スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
*注意*
あるキャラの性格が違っております。
読む際にご注意ください。
どの読者も好きだけど・・・・・・
どの読者がボクを好きなのかはわからないなァ
・ぼのぼの(ぼのぼの)
人の心は分からないものです。
・
扉を開け、マリオたちの視界に白い壁にピンク色の家具の置かれたピーチ姫の部屋が映った。
その光景は城が“悪意”の膜に包まれる前と何ら変わった様子はなく、ベランダのある窓の外から見える景色も今までのものとなにも変わっていなかった。
「ピーチ姫は・・・・・・いないのか?」
「そのよう、だな」
部屋の中をぐるりと見回してみてもピーチ姫の姿はなく。
誰かがいたような形跡もない。
マリオとクッパは警戒して部屋に入ったものの、予想外の事態に少しばかり気が抜けてしまう。
「一応、調べてみようか」
「うむ。・・・・・・分かっているとは思うが、タンスや衣類の場所は調べるでないぞ」
マリオの言葉にクッパは頷き、部屋の探索を開始する───前に、マリオをジロリと睨み付けてクッパは警告した。
非常時とはいえさすがにその辺りを調べるのは、当たり前だがしてはいけない。
「分かっているよ」
「ならば良いがな。ワガハイは向こうの机と本棚を調べてみよう」
クッパの警告にマリオは苦笑しながら頷く。
正直な話、クッパの口からそう言った警告が出るとは思っていなかったので、少しだけ意外にも感じていた。
そして、マリオもクッパとは反対の場所を調べ始める。
「ふむ・・・・・・。本棚には気になるような物は見当たらぬか」
机の横に置かれた本棚の中を一段一段クッパは確認していく。
本棚に置かれているのは、花の図鑑、刺繍のモデル本、マナーや所作の本などなど、姫として必要そうな物が並んでいる。
また、一番下の段だけ分かりにくいように奥行きが作ってあり、そこを調べてみると隠すように恋愛要素のある少女漫画が置かれていることがわかった。
「ピーチ姫もこのような本を読むのだな」
隠されていた少女漫画を確認し、クッパは少しだけ驚く。
クッパの個人的な考えではあるが、ピーチ姫は漫画などは読んだことはないと思っていた。
だからこそ少しだけ意外に思ったのだ。
「っと、本棚にはなにもないな。机には・・・・・・日記か?」
ピーチ姫の読んでいる少女漫画に少しだけ後ろ髪を引かれながら、クッパは隣の机を見る。
すると、机の上に先ほどまで書いていたかのように置かれている日記があることに気がついた。
「何か情報でもあるか?」
少しだけ申し訳なく思いながらクッパは机の上の日記を手に取り、中を開く。
日記の中には丸い女性らしい文字で1日の出来事などが書かれていた。
『○月×日』
クッパに拐われた私をマリオが助けてくれた。
とてもかっこよくてもっと好きになってしまった。
お礼でいつもキスをしてるけど、たまには勇気を出して口を狙ってもいいかしら?
『◇月△日』
お城の仕事は大変だけど、息抜きでケーキを焼いてマリオを呼べるのは嬉しい。
たまにクリームを着けながら食べてる姿は可愛いと思う。
キノじいが見ていない内に城から抜け出して会いに行ったら驚く顔が見れるのかも。
「これは・・・・・・。やはり、そうだったか・・・・・・」
ピーチ姫の日記を読み、クッパは薄々とだが気づいていたことが真実だったと気づく。
何度もピーチ姫を拐い、何度もマリオに救出される。
幾度となく
助けが来ると信じ、マリオを待ち続けるピーチ姫の姿。
そして、女性の姿になったことによって理解した愛という感情。
それら全てから導き出され気づいていた事実。
「やはり、ピーチ姫はマリオのことが好きだったのか・・・・・・」
口からこぼれた言葉にクッパは不思議と悲しさを感じなかった。
いや、むしろピーチ姫を恋敵と改めて意識し、負けたくないと強く思っていた。
「ふ・・・・・・。こんな気持ちも悪くはない」
自身の気持ちに笑みを浮かべ、クッパは悪くない感情に包まれた。
そして、クッパはさらに日記を読み進めていく。
『▽月×日』
最近はクッパも拐いに来なくて平和。
平和なのはいいのだけど、マリオのかっこいい姿が見れないのは少しだけ退屈。
明日はキノコモールに行って自分でお菓子の材料を買おうかしら。
『☆月◎日』
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで・・・・・・
マリオが誰かと暮らす?私以外の誰かと?なんで?どうして?あなたが助ける相手は私だけでしょう?あなたと共に暮らす相手は私だけでしょう?嘘よ嘘よ嘘よ!
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして・・・・・・
『☆月□日』
とてもすばらしいちからがてにはいった。
これでまりおは わ た し の も の ・・・・・・
「なんだ・・・・・・これは・・・・・・?!」
ピーチ姫の日記を読み進めていくと、突如として現れたページを埋め尽くす言葉の羅列にクッパは思わず日記を机に落としてしまう。
そのページからは前のページまでの落ち着いた恋する女性といった印象がまったく感じられず、どこか狂気染みた感情すら感じられた。
「こっちには何もなかったよ。クッパ、そっちはどうだい?」
「っ!!──い、いや、こちらにも気になるものはなかったな」
他の場所の探索を終えたマリオが急に話しかけてきて、クッパは思わず日記をマリオから隠す。
そして、マリオの方を向いてクッパは気づく。
先ほどまでは人影のなかったベランダに誰かがいることに。
その人影が光のない瞳でジッとマリオと自分を見つめてきていることに。
その人影が・・・・・・先ほど読んだ日記の持ち主である───ピーチ姫だということに・・・・・・
読了ありがとうございます。
ホラーのような展開再び。
ピーチ姫の性格は私の好みのものに変えました。
不快でなければこれからもよろしくお願いします。
・ルイージ邸観察日誌
最近、この日誌にルイージの観察を書いてない気がする。
普通の日誌に書き換えた方がいいのかな?
でも、ルイージの名前を消したくないし・・・・・・
変えなくてもいっか!
どうせ私だけの日誌なんだから!
今日は少しだけ長く写真を照れずに見れた。
少しづつ時間が伸びて嬉しい。