スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
遅くなりましたがどうぞ。
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時刻は7時を過ぎた頃。
クリスマスパーティーまで残り1時間を切ったところだ。
ピーチ城の大広間も飾りつけなどがほとんど終わっている。
「マリオどの。ここまでやってもらえれば充分ですぞ」
「そうかい?まだ、ツリーの最後の仕上げの星が飾れてないんだけど」
キノじいの言葉にマリオは手に持つ星を見せる。
クリスマスツリーの頂点の星。
それはクリスマスツリーをクリスマスツリーたらしめる最大のポイント。
これがなくてはクリスマスツリーはクリスマスツリーではなく、ただの飾り付けられたもみの木となってしまうだろう。
「では、その星を取り付けましたら着替えてきてくだされ。さすがにいつもの格好でパーティーに出るわけではないでしょう?」
「まあね。じゃあ、ちゃちゃっとつけちゃうよ。スーパージャンプ!」
そう言ってマリオは足に魔力を溜めると、思い切りジャンプをした。
その高さはクリスマスツリーの高さを余裕で越えるほど。
マリオがあまりにも高くジャンプするものだから大広間にいた全てのキノピオは思わずマリオの方を見てしまう。
そんなキノピオたちのことも気にせず、マリオはクリスマスツリーの頂点の近くまで着くと、手に持っていた星を頂点にちょこんと置いた。
星がクリスマスツリーの頂点にちゃんと置かれたことを見ながらマリオは落ちていく。
そして、マリオはスタッと大広間の床へと着地した。
「この程度のことに使いますか・・・・・・」
「むしろ、この程度のことにしか使わないで済むって思いたいかな。それじゃあ、俺は着替えてくるよ」
マリオがいきなりスーパージャンプを使ったことにキノじいは思わず呆れたような声を出す。
スーパージャンプをこの程度のことに使う。
それは逆に言えばとても平和であることの証拠。
キノじいにそう答え、マリオは大広間を後にした。
ピーチ城に用意された一室。
その部屋でマリオは着替えをする。
置いてあるのは白いスーツ。
ワンポイントとして赤いネクタイを着けており、白のスーツと合わせてとても映えていた。
「これでよし。・・・・・・ん?」
スーツを着た姿を確認していると不意に扉を叩く音が聞こえてきた。
マリオは扉の近くに行き扉を開ける。
扉を開けると、そこには赤いドレスに身を包んだピーチ姫がいた。
「マリオも着替え終わったのね。とても似合っているわよ」
「ありがとう。ピーチ姫も似合っているよ」
お互いに笑みを浮かべながら相手の姿を誉める。
他愛もない話をしながら2人は大広間へと向かう。
クリスマスパーティーはもうすぐ始まりそうだ。
大広間に着くと、大広間の飾りつけは終わっており、様々な料理も並べられている。
「あ、クッパも来たんだね」
「うむ。ついさっきな」
「いらっしゃい、クッパ」
大広間を見渡し、クッパの姿を見つけたマリオとピーチ姫は手を上げながら近づく。
クッパの姿は赤いドレスに白いモコモコが着いたどこかサンタクロースをイメージさせる姿だ。
「む?ナハトはどうしたのだ?」
「ナハトなら料理人の方を手伝っているわ」
「ちょっとだけ意外だよな・・・・・・」
ナハトの姿がないことに気づいたクッパはピーチ姫に尋ねる。
クッパの問いにピーチ姫は、いたずらっ子のような笑みを浮かべて答えた。
ピーチ姫の言葉にマリオは頷きながら言う。
正直に言うとナハトが料理をするという印象はまったくなく。
料理人の方を手伝っていると聞いて、クッパは少しだけ不安になった。
「・・・・・・大丈夫なのか?」
「意外かもしれないけどかなり戦力になっていたよ」
不安そうにするクッパに、マリオはナハトの手伝いをする姿を思い出しながら答える。
マリオの言葉にクッパは少しだけ不安を薄めるのだった。
「さて、そろそろだから。私は始まりの挨拶にいくわね」
「うん」
「いってらっしゃいなのだ」
そう言ってピーチ姫は大広間の前の方へと移動する。
歩いていくピーチ姫の後ろ姿をマリオとクッパは見送った。
大広間の前に立ち、ピーチ姫はキノじいからマイクを受け取る。
