リリカルなのは 戦女神奈の転生物語   作:モフモフ好き

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5話

 

 上空からジュエルシードの発動を認識した瞬間、用意していた術を発動させる。

 

「忠告はしたが、やはりこうなったか」

 術で姿を隠蔽しながら打神鞭を太極図に変え、対象ををまとめて前もって作っておいた結界の中に取り込んだのだった。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

 その日は休日だった。

 朝靄の立つ早朝、うちは住居とつながっている道場にて精神統一をしていた。

 お父さんは一体何考えて庭付き一戸建てどころか道場付きにしてたんやろうか……。

 いや、意図はわかるんやけどな、幻海師範とお父さんがうちに稽古つけてる時の顔がそっくりやったもん。

 もしもっとお父さんが生きていたなら多分、ここで一緒に鍛錬してたんやないかな……。

 

 

 

 そんな事を考えながら、ここ数日のことを振り返っていた。

 

 

 

 コエンマ様に今回の事件の報告をしたら今回の事件に関して完全に任されてしまったという事。

 

「異世界の飛来物、ジュエルシード、持つものの意思に反応して願いを叶える石か……しかし歪んで叶えるとなると質が悪いな」

「ええ、今の所二件発生、その一つはうちが確認しましたが、可愛いワンコが恐ろしげな魔獣への大変身してましたわ」

「対処事態は神奈でも可能そうか?」

「それはまあ、可能といえば可能やけど……」

「なら、この一件はおまえさんに任せる」

「ちょっ!? 普通はこういう時に小学生に任せるかふつう!?」

「仕方なかろう、唯でさえ今人手不足なんじゃ、幽助も蔵馬も飛影もおらんのじゃから仕方なかろう、桑原とて今はなかなか動けんじゃろうからな。儂が動かせる人員とてそう多くはないんじゃ、任せたぞ! 非常勤霊界探偵戦女神奈」

 

 

 そんな事もあり、街の平和を守るお仕事を任されることになってしもうた。

 昼間は小学生としての活動、夜は夜でジュエルシードを探してパトロール。

 街の色んな所に感知系の術を張り巡らすの大変やでコレ。

 そろそろ、本格的に魔法の方にも手を出さんとあかんなこれ。

 

 

 そして、探し回った結果未発動のジュエルシードを昼間の学校で一つ発見、確保、封印したのだった。

 夜は夜で太公望(ショタ)の姿でパトロール、ロールプレイが入ってきとるけど、ばれると面倒やからな。

 

 

 

 そんなこんなありながら今日ははやての付き添いで病院の付添である。

 高町さんたちからはサッカーの応援に一緒に行かないかとの誘いもあったけど、こっちのほうが先約やからしょうがないよね?

 

 ちなみに食事の時にふとその事話したら「ほなら病院の帰りに見に行かへん?」と言われてしもうた。

 そんなわけで病院帰りに見に行くことに。

 

「それにしてもサッカーの試合観に行くなんて初めてやわ」

「うちも初めてやで、はやてが楽しめればええんやけど」

「それは行ってみんとわからんわな、早いとこ病院終わらせていかんと」

「はいはい、んじゃ私はいつもどおり中庭の方でまっとるで」

「了解や、ほなら行ってくるわ~」

 

 はやてと病院の入り口で別れた後、うちはそのまま中庭へと足を進める。

 

 

「あ、神奈ちゃんきた!」

「ほんとだ!神奈が来たぜ! 」

「こんにちわ~! 戦女さんは今日も付き添い?」

 

 中庭につくと、ここに入院している患者の子たちや看護婦さんが挨拶をしてくれる。

 

「皆おはようさん、今日もはやてを送ってきたところやで」

 

 こんな風に挨拶する中になったのは、はやての付き添いで病院まで一緒に行くようになってから。

 

 流石に友人のうちがはやての診察までついていくのはあれやったので、こうして診察中は病院の中より外の中庭で待たせてもらっているんや。

 

 そんときもちょうど日も出てて陽気な気分で前世で気に入ってた曲を鼻歌交じりに口ずさんでたら、声をかけられたのだ。

 

「ねえ、それなんてうた?」

 

 入院中の子やったんやけど、その子がたまたまうちが口ずさんでたのが聞こえてたようで、気になって声をかけたんやて。

 なんでも入院が予定よりも伸びて退屈してたんやて。

 

