更識さん、何か言ってください。
また、胸元をはだけるのは止めてください。
簪さんにいいつけますよ。
って扇子で突かないでください、その扇子めっちゃ硬いじゃないですか!
あっ、逃げないでください。追いかけませんよ!
立ち止まっても追いかけませんよ。
・・・・もう、追えばいいんですね!
いよいよ、戦いです。
てか、今、すごい攻撃を受けています。
お姉さんが裸でシーツの中に居ます。
そして、ベットの傍らに「簪ちゃん」まで居りはります。
「どういうこと?」
液体窒素のような冷えた視線を向けてくる簪さん。
「え、えーーーー、ご存じのかと思いますが、お姉さんの悪ふざけだと思います」
「そ、そう?」
う、うまく行きそう。
「悪い人じゃないんですが、こういう行き過ぎは困ります」
「・・・・・」
簪さんは黙ったままです。
「でも、私はまんざらでもないんですよ」
「どうして?」
簪さんは私の言葉に興味をもったみたいです。
「私はいきなり編入させられました。
当然、知人もいませんが、お姉さんが構ってくれるので寂しくありません」
「でも、ここは生徒が立ち入り禁止区域」
「そ、それは過去に途中編入がなかったからでしょう。
私の前例が研究対象なのかなって思います」
「そう」
「簪さん、もし、もしよければですが、時々ここに息抜きに来てください。
ちょっと変な匂いがするかもですけど」
沈黙が続いた。
思い切って提案しましたが、ダメだったのでしょうか。
「・・・・」
タタタ、バタン。
何も言わず簪さんは部屋から出ていった。
= = = = =
「うーーーーーン、雅弓ちゃんががんばってくれたんだけどねぇ」
「・・・・更識さん、いつから起きていたんですか?」
「今、起きたの」
私には返す言葉が思いつきませんでした。
「ところで更識さん、同衾は行き過ぎじゃないですか?」
「だってぇ、わたしも織斑君みたいなハーレムが欲しいもん、雅弓ちゃんはかわいいから」
「リア充は爆発しろです」
「フフフ」
= = = = =
「ところで簪ちゃんは私の部屋にいた、痛っ」
「お姉ちゃんは詮索されるのは嫌なんだぞ」
「注射、針が骨まで刺さっていませんか」
「大丈夫よ、骨に注入しても効果は変わらないから、クス」
「クスッて何なのです!」
朝の日課は少し違っていました。痛いのは勘弁してほしいのです。
更識さんは私の質問に答えることることはしなかった。
= = = = =
「布仏さん、ちょっといいですか」
「マッチ―だぁ、何かな」
「更識先輩の妹さんについてなのですが」
「何かなぁ」
布仏さんの雰囲気が氷のように感じられます。
ところが、一転しました。
「マッチ―って、わざわざ面倒抱え込むタイプでしょう」
ニコニコといつもの雰囲気になっていました。
「な、何がでしょう?」
「お嬢さまが姉以外に相談しているし、かんちゃんが興味持ったんだよぉ」
「そ、それが何か?」
「期待しちゃってるんだよぉ」
布仏さんの言葉の意味が判りません。
「お聞きしたいのは、簪さんが部屋にお越しなって」
「何?」
今度は布仏さんが絶対零度まで温度が下がりました。
「私の部屋は棟が違うのでわざわざお越しになったわけで」
「かんちゃんが自分で行ったの?」
「え、はい、お招きするような佇まいではありませんから」
ガシッっとのほほんさんに両肩を掴まれました。
布仏さんとの身長差で私にぶら下がっているようにも見えなくもありません。
「お願い、かんちゃんを助けてあげて」
「布仏さん」
彼女の表情は見えませんでした。
でも、何かが判ります。
あの日、何かが変わろうと変えようとしていたのです。
更識さん、寝室まで来ないでください。
ゴ、ゴミ箱の中身を見ないでください
あ~ん、エッチって、何のことですか?
あっ、また逃げる!
おほほじゃないですよ、捕まえませんからね。
プライバシーくらいは守ってください。
ゴミを嗅がないでトイレに流してください!!