スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
諦めたらそこで連載終了だよ
・安西先生(SLAM DUNK)
・
肩を落としながらマリオはチラリと女性を見る。
ピーチ姫と似たデザインで色だけが黒のドレス。
短髪ではあるが、ピーチ姫と同じように外ハネのややくせっ毛がちな綺麗な金髪。
ピーチ姫の青空のような綺麗な蒼色の瞳とは異なる、夜空のような幻想的な瞳。
それら全てが合わさり、ピーチ姫とはまた違った魅力的な女性だった。
「そういえば、この子の名前は?“病愛”が名前というわけではないだろ?」
「なま・・・・・・え・・・・・・?」
マリオの問いにスーパークラウンは、キョトンとして不思議そうに聞き返す。
そんな様子にマリオとクッパ、そして顔を隠してしゃがみこんでいたピーチ姫は不思議に思って顔を見合わせる。
「名前なんてないわよ?だって彼女は“悪意”が変異した存在、だから親なんていないもの」
なんでもないことかのようにスーパークラウンは言う。
そんなスーパークラウンの言葉に反応したのか、女性はその体を小さく震わせた。
当然ながら密着しているマリオにもその震えは伝わる。
「それは・・・・・・、いくらなんでもかわいそうじゃないか?」
「名前がないのは・・・・・・不便だな」
「私と似ているのだからかわいらしい名前が良いわね」
女性の震えを止めるために、マリオは頭を優しく撫でながら言う。
撫でていることによってクッパとピーチ姫の額に怒りマークが生まれ、女性の瞳の中にハートマークが生まれているが、おそらく、たぶん、もしかしたら気のせいだろう。
そう思うことにしてマリオはスルーした。
「じゃあ、俺たちで名前を決めるかい?」
「そうだな・・・・・・。とりあえずきさまはさっさと離れるのだ」
「そうしましょう・・・・・・。マリオはその子から離れてそこで正座ね?」
マリオの頬を左右からつねりながらクッパとピーチ姫は言う。
そしてピーチ姫の指し示した場所には三角形を並べて作った板と、重石のようなものがあった。
俗に言う石抱き責めの道具たちだ。
その近くではキノピオたちがいい汗をかいたとでもいうかのように顔を拭いていた。
「というわけできさまはマリオをは──」
「いや」
「──なすのだ・・・・・・」
クッパの言葉を途中で断ち切り、女性はプイと顔を逸らす。
女性のそんな態度にクッパの額にさらに怒りマークが生まれた。
「きさ──」
「マリオは私のもの。誰にも渡さない。マリオの視界には私だけがいればいい。私の視界にもマリオだけがいればいい。他の女はいらない。他の男もいらない。私だけ、マリオだけがいればいい。マリオは私と暮らす。マリオの世話は私が全部してあげるの。ご飯が食べたければ私が口移しで食べさせてあげる。お風呂に入りたければ私がお風呂に入れてあげる。マリオは家から出なくていいの。私以外の誰にも会わせない。私だけ、私だけのマリオ。好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。私たちを引き離すのは ユ ル サ ナ イ 」
掴みかかろうとしたクッパをギロリと見て、女性は早口に言葉を紡ぐ。
光の消えた漆黒の瞳に睨まれ、クッパは動きを止める。
女性の言葉が早口だったために完全に聞き取ることはできなかったが、マリオの背中を冷や汗が流れた。
“愛”に変異しているとはいえもともとが“悪意”。
自分は今、とてつもなく危険な状況なのではないか。
マリオは今更ながらにそう思う。
ハッキリと言ってしまえば、その認識はかなり遅く。
この場にいるキノピオやキノじい、カメックおばばたちはとっくに気づいていることだった。
まぁ、彼らがマリオにとって危険な状況だと思っているのは、クッパやピーチ姫がいるのに他の女性と密着をしていること、なのだが。
読了ありがとうございます。
ヤンデレっぽさは出せているでしょうか?
・ルイージ邸観察日誌
恥ずかしくはなるけれどルイージと顔を合わせて話せるようになったので、ルイージのお家でお話です。
ルイージの淹れてくれたお茶がとても美味しい。
やっぱり料理が上手なんだなぁ。
洋服とかも綺麗にしているし、ルイージってけっこう女子力高いよね?
私はちょっとドジだから羨ましいかも。