スーパーマリオ イフストーリー (完結)   作:竜音(ドラオン)

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ハッピーハロウィン!

かなり時間がかかって14000文字の番外編です!

番外編なので前書きに書き換えたセリフもありません!


番外話
番外話 ハロウィン


 

 

 今日はハロウィン。

 テレサたちは喜んで飛び回り、道行く人に「トリックオアトリート(お菓子かイタズラか)?」と問いかける日。

 

 そんな日に、マリオは1枚の招待状を手に持って迷いの森を歩いていた。

 

 

「レサレサからハロウィンパーティーのお誘いか。絶対に来るようにって書いてあるけど、何をやるんだろ?」

 

 

 招待状の内容を思い出しながらマリオは呟く。

 レサレサとは、過去にマリオと旅をした仲間の1人で、テレサのお嬢様だ。

 迷いの森の奥にある屋敷に住んでおり、マリオの冒険を助けてくれた。

 

 

「まぁ、テ紙で来るとは思わなかったけどね」

 

 

 クスリと笑いながらマリオは歩きを止めた。

 マリオの正面にはレサレサの住む大きな屋敷があった。

 

 

「やっぱり大きな屋敷だなぁ。とりあえず中に入ろうかな」

 

 

 正面の扉を開け、マリオは屋敷の中へ入る。

 屋敷の中は掃除がされており、初めて来たときとは違った印象を受ける。

 

 

「綺麗になるもんだなぁ・・・・・・」

「そうでございましょう?」

 

 

 マリオの呟きに唐突に返事が返ってくる。

 しかしマリオも慣れたもので、返事をしたテレサ、セバスチャンの方へと体を向けた。

 

 

「やぁ、セバスチャン。これ、招待状だよ」

「はい、確認いたしました。それでは、こちらへどうぞ。他の方々も来ておられですよ」

 

 

 マリオの出した招待状を確認し、セバスチャンはマリオを大部屋へと案内した。

 扉の向こうからは何人かの話し声も聞こえてくる。

 

 

「それでは、私は準備に戻りますので」

「分かったよ」

 

 

 そう言ってセバスチャンはスゥッと姿を消した。

 テレサに慣れてない人ならば驚くだろうが、マリオはそれを笑って見送った。

 

 

「さて、と。誰がいるのかな?」

 

 

 そしてマリオは大部屋の扉を開けた。

 

 最初に目に入るのはハロウィン仕様に飾り付けられた色とりどりの飾り、大きなテーブルに置かれた数々の料理だった。

 

 そしてテーブルの周りには今までの旅の仲間たちの姿があった。

 

 

「あ、マリオ!」

「お久しぶりッス!」

 

 

 最初にマリオに気づいたのは帽子をかぶったクリボーと、スカーフを巻いたノコノコだった。

 

 帽子をかぶったクリボーはクリオ。

 スカーフを巻いたノコノコはカメキ。

 

 クリオの知識と、カメキのコウラアタックにマリオはとても助けられてきた。

 

 

「久しぶりね。マリオ」

「お久しぶりです。マリオさん」

 

 

 次に話しかけてきたのはピンク色のボム兵と、ゴーグルを着けたパタパタ。

 

 ピンク色のボム兵はピンキー。

 ゴーグルを着けたパタパタはパレッタ。

 

 ピンキーは爆発で、パレッタはジャンプでは届かない場所への移動を助けてくれた。

 

 

「マリオちん。久しぶりでちゅ!」

「うんうん。元気そうで何よりだよ!」

「久しぶりだな、マリオ!・・・・・・決まったか?決まったな、うん」

 

 

 最後に話しかけてきたのはおしゃぶりをしたケセランの赤ちゃん、ハツラツと笑うプクプク、そして格好をつけているジュゲム。

 

 おしゃぶりをしたケセランの赤ちゃんはアカリン。

 ハツラツと笑うプクプクはおプク。

 格好をつけているジュゲムはジョナサン・・・・・・ではなく、ポコピー。

 

 アカリンは暗闇を照らす光で、おプクは水を渡る際に、ポコピーはトゲや溶岩を渡る際に助けてくれた。

 

 

「みんな、久しぶりだね」

 

 

 どうやらここにいるのはレサレサを除いた星の精を助けたときのメンバーのようだ。

 招待状には驚くメンバーと書いてあったが、このメンバーのことだったのだろうか?

 

 ちなみに視界の端で段ボールの巨大な盾(タワーシールド)がふよふよと浮かんでいるが、恐らくはルイージを待っているあの子だろう。

 

 マリオが仲間たちと話していると扉が開き、他の招待客が到着した。

 

 

「ようやく着いたわね」

「ちょっと時間がかかっちゃいましたね」

「でも、ちゃんと着いたじゃないン」

「ここでゴンザレスに会えるんだな!」

「ワシとしては海の上で会いたかったがな」

「あら?でも、楽しみだったのでしょう?」

 

 

 扉を開けて現れたのは見覚えのある6人だった。

 

 兜をかぶったクリボー、クリスチーヌ。

 鼻に絆創膏を貼ったノコノコ、ノコタロウ。

 ネックレスを着けた雲の精霊、クラウダ。

 黒の体に水玉模様のパンツを履いたちびヨッシー、シュヴァルツ。

 白い大きな帽子をかぶり、操舵輪を着けたボム兵、バレル。

 白い体に赤いアイマスクを着けたチューさん、チュチュリーナ。

 

