スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
作者の手を停めるのは“批判”ではなく“
作者の手を進めるのは“評価”ではなく“意思”
・皆川亮二(ARMS)
だから私は自らの意思でこの話を書いていこう。
・
ゆっくりと、静かに目の前の扉が開かれていく。
扉のノブはスーパークラウンではどうやっても開けることはできなかっただろう。
だからこそマリオたちは扉の前でスーパークラウンが起こすであろう何かしらのアクションを待っていた。
しかし、何もアクションを受けとれず勝手に扉が開かれていく。
もしも自力で扉を開けて入ってくるのであれば、それはスーパークラウン以外の誰かだろう。
その事実にマリオとクッパは静かに警戒しながら、いつでも行動を起こせるように構える。
「「・・・・・・」」
扉が開かれ、始めに見えたのは茶色の水玉帽子。
その特徴はどう見ても先ほど“悪意”に犯されていたキノじいのものだった。
そして次に見えたのは手に捕まれた小さな冠。
「スーパークラウン!」
「く、あやつめ・・・・・・!」
キノじいの手に捕まれているスーパークラウンの姿を確認し、マリオとクッパは悔し気に叫ぶ。
やはりスーパークラウンだけに無茶をさせるべきではなかったのか。
全員で協力してキノじいを取り押さえるべきだったのか。
そんな考えがマリオたちの脳裏をよぎる。
そして、扉を開けたキノじいはゆっくりとマリオたちの方を見た。
「おや、マリオどの。今日は何やら暗いのですが何が起きているのか分かりますかな?」
「・・・・・・なに?」
「え・・・・・・?」
あまりにも自然に、先ほどの姿が幻か何かだったかのようにキノじいは話しかけてくる。
それこそいつもの“悪意”に犯されていないときのように。
「き、キノじい?体はなんともないのか?」
「はて?どういう意味かは分かりませぬが、私はいつも通りのつもりですが?」
「これは・・・・・・、どういうことなのだ?」
マリオの問いにキノじいは不思議そうに首を傾げる。
よく見てみれば目に光が戻っており、“悪意”に犯されていないように見える。
「すまぬが、その冠を渡してくれぬか」
「おや、こちらは貴方の物でしたか?気がついたら目の前に落ちていたもので。持ち主がいて良かった」
キノじいが正気に戻ったようだということを確認し、クッパはスーパークラウンを渡してもらうように言う。
クッパの言葉に、キノじいは持ち主が見つかって良かったと笑みを浮かべながら手渡してきた。
「スーパークラウン?」
「おい、どうした。喋らぬか」
マリオとクッパの言葉にスーパークラウンは反応を見せない。
それこそ、マリオの家で喋り出す前のときのように。
「くそっ、いったい何があったんだ!」
「無事に戻ってこねば意味がないだろう・・・・・・!」
動かないスーパークラウンを強く掴み、クッパは俯く。
無事に戻ってくると約束をした。
しかし、その約束は守られなかった。
確かに戻ってはきた。
だが、スーパークラウンは無事ではなかった。
これではちゃんと戻ってきたとは言えないだろう。
「マリオどの?」
「ああ・・・・・・、悪い。キノじい、この城では大変なことが起きているんだ。だから、できたらここの扉が開かないように見張っていてくれないかな」
不思議そうに見てくるキノじいに謝り、マリオは簡単に状況を説明する。
今までにもさまざまな異変などが起こったピーチ城の大臣。
突発的に異変が起きても、慌てはするが対応ができないことはなかった。
「よくは分かりませぬが、分かりました。姫様も心配ですがマリオどのにお任せします」
「ありがとう」
自身の胸を叩くキノじいにマリオは頭を下げる。
完全には状況を理解できていなくても、協力してくれることに感謝を抱きながら。
「行こう。先に進まないとスーパークラウンの犠牲が無駄になってしまう・・・・・・」
「そう・・・・・・だな。こやつは自らに出来ることを全うした。そうだな?」
マリオの言葉にクッパは、自身とマリオを助けるために囮となったことを感謝して、一撫でした。
そして、落とさないようにそっと自身の頭にスーパークラウンを乗せた。
「ゆくぞ。きっとこの先で終わると信じて」
「ああ」
そして、マリオとクッパはピーチ姫の部屋の扉を開けた。
読了ありがとうございます。
・ルイージ邸観察日誌
最近、ニュースを見ていたらキュン死というものが流行っているらしいの。
でも、死んでる人はいないんですって。
ちょっと不思議。
ルイージが死んじゃったら嫌だなぁ。
早く話せるようになって、ルイージがキュン死って言うやつになる前に話さなきゃ!
え?
幸せそうに笑って倒れてるだけなの?
・・・・・・なんで死ってついてるの?