Rebirth   作:大葉景華

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第3話

友人や仲間というのは案外数奇なものだ。なんの縁もゆかりも無い間柄なのにふとした事で出会い、幼年からの友人であるかのように振る舞い合う。学生時代は竹馬の友とまで感じるほどの仲なのに、卒業してしまえば殆どと連絡を取らないどころか存在を覚えてるかどうかすら怪しい程だ。

 

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日記をつけ始めて二日目。毎日書こうとは最初から思ってはいなかったけど、意外と書き始めると楽しくなってやめられない。小さい頃から本を読むのが好きで、いつか自分も誰かをワクワクさせられるような小説を書きたいと思っていたせいかもしれない。一回目の高校生の時では、友人に即興の物語を聞かせてやり、帰り道の一興にする事もしばしばあった。

それはさて置き二日目には特にニュースというニュースは無かった。授業もまだ始まらず、ホームルームだけの半ドンだし、部活も実はまだ活動しておらず、一年生向けの部活動紹介も終わってないのだ。おそらく、一年生でここまで入部が早かった人はいないだろう。俺自身、前世? の記憶通りのチームメンバーはまだ集めようとせず、部活動紹介の後に勧誘しようと思っている。

特にやることも無いから荷物を纏めて帰ろうとする。その時、ふと思いついた。街の施設はどうだったか? まだあの施設は立っていないのか? そう言うことを言って大丈夫なのか? そう思って俺は街を散策する事にした。

 

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電車で数駅。最寄りの大きな駅、北口駅にたどり着いた。 昔、アニメの舞台になったから、所々にそのアニメのキャラクターの絵が描かれている。

行きつけのゲーセン。よく行く本屋。帰りによく寄ったファーストフードのチェーン店。大体記憶とおりにあったが、いくつかはまだ無かったり、寧ろまだあったりした。

アニメでよく使われた喫茶店は、俺が卒業した時くらいに移転となってしまったし、アニメのキャラクター達がよく立ち寄ったファミレスは、一年生の夏くらいには取り壊されてしまった。ファンとしては当時、なかなかに凹んだ記憶がある。

しかし、こうしてまた拝める日が来るとは……人生何が起こるか分かったもんじゃあない。そして改めて見てみると、俺の街は案外面白いものが沢山ある。娯楽施設は少ないけど、色んな専門店や、大型のショッピングモール。少し、電車に乗れば日本でも有数の大都市二つに簡単にアクセス出来る立地の良さ。

改めて自分の街の良さを実感して、俺はその日家路についた。

 

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翌日、長くきつい坂を登りながら登校中、クラスメイトの1人にあった。何を隠そう、コイツこそが前世? で俺が即興の小話を聞かせてやり、俺の話を真摯に聞いてくれた読者(正確にはこの頃は聞かせてやっていたから読者ではなく傾聴者とでも呼ぼうか)第一号だった。偏差値のあまり高くない俺の学校では、一応の進学の体を装っている実質の就職クラス四クラス。理系と、国公立クラスを狙う文系の混合クラス二つに分けられる。一応理系の俺は文系進学組のそいつと三年間同じクラスで、休み時間でもよく話していた。

 

「おはよ」

 

そう言いながらそいつの背中を軽く叩く。この前の一件で騒ぎすぎたせいか、俺の顔はクラス中に広まっているから「誰だお前?」という目を向けられずに住む。

 

「あ、おはよ」

 

そう言って向こうも挨拶を返してくれる。実はこいつもハンドボール部の仲間なのだが、どうやって入ってくれたかよく覚えていないのだ。大きな出来事は覚えていても細部まではさすがに覚えていられない。というか、そんなことが出来るなら俺はもう少しテストで余裕を持った点数を取れていただろう。

閑話休題。そいつと挨拶を交わしたあとはありきなりな会話をしながら一緒に登校する。そう言えばいつも一緒に帰っていたけど、こいつと一緒に登校することはあまりなかった気がする。俺がいつも誰よりも早く登校するのが主な理由な気もするけど……。早朝、職員室で鍵を借りて、教室のドアを開ける時の空虚に響く音が好きなのだ。

そいつとは特に共通の趣味は無かったが、話をすると直ぐに意気投合し、一緒に校門をくぐる。昇降口の時計を見上げると、まだ八時でおそらくまだ誰も教室には来ていないだろう。

 

「どうせまだ誰もいないだろうし、鍵。職員室に借りに行こうぜ」

 

俺がそう言うと、そいつも頷いて2人で二階にある職員室まで鍵を借りに行った。

 

「いつもこんな時間なのか?」

 

こんな時間に鍵を取りに来る一年生が珍しいのだろう。先生も不思議そうに俺たちを見下ろす。俺はそんな不躾な視線を三年間耐え抜いたのだ。飄々と受け流し

 

「先に校舎を少し回ろうと思うんですよ」

 

と適当に受け答える。

そうして鍵を受け取って渡り廊下を歩いて教室まで行く。俺が鍵を差し込む。

ガチャリと心地のよく、三年間一人で聞き続けた音を今日は二人で聞いた。

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