 ゴロツキタウンを起点として、スターストーンを集めたときのメンバーがそこにいた。

 

 

「みんな、久しぶりだね。・・・・・・あれ?ビビアンは?」

「久しぶりね、マリオ。ビビアンは私も分からないわ」

 

 

 久しぶりに会えたメンバーにマリオは嬉しくなり、手を上げて話しかける。

 と、マリオはメンバーが1人足りないことに気づいた。

 

 影3人組の末っ子、ビビアンの姿がないのだ。

 クリスチーヌに聞いてみても、首を振り分からないという。

 

 レサレサが全員を呼ばないとは思えないので、不思議に思いながらマリオは首をかしげた。

 

 

「マリオ、この人たちは?」

「ああ、こっちの皆は知らなかったね。ピーチ姫の宝探しで連れていかれたゴロツキタウンで出会った仲間たちだよ。彼らにもとても助けられたんだ」

 

 

 興味津々といった体のクリオの問いに、マリオはスターストーンを集めた仲間を紹介していく。

 以下、スターストーン組と星の精組として分けます。

 

 

「へぇ、そんなことがあったんだ?」

「ええ。あたしの知識でバッチりとマリオを助けたのよ!」

「む・・・・・・!オイラの知識だって負けてないぞ!」

 

 

 ゴロツキタウンでの旅の話を聞いて、クリオとクリスチーヌが知識で競いあったり。

 

 

「オレッチはこんなに活躍したッス!」

「すごいなぁ。ボクももっと勇気が持てるかな?」

 

 

 カメキの自慢話にノコタロウが羨ましがったり。

 

 

「なんで、マリオちんがゴンザレスなんでちゅか?」

「おう!ゴンザレスって言うのはリングネームなんだ!カッコいいだろ?」

「カッコいい、のかねぇ?」

「いいと思うぜ!おれもジョナサンよりもカッコいいやつを考えるべきか?」

 

 

 シュヴァルツのゴンザレスと言う呼び名に疑問点を持ったアカリンが尋ねたり。

 

 

「クラウダさんはお久しぶりですね。なんでも女優に復帰したのだとか」

「あらン、パレッタちゃんじゃないン。アタクシが女優をしていたときはファンレターの配達ありがとうねン」

「あら、こちらの方はゴロツキタウンで働いていたことがあったのかしら?」

 

 

 実はパレッタがゴロツキタウンで働いていたことがあったと分かったり。

 

 

「ボム兵が海の上を行くなんて危険じゃない?あたいにはできないわ」

「ワシも若い頃は不安だった。だがな、スカーレットのお陰で頑張ってこれたんだ」

 

 

 船乗りであるバレルをピンキーが驚いていたり、と。

 おおむね仲の悪そうな雰囲気は感じられなかった。

 

 仲間たちと話していると、大部屋の明かりが消えていく。

 どうやらレサレサの準備が終わったようだ。

 

 と同時にマリオの足が何かに捕まれ、闇の中に引きずり込まれた。

 

 

「オーホッホッホッ!」

 

 

 完全に明かりが消えたとき、大きな高笑いが部屋に響き渡った。

 そしてそれと同時に1人のテレサがライトアップされる。

 そのテレサはリボンを着けており、手には扇子を持っていた。

 

 彼女こそ、星の精を助ける旅の最後のメンバー、レサレサだ。

 

 

「ようこそ、いらっしゃいましたわ!この日をあたくしたちテレサは心待ちにしていましたの!」

 

 

 手を大きく振り、興奮を抑えきれないといった様子でレサレサは喋る。

 

 

「さぁ!おいでませ、マリオ!」

「うわわわわわ?!」

 

 

 レサレサの言葉と同時にマリオが影の中から飛び出してきた。

 突然の事態にマリオを含めた全員が驚く。

 

 

「この影に潜る感じは・・・・・・ビビアンか!」

「大正解だよ。マリオ!」

 

 

 マリオの言葉に、マリオの影から嬉しそうに紫色の体に魔女の帽子をかぶった人物が飛び出してくる。

 (かの)・・・(じょ)?はビビアン、スターストーンを集める旅の最後のメンバーだ。

 

 

「久しぶり、マリオ!アタイのこと忘れてないか不安だったけど覚えていてくれて嬉しいよ」

「俺が仲間のことを忘れるわけないじゃないか」

 

 

 嬉しそうに話すビビアンにマリオも笑顔を向けて話す。

 その光景に何名かの機嫌が悪くなったが、マリオは気づかない。

 

 

「さぁ、それではハロウィンパーティーを始めましょう。ああ、そうそう、テ紙に書いてある通り、あたくしはトリックオアトリートとは言いません。ですが、この屋敷にいる他のテレサたちは別ですわ!彼らの要求に答えられねばイタズラされてしまいますわよ!」

 

「「「「えっ?!」」」」

 

 

 レサレサの宣言に星の精組もスターストーン組も驚く。

 しかし、そんな中マリオだけは驚いている仲間たちを不思議そうに見ていた。

 

 

「あれ?皆はテ紙を知らないのかい?」

「いや、だから普通に手紙でしょ?!」

 

 

 マリオの言葉にクリスチーヌが噛みつく。

 クリスチーヌの言葉に同意するように他の仲間たちも頷く。

 そんな仲間たちの行動にマリオは全員がテ紙を知らないのだと理解した。

 