 そこからやな、最初に声をかけてきた子にせがまれてから歌ったら、そこから一人、また一人と人が集まってきたのだ。

 大きな声で歌うてはおらんかったんやけど、気がつけばそうなってた。

 

 それからはこうしてはやての付き添いで病院に来ると中庭で過ごすようになっとった。

 

「さて、今日はどんなのがええかな?」

 

 

 

 

 sideOUT

 

 

 

 

 side八神はやて

 

 

 

 

「ほなら石田先生、今日はありがとうございます」

「ええ、入り口まで送っていくわ」

「石田先生、おおきにです」

 

 笑顔で送ってくれる石田先生やけど、その笑顔の奥には曇りが見えるんや。

 こうして病院に通い続けとるけど、これといって症状の改善が見られへんからやろうな……。

 うちの足、やっぱり治らへんのやろうな……。

 

 けど、石田先生はそれでも親身になってうちの足を治そうと必死で手を尽くしてくれとる。

 それこそ私生活の方でも何かと気にかけてくれとるから感謝しか無いわ。

 

「♪~♪」

 

 そんな事を考えていたら、中庭の方から歌が聞こえてきた。

 神奈の歌声や。

 

「あ、戦女さん、今日も歌ってくれてるのね」

「神奈の周り、子どもたちでいっぱいやな」

 神奈の歌声聞いてると、なんやお腹の辺りがポカポカするんよね。

 テレビとかでも聞いたことの曲もあるんやけど、それ以上に聞いたことがない曲の方が多いんよね、一体どこで覚えた曲なんやろうか?

 

「戦女さんがはやてちゃんの付き添いで来るようになってから中庭でよく歌ってるけど、患者さんからは意外と評判いいのよね」

「私もすきやで、神奈の歌はなんや元気が出てくるんよね」

「そういえばはやてちゃん知ってた? 戦女さんがたまにここで歌うようになってから、病状が快復に向かい始めた患者さんがいるんだって」

「そうなん!?」

「ええ、この間も入院していた子が予定よりもかなり早く退院できたの。その子戦女さんが歌ってる時いっつもそばで聞いてたそうよ」

「マジかいな!? ……でも何やわかる気がするわ~、石田先生、もうちょいゆっくりでもええかな? もうちょい神奈の歌声聞いていたいんや」

「……っ、いいわよ、私ももうちょっと聞いてみたいし」

 

 なんや石田先生が一瞬驚いた顔しとったけど、何かあったんかな?

 

 

 

 

 

 sideOUT

 

 

 

 

 

 

 

 side神奈

 

 

 

「「「「「神奈お姉ちゃんまたね~」」」」」

 

「は~い、皆またな~」

 

 

 はやての診察が終わった後、中庭の音楽会は終了した。

 最近は一部の子たちも覚えとる曲を一緒に歌ったりしとるけど、大丈夫なんかな?

 患者さんに付き添っていた看護婦さんは止めてへんかったからよかったんやろう、多分。

 

「なんや神奈、人気もんやね~」

「どうなんやろうね? 病院やと娯楽が少ないからかもしれへんで?」

「せやろうか? けどうちは好きやで神奈の歌、病院やから大きな声や無いけど、それでもなんや透き通って聞こえてくるんよね」

「そう言ってくれると嬉しいな、ほんじゃ、バスで目的地まで行こうか」

「了解、では全速前進や!」

 

 

 その後はバスを経由して練習場が行われる河川敷へ向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっや~、なんやハラハラしたわ」

 

 サッカーの試合をちょうど橋の上から観戦した後、昼食をとっていた。

 

「ゴール前のボールの取り合いとかになると、ドキドキするわな」

 

 今回はちょっと奮発してイタリアンなお店での昼食である、オープンテラスで食べるピザやパスタと思い思いに料理を堪能していた。

 

 そのままサッカーの感想や食べてる料理に話題を膨らませていると、霊符で作った鳥型の使い魔からの映像にジュエルシードを持った少年がカバンから取り出すのを補足した。

 そして、映像の限りだと高町さんは一瞬気づいたように見えたけど、気の所為かもとスルーした感じに見えた。

 

 そして哀れユーノことフェレットはバニングスさんに玩具にされていた。

 

 

「っとはやて、ちょっとお花摘んでくるわ」

 

「……了解や、あわてんでな」

 

