リリカルなのは 戦女神奈の転生物語   作:モフモフ好き

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毎度のことながら難産でした。


6話

 

「コエンマ様、霊脈か霊鬼門の使用許可ください!」

 

 前回の広域結界、あれは自前で用意かつ、発動前に囲うことができたからこそ被害を抑えられた。

 だけど今後も同じ様にできるかと言われたら正直困る。

 なので大地に流れる霊脈をつかい、ジュエルシードが発動した際に自動で隔離結界内に捕らえられるようにしようと考え、海鳴市の霊脈の力を借りようということになったのだ。

 

 

 まあ、許可はおりたのだが、なるべく早めに決着をつけて欲しいとの事。

 

 

 そして迎えた週末。

 うちは日々の疲れを癒やそ~と思っとったんやけど、出張することになりました。

 高町さん達から月村家へお誘いがあったけど、日程がかぶってしもうたからな。

 にゃんこをモフり放題にはものすごく惹かれるけどしゃーない。

 夜のパトロールのときになのはちゃんには土日出張のことは伝えはしたけど、はてさてどうなるか。

 

 え? 行き先はどこかって?

 

 ……魔界やで。

 

 

 

 

 現在戸愚呂さんが魔界で浦飯さんの修行をつけるために出張してるんですよね。

 仙水事件で一度魔界に行ったので魔界への転移はできるんよね、霊界の貼った結界はうちには意味ないし。

 

 そして幻海ばあちゃんも久々に様子見しに行くことに。

 うちは完全にタクシーになった気分やで。

 

 

 まあ、魔界であった事は省くけど、一言で言うなら原作ブレイクをまたすることに……。

 

 理由はどうあれ、やってしまった気はします。

 お父さんと重ねてしまったのも否めませんが、条件が揃っていたというのもありましたし。

 

 雷禅さん、紆余曲折を経て仙人になりました。

 

 ある種断食という名の辟穀の行を長々続けていたからなのかもしれへん。

 

 とはいえ、暫くの間は死んだことにして仙人の体に慣らすんだそうです。

 まあ妖怪としての雷禅さんは死んだと行っても間違ってはいないはず。

 

 

 

 こうしてうちの週末は魔界出張で潰れることに。

 

 

 なお、分身ははやてと一緒に、悠々自適な週末を過ごしていたという……。

 

 だが、そんな分身がはやてとのショッピング中に見てしまったのだ。

 

 

 

 金髪美少女の姿を!

 

 

 

 

 

 そして厄介なものも見えてしまった……。

 

 

 

 

(え~、いやでもこれ……丸く収まる? いやでも……、調べてみんことには何とも言えんな)

 

 

 

 

 

 

 それから一週間、何事もなし……とは行かんかったんよね。

 

 途中に会った連休明けに街をパトロールしていたら、ユーノと高町さんに呼び止められたんよね。

 なんでも相談したいことがあるとか。

 

 まあ時期的にあったフェイトそんならぬフェイトちゃんとの1件やろうな。

 月村家と旅館での一件の後かの。

 

「あの、一つ相談に乗ってもらってもいいですか?」

 

「一体どうしたのだ? このワシに相談事とは?」

 

 

 まあ予想通り、フェイトちゃんの一件での戦闘面での相談だった。

 

 

「ふむ、まあ正直に話したところには好感が持てはするがな……」

 

 正直魔法を教えてほしいと言われたらかなり困ったんやけどね。

 うちが基本使っとるのは霊力を使ったものやし、ネギま式等の他世界の魔法はそこそこ使えるがこっちのミッドないしベルカ式はデバイス持ってないから後回しにしとったんよね。

 

 戦闘訓練なら付き合わんこともないけど……。

 

「そうはいってもの~、わしとお主では使っている力が違うからのぉ……、お主の使っとる非殺傷設定など無いし」

 

 まあここは、こっちかな?