 

「えっと、テ紙って言うのはね。“テレサの書いた仕掛け手紙”の略語なんだよ」

「はぁ?!」

 

 

 テ紙の言葉の意味を聞き、仲間たちは一様に驚く。

 マリオからしても全員が知らないと思わなかったので少し意外だった。

 

 

「さぁ、テレサたちが来ますわよ?別に逃げても構いませんが、果たして逃げ切れるかしら?イタズラを回避したければあたくしを捕まえてみることね!」

 

 

 そう言ってレサレサは消えていった。

 レサレサの挑発的な言葉に仲間たちは絶対に捕まえてみせると息巻き、部屋の扉を走り抜けていく。

 

 そんな仲間たちの姿にマリオは苦笑するのだった。

 

 

「あはは、たぶんレサレサはあそこに隠れてるんだと思うけど・・・・・・」

 

 

 レサレサと初めて出会った屋敷の3階部分を思い出しながらマリオは呟く。

 するとマリオの目の前に1人のテレサが現れた。

 

 

「トリックオアトリート!お菓子をくれないとイタズラするぞ!」

「うん。はいこれ」

 

 

 テレサの言葉にマリオは頷いてお菓子を手渡す。

 お菓子を渡されたテレサは少しだけ驚いた表情をしてお菓子を受け取った。

 

 

「やっぱりマリオならテ紙は読めたかぁ。はい、これを持ってたらもう言われないから持っててね」

「これは・・・・・・動かないけどスーパークラウン?」

 

 

 そう言ってテレサは消えていった。

 テレサから渡されたのは、スーパークラウンによく似た冠。

 マリオはその冠を不思議そうに眺めてからポケットにしまった。

 

 

「うわぁぁああ?!」

「きゃぁぁああ?!」

「今のはクリオとクリスチーヌ?!」

 

 

 不意に聞こえてきた悲鳴にマリオは驚き、悲鳴の聞こえてきた場所へと向かった。

 悲鳴の聞こえてきた場所へ着くと、2人の少女の姿があった。

 

 

「ううう、なんでオイラは女の子になってるんだ・・・・・・?」

「な、なんで人の姿に・・・・・・?」

 

 

 1人は茶髪にショートカットで野球帽をかぶった少女。

 そしてもう1人は金髪でロングヘアーに兜をかぶった少女。

 どちらの少女もマリオが先ほどテレサから渡された冠を帽子と兜の上に乗せている。

 見慣れない2人の姿にマリオは不思議に思い話しかけた。

 

 

「君たちはいったい?」

「あ、マリオ!何でか知らないけどオイラ女の子になっちゃったよ?!」

「あたしも人の姿になっちゃったの!」

 

 

 マリオが話しかけると、ショートカットの少女が慌てたようにマリオにすがりつく。

 少女の喋り方にもしや、と思いマリオは尋ねた。

 

 

「もしかして・・・・・・、クリオ、か?」

「そうだよ!」

「じゃあそっちは、クリスチーヌ?」

「ええ!」

 

 

 確認のために名前を出すと、2人の少女は強く頷いた。

 

 どうやら、信じられないことだがこの2人はクリオとクリスチーヌで間違いがないようだ。

 

 

「テレサから変な冠をかぶせられちゃったのよ」

「そしたらこんな姿になっちゃったんだ!」

「なるほど、俺もお菓子を持ってなかったらそうなっていたのか・・・・・・」

 

 

 2人の言葉にマリオは危なかったと身を震わせた。

 その後、イタズラをされたから仕方がない、とクリオとクリスチーヌの2人は大部屋へと戻っていった。

 

 

「これは・・・・・・、他のみんなもなっているのか?」

 

 

 思わず口から出た言葉にマリオは否定ができなかった。

 おそらく、いや間違いなく他の仲間たちも同じような事態になっているだろう。

 少しだけ頭が痛い、と頭を押さえながらマリオは館の中を歩き始めた。

 

 

「この部屋は・・・・・・」

「なんでオレッチが女の人に?!」

「わわわわ?!」

「カメキとノコタロウみたいだな・・・・・・」

 

 

 部屋の扉を開けて中を覗くと、2人の少女の姿があった。

 1人は金髪にショートカットで赤いスカーフを巻いて、背中に甲羅の模様のはいった服を着た少女。

 もう1人は、金髪にショートカットで気弱そうな表情をして鼻に絆創膏を貼った、甲羅の模様のはいったパーカーを着た少女。

 甲羅の模様の服と、赤いスカーフ、そして鼻に絆創膏。

 それぞれの特徴からしてカメキとノコタロウで間違いはないだろう。

 

 

「2人もテレサにやられたみたいだね」

「あ、マリオさん!そうなんスよ!」

「はぁ・・・・・・、こんな姿じゃ笑われちゃうよ・・・・・・」

 

 

 マリオの言葉にカメキは頷き、ノコタロウは気落ちした様子で呟いた。

 マリオからクリオたちがすでに大部屋に戻っていると聞くと2人も大部屋へと戻っていった。

 そして、マリオは次の部屋の扉を開ける。

 

 

「あたいがこんな姿になるなんて、ビックリだわ!」

「ああ・・・・・・、こんな情けない姿になってしまった。すまない、スカーレット・・・・・・」

「今度はピンキーとバレルか」

 

