ファントムオブキル√アリス~七人の姫と名の無い英雄~   作:侍project

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少年アリスが目を覚ますと、そこは見知らぬ花畑、そして自身が記憶喪失であることに気が付くさらに、゛異族゛という名の怪物に襲われ絶対絶命のピンチを救ったのが゛ティルフィング゛と呼ばれる゛キラープリンセス゛の少女だった!!」

「あの…マスター…何をしてるのですか?」

「これまでのあらすじ紹介をしているところ」

「あらすじ紹介…ですか…」

「ほらっ、ティルフィングも」

「この台本を読めば良いのですね…分かりました」

「さらに、゛ティルフィング゛そっくりの゛イミテーション゛と呼ばれる存在に襲われるも協力して撃破するのだった」

「どうなる第2話!?」

「ふふっ、楽しそうですね、マスター」

「あぁ!やってみたかったんだよね!」

(何故かしら…マスターの笑顔を見ていると…私も…嬉しいのは…?)

「どうした?ティルフィング?」ズイッ

「なっ何でもありません!!」

「?」

―――――――――――――――――――――――――

仮面ライダービルドのあらすじ紹介が好きすぎてマネしてみました…


第2話~キラープリンセス~

~アリスside~

 

「あの…マスター…怪我の具合は大丈夫でしょうか?」

 

「あぁ、問題ない…血が滲んでるけど…」

 

握手を交わした時に再び出血した所を心配するティルフィングまぁ、そりゃそうだ…でも今は

 

「で、さっきの言葉はどういう意味なんだ?」

 

俺はあの言葉が一番気になっていた

 

「俺のことを探してたって…いったい…」

 

「はい…私はアナタのことを探し続けてきたんだと思います」

 

何でティルフィングは俺を…

 

「でも…何で俺を…?」

 

「…なぜと言われても…一言では説明し辛いのですが…」

 

「どゆこと?」

 

「どう言うことと言われても…?」

 

そう疑問に思ったその時

 

「本当にどう言うことよ?!」

 

何か…変なのが翔んできた…

薄茶色の髪、頭の左には花の髪飾りがつけていて、水色と桃色の四枚のトンボみたいな羽をした…手のひらサイズの…

 

……………妖精がいた…………

 

………何だあれ………

 

「ちょっと!あれって何よ!あれって!?」

 

「……別に…」

 

何で分かった?

 

「顔に出でたわよ!」

 

「あ、やべ」

 

「やべじゃないのよ!それより!」

 

「探し続けてきたってどういうことよ!?」

 

「まさか、゛マスター゛を見つけたってこと?…適合タイプは!?」

 

「もちろん一致している…でも、それだけじゃないの」

 

「一致してるって…それが答えじゃない!あああ、なんてこと!?」

 

「アタシがチョコ買ってる時にアナタのいる方向から変な大声が聞こえてきて、急いで戻ってきたらなんて劇的な展開になってるのよ!」

 

やべぇ…結構遠くまで聞こえてたのかよ…

 

つーか、置いてけぼりになってね?

 

「ともかく…やったじゃん、ティルフィング!!」

 

「あー、ティルフィング、こいつは…?」

 

突然話に割り込んできた妖精はどうもティルフィングの知り合いみたいだな…ま、一応聞くか

 

「あ、すみません紹介がしていませんでしたね、妖精のデュリンです」

 

「どうも、はじめまして!アタシが妖精のデュリン、ティルフィングの相棒よ!」

 

まぁ、一目見れば妖精ってことは分かる…羽あるし…小さいし…なんて思ってパタつかせている羽をみてたら

 

「分からないことも多いでしょうけど、何かあったらアタシに気軽に…」

 

「って、誰が妖精よ!!」

 

「どこ見てんのよアンタ!!失礼過ぎるわよ、このバカ!!」

 

「勝手にキレんな!自分でも乗ってといて!!」

 

「うっさいわよ!と言うか、どっかで聞いた声だと思ったらアホみたいな内容の大声上げてたのアンタでしょ!?」

 

「それを言うなぁ!!テメェに何が分かる!記憶を失ってどこだか分からない俺の気持ちが!そして今!ちっこい妖精にキレられてる俺の気持ちがお前に分かるかぁ!?」

 