「あ、ああ。・・・・・・うん、大丈夫ね。今日はピーチ城でのクリスマスパーティーに集まってくれてありがとう。楽しんでいってちょうだい」
マイクに軽く声をかけ、電源が入っていることを確認してピーチ姫はクリスマスパーティーの始まりを告げた。
ピーチ姫の言葉が終わると同時にキノピオたちが持っていたクラッカーが一斉に炸裂する。
パンッという大きな音と共に紙吹雪が大広間にヒラヒラと舞う。
色とりどりの紙吹雪は色はあるのだが、ちらほらと降り積む雪のようにも見えた。
「始まった。マリオ、これ食べて」
「うお?!な、ナハトか。じゃあ、いただくよ」
「ふむ、ワガハイももらおうかな」
いつのまに近くにいたのか。
手に料理の乗った皿を持ったナハトがマリオの背後に立っていた。
急に話しかけられたことに驚き、思わず身構えたが、ナハトの姿に気づいたマリオは体から力を抜く。
そんなマリオの姿など気にしていないかのようにナハトはマリオに料理を勧める。
ナハトの手に持つ料理から美味しそうな匂いがすることに気づいたクッパはヒョイとナハトの持つ皿から料理をつまんだ。
「うむ、旨いな」
「私が作ったのだから当然」
「俺もいただくよ」
「さっそく食べてるのね。私ももらうわ」
クッパの言葉にナハトはフンスと自慢気に答える。
料理は見た目もよく、料理人のキノピオたちのものと比べてみても遜色ないほどだろう。
料理を食べつつ、4人は会話を楽しむのだった。
「メリィィイイイ・・・・・・クゥゥウウリスマァァアアアス!!!」
料理を楽しみ、クリスマスツリーの明るさや流れる音楽に身を委ねていると、不意にそんな声が大広間に飛び込んできた。
誰の声なのか。
声の主を探すためにキノピオやマリオたちは大広間の中をキョロキョロと見渡す。
声が聞こえてからしばらくして、大広間の窓の1つが勢いよく開いた。
そして開いた窓から何かが飛び込んでくる。
「ほっほっほっ、メリークリスマスじゃ!」
「さ、サンタ・・・・・・?」
飛び込んできたのは星形の何か。
よく見れば髭が生えており、頭には赤と白の三角の帽子、そして手には白い袋を持っていた。
この情報だけであればサンタクロースという認識で間違いはないだろう。
が、マリオ、クッパ、ピーチ姫の3人はこの人物(?)に見覚えがあった。
「・・・・・・あやつは何をやっているのだ?」
「ちょっとビックリよね」
「何をしているんだい?
そう。
サンタクロースのような格好をして飛び込んできたのは星の精の長の立場にいる髭の生えた星の精、チョールだった。
マリオの言葉にチョールはズビシィッと腕を振る。
「ワシはチョールなどと言うダンディな髭の星の精ではない!ワシの名前はサンタクロースター!星のサンタクロースじゃ!」
「サンタクロー・・・・・・」
「スター・・・・・・」
「ってなに?」
あまりにも普段と違うテンションのチョールに、マリオたちは少しだけ引く。
チョールを知らないナハトだけは気にせずにマリオの皿へと料理を運んでいた。
「えっと・・・・・・それで、サンタクロースター?は何をしに来たのかしら?」
「そうじゃそうじゃ、忘れるところじゃった。マリオ、お主にプレゼントじゃよ」
「俺に?」
引きながらピーチ姫が尋ねると、チョー・・・・・・───サンタクロースターは思い出したようにマリオに手に持っていた袋を差し出した。
急に自分の名前を呼ばれ、マリオは不思議に思いながら袋を受け取る。
「ワシら・・・・・・げふんげふん───星の精を助けた報酬の1つじゃよ」
「・・・・・・ありがとう」
完全に口を滑らせているが、マリオは気にしないことにした。
袋の中にはいくつもの星の欠片が入っておりキラキラと光っている。
「ワシ以外のものたちは色々なところに星を配りに行っておるのでな。ワシも手伝いに行くぞ」
「そ、そうか」
「では、クリスマスパーティーを楽しむのじゃぞーーー!!!」
そう言ってチ・・・・・・───サンタクロースターは入ってきた窓から飛び出していった。
まるで嵐のような行動に、マリオたちはポカンとする。
その後は特に何かが起こることもなく、楽しいクリスマスパーティーに戻るのだった。
読了ありがとうございます。
遅いですが良いクリスマスは過ごせましたか?
家族とでも恋人とでも、楽しく過ごしていただければ幸いです。
・・・・・・年末も書き始めないと。