 

 扉を開けると、やはりというべきか、2人の少女の姿があった。

 いや、片方は少女と言うよりも女性言った方が正しいだろう。

 1人はピンク色の髪の毛をポニーテールにして、耳にはボム兵の形のピアス。

 そしてもう1人は黒髪のポニーテールで白い大きな帽子をかぶっており、操舵輪の形のバッジをつけていた。

 どちらもポニーテールが編み込まれており、導火線のようになっている。

 

 

「もう!もう!見つけたと思ったら偽者だったのよ!」

「おお、マリオか。情けない姿を見せてすまんな・・・・・・」

 

 

 プリプリと怒りながらピンキーの周りでクラッカーが破裂するような音が鳴る。

 どうやらボム兵の爆発と言う特性がこのように表れたようだ。

 そして、ピンキーとバレルの2人も大部屋へと戻っていった。

 部屋から出ると、マリオの目の前を小さな影が走り抜けていった。

 その影は少し行った先で止まると、マリオの目の前まで戻ってくる。

 

 

「よぉ、ゴンザレス!なんか知らねぇけど。スッゴク速く走れるんだ!」

「マリオちん!シュヴァルツちんが速くてとても楽しいでちゅ!」

「シュヴァルツとアカリンか。廊下を走ると危ないよ?」

 

 

 現れたのは緑色の髪にショートカットで卵柄の服を着た少女と、金髪のショートカットでおしゃぶりの形をしたネックレスをつけた少女だった。

 それぞれの話し方からして、シュヴァルツとアカリンで間違いはないだろう。

 

 どうやら、シュヴァルツがアカリンをおんぶして廊下を走り回っていたようだ。

 2人ともクリオたちより体格が小さく、少女よりも更に幼い表現になるだろう。

 

 

「大部屋で食べ物が食べられるはずだから食べてくるといいよ」

「そっか、分かったぜ!」

「了解でちゅ!いきまちゅよー!」

 

 

 マリオの言葉にシュヴァルツとアカリンは頷き、走って部屋まで戻っていった。

 注意したのにすぐに走っていってしまった2人にマリオは苦笑しかできなかった。

 

 そのまま移動して玄関ホールにマリオはたどり着いた。

 

 

「ちくしょー!テレサだから飛ばれて捕まっちまった!」

「あらあら、美人さんになったじゃないン?」

「飛んでても捕まっちまうんじゃ。あたしは捕まって当然だねぇ」

 

 

 玄関ホールでは雲に乗った金髪のショートカットでサングラスをかけた少女が悔しそうに叫んでいた。

 そんな少女を青髪のロングヘアーで今までの仲間の中で1番かもしれないスイカを2玉持った女性と、青髪のロングヘアーで髪にプクプクの形をした髪飾りをつけた水着姿の女性が微笑ましそうに見ていた。

 

 

「えっと、ポコピーかい?」

「ちげぇ!俺はジョナサンだ!」

「あら、マリオちゃんも来たのねン」

「あっはっは、悪いねマリオ!こんなおばちゃんの体なんて見せちまって!」

 

 

 喋り方や身に付けている物から、彼女たちはポコピー、クラウダ、オプクで間違いがないようだ。

 オプクは快活と笑っていたが、言うほど悪くないスタイルで水着姿であることに、マリオは照れて真っ直ぐに見ることができなかった。

 

 

「おやおや、こんなおばちゃんでも照れてくれるのかい。嬉しいねぇ」

「あらン?なら、アタクシもハグしちゃおうかしらン?」

 

 

 じりじりとマリオとの距離を詰めてくる2人に身の危険を感じ、マリオは他の仲間たちが大部屋に戻っていることを伝えると走ってその場を後にした。

 

 走って2階の廊下へと移動すると、不意にマリオの足下の床が音をたてて抜ける。

 どうやら古くなっていた床板を踏み抜いてしまったようだ。

 咄嗟に床を掴むが、下半身が完全に宙に投げ出されてしまっている。

 

 

「大丈夫ですか、マリオさん!」

「これはいけません。パレッタさん、救出を!」

 

 

 下に落ちるかと思ったそのとき、誰かの声と共に自身の体が柔らかいものに運ばれていることに気づく。

 見ると翼を生やした茶髪にロングヘアーの女性に抱えられているのが見えた。

 

 

「危なかったですね」

「あ、ああ・・・・・・」

「まったく、ミスターは驚かせてくれますね?」

 

 

 抱えられている関係で女性の胸が体に当たっており、マリオはうまく返事ができない。

 そんなマリオに白髪にショートカットで、赤いアイマスクを着けた女性が話しかけてくる。

 

 

「本当ですよ。わたしもとっても驚きましたから」

 

 

 胸を撫で下ろしている女性の顔をよく見るとゴーグルを着けていることに気づく。

 見覚えのあるゴーグル、このゴーグルを着けていたのはこの屋敷には1人しかいなかった。

 

 

「もしかして・・・・・・、パレッタ?」

「な?!分からなかったんですか?!ひどいですよ!」

「ふふふ、あんな状況では仕方がないのかもしれませんね?」

「す、すまない。驚いていて分からなかった・・・・・・」

 

 