「何ですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「デュリン、落ち着いて!す、すみませんマスター!デュリンは妖精扱いされると怒ってしまうんです…あとで…チョコでご機嫌をとらなきゃ…」

 

「今度、アタシを妖精扱いしたら…その鼻に、ナッツを突っ込んでやるから!!」

 

「やってみろ!お前を電子ジャーに封印してやらぁ!!」

 

「何よ!電子ジャーって!?」

 

「知るか!何か頭の中に浮かんだ!」

 

ギャーギャーギャーギャー

 

そんなバカ騒ぎをやってる最中、

 

「っ!」

 

「どうしたのよ…アンタ…」

 

俺が反応に戸惑いを見せたデュリンに対し、俺はティルフィングに言葉をかける

 

「ティルフィング…」

 

「はい…来るっ!!」

 

その瞬間

 

゛ガガァァァリィィィ…!!!゛

 

俺を襲った゛異族゛ってのが出てきやがった!またかよ…

 

「ク…ッ!ここは王国不干渉の外地…゛異族゛多発地域よ…とにかく、急いでここを切り抜けるわよ!」

 

チッ、道理で多いわけだ…かなりいるぞ!

 

「マスター!行きましょう!」

 

ティルフィングがそう言うと、前に駆け出し異族の一体を切り倒し、斧を振るってきた固体もなんなく避けた瞬間、剣の突きによるカウンターを食らわせた

 

「よっしゃ!」ザッ

 

俺も前に出で戦おうとするが

 

「ちょっと!何のつもり?!危ないから下がってなさい!!」

 

デュリンが慌てて警告するが

 

「知ってるよ!」ダッ!

 

急いでティルフィングの元に援護へ向かう

 

「あのバカッ!正気!?」

 

確かにそう思うだろぅ…武器もないのに怪物共の群に突っ込むなんざ、勇敢なのかバカなのか…いや、この場合は蛮勇だろう…武器がなければ肉体で…て言うのもあるけど…まだ自分のことも分からないんだ…たが…唯一分かってるのは…

 

 

 

このガタクタが゛武器゛だということだ

 

『神器起動・(剣)形態移行』

〔スタートアップ・ブレード・オン〕

 

その詠唱と共に、ガタクタが剣へと姿を変えた

 

「な…何よ…あれ…」

 

デュリンが驚いた表情を浮かべながら呟いていたが…それが聞こえた時には、異族の一体をたたっ斬り、ティルフィングの隣で剣を構えてた

 

「マ、マスター…」

 

「よっ!助っ人に来たぜ!!」

 

俺が軽く挨拶をするが

 

「マスター!早く後ろに下がって下さい!!危険です!」

 

「知ってるって」

 

「では何で!?」

 

「俺も戦うからだよ」

 

「何を言ってるのですか!?先程の戦いはあくまで運が良かっただけです!マスターを守るはずなのに死なれるようなことになったら…私は…」

 

「……俺も同じだよ…」

 

「…え?」

 

「俺だってな…ティルフィングに死なれたくねぇんだよ…お前が俺の目の前で戦ってるのに…ただ突っ立ってるだけなのは嫌なんだよ…」

 

「…」

 

俺の言葉を聞き続けるティルフィング

 

「それに…」

 

「俺はティルフィングの傍に居たいしな」

 

「エッ!?」ボッ

 

あ、ヤベッこれじゃ告白みてぇじゃねぇか!

 

「いや違った!そういう意味じゃなくて…お前のことをもっと知りたいっつうか…そうそれだ!お前を知るには近くに入れば分かるって言うか…ティルフィングにも俺のことを知って欲しいし…」

 

駄目だ…上手く言葉が出ねぇ…俺の答えにティルフィングは…

 

「もう…好きにして下さい!」

 

顔を赤くしながら俺に諦めたようにそう言った

 

「私はマスターを守るのでも守られるのでもなく…」

 

 

 

 

 

「…一緒にお互いを守り合いいきましょう!」

 

笑顔でその言葉を言いながら

 

「…あぁ!」

 

何で…アイツが俺を探していたのかが分からない…でも…これだけは一つ言える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぜ!ティルフィング!!」

 

「はい!マスター!!」

 

 

 

 

ティルフィングと俺は

 

 

 

ザシャァァァァァァ!!

 

 

 

 

゛グギャァァァァァァァァァァ!!!!゛

 

 

相性がいい!!

