スーパーマリオ イフストーリー (完結)   作:竜音(ドラオン)

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昨日よりも遅くなりました・・・・・・


てめえ、俺のクッパ姫かえせよ~
うるせぇよ、てめえ月に帰れよ~
なんやと、そんなお前の感想がワイは大好きやねん。
はぁ~、小学校~


・校長(でんぢゃらすじーさん)


第89話

 

 

 今にも土下座をしそうな表情でクッパはピーチ姫を見つめる。

 そんなクッパをピーチ姫は唖然とした表情で見ていた。

 

 

「キス・・・・・・?」

「うむ・・・・・・」

 

 

 混乱している頭でピーチ姫はポツリと呟く。

 

 キスというとアレだろうか。

 スズキ目スズキ亜目キス科に属している海にいる生き物の───ってそれは魚の鱚で。

 唇と唇が触れ合うことよね?

 それを誰と誰が?

 マリオとクッパが?

 

 

「・・・・・・抜け駆け禁止の約束を言い出したのは誰だったかしら」

「ワガハイです・・・・・・」

 

 

 ふと、思い出した事実にピーチ姫は淡々と尋ねる。

 ピーチ姫の問いにクッパは小さくなりながら答えた。

 

 そう。

 抜け駆け禁止の約束を女子会で提案したのはクッパなのだ。

 そのはずなのにクッパ自身がその約束を破ってしまっている。

 

 それが分かっていたからクッパはピーチ姫に話しに行くことを渋っていたのだ。

 

 

「自分で言い出したことなのに守れなかったの?」

「嬉しくて・・・・・・つい」

 

 

 自然とピーチ姫の視線が強くなる。

 ピーチ姫の視線に耐えきれず、クッパは顔をソッと逸らした。

 

 ピーチ姫のクッパに抱いた感情は怒りと言えば良いのだろうか。

 はたまた自分で言い出したことを守れなかったことに対する失望だろうか。

 

 

「つい・・・・・・へぇ?つい、で約束を破っちゃうんだ?」

「うぅ・・・・・・」

 

 

 せっかくピーチ姫と仲良くなれたのにこれでは決別されても仕方がない。

 いや、むしろ今すぐに手を出されても文句は言えないだろう。

 自分から言い出したことであり、それを自分から破って裏切ってしまった。

 嬉しかったから、と言うのは理由にはならず。

 ただ、約束を破ったという事実があるだけ。

 

 顔を(うつむ)かせ、クッパは静かに体を震わせる。

 

 

「ごめ・・・・・・ごめんなさ・・・・・・」

「謝って済むの?」

 

 

 ポタリ、ポタリとクッパの俯いた先の床に滴が落ちる。

 泣いて謝るクッパにピーチ姫はハァと息を吐いた。

 

 約束をしたのはクッパ。

 約束を破ったのもクッパ。

 

 正直に言えばクッパを思い切りはたきたい気持ちはある。

 それでも、クッパが受け入れてもらえたという喜びがピーチ姫の中にはあった。

 自分でも嬉しく思うのだから、当人であるクッパの喜びがどれほど大きいのかは想像もつかないほどだったのだろう。

 それが分かるからこそ、ピーチ姫はクッパに対して直接怒りをぶつけることができなかった。

 

 

「・・・・・・受け入れてもらえて嬉しかったのね?」

「う、うむ・・・・・・」

 

 

 もう一度、確認するようにピーチ姫はクッパに尋ねる。

 ピーチ姫の言葉にクッパは顔を俯かせながら答えた。

 

 

「・・・・・・はぁ、分かった。分かったわよ」

「ピーチ・・・・・・姫?」

 

 

 髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜながらピーチ姫はため息を吐く。

 影によってピーチ姫が髪の毛をぐしゃぐしゃにしていることが分かったクッパはおそるおそるピーチ姫の名前を呼んだ。

 

 

「今回だけ。今回だけは許すわ!」

「ほ、本当か・・・・・・?」

 

 

 ズビシ、とクッパを指差しながらピーチ姫は叫ぶように言う。

 ピーチ姫の言葉にクッパはゆっくりと俯かせていた顔を上げる。

 

 

「ただし、遊園地の時には私かナハトの意見を優先させてもらうからね!」

「わ、分かったのだ!」

 

 

 今回だけ、今回だけは受け入れてもらえたことに免じて許そう。

 そう心に決めて、ピーチ姫はクッパを許すのだった。

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。


・ルイージ邸観察日誌

 昨日はキャシーさんのお陰でデイジーと仲良くなれたと思うの。

 だから、今日は私からデイジーのところに会いに行ってみよう。

 あ、でも遅い時間だとルイージのところに行ってるかな?

 ・・・・・・ピーチ姫に相談してみようかな。




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