スーパーマリオ イフストーリー (完結)   作:竜音(ドラオン)

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本日2話目の投稿です。

戦闘が終わったら終わったでどう書いたらいいか悩みだします。


「おもしろい」の一言で、また頑張ろうって元気になれるのよね。


・さくらすみれ(ちびまるこちゃん)

感想は本当に力になります。


第35話

 

 

 変わってしまった姿からもとの姿に戻れる。

 

 これだけを聞けばとても良いことだろう。

 しかし、クッパは涙が止められない。

 

 もとの姿には戻りたくない。

 マリオへのこの思いを捨てたくない。

 

 そんな思いから、クッパは涙を流していた。

 

 

「ク、クッパ?!」

「待ちなさい」

 

 

 クッパがとつぜん泣き出したため、マリオは驚き宥めるために近くへ行こうとする。

 しかし、それをスーパークラウンが制止した。

 

 

「マリオ、城の中の様子を確認してきてちょうだい。“悪意”から解放された人たちはピーチ姫と同じように気絶しているはずよ。そのまま放置はできないわ」

「あ、ああ。クッパは大丈夫なのか?」

「問題はないから、早く行きなさい!」

 

 

 スーパークラウンはマリオに城の中にいるキノピオたちの確認をしてくるように言った。

 武器を持っていたり、階段などで気絶していては危ないため当然のことだろう。

 泣いているクッパのことが気になりながらも、マリオはピーチ姫の部屋から出ていった。

 

 

「どうして・・・・・・どうして・・・・・・」

 

 

 涙を流しながらクッパはうわ言のように呟く。

 そんなクッパの頭の上にスーパークラウンは乗った。

 

 

「追いつめちゃったみたいね。安心して、別にもとの姿に戻らなくても良いのよ。姿を奪われた人が困ってるんじゃないかって思って返そうと考えただけなんだから。だからあなたの心に素直になって」

「ワガハイは・・・・・・、このままでいたいのだ・・・・・・。このままマリオを好きでいたいのだ!」

 

 

 スーパークラウンの言葉にクッパは自身の肩を抱きながら叫ぶ。

 

 クッパの心からの叫びにスーパークラウンは満足したのか、クッパの頭を撫でるように体を動かした。

 

 

「それで良いのよ。今のあなたは女の子、自分の心に素直に生きるのが正解よ」

「スーパークラウン・・・・・・」

 

 

 先ほどまでの悲痛な涙とは違う涙がクッパの目からこぼれた。

 

 自分はこのままで良いのだと。

 このままマリオを好きでいて良いのだと。

 

 そんな喜びの涙だった。

 

 不意にピーチ姫の部屋の窓が開き、1人のカメックが現れた。

 

 

「クッパしゃまぁぁあああ~~っ!!」

「カ、カメックおばば?!」

 

 

 窓から飛び込んできたのは箒に乗った年老いたカメック、カメックおばばだった。

 カメックおばばは部屋の中を飛び回ると、クッパの目の前で停止する。

 

 

「クッパしゃま!姿形は変わっていようともわたくしカメックにはよく分かりますぞ!ああ、帰ってこないのでとても心配しました!今までどちらにおられたのですか?!」

「お、落ち着いて欲しいのだ!」

 

 

 クッパが見つかったことによる興奮からか、カメックおばばは高いテンションでクッパに話しかける。

 あまりの剣幕にクッパはわずかに引いていた。

 

 

「それで、これからどうするのですか?ピーチ姫も寝ているようですし、拐いますかな?」

 

 

 チラリとベッドに寝かされているピーチ姫を見て、カメックおばばはクッパに尋ねる。

 確かにもとのクッパであったら拐うだろう。

 しかし、今ここにいるのは姿が変わり、愛を知ったクッパ。

 だからこそ、クッパは首を横に振った。

 

 

「カメックおばば、もうピーチ姫はよいのだ」

「クッパしゃま?」

「ワガハイの配下たちにも苦労をかけさせたな・・・・・・」

 

 

 自身の欲望に任せてピーチ姫を拐い、そしてマリオの撃退を命じる。

 さらには城の警備や食事の用意、ピーチ姫の世話まで、今までに配下たちに命令してきたことをクッパは思い返していく。

 

 

「思えば、ワガハイはあまり良い長ではなかったかもしれぬ・・・・・・」

「そんなことは──」

「だからな、おばば。最後のワガママなのだ」

 

 

 クッパの言葉を否定しようとするカメックおばばの言葉を遮り、クッパはまっすぐにカメックおばばを見る。

 

 

「どうか・・・・・・、どうか、ワガハイにマリオを好きでいさせて欲しいのだ」

「クッパ・・・・・・しゃま・・・・・・」

 

 

 クッパにまっすぐに見つめられ、カメックおばばはクッパの目を見る。

 クッパの目からは、言った言葉が本気だと言うことが伝わってきた。

 

 

「・・・・・・クッパしゃま。我らがクッパ軍の規律は覚えておりますかな?」

「ああ・・・・・・。1.マリオを見つけたら倒すべし。2.ピーチ姫には優しくすべし。3.卑怯な手段で戦うべからず。4.手段は禁ずるが戦術は組むべし。5.クッパ軍に所属していることに誇りを持つべし。であったな」

 

 

 カメックおばばの問いに、クッパは自身の軍の規律を答えていく。

 先ほどの自身の言葉は明らかに1の規律を破っている発言だとクッパは分かっていた。

 だが、それでも言わずにはいられなかったのだ。

 

 

「そうですね。ですが、クッパしゃまには言っておられませんが、わたくしたちにはもう1つだけ、規律があるのですじゃ」

「なに・・・・・・?」

 

 

 自身の知らない規律がある。

 カメックおばばの言葉にクッパは驚き、声を出す。

 そしてカメックおばばは、クッパへ優しく微笑みながらもう1つの規律を言った。

 

 

「それはですな。・・・・・・、6.クッパ様が幸せになることを全員が願うこと。ですじゃ」

「カメックおばば・・・・・・!」

 

 

 予想外の規律に、クッパは一瞬だけ固まり、再び涙を流した。

 

 ああ、自分はこんなにも配下たちに恵まれている、と。

 こんな自分のことをここまで慕ってくれてありがとう、と。

 

 涙を流すクッパをカメックおばばは優しく抱き締めて背中をさするのだった。

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。


・ルイージ邸観察日誌

 うっかり転んでルイージの家の中にクッキーが飛んでいっちゃった・・・・・・
 ルイージも驚いちゃってるみたい。

 と、とりあえず、玄関越しに話しかけて説明するべきだよね。


「ごめんなさい。ハロウィン用に練習で作ったクッキーが飛んでいっちゃったの・・・・・・」
「あ、クッキーだったのか。これはもらっても良いのかな?」
「は、はい!」


 良かった。
 クッキーを捕まえて、ルイージは食べてくれたみたい。
 クッキーにはチョコチップも入ってるから喜んでくれたかな?







 あ、美味しいって聞こえた。
 嬉しい。

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