スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
クッパ姫を、僕だけのものから、読者に贈るものにする。
・僕(君の膵臓をたべたい)
・
クッパの示した本を見て固まるマリオ。
確かにその本は物置兼書庫の部屋に置いてあったもの。
独り暮らしだということで本棚にそのまま置いていたことが仇になったのだろう。
マリオが本を見て固まっている間にクッパは自分の服装をビキニから普段の服へと戻す。
「こほんッ・・・・・・。その、なんだ、そういった本を読むのは分からなくもないのだがな・・・・・・」
普段の服に着替えたクッパは咳払いをしてマリオの布団から出てくる。
それでも突然のトラブルによって顔はまだ赤いままだ。
クッパが自分の布団から出てきたことに慌てて顔を逸らそうとするが、クッパの姿戻っていることに気づきホッと息を吐く。
なお、息を吐いたのと同時に残念にも思っていたのはクッパには内緒である。
「独り暮らしだからと油断するのではないぞ・・・・・・?」
「・・・・・・おう」
クッパの言葉にやや反応が遅れながらマリオは頷く。
マリオの反応が遅れた理由については説明する必要がないほどにハッキリとしているので特に説明をするつもりはない。
「ところで、こっちの本について聞きたいのだが?」
「あ゛・・・・・・」
クッパの持っている本を見てマリオは再び固まる。
クッパの見せてきた本は誰にも見られたくなくてベッドの下に隠していたはずの本。
しかも一番見られたくなかった相手に見つかってしまった。
「そっちの本は普通に本棚に入っていたのに、な・ぜ・か、こっちの本はベッドの下に隠されていたのだが?」
「えっと、その・・・・・・」
ジットリとした視線でクッパはマリオを見つめる。
クッパに見つめられ、マリオはだらだらと汗を流す。
「なかなかに新しい本のようだが?」
「うぐッ・・・・・・」
言えるはずがなかった。
その本はクッパに告白をされてから買ってしまったものなのだと。
「しかもピーチ姫に似た女性もいるようだが・・・・・・」
「いや、それは違・・・・・・」
本をヒラヒラと振りながらクッパは言葉を続ける。
クッパの言葉にマリオはなにかを言おうとするのだが、後半はモゴモゴとなってしまい、言葉になることはなかった。
「・・・・・・ワガハイには魅力がないか?」
「そういう訳じゃないんだよ・・・・・・」
しょんぼりとしながらクッパはマリオに問う。
悲しそうなクッパの様子にマリオは答えづらそうにしながら言う。
マリオがなぜその本を買ったのかを言えるはずがなかった。
その本に出てくる女性の姿がクッパに似ているから買ってしまったのだと。
つい、その女性のページばかり読んでしまっているのだと。
読了ありがとうございます。
・ルイージ邸観察日誌
本も綺麗にできたし、これで大丈夫かな。
それにしても透過をかけたらクレヨンとかが下に落ちるのは面白いよね。
そのときにウッカリ下にいたテレサに全部かかっちゃったし。
まぁ、本を汚しちゃった子だから仕方がないよね。