 

「こと戦闘に関しては儂に頼むよりは、お前さんの父親か兄姉に頼んだほうが良いと思うがのぉ」

 

「えっ?」

 

 その提案にキョトンのする高町さん。

 

「お前さんの父親、高町士郎、旧姓不破士郎といえば永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術、通称御神の剣士じゃろ? こっちでも結構有名じゃぞ。

 それこそお前さんの兄なんかもそうじゃがかなり強いぞ。

 人間相手なら裏でもよほどの実力者でなければ『御神の剣士とはたたかうな』と、言われるぐらいにはな」

 

「「えっえええええ!」」

 

 やっぱり知らんかったんやろうな。

 二人して思いっきり驚いとる。

 

「おそらくじゃが、フェレットのような魔法使い相手でも、魔法無しで勝つぞ、あの御仁達は」

 

「そ、それはいくらなんでも……」

 

「いやいや、これは正直な話本気じゃぞ、裏の方でも言われとることじゃが、『完成された御神の剣士相手では、銃火器を装備したものが100人程ど居ないと、倒せないと言われている』、正直100人いても倒せる気がせんのじゃがな」

 

 この間恭也さんを見て思った、人間って可能性の塊なんやなって。

 

「士郎殿は引退しているとはいえ、一流の剣士であり、恭也殿達の師でもある以上、教えるというという意味ではこれ以上の存在はそうそうおらんと思うぞ、剣を使わなくとも体の動かし方、護身の仕方などを習うのもよかろうて、他にも模擬戦なんかをしていたらそれを見学するのも十分参考になるじゃろうな」

 

 

 

 高町さんの相談に乗ったりする一幕もあったが、やはり周りに相談できないというのは周りとの軋轢を生むようで……。

 

 高町さんとバニングスさんが喧嘩……というか、バニングスが一方的にキレる形になっていた。

 まあ、高町さんが生返事のような感じになってたのもあかんと思うけど、顔に出やすいから余計に心配掛ける。

 でも何でもないと言うから余計に周りは心配するという悪循環。

 

 

 しゃあない、フォロー入れときますか。

 まあ、月村さんとバニングスさんなら多少は大丈夫でしょう……多分、夜の一族がわかっているなら多少のことはね……。

 

 教室から出ていった月村さん達をそっと追いかけると、二人は階段で話していた。

 

「だってむかつくわ! 悩んでるのミエミエなのに、迷ってるの……困ってるのミエミエじゃない!

 なのに、何度聞いても私達には何も教えてくれない!」

 

 思わず息を呑む月村さん。

 

「悩んでも、迷ってもないなんて嘘じゃん!」

 

 思いの丈を吐き出すバニングスさん、しかしなのはの気持ちも理解できるのか月村さんは言った。

 

「どんなに仲良しの友達でも、言えないことはあるよ……。

 なのはちゃんが秘密にしたいことだったら私達は待っててあげるしかできないんじゃないかな……」

 

「だからそれがむかつくの! 少しは役に立ってあげたいのに!」

「あっ」

 バニングスさんのその言葉は、親友を心配する心の叫びだった。

 

「どんなことだって良いんだから、なんにもできないかもしれないけど、少なくとも一緒に悩んであげられるじゃない!」

 

「やっぱりアリサちゃんも、なのはちゃんのこと好きなんだよね」

 

「そんなの当たり前じゃない! あの子がいたから、私は一人ぼっちじゃなくなったんだから!」

 

 

 

 バニングスさんも月村さんも高町さんもええ子や……なのになんで高町さんは……。

 ここからの未来、原作はIFとしても、それがどうして将来ああなってしまったのか(ホロリ)

 とりあえず、屋上に行った二人にフォロー入れますかね。

 

 

「さっきはものすごい剣幕だったけど、なんや悩み事なん?」

 

「あんたは!?」

「戦女さん!?」

 

「大体何が原因かは見取ったからわかるけど」

 

「あ、あんたには関係ないでしょ!」

「あ、アリサちゃん……」

「今は虫のいどろころが悪いから話かけ「なのはちゃんの事情、いくらか知っとるって言ってもか?」

 