 

 

「このまま切り抜けるぞ!」

 

「はいっ!」

 

そう言い、俺達は゛異族゛と呼ばれる怪物達を切り伏せ、突破していった…

 

 

 

 

 

 

すっかり囲まれたけどね…

 

 

 

~アリスside out~

 

 

 

~デュリンside~

「全く信じられないわ」

 

アタシ達はすっかり異族に取り囲まれたわ

 

「あぁ、この状況をどうにか打破しねぇとな…」

 

「この状況を招いといてよく言うわ!!」

 

「俺のせいだって言うのか!?」

 

「アンタがティルフィングを守るとか言って突っ込んだのが原因でしょ!?」

 

キル姫はマスターを守るはずなのにこのバカは

 

「一度決めたことはやり通すもんだろ!!」

 

何でこんな意地をはってんのよ!それにアタシが気になるのはあの゛神器゛よ!

 

「その結果がこれじゃない!すっかり囲まれちゃったじゃない!と言うか、さっきの何なのよ!あんな゛神器゛見たことないわ!?」

 

「俺だって分かんねぇよ!大体゛神器゛って何だよ゛神器゛って!?さっきの゛イミテーション゛ってのも言ってたし!?」

 

「゛神器゛を知らないの!?全く、゛異族゛と言い゛神器゛と言い!知らなさすぎよ!」

 

「しゃあねぇだろ!さっきも言った通りここはおろか自分のことも分からねぇんだ!」

 

「どういうことよ?」

 

「…゛記憶゛が無ぇんだ」

 

「アンタも…ティルフィングと同じなの…?」

 

こんな偶然ってあるの?

 

「は?それ、いったいどういう゛ガァァァァ!゛ッ!」

 

異族の一体が襲い掛かった攻撃をコイツは剣で防ぎ、そのまま首を切り落とした…人間が゛異族゛に対抗出来るなんて…

 

「大丈夫か!」

 

「…えっ!えぇっ!まぁ…」

 

「二人とも、もう少し真面目に!」

 

゛異族゛を前にティルフィングが注意する

 

「あっ悪りぃ」

 

「そもそもティルフィング…コイツが゛異族゛を引き寄せる真似なんてするせいよ!」

 

「悪かったな!」

 

「もうやっと出会えたマスターなのよ?そんなこと言わないで」

 

「そりゃそうだけど」

 

「それに…マスターは私のことを守ってくれるし、私もマスターを守るから…」

 

全くこの娘ったら…

 

「ちょっと、あんた…ティルフィングの足、引っ張らないでよ?」

 

「誰が引っ張るかよ」

 

「マスターの身は…私が守ります!!」カチャリ

 

「俺だってな!!」ジャキッ

 

そう言うと二人はお互い連携し合い、゛異族゛を殲滅していったわ…

 

まぁ…マスターってのは何かぎこちない動きだったけど…

 

~デュリンside out~

 

 

 

 

 

~ティルフィングside~

マスターと共に゛異族゛の殲滅が完了し、綺麗だった花畑が血の海にそまった

 

「ふぅ…゛異族゛まみれの花畑だったわね、綺麗な景色が台無しよ」

 

そうデュリンが呟いた…私が…これを招いてしまったのね…

 

「この惨劇を…また私が…」

 

そう落ち込んでいるとデュリンが

 

「なに、また後悔してんの?言っとくけど殺らなきゃ

今頃、゛異族゛の腹の中よ?」

 

そんなことは分かっているのだけど…

 

「でも、こんなにも残酷なことを…私がやったなんて…」

 

その時

 

「なら俺も同じだよ」

 

「マスター?」

 

「俺だってお前と協力して、この現状を起こした帳本人の一人だよお前ばかり背負い込むなよティルフィング」

 

確かに、マスターも協力していたのだけど…

 

「でも、私はマスターより多く゛異族゛を切っていたので…」

 

「数がどーしたよ数が、俺も殺った時点で事実に代わり無いだろ」

 

「お前が罪悪感を抱える必要事項なんてねぇよ、現に、俺達がやらなきゃ皆あの化物どもの餌食になってたし」

 

「確かにそうですが…」

 

「俺も抱えてやるよ」

 