 恐る恐るマリオが尋ねると、女性──パレッタはショックを受けた表情をした。

 マリオのために弁明をすると、パレッタ自身は丁寧語で話すために、女性となってしまっている今の姿でも話し方に違和感がなく、ゴーグルが見えなければパレッタだと分かりにくいのだ。

 

 

「それと君は、チュチュリーナだね」

「ええ!正解ですわ!」

 

 

 マリオにあっさりと名前を呼ばれ、チュチュリーナは嬉しそうに宙返りをする。

 そしてマリオに近づき頬にキスを落とした。

 

 

「ちゅ、チュチュリーナ?!」

「ふふふ、ワタクシだと分かったご褒美ですわ」

 

 

 驚き慌てるマリオの姿を見ながらチュチュリーナはクスクスと笑う。

 ちなみにチュチュリーナがキスをした際に、別の場所にいる何名かの女性のこめかみに怒りマークが無意識の内に生まれていたことも記しておく。

 

 

「ミスターの面白い姿も見れましたし、ワタクシも最初の部屋に戻るとしましょう」

「わたしは探し物はあまり得意ではないですし、わたしも戻りますね。マリオさん、気をつけてくださいね?」

 

 

 そう言ってチュチュリーナとパレッタの2人も大部屋へと戻っていった。

 

 

「あー・・・・・・」

 

 

 マリオの頭の中では先ほどのパレッタの姿が強く残ってしまっていた。

 自身を心配して気にかける姿勢。

 大人しそうな外見に合った丁寧な話し方。

 そして、優しさを象徴するような白い大きな羽。

 

 ただ一言、マリオの口から言葉が漏れた。

 

 

「天使かよ・・・・・・」

 

 

 パレッタが男性だと分かっていても言わずにはいられなかった。

 それほどまでに見事な組み合わせだったのだ。

 

 でも、あれは一時的になってるだけなんだよなぁ。

 

 少しだけ残念に思いながらマリオは屋敷の中を歩き始めた。

 マリオが呟いたときにも別の場所にいる何名かの女性のこめかみに怒りマークが追加で生まれていたことも記しておく。

 

 

「レサレサのいる3階に向かうには・・・・・・と。この絵だったな。また、通らせてもらいますね」

「ええ、どうぞ。レサレサも楽しんでいるようで私も嬉しいですよ」

 

 

 2階の廊下の奥に掛けられている絵画にマリオが話しかけると、絵画に描かれているテレサが嬉しそうに目を細めて答える。

 そしてマリオは絵の中へと飛び込んだ。

 

 空気のような水のような不思議な感覚を抜け、マリオが着地をすると、そこは屋敷の3階だった。

 

 実はこの屋敷は2階から3階へと行くための階段がなく、空を飛べない者はこの絵を通り抜けることでしか3階へとたどり着けないのだ。

 

 

「さーて、たぶんこの部屋にいると思うんだけど・・・・・・」

 

 

 そう言いながらマリオは3階にある唯一の扉を開けた。

 扉を抜けると部屋に明かりはついておらず、やや薄暗い光景が広がっている。

 そして、ぼんやりとしか見えないが部屋の中心に誰かの影が見えるような気がした。

 

 

「そこに誰かいるのかい?」

 

 

 マリオの言葉に影はわずかに揺れたように見える。

 レサレサじゃないにしても誰かがいるのだと分かったマリオは影に近づいていく。

 

 

「君は・・・・・・」

「来てくれたのね。マリオ」

 

 

 そこにいたのはピンク色の髪の毛をしたロングヘアーで、紫色のドレスに白い手袋、そして冠と魔女のような帽子が合わさったような帽子をかぶった女性だった。

 女性はマリオを見ると目もとに涙をためてマリオの手をとった。

 

 

「レサレサちゃんにマリオならここに来るはずって聞いて。アタイ、ずっと待ってたの」

「ビビアン・・・・・・」

 

 

 女性にいきなり手をとられてマリオは一瞬だけ驚いたが、女性の話し方と服装の特徴から女性がビビアンだと気づいた。

 

 

「マリオ・・・・・・」

 

 

 ビビアンはマリオの手をとりながら熱っぽくマリオの瞳を見つめる。

 しかしそれも長くは続かず、ビビアンはすぐに寂しそうに瞳を伏せた。

 

 

「アタイはマリオのこと・・・・・・。ううん、この姿になってもきっと迷惑になっちゃうよね?ごめんね、マリオ」

 

 

 そう言ってビビアンはマリオの手を離し、影の中へと潜っていく。

 寂しそうに影に潜っていくビビアンをマリオは咄嗟に腕を掴んで、影に潜るのを止めた。

 

 

「マリオ?」

 

 

 影に潜るのを止められ、ビビアンは驚いてマリオの顔を見る。

 

 

「・・・・・・迷惑だとか、困らせるとか、勝手に決めつけないでくれよ。俺たちは仲間なんだ、ちゃんと君の言いたいことも言ってくれ」

「でも・・・・・・」

 

 

 マリオの言葉にビビアンは困惑して目を伏せる。

 そんなビビアンの様子にマリオは息を軽く吐いて、ビビアンの肩を掴んだ。

 

 

「ビビアン、君が何に不安がっているのかは分からない。でも、俺は君の力になりたいんだ」

「あ、あわ、あわわわ・・・・・・」

 

 