「「!?」」

 

「まぁ、どのぐらいの事を聞きたいのかはお二人さんがどうしたいかやけど」

「その口調、いつもと違うのね」

「まぁ、高町さんからもとの口調は聞いとるやろうし、他の人も聞いてへんから多少はね……、気になるんなら戻すで」

 

 うん、自分で言っててなんやけど怪しさ大爆発やな。

 

「いいわよ、そのままで、それで、なのはは一体何に悩んでるの?」

 

「その前に聞くけど、どこまで知りたいの? 詳細に?それとも当たり障りの無いようにぼかしたのがいいのかな?」

 

「それは、どういう意味で?」

 

 月村さんが、その真意を尋ねてきた。

 

「せやね、その悩み結構大きなものやからな……、知らないほうが良いこともあるってことかもしれんけどな……。

 多分月村さん家の事やから、うちの事もそこそこ調べたんちゃう? うちの後見人の人のことまで」

 

「それは!?」

 

「なのはちゃんの悩みのレベルは、月村家の秘匿事項とまでは言わんけど、方向性としてはこの世界では思いっきり裏方面やね、それに巻き込まれてもうたみたいや」

 

「なんであんたが鈴鹿の家のことを!」

 

「一応、うちもそっち関係やからな、それで二人はどこまで聞きたいん?」

 

「「それは……」」

 

 

 

 二人して考えた結果、詳しいところは私から聞かずに、どういったものかはぼかして、昨今の奇妙な事件との関わりと目下の悩みがなんなのかを聞くことにしたようです。

 

 というわけで、なのはちゃんの悩みがどういったもので、なんで話せないかという事が多少はわかったのか、バニングスさんの怒りのボルテージは多少減少した様子。

 

「あのバカなのは! あの時からちっとも成長してないじゃないのよ! そりゃ人に話せないようなのもわかるけど……ああっもう!」

 

 頭をかきむしるバニングスさん、けれど悩みがどういったもの中がわかり、その後多少ホッとしたのか先程までのような圧はない様子。

 

「けど、なのはちゃんが悩んでるのはその女の子のことなんだね」

 

「せやね、今の所その子の事が悩みみたいやね、問題はなのはちゃん自身がどうしたいのかやけどな」

 

 そしてくるっと反転して二人に背を向けながらその場を後にした。

 

「というわけで、うちから言えるのはここまでや、後はお二人となのはちゃんの問題やからがんばってな」

 

 

 

 

 

 

 

 秘密を抱えたまま頑張るってのは、やっぱ大変やな。

 

 

 

 

 

 

 そしてその夜の事やった。

 

 

 

 

 

 

「神奈、玉ねぎのみじん切りどんな感じや?」

「いい感じに飴色になってきてんで」

「ほならこっちのボールに入れたって、それでハンバーグの種は完成や。

 後は付け合せとスープも作ればはやて特製ハンバーグセットの完成や」

 

「後は少し種を寝かせてから焼けばハンバーグは出来上がりっと……っ!」

 はやてと晩御飯の準備をしているときに、うちの霊感にビビッと来るものが(走るニュータイプ光)

 

「はやて、ちょいとお仕事のようや、分身置いとくから後お願いな」

「はいはい、お仕事頑張ってな! それにしてもいきなりやね、最近ちょい多めやな」

「ま、事件はもう佳境に入る感じがあるから、もうちょいで終わるとは思うんやけどな、ちゃっちゃと済ませて来るさかい、うちの分ちゃんと残しといて~な~」

「はやく帰らんとうちが全部食べてまうから気をつけてな~」

「そこは残しとくもんちゃうん? なら急いで片付けるとしましょうか、いってきま~す!」

 

 分身を残して、転移で海鳴市上空へ。

 

 そして下を見れば、魔法発動直前のフェイトさん達が。

 

「緊急展開!」

 

 慌てて用意ていた結界を展開!