「お前の苦しみも俺が抱えてやるよ…同じ記憶の無いもの同士、同じ惨劇を起こした者同士、一緒に抱えてやるよ…仲間として…なにより゛マスター゛って奴としてな」

 

本当に…あなたと言う人は…

 

「マスター…ありがとうございます…」

 

「そうよティルフィング!何もアンタが抱え込む必用なんてないわ!それにアンタ!何゛マスター゛なのに前に出てるのよ!死んだら元も子も無いのよ!!」

 

「だって助けたかったんだもーん」

 

「何よそれ!?゛マスター゛ってのは゛キラープリンセス゛を制御し、統率することよ、前線で戦ってどうすんのよ!?まぁ、ティルフィングの励ましは良かったけど」

 

「゛マスター゛って奴のいろはなんて、そんなのどうでも言いっつの!」

 

「何がどうでもいいのよ!」

 

先程と同じくまたデュリンと゛マスター゛が口喧嘩を始めてしまった…もう…デュリンったら…でも、マスターにばかり背負い込ませる訳にはいかない…慣れていかないと…

 

「はいデュリン、チョコレート」ポムッ

 

デュリンの口にチョコレートを押し込み口喧嘩を中断しないと…

 

「ムグッ、…アンタねぇ…人がこのバカにお説教してる時に…モグッ…こういうもので誤魔化そうっだって…ムシャ…」

 

「そう言いつつも食ってんのな」

 

「…何よ、これ!?」

 

「うおっ!」

 

「この舌を包み込む食感…初めてだわぁぁぁ!?」

 

良かった…機嫌を治してくれたみたい…

 

「どうしたんだ一体…?」

 

「マスター」

 

「ん?」

 

「記憶が無くて不安なのは、私も一緒です」

 

「自分が何者なのかを指し示すのは、体に染みついた戦闘術と…魔剣゛ティルフィング゛から与えられた名前だけ…」

 

私もあなたと同じ、記憶がありません…何者かさえも…分からない…

 

「でも、心配しないで下さい、゛マスター゛が私を守り支え合うように、私もマスターの傍で守ります!」

 

「ティルフィング…」

 

「そして、この喉越し…初めてだわぁぁぁ!!」

 

「まだやってんのかよ…空気ぶち壊しやがって…」

 

マスターが呆れてしまってる…デュリンとも仲良くやっけいけそうな気がします

 

「ふふっ、゛デュリンが怒ったらチョコレート゛…こんな風に、一緒にこの世界のことを知っていきましょう」

 

「最高だわぁぁぁ!」

 

「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

ふふふっ、これから楽しくなりそう

 

そんな私達を遠くの木の上から見る人影がいることに私達は気がつかなかった…それが新しい゛キラープリンセス゛の出会いになると…

 

 

 

 

「はぁ…せっかく気持ちよく寝てたのに…遠くまで聞こえるバカ騒ぎされたら…寝れないじゃん…」

 

 

 

 

「はぁ…めんどくさい…」(でも…何か楽しそう…)

~ティルフィングside out~

 

 

~三人称side~

二人と一匹が「誰が一匹よ!」おっと失礼…では気を取り直して…コホン…

 

三人がバカ騒ぎを終えた後、アリスがあることに気が付いた

 

「そう言えば…どこに行けばいいんだ?俺達?」

 

「あ、そうそう!よく考えたらアンタ達今一状況が呑み込めてなかったわね」

 

「まずは世界樹゛ユグドラシル゛を目指すの」

 

「世界樹…゛ユグドラシル゛?」

 

「゛ユグドラシル゛てぇと…あの北欧神話の?」

 

「アンタ…記憶が無いくせによく知ってるわねそんなこと…」

 

「いや…何故か知らないけど…知ってんだよね」

 

アリスの言葉に呆れるデュリン

 

「まぁ、良いわ話を続けましょう。゛ユグドラシル゛はこのラグナ大陸の中心にそびえ立つでっかーい世界樹。そこがアタシ達の目指す場所なの」

 

その世界樹はここからでも微かに見えていた、世界樹の名の通り、この距離からでも見えるとなるとその巨大差は愕然とするだろう

 

そんな折、アリスはユグドラシルを懐かしむように眺めていた

 

「どうしたのよ?ユグドラシル何か見て、はは~んあまりの大きさに驚いてるの?」

 

からかう用にデュリンが言うが

 

