スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
クッパ姫は世界一になる萌えだぞ。
・深澤遥輔(オーバードライブ)
・
視線を逸らして納得していなさそうなマリオの顔をクッパはジッと見つめる。
クッパ自身、もともとの姿のときに似たような考え方をしたことがあるのでマリオがいまどう考えているのかが手に取るように分かっていた。
「ふぅ・・・・・・、怒られる理由が分からない、か。まぁ、こればっかりはされないと分からぬものだから仕方がないか・・・・・・」
「教えて・・・・・・くれるか?」
「うむ」
マリオの様子から考えていることを読み、クッパは口に出す。
考えていたことがクッパに言われ、マリオは心臓がドキリと跳ねる。
驚いているマリオの姿を見ながらクッパは少しだけ寂しげに言った。
叶うのであればマリオに自分で気づいてほしかったのだが、このままでは気づけなさそうなので仕方がない。
「マリオ。キサマが『こんな俺が思いを伝えても良いのか』と言ったのは自分が情けないと思ったからであろう?」
「そうだよ・・・・・・」
クッパの言葉にマリオは上体を起こして返事をした。
そう。
自分がその言葉を言ったのはあまりにも自分が情けなく思ったから。
行き場のない自分へのぐちゃぐちゃとした様々な思いの入り雑じった言葉だった。
「・・・・・・だがな。ワガハイは・・・・・・、ワガハイたちは『そんなキサマ』を好きになったのだぞ?」
「あ・・・・・・」
マリオは自分の頭をハンマーで殴られたような衝撃を受ける。
自分の不甲斐なさにばかり目が行き、マリオはクッパたちのことが考えられていなかった。
クッパたちはハッキリとマリオに告白をしていた。
しかし、マリオが自分のことを『こんな俺』と言ってしまえばクッパたちのことを間接的に貶めることになる。
その事実にマリオはようやく気づくことができた。
が、まぁクッパにとってそのあたりは重要ではない。
貶められるのは確かにいい気分ではないのだが、それよりも自分たちの好きになった男が誰かにバカにされることが我慢ならなかった。
たとえそれが、好きになったマリオ本人が言った言葉だったとしても。
「それにな・・・・・・。思いを伝えることに・・・・・・誰かの許可が必要なのか?」
「それは・・・・・・」
マリオの目をまっすぐに見つめながらクッパは問う。
自分の思いは誰かに伝えることを許可されて伝えたわけではないと。
自分がマリオに抱いた思いを伝えたのはマリオのことが好きだったからだと。
────マリオは答えられない。
自分でも、思いを伝えるのに誰にも許可を取る必要がないことは分かっている。
それでも情けない自分が相手に思いを伝えて迷惑になるのではと怖くなってしまうのだ。
────マリオは答えられない。
目の前にいるのは────自分が抱いた怖さを乗り越えた人。
目の前にいるのは────自分が抱いた思いを相手に伝えることができた人。
目の前にいるのは────
────自分が自覚した思いを伝えたい相手。
読了ありがとうございます。
・ルイージ邸観察日誌
・・・・・・はふぅ。
ところどころ悲しくなっちゃったけどとってもおもしろいね。
「それってそんなに悲しくないはずだよー?」
「すれ違いとかはあるけど普通レベルじゃなかったー?」
「涙もろいからね、仕方ないね」
みんな、うるさいよー。
あ、おんなじ作者さんが他にも本を出してるんだ。