 はやてには緊急時に使う隠語としてこんな合図を使うことを教えてる。

 

 ちょっとお店のおトイレを借りて、カメラを確認してから陽分身を出して入れ替わる。

 カメラはようやく完成した電子精霊ならぬデジ精霊にごまかしてもらった。

 

 モデルになっているのはデジタルワールドで出会ったデジモンたち。

 特に情報が多かったのは、一度治療のために本に取り込んだレオモンさんやな。

 その情報を元にできたのが、ネギまの電子精霊の能力を有したデジ精霊や。

 

 このデジ精霊にちょっとカメラをハッキングしてもらい何事もないようにごまかす。

 他の客の気配もないことを確認してから陽分身。

 

「ほな、はやてのこと任せたで」

「了解や、そっちも気をつけてな」

 

 そして、転移魔法で転移して上空へ。

 認識阻害の魔法がなかったら、どこぞの宅急便の魔法少女になっとるんかな?

 

 

────────────────

 

 

 そして冒頭に戻り、結界内は阿鼻叫喚の大惨事になっていた。

 結界内で包んだ結果、現実世界への影響は皆無と言っていいだろう。

 してなかったらこれが都市部で起きたとなると、大災害確定やな。

 復興にどれだけかかるか、去年は東京が、今年は海鳴市ってなったら予算が足らへんで!

 

 そして高町家の玄関扉を結界内に入るための扉に調整、高町さんが外に出ようとしたらこっちに自動で結界内に引きずり込めるようにしてる。

 

 

 

 

 その後は高町さんが結界内に移動し、街の惨状を目にする事になる。

 

 街自体は結界内にコピーして再現したものとは言え、流石に高町さんにはショックやろうな。

 

 

 

 

 

 そして、原作のように砲撃魔法で封印し、町並みを見下ろしその悲惨な光景から決意を新たにした顔を見せる高町さん。

 

 そしてその瞬間、世界、崩壊した都市はガラスが砕けるような音と共に消えた。

 

 あとに残ったのは、無事な姿の海鳴市だった。

 

 

「これは、さっきまでいたのは結界の中!? でも、そんな気配を全く感じさせないなんて……」

「ど、どうなってるの!?」

 

 動揺している二人の前にいつもの変身した状態で姿を現す。

 

「まったく、緊急時用の結界を用意しておいて正解じゃったのう」

「スース、これはあなたが!?」

「そうじゃ、わしが用意しておいた緊急時における非常用の結界じゃ、もし結界が用意ないし、間に合わなければ先程の光景が現実となっておったじゃろうよ」

 

 その事実を聞いて、緊張が溶けたのか、膝をついて座り込む高町さん。

 

「よ、よかったの……」

 

 そんな高町さんに厳しいことだけど確認も込めて言わなければならない。

 

「わかったであろう? 他者の命を危険に晒す可能性があるという事がどのようなことであるかという事が」

「……」

「今ならば、魔法のことも全て忘れて普通の小学生にもどれるじゃろう。事件のことはそこのフェレットやわしに任せておけばよい」

 

 だけど、そんな言葉で止まるような高町産ではなかった。

 首を横に振り、決意を込めた目でこちらを見据えならがら言った。

 

「ううん、これは……私がやりたいことだから! ユーノくんの手伝いじゃない、自分の意志で決めたんです! もう絶対、こんな事にならないようにするために!」

 

「どうやら決意は硬いようじゃな……、この手のことに民間人が関わってほしくはないんじゃがのぉ、これ以上引けと言っても無駄のようじゃな。ならそっちはそっちでやってくれ、こっちはこっちで動くとする」

 

 そう言って立ち去ろうとするとフェレットが呼び止めてきた。

 

「待ってくださいスース、協力はしてくれないんでしょうか?」

「わしも立場が一応ある故な、街を守るという点では今回のように協力するようなことはあるかもだが、決定的に違う部分があるからのう」

 

 そう、なのは達と決定的に違う部分、それは……。

 

「お主はジュエルシードの回収じゃが、わしの場合はジュエルシードなる驚異の排除じゃよ」

 

「え? それは同じじゃないの?」

 うちの発言に高町さんは首を傾げるけど、前提が変わるとあっという間に瓦解するのだ。

 

