大き過ぎて、それが限界まで来ているんです、最悪二度と目を覚まさない可能性も…」
それを聞いて母や妹達、響香が力なく膝を着く、父は何とかならないのか問うが医師は首を左右に振るばかりだった
病院のベットの上、そこでは全身に包帯を巻いた真弥が横になっていた、その周りにはクラスメイト達も来ていた
蛙吹「響香ちゃん、きっと大丈夫よ、真弥ちゃんは強いもの、きっと目を覚ますわ」
ベットの横の椅子に座り真弥の手を握る響香の肩に手を置く蛙吹、そうは言うものの誰もが顔が暗かった、先程緑谷の病室にて爆豪が攫われたことと緑谷の両腕が悲惨な事になっていた事を見たが真弥の傷は緑谷程重症な箇所がある訳では無いにしろその一つ一つがあまりにも大きすぎた
響香「分かってる、真弥は絶対目を覚ますって、約束したもん、一緒にヒーローになるって…私を1人にしないって…真弥は約束破らないもの、だからきっと…」
そう言う響香の手はかなり震えていた
何も無い真っ暗な空間、そこに真弥は立っていた
真弥(ここは地獄かな?想像してたよりだいぶ何も無いな)
???「残念ながらここはそういった場所じゃねぇよ」
突如した気配に後ろを向く、そこには知らない男が立っていた、いや真弥はその姿に既視感を覚えていたかなり昔に見た事がある、そう言う気がしていたのだ
真弥「誰ですか…?それにここは?」
???「おいおい誰とは酷いな、まぁいい、ここは要は精神世界的なやつだよ、今のお前は生死の境を反復横跳びしてる状態だからなそれやめさせてこっちに引きずり込んだんだよ」
真弥「生死の境で何やってるんですか僕、それじゃこの何も無い空間が僕の精神だと?」
男は首を左右に振る、真弥は何度も顔を見ようとするが顔には影がついており見ることが出来ない
???「いや、そういう訳じゃないな、ここは今2つの精神が衝突して出来た隙間だよ、人には必ず心象風景ってのがあるらしい、それが2つあるせいでお互いの心象風景を消しあってるのさ」
分かるような分からないような話をされ曖昧に頷く真弥、男はそれを気にせず話し出す
???「まぁ、お前に別れって言っても分からんよな、それよりお前何時までこうしてるつもりだ?お友達が待ってるぞ?」
友達、そう言われて第1に浮かんだのは響香やクラスメイト達だった
真弥「そう言われても自分の現状も分からないのにどうしろと」
???「そうだな、一命は取り留めたがこのままだと植物状態待ったナシな状態だな」
真弥「かなりやばいんですね、どうやって帰るんです?」
???「今のままだと帰れないな、お前には決めてもらわないと困る事があるんでな」
真弥「決めなくちゃいけない事?」
真弥には男が何を言いたいのかわからなかった
???「簡単だ、過去を捨てるか今を捨てるかだ」
その言葉に更に疑問を付ける真弥、いや真弥は薄々感づいていた今目の前に居るのが誰でどうしろと言ってるのか
真弥「僕、早乙女真弥を捨てるか、過去の自分を捨てるか…ですか?」
???「正解だ、単純だろ?」
男の正体、それは早乙女真弥と言う人間になる前の自分自身だった
???「お前の精神には俺とお前が同居してる訳だがそれの影響で脳への負担が増してる、そのせいで怪力無双の性能を引き出してないんだよ」
真弥「怪力無双の性能?」
???「そうだ、今は60%ってところか、なんでそれだけしか使えてないと思う?」
真弥「いえ全く」
だろうな、そう言いたげに男は肩を竦め更に続ける
???「残り40%は俺が持ってるんだよ、2つあわせてやっと100%だ、だが今のままだとそれは不可能だ」
真弥は何故かと男に問う男はそれに続ける
???「俺達は全くの別人だからだよ、多重人格の様に元がひとつなら二人いても問題ないが根本が全く違う人間の俺達だ片方が消えないと力は完全にはならんのさ」
真弥は分かったような分からないような顔をしながらもなんとか頷く
???「だから選ばなくちゃならない、俺かお前どっちが消えるべきか、まぁ答えは簡単だがな」
真弥「答えも何も一緒に生きれば」
???「お前は今のままでも強いのかもしれねぇけどなこの世の中中途半端な力だと生きてけないんだよ、お前も感じてるだろ、力の行き詰まりが」
真弥はそう言われて俯く、実際真弥の成長は止まりかけていた、いくら特訓を重ねてもそれ以上伸びが悪く、悩んでいたのもまた事実だった
???「この世にはお前が必要だ、だからお前が残れ」
突然の男の言葉に真弥は驚き顔を上げる
真弥「何言ってるんですか!?それは死ぬのと同意義なんですよ!?」
???「あぁ、だが考えてもみろよお前が消えたらお前の家族はどうなる?俺はあいにくお前みたいに優しくないんだ、何よりお前未練なく逝けるか?」
真弥「それは…あなたはどうなんですか!家族や貴方自身は!?」
???「俺はもう故人だ、肉体はもうかなり前に動かなくなってる、今あるのは魂だけだ、早く閻魔様って奴の顔も拝みたいしな」
真弥「そんなの…悲しすぎます」
???「ほんっとお前はお人好しだな、だから好かれるんだろうな…手出しな」
男に促され真弥は手を差し出す、すると男が真弥の手を掴む、すると体に熱いものが流れてくる
???「今個性を譲渡した、オマケで知識もプレゼントだ、これでもう俺は用済みだ…あばよ」
男はそれだけ言うと背中を向け歩いて行こうとする、真弥はその背中に手を伸ばそうとするが壁のようなものがあり手が伸ばせない、そしてだんだんと意識が薄れていく
???「お前の伸ばすべき手はもう俺じゃない、行けよ早乙女真弥、俺の分まで楽しく生きろよ」
その男の声を聞いたのと同時に真弥は光に包まれ消えていった
???「行ったか…楽しかったぜ、お前らの友情見てるの…未練…あぁ、畜生、もう一度親父達に会いたかったなぁ…」
上を向き男は呟く、その頬には涙が伝い次第に男の体は消え始める
???「真弥!聞こえるか!俺の渡した力は思いを力に変えるものだ!誰かを想い、強い覚悟をもて!!それがお前の怪力無双を本当の形へと昇華させる!!あばよ!もう1人の俺!!」
そう言うと男は涙を流しながらも笑い消えていった
病室のベットの上そこで真弥は目覚めた、長い夢を見ていた、そんな気がした、あたりを見ると既に暗くベットの横では妹達と響香、近くのイスでは両親が眠っていた
真弥「また…迷惑かけちゃったね…ごめんね」
不意に外を見た真弥、何故かその時とても虚しくなり涙が溢れた
後日目覚めた皆からこっぴどく叱られるのとオールマイト引退と言う衝撃的なニュースが報道された
という訳で今回はここまで!真弥に力を託した男が???表記なのは真弥自信思い出せずにいたからです、それと真弥君は男の事は覚えてません、男の消滅はそのまま存在の消滅だから男は真弥君の記憶からも消えてしまいました、しかし力の事や知識は受け継いでいるためなんとなく何かあった程度に覚えてます
それではまた次回お会いしましょう!
『待て次回!!』