 真っ直ぐに目を見つめられ、真剣な表情で話すマリオに、ビビアンは顔を真っ赤にする。

 反応がないビビアンにマリオは不思議に思いながら、さらに顔を覗きこんだ。

 

 

「ッッ~~~~!!!!!」

「うぉっ?!ビビアン?!」

 

 

 ボフンッ、という音が聞こえたかと思うと、ビビアンはものすごいスピードでマリオの手から抜け出して影に潜っていった。

 後に残されたマリオは、ビビアンがどうして逃げ出したのか分からず、首をかしげるのだった。

 

 

「相変わらず、無自覚で恐ろしいことをしますわね・・・・・・」

「やっぱりここにいたんだね」

「ええ、先ほどルイージが来たので別室に案内するために席を外してましたの」

 

 

 いつからいたのか、レサレサがマリオの背後から話しかける。

 レサレサはやや呆れたような表情でマリオを見ていた。

 

 

「それにしても、やはりマリオ以外はみんなイタズラされてしまったようね」

「まぁ、テ紙を知らなかったらね」

 

 

 クスクスと楽しそうにレサレサは笑う。

 その様子をマリオは頬を掻きながら見ていた。

 

 

「さて、どうしましょう?マリオはあたくしを捕まえるのかしら?」

「んー・・・・・・」

 

 

 クルリと1回転をして、レサレサはマリオに尋ねる。

 その表情はこのまま簡単に捕まることはない、と言っているかのように挑発的だった。

 マリオは少しだけ考え込み、あることを思い出す。

 

 

「さぁ、どうするのかしら?」

「そうだね・・・・・・、レサレサ」

 

 

 楽し気にレサレサはマリオに答えを迫る。

 そんなレサレサにマリオは手を差し出した。

 

 

「トリックオアトリート!」

「・・・・・・へ?」

 

 

 突然のトリックオアトリートにレサレサはポカンと口を開けた。

 レサレサのそんな姿に笑みを浮かべながらマリオは手を差し出し続ける。

 

 

「ま、マリオ?」

「ほら、レサレサ、トリックオアトリートだよ。お菓子とイタズラ、どっちがいい?」

 

 

 困惑しながら尋ねてくるレサレサにマリオはイタズラが成功したように笑う。

 

 

「ふ、ふん。お菓子でしたら最初の大部屋にありますわ!これで問題ないでしょう?」

「いやいや、直接貰わないとね。さぁ、レサレサは今お菓子を持っているかな?」

 

 

 レサレサの反論にマリオは首を横に振る。

 そんなマリオの言葉にレサレサは悔しげにマリオを見つめた。

 

 

「じゃあ、お菓子がないということでイタズラだね。“これ”をかぶってもらうよ」

「んな?!どうしてその冠を?!あなたには違うものが渡されるはずでは?!」

 

 

 マリオがポケットから取り出した冠を見てレサレサは驚く。

 どうやらこの冠がマリオの手に渡るのは想定外のことで、本来なら別のものが渡る予定だったらしい。

 ちなみに、その本来なら渡るはずだったものは、双子の弟であるルイージのもとへと行っているのだが、レサレサの知らないことである。

 

 

「ま、マリオ。落ち着いてくれません?ほ、他のことでしたらやりますわ・・・・・・。だから、ね?」

「だーめ。他のみんなもかぶってるんだからレサレサもかぶらないと、ね!」

「ああああ?!」

 

 

 ゆっくりと下がっていくレサレサの頭にマリオは冠を素早く乗せる。

 冠がレサレサの頭に乗った瞬間、まばゆい光がレサレサを包み込んだ。

 

 光の中、テレサの姿から人の姿へとレサレサの姿が変わっていく。

 ふんわりとしたドレス、左右に結ばれたリボン、そして手にはいつも持っている扇子。

 光によって色までは分からないが、まるで魔法少女のようにレサレサの姿が変わっていった。

 

 

「ど、どうなりましたの?」

 

 

 光がおさまり、レサレサは不安そうに自身の体を見る。

 髪の毛は薄い緑色でツインテールになっており、ツインテールはリボンによって結ばれている。

 

 

「うん。とても可愛くなってると思うよ」

「ッ~~~!もうっ、もうっ、もうっ!そういうところですわよ!」

 

 

 マリオの言葉にレサレサは顔を赤くして扇子を振り回す。

 ビビアンよりも付き合いが長いだけあって、マリオの言葉にも僅かに耐性があるようだ。

 

 

「さ、それじゃあ皆のところに戻ろうか」

「・・・・・・、ええ、そうね」

 

 

 レサレサへと手を差し出し、マリオは笑顔を向ける。

 そして2人は最初の大部屋へと戻るために歩き始めた。

 

 

「そういえば、その冠はどうしたんだい?」

「ああ、こちらの冠はカメックおばばに依頼しましたの。前に似たようなものを作ったと知ったので頼みましたのよ」

 

 

 大部屋へと戻る途中、マリオはレサレサが冠をどこで手に入れたのかが気になり尋ねる。

 マリオの問いにレサレサはカメックおばばに依頼したと答えた。

 カメックおばばがこのようなものを作ったことを不思議には思ったが、実害は無さそうなのでマリオは気にしないことにした。

 

 

「あれ?前にってことは、今回よりも前に作ったことがあるんだよね?」

「ええ、あの子がかぶっているやつがそうですわ」

「あの子?・・・・・・ああ、彼女か」

 

