スーパーマリオ イフストーリー (完結) 作:竜音(ドラオン)
突貫なので多少の誤字脱字があったらすみません。
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マシロの家へと続く森の中。
ルイージとデイジーはチョコ作りに必要になりそうな道具や材料を手に持ちながら歩いていた。
なお、ルイージは若干腰が引けており、デイジーによってぐいぐいと手を引かれている。
「ほらほら、早く行くわよ!」
「ま、待ってよ!うひゃ?!」
「もう、ただの風よ」
デイジーに手を引かれながらルイージは近くの草むらがガサガサと揺れたことに悲鳴をあげる。
そんなルイージの姿にデイジーは少しだけあきれた様子で言う。
情けないルイージの姿だが、それでもデイジーはルイージのことを嫌いにはならない。
ルイージがお化けなどを苦手としていることはよく知っているので今さら思いが変わることはないのだ。
「早めにマシロの家に着いちゃえば怖くないでしょ?」
「で、でも、テレサも住んでるんだよね?」
「まぁ、けっこういたわね」
マシロの家に行ったときのことを思いだし、デイジーはルイージの言葉を肯定する。
たしかにルイージの言うとおりマシロの家にはテレサも大量に住んでいた。
そしてテレサなので当然ながらイタズラが好きだった。
マシロが止めていなかったらデイジー自身もイタズラをされていただろう。
デイジーの言葉にルイージはの腰はさらに引けていった。
「ううう・・・・・・」
「じゃあ帰るの?マシロには私から言っておけるけど」
まだマシロの家には着いていない。
今ならば帰っても急用が入ったと言って誤魔化すことができるだろう。
でも、それは・・・・・・
「それは、とても失礼だよ。マシロが誘ってくれたんだ。僕はそれを受けたんだからちゃんと行かないと」
「そ。なら、こんなところで立ち止まっているわけにはいかないわね?」
「うん」
そう。
マシロは勇気を出してルイージを誘った。
ここで帰ってしまってはマシロの勇気を踏みにじることになってしまうだろう。
それが分かっているからこそルイージは足を止めずに歩き続ける。
そんなルイージにデイジーはクスリと笑いかけ、一緒に歩く。
マシロの家はもうすぐだ。
マシロの家。
玄関の前にルイージとデイジーは立っていた。
目の前にあるのは淡く光を放っている不思議な家。
「い、いきなりテレサが飛び出したりとかしないよね?」
「いや、お客さんにいきなり・・・・・・、でも、テレサだし・・・・・・」
インターホンを鳴らした瞬間にテレサが飛び出してくるのではないか。
そんな恐怖からルイージはインターホンを鳴らせずにいた。
住んでいるのがマシロだけではなく他のテレサも住んでいる。
それゆえにデイジーの口にした可能性も否定できないのだ。
「ええい、行動しなきゃなにも変わらないわ!」
「な、鳴らすんだね?」
いい加減に焦れたのか、デイジーは声をあげてインターホンに指を当てた。
ピンポーン、といたって普通のインターホンの音が鳴る。
インターホンを鳴らしてすぐにテレサが飛び出してくるような気配はなく。
拍子抜けと言った表情でデイジーは玄関を見ていた。
「はーい!」
「あ、マシロが出てくるみたいね」
「テレサが驚かしに出てこなくてよかったー・・・・・・」
ガチャリと玄関が開き、マシロが現れる。
なにかをしていたのか、髪型が少しだけ乱れているように思える。
玄関から出てきたのがマシロだったことにルイージはホッと胸を撫で下ろした。
「準備はできてるから2人とも入って入って」
「ええ、お邪魔するわね」
「お邪魔します」
マシロに促され、ルイージとデイジーは家の中に入っていった。
家に着くまでに時間はかかってしまったが、ようやくチョコ作りが始まる。
「えっと、とりあえず材料のチョコとトッピングに色々なものを用意したよ」
「昨日、慌てて買ったものね」
「そうだったんだね」
「それは言わない約束だったのにー!」
デイジーの裏切りにマシロはポカポカとデイジーの肩を叩いた。
そんな微笑ましい光景にルイージは優しげな笑みを浮かべていた。
マシロの家のキッチン。
掃除が行き届いており、埃1つ落ちていないきれいなキッチンだ。
「それじゃあ、チョコを作ろっか。まずは手荒いうがいだね」
「忘れちゃいけないわね」
「エプロンもだね」
料理をする際に決して忘れてはいけないこと。
手荒いうがい、そして清潔な格好だ。
