更識さん、何か言ってください。
扇子に文字を出したって、皆さんに見えませんから。
ちょ、胸元をはだけて、谷間を強調しないでください。
感想を聞かれても答えませんから。
放課後です。
アリーナで織斑さんの特訓です。
篠ノ之さんとオルコットさん、お二人同時にお相手とは大変ですね。
私的には、ざまぁです。
ここで凰さんも加わればよいのです。
爆発なさればいいとも思います。
「雅弓ちゃんは何しているのかな?」
「更識さん怖いです」
見物している私に更識さんは厳しく接してきます。
「お姉ちゃんは怖くなんかないわよ」
「私のほうが先に生まれているんですが」
「ほらほら訓練よ」
「更識さん、誤魔化しましたね」
私たちも訓練開始です。
と言っても、更識さんにとっては私のような素人は肩慣らしにもなりません。
アリーナの隅っこで訓練です。
ミステリアス・レイディで打鉄の私を弄ってきます。
実は、私の打鉄もある意味専用機なんです。
私が使い始めてからずっと貸し切り状態。
初期化、最適化はしていませんけどね。
この子は私と相性がいいみたいです。
かゆいところさえわかるような気がします。
訓練後に汚れを取ったり、時間があれば整備科の皆さんと一緒に整備したりと友達みたいな機体です。
しかしこの子的にはどうなのでしょう。
IS操縦者は不思議なくらい美形揃いです。
私のような操縦者は容姿以前に失格してもいいはずなのです。
そのことを思うとこの子が不憫でたまりません。
一度更識さんに相談したことがあるくらいです。
ただ、更識さんがおっしゃるには、【ISは見ているんじゃなく、感じているんだよ】とのこと。
今もこの子はよくしてくれます。
更識さんの弄りを的確な情報で知らせてくれます。
おかげで私はこの子に動いて欲しいと思いながら身体を動かすだけで動いてくれます。
他の生徒の方々にはご迷惑なのですが、専用機のような打鉄さん。
ついこの間名前を付けました。
雅を言いやすく縮めて【ミャーちゃん】です。
気に入ってもらえたのか、反応速度が3倍になったような気がします。
「お姉さんを軽くあしらうなんて余裕ですのね」
「いえいえ、さっきから必死ですよ。
ただミャーちゃんのおかげで凌げているだけです」
私たちとは違って、他所は静かになりました。
おや、織斑さんの特訓が終わったみたいですね。
生きているのが何となく悔しいです。
どこかにお馬さんはいないのでしょうか?
できれば群で。
= = = = =
ピットに戻りました。
オルコットさんが入れ替わりに出ていかれます。
そりゃそうですよね。
今、まさに織斑さんの横には篠ノ之さんがいますから。
私は思いました。
【お馬さんはいらっしゃいませんか】
「雅弓ちゃーん、お姉さん汗かいちゃった」
「そうですか、よかったですね、シャワーを使えばいいと思いますよ」
更識さんの手には乗りません。
この人は、私を揶揄って楽しんでいるんです。
おそらくは織斑ハーレムに参加するつもりです。
織斑さんを見ている視線で判ります。
あー、織斑さんはお姉さんと同じく罪な人です。
私の知る人の内で現段階では5人はハーレム要員です。
ひとりにふたり産ませるとして10人の父親になるんです。
まことにけしからんリア充です。
チ○○が腐ってもげちゃえばいいとさえ思います。
「雅弓ちゃん、お姉さんの、は、だ、か」
気がつけば更識さんが生まれたままの姿で立っていました。
向こうを向いて後ろ姿ですが、とてもきれいです。
ついつい見とれてしまいました。
神様は不公平です。
織斑さんはハーレムなのに私は更識さんが揶揄うだけ。
私だって、異性から想われたいのです。
まあ、打鉄のミャーちゃんがいますから、寂しくなんかないんだからね。
「早くシャワーに行ってください。
カゼをひきますよ」
「雅弓ちゃんも一緒にぃ」
「いやです。
更識さん、狭いのに同じブースに入ろうとするでしょ」
「えー、嫌なの?」
「嫌じゃないですけど、とにかく狭いです」
「そっかー、お姉さん安心しちゃった」
なぜか機嫌がよくなったみたいな更識さんでした。
更識さん、そんなに胸を強調してもダメです。
あ~ん、エッチって、何のことですか?
あなたが故意に見せてきていますよね。
えっ!だったら見なけりゃいいって?
なんですかそれ!顔を背けたら顔に胸を押し付けてくるじゃないですか!
また逃げる!
おほほじゃないですよ、捕まえませんからね。
そもそも弄られてるだけの私にメリットがないんですよ。
もう、悲しそうにしてもダメです。
あ、また!
おほほ捕まらないわよじゃないですよ。