 

 レサレサの言葉にマリオは大部屋に浮かんでいた段ボールの巨大な盾を思い浮かべた。

 マリオからしてもいつの間にか彼女はあの姿になっていたためずっと疑問だった。

 なので、その疑問が解けてスッキリとする。

 

 

「あ、ようやく戻ってきたね!」

「結局、マリオ以外の全員が姿が変わっちゃったわね」

 

 

 大部屋に戻ってきたマリオとレサレサの姿を見て、仲間たちは笑いながら話す。

 屋敷で最初に会ったときとは姿が変わってしまっているが、全員がパーティーを楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出されている料理も少なくなり、パーティーももうすぐ終わりが近づいてきた頃。

 

 ズンッ、と大きな揺れが屋敷を襲った。

 

 

「な、なんだい?!」

「分かりませんわ。外に出てみましょう!」

 

 

 レサレサの言葉に、全員は慌てて外に出る。

 ホールを走り、玄関を抜け、屋敷を振り返る。

 

 

「あー、やっと出てきたー。トリックオアトリート!」

「きょ、巨人?!」

「あらまぁ、なんて大きさだい!」

 

 

 そこにいたのは、屋敷よりも大きな体を持った少女だった。

 少女は白髪にロングヘアーで頭に冠を乗せており、白いドレスに身を包んでいる。

 

 

「れ、レサレサ?!」

「あたくしも分かりませんわよ?!」

 

 

 驚き尋ねられるがレサレサも混乱しているのか、首を横に振りながら叫ぶ。

 マリオたちが反応しなかったことが不満なのか、少女は屋敷をゆさゆさと揺する。

 

 

「ねーねー、トリックオアトリート!お菓子ちょうだい!」

「あ、あたくしの屋敷が?!」

 

 

 少女が屋敷を揺するたびにミシミシと屋敷から音がなる。

 少しでも力を加えればアッサリと屋敷は倒壊するだろう。

 

 

「ど、どうする?!」

「料理もほとんど全部食べちゃったわよ?!」

 

 

 少女はお菓子がでないことにイライラとし始め、屋敷をさらに揺する。

 

 

「す、すまないけどお菓子がないんだ!とにかく屋敷を揺するのを止めてくれないか?!」

「えー・・・・・・、お菓子ないのー?」

 

 

 マリオの言葉に少女は悲しそうに顔を歪め、屋敷から手を離した。

 すると、屋敷はすでに限界を迎えていたのか、音をたてて崩れていった。

 その光景にマリオたちは言葉をなくし、少女は面白そうに笑っていた。

 

 

「あはは、おもしろーい!お菓子がないならもういいや。ばいばーい!」

 

 

 そう言って少女は頭から冠を取ると、マリオへと投げ渡して消えていった。

 

 

「あ、アトミックテレサだったのか・・・・・・」

 

 

 消えていく少女のもとの姿を見てマリオは呟く。

 アトミックテレサとは、通常のテレサの何倍もある体を持った巨大なテレサのことだ。

 それが冠を被ったことによって、先ほどの巨大な少女になったのだろう。

 

 

「あ、そういえばルイージは?!」

「え、ああ、大丈夫よ。彼女もあたくしと同じことができますから。ほら、あそこ」

 

 

 崩れた屋敷を唖然と見ていたが、マリオはルイージも屋敷にいたことを思いだし慌てる。

 そんなマリオにレサレサは意気消沈しながらも瓦礫の山の一角を指し示した。

 するとそこには白いドレスに身を包んでいる女性に抱き締められているルイージの姿があった。

 

 

「あー・・・・・・、うん。無事ならいいか」

 

 

 どうしてそのような状態になったのかは気になるが、聞かない方が良いだろう、とマリオはルイージたちから目線を逸らす。

 

 

「それで、レサレサはどうする?こんなんじゃ眠ることもできないだろ?」

「そう・・・・・・ですわね」

 

 

 マリオの言葉にレサレサは瓦礫の山を悲し気に見る。

 屋敷には自身のお気に入りのリボンやベッド、扇子などがあった。

 それらが全て埋まってしまったことがとても悲しかった。

 

 

「そうだわ。マリオ、あなたの家にしばらく住まわせてくれないかしら」

「え、俺の家に?」

 

 

 妙案を思い付いた、とレサレサは手を叩いてマリオに言う。

 レサレサの言葉にマリオは少しだけ驚いたが、クッパを住まわせていたこともあり、問題はないかな、と考える。

 そんなレサレサの姿をクリスチーヌはじっとりとした目で見ていた。

 

 

「レサレサ、あたしの知識は誤魔化せないわよ」

「な、なんのことかしら・・・・・・?」

 

 

 ギクリ、とレサレサは肩を震わせる。

 そんなレサレサの動作に他の仲間たちも怪しむようにレサレサを見る。

 

 

「テレサはお化けの特性を持った生き物。だから物にも取り憑けるのをあたしは知っているわ。そして、案内をしてくれたセバスチャンを含めてお屋敷にいたテレサたちがこの場にはいない!」

「そ、それがどうかしまして?」

 

 

 クリスチーヌの指摘にレサレサは冷や汗を垂らす。

 

 こんな簡単に見抜かれるとは思っていなかった。

 マリオさえ騙せればどうにかなると思っていた。

 

 そんな思いがレサレサの頭を埋め尽くす。

 