これが守れないのであれば食事を作る資格が無いものとルイージは思っている。
また、どこぞの赤いバトラーも同じことを思っているはずだ。
「さて、チョコを作るわけだけど。どんなものを作るかは決めているのかな?」
「私はあまり変わったものは作れないし、シンプルにやるわ」
「う~ん。私も手堅く作りたいかな。まだ自信はそんなにないし」
「そうなんだ。なら、僕はチョコレートケーキにしておこうかな」
ルイージの問いにデイジーとマシロは顔を見合わせて作るチョコの種類を答えた。
シンプルなチョコと侮ることなかれ。
シンプルであるからこそ簡単に作れると言うことはたしかにあるだろう。
だが、シンプルだからこそ本人の腕前がハッキリと現れるのだ。
まぁ、ルイージは料理の腕が遥かに上なのでケーキを普通に選択しにいれているのだが。
「湯煎の適温ってこれくらいよね?」
「大丈夫だと思うよ。型はどれがいい?」
「色々な型があるんだね。あ、テレサ型と花型を借りてもいいかな」
和気あいあいと話しながら3人はチョコ作りをしていく。
混ぜたりするときに跳ねたのだろうか、デイジーは頬に、ルイージは鼻に、マシロは胸元にチョコを跳ねさせていた。
「ぶっちゃけて言っちゃうと、チョコ作りって溶かして形を変えるだけだよね」
「まぁ、そうよね」
「原材料からなんて無理だもん」
ルイージの言葉にデイジーとマシロはチョコをかき混ぜながら答える。
チョコ作りとは言ってもやっていることは溶かして好きな形にすることだけ。
チョコを材料としてなにかを作っているわけではない。
「だからさ、僕はこう思うんだ。溶かしているのはチョコだけじゃなくて渡す相手への思いも溶かして混ぜているんだって」
「相手への思いを・・・・・・」
「溶かして混ぜる・・・・・・」
言っている途中で恥ずかしくなったのか、ルイージはフイとデイジーとマシロから顔を逸らした。
ルイージの言葉をデイジーとマシロはゆっくりと飲み込んでいく。
「は、恥ずかしいことを言っちゃったかな。ちょっと生地を焼いてくるね!」
そう言ってルイージはオーブンの方へと移動した。
「・・・・・・ルイージの言葉、胸に響いたわね」
「うん。あんな風に思っているからルイージは料理が上手なんだよね」
「心だけでも、ルイージに負けないくらい込めたいわね」
「うん!」
ルイージの言葉に触発され、デイジーとマシロは一層のやる気を見せてチョコ作りを続けていった。
40分後。
完成したチョコとチョコケーキがテーブルの上に並んでいる。
「完成したね」
「ルイージのケーキすごいわね」
「上にテレサとお花のチョコまで乗ってる」
マシロのチョコはやはりと言うべきかテレサの形をしている。
まるで今にも動き出してしまい・・・・・・
『ケケケ・・・・・・』
マルデイマニモウゴキダシテシマイソウダ。
デイジーのチョコはハートの形のチョコが集まった花形のチョコだ。
花びらを表現しているハートの形のチョコはそれぞれミルクやカカオ、イチゴに抹茶と味が異なっており、どこから食べても楽しめるだろう。
そしておおとり。
ルイージのチョコケーキ。
パッと見はシンプルなチョコケーキなのだが、実は中にはいくつもの味が層のようになっており、それぞれがそれぞれの味の邪魔をしないような配分になっている。
そしてケーキの上にはマシロの言っている通りチョコで作られた精巧なテレサと花が飾られていた。
「今年は兄さんに作らないか張り切っちゃったよ」
「張り切り具合がスゴいわね」
「とっても美味しそうだよ」
それぞれが他の人の作ったチョコを見て楽しそうにしている。
この時点で今日のチョコ作りは成功したと言えるだろう。
「じゃあ、そろそろ食べよっか」
「そうね。でも、その前に1つだけやることがあるわ」
「そうだね」
デイジーの言葉にルイージは首をかしげ、マシロは頷いていた。
どうやらマシロはやることがなにかを分かっているようだ。
「バレンタインデーなんだからこれを言っておかないとね」
「大切なことなんだよ」
「「ハッピーバレンタイン!」」
読了ありがとうございます。
・ルイージ邸観察日誌
チョコ作り楽しかったなぁ。
ルイージのケーキも、デイジーのチョコも美味しかった。
「・・・・・・僕たちにはー?」
「ないのー?」
「言われた通り大人しくしてたんだからご褒美ー」
いけない。
忘れるところだった。
はい、みんなにもチョコだよ。
人数が多いから小さくてごめんね。