スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
人がクッパ姫に落ちる瞬間を
初めて見てしまった。
・真山巧(ハチミツとクローバー)
お気に入りが増えるとまさにそんな気持ちです。
・
テーブルの上に置かれた皿からクッキーを1枚取り、口に運ぶ。
クッキーはサクッという音とともに割れて、口の中へと入ってきた。
ほどよい固さと甘さで食べやすく、欠片もそこまで散らばったりしない。
なんで・・・・・・
なんで、こんなに美味しいのかしら・・・・・・
手に持っている残り半分のクッキーも口に入れ、クッキーによって少し乾いた口に紅茶を運びながらピーチ姫は思う。
今、食べているのはマリオが持ってきたルイージの作ったクッキー。
本当に、本当に悔しいことなのだが、ルイージの作ったクッキーは自身が作ったものよりも美味しいのだ。
ルイージの料理が美味しいことは知っていた。
それでも女としてこれはけっこう悔しいものがある。
「やっぱり美味しいわね」
「そうなんだよね。双子の弟なのになんでだろう?」
ピーチ姫の言葉にマリオはウンウンと頷く。
双子であるはずなのに何が違うのか。
マリオは不思議そうに言った。
美味しいことは否定できないんだけど・・・・・・
あっさりと頷くわよね。
やっぱり家族の味だからかしら。
確かにルイージの料理はとても美味しい。
とはいっても本格的な料理人に勝るとは言えないレベルだ。
それでもマリオにとっては家族の料理であり、特に美味しいと思えるものなのだろう。
まぁ、世話を焼かれ過ぎてダメ人間になりそうだから別々に住んでいるのだが。
「む、ワガハイの方が遅かったか」
「あら、いらっしゃい」
「やあ、クッパ」
少しだけ強めなノックの後、扉を開けてクッパが部屋の中に入ってきた。
クッパはマリオの姿を見ると、ピクリと眉を動かす。
そんなクッパにマリオとピーチ姫は軽く手を上げて応じた。
「うん?クッキーか?」
「ええ、マリオが持ってきてくれたの」
「ルイージから持っていくようにって持たされてね」
空いている椅子に座り、クッパは皿に乗っているクッキーに気づく。
クッパの分の紅茶を準備しながらピーチ姫はクッパにクッキーを勧める。
ルイージが作ったものか。
確かにアイツの作ったものはなかなかに旨いからな。
・・・・・・もしも、アイツが女だったらヤバかったのではないか?
「クッパ?」
「なにかあったかい?」
「いや、なんでもない。いただくのだ」
ピーチ姫の淹れてくれた紅茶を口に運び、クッパは突拍子もない思考を破棄する。
ルイージがもしも女だったらなどという考えはしても意味のないもの。
どうあっても、そんな事態にはならないのだから。
「あれ?ワガハイ自身がそのパターンじゃないか?」
自分がまさに男から女になった事例だということを思いだし、クッパはポツリと呟くのだった。
読了ありがとうございます。
一応、言っておきますとルイージは別に女体化はしません。
・ルイージ邸観察日誌
はっ?!
変なフラグが立ったけど折れたような気がする!
あ、変なこと言ってごめんなさい。
昨日はピーチ姫に根掘り葉掘り聞かれて大変だったなぁ・・・・・・
今の時間は・・・・・・うん、大丈夫。
今から家を出ればお城に着くのにちょうど良い時間だね。
デイジーと仲良くなれますように。