 もうちょい手段選んでほしいでほんま! 特にごはんどきやで今!

 

 

 とはいえ、なのはちゃんの邪魔をするのは流石に気がひけるので、今回は上から様子見である。

 

 

 

 そうして成り行きを見守っていたんやけど、二人が同時にジュエルシードを封印しようとジュエルシードを杖で挟み込んだ瞬間それは起きた!

 

「まずい!」

 

 ジュエルシード内のエネルギーが溢れ、その力に二人のデバイスに亀裂が走り、吹き飛ばされる。

 

「太極図よ!」

 

 ジュエルシードを中心に太極図の陣が展開されると同時に、そのエネルギーの奔流を制御し、一部を吸収、残りを結界内で回し、暴走が収まりだしたところでエネルギーをゆっくり戻していく。

 

 

「ふぅ、なんとか収まったようだのう」

 うちは冷や汗をかきながらその額を拭った。

 

 暴走が収まったジュエルシードはその場で淡い輝きを発しながら中空に佇んでいた。

 

 その瞬間、ジュエルシードをかっさらおうとする気配を感じ、それを先んじて制した。

 

「双方そこまで! これ以上の戦闘はこの街の守護者として容認できん、これは一時的に儂に預からさせてもらおう」

 

 そのままジュエルシードを握り込む

 

「っ! そのジュエルシードを、渡してください」

 

 金髪美少女のフェイトちゃんは杖を構えながら戦闘態勢をとる。

 

「まあまてまて、わしはこれがほしいわけではない、じゃから一時的に預かると言ったのじゃ」

 

「預かるだぁ?」

 

 フェイトちゃんの横にいる守護獣、アルフさんは威嚇しながらこちらの発言を疑問視する。

 

「仕方なかろう、またさっきのようなことになれば次はどうなるかわからんからのう? そしてこれは双方が欲しておるがわしにとっては街に仇なす危険な品物でしか無い、回収してくれるのであればわしは全面的に協力するぞ」

 

「だったらとっととそいつをこっちによこしな! さもないと!」

 

 唸り声を上げながらこちらに襲いかかるポーズをとる。

 

「ジュエルシードを渡してください!」

 

「ユーノくん、ごめんね」

「なのは?」

 

「スースさん、そのジュエルシードをフェイトちゃんに渡してください」

 

「よいのか?」

 

「はい、でもフェイトちゃん、次にあった時に私が勝ったら、ただの甘ったれた子じゃないってわかってもらえたら……お話、聞いてくれる?」

 

 ジュエルシードをそのままフェイトの方に滑らせるようにゆっくり飛ばしながら押し出すと、それを受け取ったフェイトは複雑そうな顔をしながら何も言わずに去っていった。

 

 

 ユーノはいろいろ聞きたそうにしていたけど、時間が時間なのでそのまま解散。

 

 

 急いで帰ったおかげで、うちのハンバーグはなんとか無事でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日はこれで終りと思っとったんやけど、いやはや終わらへんかったんよね。

 明日の準備やらなんやらではやてのいえから帰宅するとき、道路で出会ったんよね。

 

 

 

 

 

 

 

 それにしてもまさか眼の前に現れるとは思っとらんかったわ。

 

 

(あなた、私のこと見えてるの?)

 

 

 そこにはフェイトちゃんそっくりの金髪少女が立っとったんよね。

 

 

 

 

 

 

 アリシア・テスタロッサ、今回の事件でのある意味中核といえる存在の霊が現れたのだった。

 

 

 

 

 つづく

 

 

 

 

 

 




 というわけで、次回は話は佳境へと突入するやも。

 次回、クロノ死す! デュエルスタンバイ!


 は、冗談としても、次回は神奈が戦う描写を入れられそうな予定。
 ぶっちゃけ出会った人たちと周りにいた人たちの影響はかなり受けているので、戦闘スタイルも影響受けているやも。

 アリシアの霊も登場し、プレシアも登場、そして次回から原作から乖離が始まる予定。

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