「全く違うのぉ、例えばじゃ、今この街にジュエルシードを回収しようとしている者はお主たちだけじゃ、じゃがその前提が変わり、他にも回収しようとする者が現れ、お主たちよりも早く回収できるとなるとわしはそっちにつくことになるじゃろうな。わしの立場としては早急に街の驚異を排除したいのじゃ」

 

「それはっ!?」

 そう、早く回収できるならそれがジュエルシードを良からぬことに使おうとする者であろうとも、この世界に被害が及ばぬならせいぜいわしの罪悪感ぐらいじゃろうな……。死んだ後の霊界の裁きがどうなるかはわからんが。

 

「まあ、後はわしの上司の判断もあるじゃろうがな……、今の所味方ではないが街への被害を防ぐ安全装置ぐらいに思っておけばよかろう。わしの立場としては街を守るという部分が根底にある故な」

 

 後は言うべきことがあるとすれば。

 

「後は協力というがな、わしにどんなメリットが有る?」

「それは、僕にできることなら何でも、お礼なら僕の一生をかけてでも」

「フェレットの一生か……余り期待できぬな、それになんでもというのは正直信用できんの」

 

 一瞬妙な電波を拾いかけたけどそんなことはなかった。

 なんでもなんて言葉は一番信用しちゃあかんと思うんよ……。

 

「まって、僕はフェレットじゃなくてちゃんと人間だからね! スクライア一族だってフェレットだらけじゃなくてちゃんと人間だって!」

「なるほど、自分たちを人間と勘違いしたフェレット一族じゃったか」

「ちっがーう! 魔力を回復させるのに変身魔法で動物の姿を取ってるだけであって、本来の姿はちゃんと人間なんだよ! 確かに動物形態でいることも多いけど!」

 

 必死に人間であることを主張するユーノ、せやけどここまで来るとからかいがいがあるな~。

 

「ふむ、では人間であると仮定した場合、そこの高町少女と二人屋根の下で一緒に暮らしておったのかのう?」

「そうですよ! 仮定じゃなくて、れっきとした人間だ!」

「まさか同じ部屋に住んでおらんじゃろうな? あまつさえ着替えを覗いたり一緒にお風呂に入ってたりせんよな? いたいけな少女の裸なんかを覗いたら有罪判決を下して処分せんといかんと思うのじゃが」

 

 アニメだと確か、なのはの着替えで汗をダラダラと流しながら背を向けてた気がするが。

 

「してませんしてません! そんなことはしてません!」

「……この間スースさんにあったとき人間って聞いてなかったらちょっと危なかったかもなの」

 高町さんから一瞬、魔王のような気配を感じかけたけど錯覚やろうか?

 

「ならばいいがのう、人間と称すなら気をつけておくことじゃな、喋りからして一応男の子であろう」

「はい、気をつけます……」

 冷や汗がダラダラとしとるが、本当に大丈夫やろうか?

 

「ではさらばじゃ」

 ユーノが動揺しているうちにそう言って、さっさと立ち去る事にした。

 あんまり長居してると晩御飯に遅れてまう。

 

 

 今夜の当番ははやてだけど、何を作ってくれるかな~。

 

 

 

 

「ああっ、待って~! まだ聞きたいことが!」

 

 なにやらユーノが叫んどった気がするが気のせいやな、うん。

 

 ちなみに、ジュエルシードに取り込まれとった二人はまとめて暗示をかけて忘れさせ、ベンチで二人並べて置いてきました。

 

 

 

 

 

「ただいま~、はやて今夜は何にしたん?」

「おかえり~、こんやは私特製の肉じゃがや、もうちょいでできるからて~あらってお皿の用意頼むわ~」

 

 

 

 

 

 願わくばこの日常を守り続けたいな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回に続く!

 

 

 

 

 

 




ボツネタとして、巨大樹をふじりゅうばん封神演義の趙公明を倒した時のあれを一瞬やろうかとも思いましたが、発動させた二人もやばそうなので没になりましたw。

そして今更ながら、神奈の見た目の元ネタにした栞とデジモンのタケルの声が同じ人だったことを思い出し、これ絶対神奈はヤマトをタケルと一緒にからかった説が浮上。

同じ声でどっちが本物のタケルかやってそうw

「「おにいちゃ~ん!」」 「た、タケルゥゥゥゥ!」

 なお、次回はちょっと時間が飛んで、温泉戦のあとの予定。
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