「いや、何か何処かで見覚えがあるんだよ…」

 

「何よそれ?」

 

(夢に出てきた大樹にそっくりだな…)

 

「…いや…何でもない…」

 

「変なのっ、とにかくアタシ達の目的地はアンタの見てる所、わかった?」

 

「あぁ、でも何でそこに目指す必用があるんだ?観光でもするのか?」

 

「ばっかじゃないの?正しくは、ユグドラシルの麓にあるラグナ大聖堂ってとこに行くのよ」

 

「ラグナ大聖堂?」

 

「そっ、そこで洗礼を受けることでマスターの称号を授かり、初めてラグナロク教会が゛キラープリンセス゛の指揮権を正式に認めたことになるのよ」

 

「色々とめんどくさいんだな…」

 

「グチグチ言ってないで、マスターとなるべく、いざユグドラシルへ!」

 

「おーっ」

 

やる気の無い声で言うアリス

 

「ふふっ、えぇ、行きましょう!ユグドラシルへ!」

 

頬笑み、張り切るティルフィング

 

 

歩いて数分後、またも゛異族゛と遭遇するが、アリスとティルフィングの連携により最期の一体が残る

 

「゛異族゛の最期の一体を追撃します!マスターはそこでお待ちください!」

 

「あっ」ダッ

 

アリスが反応をするもデュリンがそれを止めるように前に出る

 

「ストップ、これ以上戦ったら危険よ」パタパタ

 

「大丈夫、殺されねぇよ」

 

「そういう問題じゃないの、寄生される可能性があるわ」

 

「は…どういうことだ?てか、あの怪物ども何なんだ?」

 

切り刻まれた゛異族゛なる怪物達の屍体を見ながらそうアリスは言った

 

「あの怪物達は゛異族゛…人々を喰らう、人間の上位捕食者であり…この大陸最大の驚異よ。だからもう戦わない方が良いわ」

 

「あんなのが大陸中にウジャウジャいんのかよ…」

 

「そっ、大陸最大の驚異に対抗出来るのが、キラープリンセスだけなのに…」

 

「どうした?」

 

口をつぐむデュリンを疑問に思うアリス

 

「あれが原因なのよ」

 

「えっ?」

 

デュリンが指を指した方向を見ると…そこには

 

「…これで終わりよ…っ!」

 

恍惚の表情を浮かべ、゛異族゛に止めをさすティルフィングの姿があった

 

「…ティルフィング…どうしたんだ!?あいつ…」

 

(さっきの゛イミテーション゛って奴に止めを指した時と同じじゃねーか!)

 

心の中でそう考えるアリス

 

「彼女達は対象を殺す瞬間、あんな風に快楽満ちた表情を浮かべるでしょ?」

 

「…あぁ」

 

「それが、人々を気味悪がらせてるのよ」

 

デュリンがそう言った瞬間

 

「…消えなさい!!」

 

ティルフィングは恍惚に満ちた表情で、異族を切り刻み、止めをさした

 

「…『恍惚の斬殺者』…」

 

 

 

 

 

「それがあの子達の通り名…」

 

 

 

 

 

「異族をただの肉片に変えるあの子達は世間から不気味に見え…忌み嫌われる存在なのよ。…侮辱の意味を込めてね」

 

 

デュリンのその言葉にアリスは…

 

 

 

「チッ!胸糞悪ぃ…命懸けで守ってんのに何様で言ってんだよ…その連中はよ…」

 

その目に…静かに燃える…怒りの火が灯っていた…

 

「…ふふっ、すっかり熱くなっちゃって…少しはマスターっぽくなってきたじゃない」

 

そんなアリスに笑みを浮かべるも、嬉しそうにそうデュリンは述べた

 

「…マスター…そう感情的にならないで下さい…私は…大丈夫です…」

 

そんな怒りを浮かべるアリスをティルフィングはなだめる

 

「…そういう問題じゃねぇんだよ…」

 

「はいはい、そんな空気にならないで!早く近くの村で一息入れましょう」

 

デュリンがそんな空気を和ませるように、目の前に見える村に目指して羽を羽ばたかせた

 

「………」

 

しかし、そんな空気とは裏腹にティルフィング達キラープリンセスの世間からの扱われる現状にアリスはただ、静かな怒りを灯していた…

 

 

~三人称side out~


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