 

「レサレサ、他のテレサやセバスチャン・・・・・・、どこに行ったのかしら?」

「・・・・・・・・・・・・、あなたのように頭のいい女性は嫌いですわ」

 

 

 先ほどまでの悲しそうな雰囲気から一変して、レサレサは悔しげにクリスチーヌを睨む。

 そしてレサレサはマリオに当て身を食らわせて意識を奪った。

 レサレサの急変に他の仲間たちは驚き、固まってしまう。

 

 

「く・・・・・・。自然にマリオの家で暮らす計画が・・・・・・」

「あたしのことを甘く見たのが間違いだったのよ」

 

 

 レサレサの言葉に何人かの仲間たちの目が少しだけ鋭くなる。

 ようやく彼女が何を計画していたのかを理解したのだろう。

 

 

「私たちに招待状が来ないのはなんでかな、と思っていたけど・・・・・・」

「そういうことだったのだな」

 

 

 不意に迷いの森の闇の中から2人の声が聞こえてくる。

 その声は招待状を出しておらず、予定があることも把握していた。

 ゆえにここにいるはずがない2人。

 

 

「やっぱり来てみて正解だったわね?“クッパ”」

「うむ。ワガハイたちの勘も捨てたものではないな。“ピーチ姫”」

 

 

 そして、声の主は闇の中から姿を現した。

 ピンク色のドレスを身に纏い、金の冠を頭に乗せた女性、ピーチ姫。

 黒色のドレスを身に纏い、頭部には2対の角、そして背中に特徴的なトゲ甲羅を着けた女性、クッパ。

 

 2人は笑みを浮かべながらレサレサの前へと向かっていった。

 

 

「それで?マリオの家で暮らすって言っていたのは、だ あ れ ?」

「うむうむ。ワガハイも気ニナルナ?」

「あ、あの・・・・・・その・・・・・・」

 

 

 笑顔、2人は間違いなく笑顔を浮かべているはずなのだ。

 しかし発せられるプレッシャーが尋常なものではなく。

 レサレサは顔を青くして震えていた。

 

 

「あらあら、どうして震えているのかしら?別に私たちはマリオの家で暮らすって言っていたのが誰か聞いているだけよ?」

「そうだ。ワガハイたちは別に、マリオを好きだということをやめろ、とは言っておらんのだぞ?」

 

 

 笑顔のまま、不思議そうに2人は他の仲間たちのことをぐるりと見渡す。

 2人の言葉に何人かの仲間たちは目に力を戻して、強く2人を見つめ返した。

 

 

「わ、私が言いましたわ!わ、悪いのかしら!」

「ちゃんと正直に言えたわね」

「うむ。えらいぞ」

「「でもね?/だがな?」」

 

 

 目に力を戻した1人、レサレサはどもりながらも2人に言い返す。

 レサレサの言葉に2人は嬉しそうに頷く。

 

 そして、レサレサの肩を左右からガッと掴んだ。

 

 

「私たちはちゃんと正々堂々とマリオにぶつかっていくと決めているの」

「きさまの様に搦め手でいこうなどとは思わないのだ!」

 

 

 左右からのプレッシャーと力にレサレサは逃げられないことを悟る。

 仮に透明になって逃げたとしてもどこまででも追ってくるだろう。

 

 

「というわけで」

「ワガハイたちと」

「「 オ ハ ナ シ しようか・・・・・・」」

 

「ご・・・・・・、ごめんなさぁぁぁあああい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 その日、『迷いの森からハロウィンには女性の悲鳴が聞こえてくる』という噂が流れたが真実かは誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。


書く際に書いたメモ↓

クリオ・茶髪ショート、野球帽、オイラ
カメキ・金髪ショート、甲羅、赤いスカーフ、オレッチ
ピンキー・ピンク髪ポニーテール、ボム兵の形のピアス、あたい
レサレサ・うす緑髪ツインテール、リボン、扇子、あたくし
パレッタ・茶髪ロング、ゴーグル、背中に羽、わたし
アカリン・金髪ショート、小さめの体格、おしゃぶり形のネックレス、アカリン
オプク・青髪ロング、プクプクの形の髪飾り、水着、あたし、ブーティカのような感じ
ポコピー・金髪ショート、サングラス、甲羅、おれ

クリスチーヌ・金髪ロング、兜、あたし
ノコタロウ・金髪ショート、甲羅、鼻に絆創膏、気弱そうな表情、ボク
クラウダ・青髪ロング、アクセサリー、豊満な体つき、アタクシ
チビヨッシー・緑髪ショート、小さめの体格、卵柄の服、オレ
ビビアン・ピンク髪ロング、紫帽子、アタイ
バレル・黒髪ポニーテール、白い大きな帽子、操舵輪の形のバッジ、ワシ
チュチュリーナ・白髪ショート、赤いアイマスク、ワタクシ



・流れ

レサレサがパーティー

マリオや他の仲間を呼ぶ

「トリックオアトリートに応えなければ他のテレサたちにイタズラされてしまいますわよ?」

マリオの仲間たちが模倣品のスーパークラウンでピーチ姫化していく

屋敷の中を走り回り、レサレサを見つける

レサレサにトリックオアトリートという

アトミックテレサがピーチ姫化をして屋敷を壊してしまう

レサレサがマリオの家に住もうとする
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